歴史・時代小説作品一覧

  • 天地震撼
    3.8
    時は戦国時代中期、東国では武田、上杉、北条が、畿内では織田信長が、領国支配を広げていた。自らの死期が近いことを悟った信玄は、自身の死後も武田家を安泰とするために、甲斐国を出陣し、徳川領への侵攻を開始する。それを察知した家康も、同盟を結ぶ信長に援軍を要請しつつ、戦国最強の武田軍団と戦うことを決する。西へ西へと着実に歩を進める信玄だったが、残された時間はあまりに短く、やがて息子の勝頼や重臣たちにも明かさない、ある決断をするのだった――。
  • 天地人 上 天の巻
    3.9
    豪華キャストで話題を呼ぶ、2009年NHK大河ドラマ原作。兜の前立てに愛の一文字を掲げ、戦国の世を駆け抜けた上杉家知謀の執政・直江兼続。豊臣秀吉を魅了し、徳川家康を畏怖させた傑物、その苦闘と栄光の生涯を歴史小説の雄が十全に描き切る。

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  • 天を灼く
    完結
    3.3
    元服を目前に控えた伊吹藤士郎は、天羽藩上士の嫡男として何不自由ない生活を送っていた。 だが突然、父の斗十郎が、豪商と癒着した咎で捕縛されてしまう。無実を信じながら母や姉と共に不安な日々を過ごす中、ついに斗十郎に切腹の沙汰が。 一目会うべく牢屋敷に忍び込んだ藤士郎に、斗十郎は介錯を命じるが……。 ひたむきな生を描く青春時代小説シリーズ、第一弾!
  • 天地静大(上)
    4.0
    倒幕に揺れ動く幕末、若者たちは国の為に何をすべきかを模索していた。そんな中、東北の一小藩出身の杉浦透は、世間の流れに惑わされず昌平黌に入学し、学問の道に専念することを決意する。一方、水谷郷臣もまた、藩主の弟という立場に悩みながらも、己に忠実な生き方をしようと努力する。時代の動乱に巻き込まれながらも、懸命に生きる若者たちを描いた青春群像劇。

