歴史・時代小説の検索結果
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花蝶屋の三人娘
水茶屋の看板三人娘、果たしてその正体は? 「花蝶屋の茶でも喫すれば、流れが変わるに違いない」 南町奉行所の狼こと、定町廻り同心の沢井勝之進は行きつけの水茶屋に顔を出した。 人気絵師殺しの探索に手こずり、一息つきたい――というのは口実で、お目当てのお蘭に逢いたいのだ。 お蘭は花蝶屋の看板三人娘のひとりで、清楚で生真面目な十九才。 あとのふたりは、艶っぽく熟れた二十一才のお藤、甘えん坊でお転婆な十七才のお桃だ。 お蘭は勝之進に茶を淹れつつ、素知らぬふりで探索の進み具合を聞き出して、にこりと微笑む。 だが、のぼせ上っている勝之進は何も気付かない。 実は看板三人娘は、自分たちの仇を探しながら、頼まれれば他人の復讐も引き受ける〈仇討ち屋〉なのだ。 花蝶屋の主人お稲や鍼灸医の桂雲、美男双子の岡っ引き六助と七弥とともに、三人娘が人気絵師殺しを暴く! 人気沸騰中の作家が贈る新シリーズ、堂々の幕開け! -
落語小説集 子別れ
直木賞作家による、落語「人情小説」集! ●子別れ 腕の良い大工だが呑兵衛の熊五郎。呑み過ぎないよう妻のおとくに釘を刺されていたが、棟梁に前借りした50万円を、遊郭ですべて溶かしてしまった。愛想をつかしたおとくは、一粒種の亀吉を連れて出て行ってしまう。 ●景清 腕のいい鏨彫り物師だった定次郎は、目の病を患い、わずか半年で失明してしまった。かつての仕事への未練を捨てられず、目の病に御利益があるという赤坂の圓通寺の日朝さまに、願掛け参りを始める。 ●後家殺し 刃物研ぎ宿「研ぎ常」の親方である常吉の強みは、声の良さにある。義太夫の師匠中堀十元に、熱心に稽古をつけてもらっていた。天保三年六月、常吉は運命の女に出会う。 ●火事息子 蔵前天王町の大身札差・伊勢屋四郎左衛門は、従弟で質屋を営む伊勢屋藤右衛門の息子・藤三郎を溺愛していた。火消しに憧れる藤三郎のために、四郎左衛門は火の見やぐらを建設し、半鐘番に就けるよう根回しをした。 ●柳田格之進 彦根藩納戸役を免職となった柳田格之進は、浅草馬道の碁会所で質屋、万屋源兵衛と対局し意気投合する。対局はその後、万屋の離れにて行われることになり、二人の関係は、八月の十五夜まで盤石だった。 ※この作品は単行本版『後家殺し』として配信されていた作品の文庫本版です。 -
薫風ただなか
江戸時代中期、十五万石を超える富裕な石久藩。上士の息子でありながら、鳥羽新吾は藩校から郷校「薫風館」に転学する。母からは強く反対されたが、毎日仲間たちと切磋琢磨しつつ青春を謳歌していた。かつて通った藩校は家格で全ての順列が決まる息苦しい場所だった。ある日、気の強い母を厭い落合町の妾の家に暮らす父が久しぶりに家に戻ってきた。新吾と二人きりになると「薫風館」を探る間者になれと新吾に命じる。「薫風館」の教授陣の中に、藩主の暗殺に関わる陰謀があるという。それは新吾の仲間たちまでも巻き込む嵐の前触れだった! -
信長の軍師外伝
光秀と信長。同床異夢の二人を分けた天の采配とは……。名門土岐(とき)源氏の血を引き継ぎ、明智家の養嗣子となった十兵衛光秀。神童の誉れ高い少年は、美濃の碩学・快川紹喜(かいせん・じょうき)に見出され、師弟となる。快川は織田信長の師である沢彦宗恩(たくげん・そうおん)とともに、臨済宗妙心寺派の最高位をつとめ、兄弟弟子でもあった。光秀は乱世の有力武将に兵法治世を学ぶため、諸国遊行に励む。しかし、その心の裡には奸雄をも喰らう狼が棲んでいた――。瞠目の新説で歴史ファン、時代小説ファンの度肝を抜いた『信長の軍師』(祥伝社文庫/全4巻)の著者が満を持して放つ空前の「明智光秀伝」! 迫真の書下ろし巨編(上下2巻)を緊急電子化!(下巻へ続く) -
