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Posted by ブクログ
折原さんらしい世界が広がっている物語だった。
一冊の小冊子・・・「遭難記-魔の森調査報告書」。
樹海の山荘にたどり着き、遭難し、死亡した男が残した手帳を小冊子にしたものである。
民宿の主人は、山荘にまつわる殺人事件を客である学生たちに語って聞かせる。
来る客、来る客、そのすべてに聞かせるように。
当然、話を聞いた学生たちは好奇心にかられ、興味本位で山荘を目指して樹海へと足を踏み入れる。
繰り返される悲劇は徐々にその様相を変え、本来の事件すらもいろいろなものが付け足されて伝説の中へと飲み込まれていく。
まるで山荘が樹海へと飲み込まれたように。
三話に共通して登場する人物が民宿の主人である。
彼は山荘の語り部となって、次々に樹海へと人々を送り込んでいく。
樹海の危険を説きながら、一方では若者たちの好奇心を煽る役目を果たしている。
殺意も悪意も連鎖し、誰も彼もが樹海の毒気にあてられたように精神を狂わされていく。
狂気と殺戮を操る傀儡師の存在を疑うこともなく・・・。
折原さんの描く物語が好きな人は楽しめるだろうが、繰り返される似たような描写に少しだけ辟易するかもしれない。
事件の背景があまりにも「いかにもな出来事」なのが、何となく物足りなくあっけない気もした。
逆に「いかにもな出来事」が伝説まで作りあげた不気味さも感じたけれど・・・。
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