万葉集歌解き譚
万葉集の歌の数々が味わえる!新シリーズ。 日本橋の伊勢屋で奉公する助松には、父親の大五郎がいた。しかし、一年半前に伊勢屋の仕事で富山に出かけたまま、行方不明になっていた。父は、助松に日記を残していた。このことは決して他人に話さないように言われた。日記には和歌らしきものがいくつも書かれている。 伊勢屋の一人娘しづ子は助松より六歳上で、和歌が好きで賀茂真淵に学んでいた。そして、店の大切な客人である占い師の葛木多陽人も和歌に造詣が深かった。多陽人は京都生まれの京都育ちで、回りがぽかんと見惚れてしまう程の美男子だった。 助松は、二人に事情を知らせずに日記に記された歌の意味を少しずつ、教わっていた。 ある日、体調を崩した大友主税という若い侍を助けたことがきっかけで、しづ子に和歌を学びに主税が訪れるようになった。しかし、主税がしづ子に近づいたのは別の理由があったのだった。 その後、しづ子は密かに姿をくらましてしまう。 大五郎としづ子の失踪には、関連があったのだ。 日記に記された和歌の数々には、どんな意味があったのか。 一連の謎は解き明かされるのか――。 万葉集の和歌が面白さが判る、新シリーズ! -
遙かなる城沼
人の絆の大切さを描いた時代小説。 館林藩の武士である村瀬家の長男惣一郎は、弟の芳之助や妹千佳、友人の梅次と塾や道場通いを続けていたが、成績優秀な芳之助が藩校に行くことになった。それを妬んだ幼馴染みの寿太郎たちが乱暴し、寿太郎は塾や道場を変え離れていった。父源吾は、罪人を逃したことで家禄を減らされていた。やがて、病に倒れた父に代わって、藩の仕事を行うことになった。 そんなある日、筆頭家老の岸田が殺された。表向きは病死とされた。背景には藩を二分する派閥争いがあり、源吾は牢破りの件もその内紛が関わりがあると、真相を告げたのだった。 やがて、浜田藩への国替えが決まる。子どもの頃から一緒だった綾を嫁に迎え、子どもも生まれた惣一郎は、主君の松平斉厚に従い、家族と浜田へ移った。そこに、生田万の元にはせ参じたまま音信不通となっていた寿太郎からの手紙が届く。そこには、故郷に帰りたいと書かれていた――。 家族や友情の絆の大切さを歌いあげた、長編時代小説。 -
天正真田戦記
越後・上杉家と関東・北条家を結ぶ重要拠点、上野沼田。この地にて若き真田幸村は十倍以上の数で攻める北条家に対し、知略と勇猛さをもって必死の攻防戦を繰り広げていた。それは後の北条征伐のきっかけとなる名胡桃事変の開幕でもあった──。小競り合いを繰り返す真田と北条にやがて豊臣秀吉から停戦勧告が下される。沼田を与えられた北条だが、名胡桃城だけは真田領として残された。最前線では過去から続く因縁が爆発し、ついに名胡桃侵攻が始まった。果たして北条家滅亡を目論んでいるのは誰なのか。そして若き幸村の想いとは──。 -
美女たちの日本史
元正天皇から、平清盛の妻・時子、北条政子、日野富子、お市の方―女帝、国母、戦国大名など、時代を動かしてきた女たち。彼女たちは政治力、外交力に長けた権力者だった。 歴史小説を描いて五十年。 歴史とは、女性とは何かを考え続けてきた著者が、男本意の見方によって隠されていた日本史に光を当てる。女の側から見ると、こんなに面白い日本史。 【著者プロフィール】 大正14年東京生まれ。東京女子大学国文科卒業後小学館に入社し、『女学生の友』『マドモアゼル』の編集者を務める。 小学館時代から歴史小説を執筆し始め、昭和39年『炎環』で直木賞を受賞。その他にも吉川英治文学賞を受賞した『雲と風と』等多くの素晴らしい作品を世に送り出している。 男性的目線になりがちな歴史人物や歴史事件を解きほぐし、その陰になりがちな女性にも焦点をあて、歴史上の人物、出来事を鮮やかに浮かび上がらせる作風は、歴史小説に新風を巻き込んだものと評価されている。 また、直木賞受賞作品である『炎環』、『北条政子』などは、NHK大河ドラマ『草燃ゆる』(1979年)の原作として、また『山霧 毛利元就の妻』『元就、そして女たち』などは、同じくNHK大河ドラマ『毛利元就』(1997年)の原作としても知られている。 -
花宴
江戸から西に一八〇里の嵯浪藩で代々勘定奉行を務める西野家。一人娘で小太刀の名手である紀江は、父の弟子の青年にほのかな想いを寄せる。別の弟子と夫婦になった後も彼のことを忘れられぬ紀江だが、うしろめたさに苦しみながらも少しずつ夫と共に笑い合えるようになっていく。しかしある朝、思いもよらぬ事実が……。著者は『弥勒の月』『東雲の途』や、『燦』シリーズで時代小説家としても高い評価を受けるあさのあつこ。武士の家の娘として強く生きた女性を主人公に、人生のままならなさや真の愛情の意味を、四季や剣のみずみずしい描写とともにしっとりと描く傑作時代小説。 -
【大活字シリーズ】黒田如水
稀代の名軍師「黒田如水」を無頼派「坂口安吾」がリアルに描く! 【大活字シリーズ】黒田如水 豊臣秀吉の参謀として仕え、調略や他大名との交渉などに活躍し、後世では「両兵衛」「二兵衛」と並び称された竹中半兵衛と双璧をなす「黒田如水」。彼らなくして秀吉の天下統一はなかったかも知れない……。 その証拠に、秀吉は黒田官兵衛の才知を高く評価すると同時に、己の座をも脅かしかねないものとして恐れたとも言われています。 そんな稀代の軍師「黒田如水」を歴史小説、推理小説、文芸から時代風俗まで多岐にわたって活動した「無頼派」と呼ばれる作家の一人である坂口安吾が、歴史書を元に描いているのが本作です。 豊臣秀吉、徳川家康ら時の戦国武将たちと黒田如水が生き生きと描かれています。 【大活字シリーズ】は、通常の電子書籍よりも約200%拡大した大きな文字が初期設定されており、小さな文字を読むのが苦手な方、高齢者の方をはじめ、端末操作が苦手な方でも気軽に電子書籍を楽しめるような設定となっています。 タブレット型電子書籍リーダーでの読書に最適な設定となっています。 -
宮本武蔵
剣禅一如の境地を求めて剣の道を極めんとした宮本武蔵の半生を、吉川英治が国民的ロマンに昇華! 功名を立てようと関ヶ原の合戦に臨んだ新免武蔵(しんめん・たけぞう)、十七歳――。同じく参戦した同郷・宮本村の又八と敗軍の兵として、戦場近くのお甲・朱美母子の元へ身を寄せることに。朱美の父の仇敵を討ち果たし、郷里の宮本村へ帰ることにした武蔵だが、又八は母子とどこぞへ消えてしまった。 村へ到着した武蔵は、又八の許嫁だったお通と再会。理由あって二人は村を出ることに。沢庵和尚に諭された武蔵は剣の道を極める決意を固め、修行の旅に出るのだった。 第一巻 目次 〈地の巻〉 鈴 毒茸 おとし櫛 花御堂 野の人たち 茨 孫子 縛り笛 千年杉 樹石問答 三日月茶屋 弱い武蔵 光明蔵 花田橋 〈水の巻〉 吉岡染 陽なた・陽かげ 優曇華 坂 河っ童 春風便 巡りぞ会わん 茶漬 奈良の宿 般若野 この一国 芍薬の使者 四高弟 -
涅槃の月 おんな隠密闇裁き
結衣は殺された家族の仇を討てるのか。 五年前に源太と江戸に逃げてきた三村結衣は、徳蔵親方に拾われ、仏壇師の仕事で暮らしていた。 しかし、結衣には殺された家族の仇を討つという思いがあった。 下沢藩の御馬頭取の家に生まれた結衣は、聡明で身体能力にも優れていたため、隠密となっていた。そんなある日、他の何人かの隠密の家と同様に、一晩で家族を皆殺しにされたのだ。何者がいったいなぜ? 修復した仏壇を納めにいった先で、父の部下が不審死したことを知り、事件について調べ始めると、しだいに、藩の中枢にいる者による不正の数々が明らかになってきた。そして主流派と反主流派の争いに留まらない、権力維持のための黒い構図も、見えてきた。結衣たち家族の殺害も、藩の不正を調べていたことが背景にあったことがわかってくる。 自ら家屋に忍び込み、闇の核心に迫っていく結衣は、何者かに付け狙われ壮絶な斬り合いとなる。 仏壇の前で、復讐を果たすために人を殺してもいいのかどうか思い悩む結衣。また、江戸で再会した藤代弥一郎への思いも再び募って……。 はたして、結衣は家族の仇を討つことができるのか。 新進気鋭による書き下ろし時代小説、熱く登場! -
縮尻鏡三郎
町会所から千両箱が消えた! 前代未聞の事件は幕閣の醜聞に発展する。 捕縛したものを取り調べる仮牢兼調所「大番屋」の元締を勤める鏡三郎が今回遭遇する事件は、町会所の押し込み強盗。 町会所とは幕府が貧困や災害時の救恤のため民間に設けさせた機関で、そこから二万両が奪われたという。 鏡三郎らは犯人の行方を追うが、事件は幕閣が震撼するスキャンダルへと意外な展開を見せて……。 殺される証人、予測不能な展開。狡猾な事件の黒幕に迫れるか。 冷酷非道な悪に立ち向かう同心の決死の闘い。 ※この電子書籍は2016年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。 -
利休の闇
利休切腹事件の真相がいま明かされる! 利休と秀吉、共に頂点を極めた二人の確執の原因は何か? 『信長の棺』に始まる戦国の謎はいよいよ最終章へ。 秀吉が若かりし頃、まだ織田家の足軽大将に過ぎなかった頃、密かに茶の湯の作法を教えてくれた千宗易(利休)。本能寺の変の後、秀吉は天下人となり、宗易は秀吉の庇護の下、茶道界の第一人者として君臨する。だが、二人の蜜月は長くは続かなかった。宗易の茶道と秀吉の茶道への理解は、やがて大きく隔たっていく。 一方で広く大衆に受け入れられるよう質素で親しみやすい「政道としての茶の湯」を、他方では禅の「無」と「静寂」の空間創造を目的とする「悟りの場としての茶の湯」を提唱する宗易。だが、宗易の茶の湯を理解できない秀吉は黄金の茶室や北野大茶会など、宗易の理想とはかけ離れた方向へ茶の湯を変えていく。そして豊臣政権の複雑な政治状況の中、宗易は思わぬ誤算から窮地に陥っていく……。 著者84歳にして書き上げた、圧巻の歴史ミステリー! -
吉宗影御用(3) 老虎大難
煉獄島に投獄された老師を脱牢させることができるか……闇を奔り、奸を斬る男たちの暗闘 竜元寺の住職・道順和尚から呆庵に連絡が入った。生まれ故郷である朝鮮国に去った植畠喜平が「辱国の罪」により幽閉の身にある、と。師匠の危急に居ても立っても居られなくなった呆庵は、一統の常吉、小夜吉、耶弥に留守中の指示を出すと、対馬へと旅立った。情報を集めると、喜平が囚われているのは「煉獄島」と称される監獄で、無数の暗礁、切り立った絶壁に囲まれた要害の孤島だという。常識的には収監者の救出など夢のまた夢であるが、呆庵は救出作戦を断行する……。 長篇時代小説「吉宗影御用」シリーズ、第3弾。完結編。 ●磐紀一郎(ばん・きいちろう) 1938年、福島県いわき市生まれ。手塚治虫が設立した「虫プロダクション」の文芸部を経て、作家生活に入る。十年間の休筆期間ののち、満を持して発表された『吉宗影御用』シリーズなど時代小説界に新しい風を送り込んだ。 -
吉宗影御用(2) 陰陽の城
幕府転覆を企む破格の陰陽師が、江戸城に在る将軍・家重以下数千人を操る 前将軍・吉宗の秘命を受けた老隠密・植畠喜平が日本を去って四カ月。喜平の弟子・呆庵は新たな権力者となりつつある田沼意次に召される。呆庵の表顔は、両国にある四ツ目屋(大人の玩具屋)の主人である。「あまりに面妖な話でな」店先にふらりと現れた意次は、城内で起こる変事の数々を語り出した。探りを入れるべく、合胸衆の女差配・耶弥と共に、江戸の闇を疾駆する呆庵。統―幕府転覆を企む謎の陰陽師の正体とは……。 長篇時代小説「吉宗影御用」シリーズ、第2弾。 ●磐紀一郎(ばん・きいちろう) 1938年、福島県いわき市生まれ。手塚治虫が設立した「虫プロダクション」の文芸部を経て、作家生活に入る。十年間の休筆期間ののち、満を持して発表された『吉宗影御用』シリーズなど時代小説界に新しい風を送り込んだ。 -
吉宗影御用(1)
幕府庭衆十七家の陰技に賭け、断じてその男、野に放ってはならぬ 時代は宝暦の世。前将軍・徳川吉宗の股肱の臣として、三十年あまりにわたり幕閣に連なっていた大岡越前守忠相は、苦しげにうごめいた。こやつはいったい何者ぞ? 越前の前でつくねんと座り込む男。六十とも七十とも見える坊主頭の老人だ。「その才稀有。余が最も信頼する耳目なり」吉宗にそう言わしめた男が、幕府の治世を根底から揺さぶろうとしている。大岡越前が震撼し、田沼意次が仰天した「陰武鑑」とは……。 長篇時代小説「吉宗影御用」シリーズ、第1弾。 ●磐紀一郎(ばん・きいちろう) 1938年、福島県いわき市生まれ。手塚治虫が設立した「虫プロダクション」の文芸部を経て、作家生活に入る。十年間の休筆期間ののち、満を持して発表された『吉宗影御用』シリーズなど時代小説界に新しい風を送り込んだ。 -
元禄豺狼伝おぼろ
天下の御政道に牙をむき、悪法に立ち向かって江戸の町を疾駆する巨躯の黒犬 徳川綱吉の治世。生類憐愍令(生類憐れみの令)が発布された江戸の町では、皆が“お犬様”の脅威に怯えていた。誤って犬に怪我をさせてしまえば遠島。命を奪おうものなら磔、獄門は間違いない。だが、捕縛の手から民たちを救い出す、謎の一団が突如として現れた。彼らは市中の犬どもを蹴散らすために黒犬を使う。それもすさまじいばかりの巨犬である。つややかな漆黒の体毛。頭部から肩口にかけてなびく白いたてがみ。どこからともなく忽然と現れるこの犬を、人々は「お救い犬」と呼び、噂した。一方、幕府は彼らの存在に苛立ち、選り抜きの精鋭から成る「生類改方」を組織、お救い犬の探索を命じた……。長編時代小説。 ●磐紀一郎(ばん・きいちろう) 1938年、福島県いわき市生まれ。手塚治虫が設立した「虫プロダクション」の文芸部を経て、作家生活に入る。十年間の休筆期間ののち、満を持して発表された『吉宗影御用』シリーズなど時代小説界に新しい風を送り込んだ。 -
ご隠居は福の神
貧乏正義漢の無役旗本、居候のスーパー爺さん、皆の心に花を咲かせる。 可哀想な人を日々助けるが、自らは貧乏にあえぐ若旗本。 その屋敷に一人の老人が…。何にでも長けた「ご隠居」が、若殿を幸せの伝達師に! 心に花が咲く! 新シリーズ第1弾! 「世のため人のために働け」の家訓を命に、小普請組の若旗本・高山和馬は金でも何でも可哀想な人たちに分け与えるため、自身は貧しさにあえいでいた。ところが、ひょんなことから、見ず知らずの「ご隠居」を屋敷に連れ帰るが、料理や大工仕事はいうに及ばず、体術剣術、医学、何にでも長けていた。和馬はこの老人と暮らすうち、いつしか幸せの伝達師に! 「ご隠居」は何者? -
本多平八郎忠勝 家康軍団最強の武将
「家康に過ぎたるものが二つある。唐の頭に本多平八」……唐の頭とは徳川軍の武将がよくつけた兜の飾りであり、そして本多平八とは、生涯五十七度の合戦でついにかすり傷一つ負わずに華々しい武功を上げた不死身の武将本多平八郎忠勝である。そそり立つ鹿角の兜と黒鎧、金色の数珠を首から下げ、自慢の長槍「蜻蛉切り」を手に敵陣へと斬り込む勇姿には、信長が最大級の賞賛を与え、秀吉は配下に加えんと熱望したという。本書は、徳川四天王の一人にして、負け知らずの斬り込み隊長。高名なわりにはその実像が明らかでない戦国武将の生涯を、巷間伝えられる剛将としてばかりではなく、知略を兼ね備えた参謀としても活躍する若武者時代を中心に描く長編歴史小説。歴史好きにとっては、山岡荘八の『徳川家康』や隆慶一郎の『影武者徳川家康』などで縦横無尽に活躍する忠勝は、特にファンが多い武将である。今まで渇望されていた人物伝の待ちに待った登場である。 -
剣客旗本と半玉同心捕物暦
新米同心の香取民部が槍の名手・船岡と共に初めて殺しの探索に! 船宿の女将に続いて大奥の奥女中の亡骸が発見された。 絡み合ったふたつの殺しに隠された謎を解き、民部と虎之介が権力に切り込む! 香取民部は蘭方医の道を断念し、亡き兄の跡を継いで十手御用を担ったばかり。武芸はさっぱりの「半玉」だが、相次ぐ殺しの探索を行うことに…。民部を支えるのは剣客旗本の船岡虎之介、叔父・大目付岩坂備前守の命を受け、兵藤成義一之宮藩主の闇を暴こうとしているが、それは民部の追う殺しとも関係しているらしい。そして兄・兵部の死の真相も明らかになっていく⋯。 豪放な師と一本気な弟子、新シリーズ第1弾! -
北町の爺様
八森十蔵と和田壮平、白髪頭二人の隠し技は、早手錠と寸鉄と七変化。 定廻同心は三十から四十歳。 五十でようやく臨時廻。 その上の隠密廻同心は、六十を過ぎねば務まらない。 これぞ時代推理捕物帳! 隠密廻同心は町奉行から直に指示を受ける。将軍にとっての御庭番のような御役目だ。隠密廻は廻方で定廻と臨時廻を勤め上げ、年季が入った後に任される御役である。定廻は三十から四十、五十でようやく臨時廻、その上の隠密廻は六十を過ぎねば務まらない。北町奉行所の八森十蔵と和田壮平の二人は共に白髪頭の老練な腕っこき。早手錠と寸鉄と七変化を武器に事件の謎を解く。 老練の二人が事件を謎解く新シリーズ第1弾! -
白河大戦争
百日間の戦闘で千人の戦死者を出した戊辰戦争最大の戦い 新選組の「誠」、会津の「義」、そして、白河には「仁」の心があった。斎藤一隊長のもと、新選組も参戦した戊辰戦争最大の激戦・白河戦争で敗れ、奥羽越列藩同盟の敗戦が決定的となる。棚倉藩士(白河藩士)の子孫である著者が、戦いに翻弄されながら懸命に生きようとする武士と庶民の姿を描いた、歴史小説の力作。電子版あとがきを追加収録。 ●白川悠紀(しらかわ・ゆうき) 1956年生まれ。早稲田大学文学部卒業。高等学校教諭を定年退職。平成19年に小説「浪人」で福島県文学賞受賞。中山義秀記念文学館館長。退職後は中山義秀顕彰会理事。福島県文学賞企画委員。白河市議会議員。