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  • 天地静大 全巻セット
    -
    武士や市井の人々の喜怒哀楽、義理や人情を通して限りない人間愛を描いた時代小説、人情小説の名手・山本周五郎の長編全集。第7巻は幕末動乱期を舞台にした青春群像劇の傑作「天地静大」。全巻セットの完全版。
  • 天地に燦たり
    4.0
    新直木賞作家、驚異のデビュー作 選考委員も絶賛した松本清張賞受賞作。 戦を厭いながらも、戦でしか生きられない島津の侍大将。 被差別民ながら、儒学を修めたいと願う朝鮮国の青年。 自国を愛し「誠を尽くす」ことを信条に任務につく琉球の官人。 秀吉の朝鮮出兵により侵略に揺れる東アジアを、日本、朝鮮、琉球の三つの視点から描く。 松本清張賞選考委員会でも絶賛された歴史エンターテインメント。 解説・川田未穂 ※この電子書籍は2018年7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 天地に愧(は)じず~御算用日記~
    4.5
    幕府御算用者・生田数之進(いくたかずのしん)は、御家騒動に揺れる播磨国高野藩(はりまのくにたかのはん)への潜入を命じられる。改易を目論(もくろ)む幕府の思惑を避けつつ、真実を掴もうとするが、そんな折り、藩士が何者かに襲われた。また、藩に怪しい隻眼(せきがん)の大男が出入りし……。やがて、その男の正体が判明し、戦慄が走った! 果たして、藩と数之進の運命やいかに!? 著者渾身の時代小説、大好評第2弾!
  • 天地雷動
    4.4
    知略と武力を駆使した壮絶な戦いと熱き人間ドラマ。 問答無用の本格合戦小説! 「武田信玄死す――」元亀4年、その噂が戦国の世を揺さぶった。父の悲願、天下掌握を果たすべく信長の追い落としを図る勝頼。生き残りを賭け謀略をめぐらせる家康。信長の命で大量の鉄砲調達に奔走する秀吉。そして兵として戦場を駆け回る地侍の宮下帯刀。男たちは長篠の地に集結し、死力を尽くした戦いに臨む。戦国の大転換点・長篠合戦と熱き人間ドラマを圧倒的臨場感で活写した、問答無用の本格合戦小説! <絶賛の声、続々!> 「この臨場感は何だ。歴史小説界を制する恐るべき合戦の<再現力>!」  ――縄田一男氏(文芸評論家) 「見事な歴史解釈と問いかけにより、物語も楽しめるし、歴史も楽しめる。一粒で二度おいしい作品」  ――本郷和人氏(歴史学者) 「武田家ものの決定版! 伊東潤ならではの史観を交えて描ききった戦国時代小説の新たな傑作」  ――東えりか氏(書評家)
  • 天と地と(一)
    4.3
    「これはおれの子ではないのかも知れない」為景は思った。長尾為景、63歳。妻は袈裟、21歳、その早過ぎる妊娠が、そんな疑惑を生んだ。が、生まれた赤ん坊は、輝きの強い眼を持つ男の子で、虎千代と名づけられた。のちの謙信である。虎千代は、父に疎んじられる不満を抱きつつ、百姓出の娘松江、忠臣金津新兵衛らに守られて育つ。越中・越後の争乱は絶え間無く、やがて父為景は合戦で討たれ、兄晴景が守護代を継ぐが、それを不満とする長尾俊景が兵を挙げた。 カバーイラスト/熊谷博人
  • 天に星 地に花 上
    3.8
    享保十三年、久留米藩領井上村。大庄屋、高松家の長男である甚八と次男の庄十郎は、父に連れられて訪れた善導寺で、何千と集まる人々の姿を目の当たりにする。「ようく見とけ。これが百姓の力ぞ」。藩主から言い渡された増税に抗議して集まる群衆。あわや一揆かと思われたそのとき、あるお達しが下り――。九州の田舎で飢餓と圧政に苦しむ百姓のために医者を志した少年の成長を描く歴史巨編。
  • 天女湯おれん
    3.4
    粋で婀娜な、天女湯の女あるじ・おれん23歳。お江戸八丁堀の真ん中にあるこの湯屋には仕掛けがあった。男湯に隠し階段、女湯には隠し戸、どちらも隠し部屋につながっている。おれんは番台に座って男女の仲を取り持つという案配。辻斬り、窃盗、心中、お家騒動。次々と起こる騒動の中、おれんの恋は実るか!?
  • 天女湯おれん これがはじまり
    -
    人気作『天女湯おれん』の前夜を生き生きと描く。文政十二年、江戸の町を焼き尽くす大火によって、おれんは、義父も湯屋も失ってしまう。幕府が作ったお救い小屋で生活を始めるおれん。しかし、気風の良さで天女と慕われる彼女のもとには、ここでも次々と厄介事が持ち込まれるのだった。湯屋と裏長屋の再建のため、懸命に走るおれんを描く、爽快な人情話(講談社文庫)
  • 天女湯おれん 春色恋ぐるい
    4.0
    人気戯作者のストーカーとなってしまった後家の恋煩いを治したり、義理の父親から虐待を受けていた娘を救ったり。はたまた、湯屋の中に拵えた知られちゃまずい男女密通の隠し部屋に忍び込まれたり。天女湯の女将おれんは、今日も大忙し。そんな、おれんにも久しぶりの恋の予感が。艶と人情の七編を収録。
  • 竜神の髭 天然流指南1
    -
    内藤新宿の長屋を改造、正体不明の道場主以下、個性派揃いの高弟たち 道場主の酔狂道人洒楽斎(しゃらくさい)に、血溜りの女が遺言した「リュウジンノヒゲ」とは? 諏訪大明神家子孫が治める藩の闘いに巻き込まれ……。 内藤新宿天然流道場を開いている酔狂道人洒楽斎は、五十年配の武芸者。高弟には旅役者の猿川市之丞、深川芸者の乱菊がいる。市之丞は抜忍の甲賀三郎で、七変化を得意とする忍びだった。乱菊は「先読みのお菊」と言われた勘のよい女で、先の先を読むことで舞を武に変じたらん乱舞の名手。塾頭の津金仙太郎は甲州の山村地主の嫡男。剣で江戸に遊学、負けを知らぬ天才剣士。 大久保智弘、再登場! 新シリーズ第1弾
  • 天皇家の忍者(しのび)
    -
    大御所家康が没し、幕府の体制固めを急ぐ2代将軍秀忠は、朝廷への強硬策を繰り出していた。同じ頃、天皇に仕える忍者(しのび)の地位をめぐって、静原冠者と八瀬童子の暗闘が始まる。四つ巴の熾烈な抗争の行方は?
  • 天皇家の戦士
    -
    江戸中期、急進派公家たちが倒幕を企てた。天皇直属の忍者(しのび)の地位をめぐり八瀬童子と争ってきた静原冠者も、その謀議に加わる。八瀬童子は現状維持を望む公家たちの側につき、朝幕戦争の死闘が幕を開けた!
  • 天王船
    3.4
    天文十七年夏。宵祭を楽しむ十五歳の信長の眼前に、見慣れぬ船が現われた。数百の提灯に彩られた船上から、甘い唄声と異形の舞が信長を密やかな剣戟に誘う(表題作)。松永久秀と斎藤道三をペルシア渡来の暗殺秘術の兄弟弟子として描き、戦国史を異形の活躍で彩った刮目の長篇『黎明に叛くもの』の外伝四篇を収録。
  • 天の神様に尼子家の願いを祈られた山中鹿介幸盛
    -
    時は戦国時代。石見銀山を狙った毛利元就によって滅ぼされた尼子家。主家の復興を願った尼子家遺臣、山中鹿介幸盛は盟友立原源太兵衛久綱ら他の遺臣とともに尼子家当主義久の遺児、勝久を探し出し、尼子家の幟を掲げ立ち上がった。多くの武将から「敵ながら、主家に対する忠誠心には心を打たれる」と言わしめた尼子家の武将、山中鹿介幸盛の生き様を描く!
  • 天の鎖第一部 延暦少年記
    -
    延暦年間、平安遷都で喧しい世相の中、山背国の少年<牛>は貧しい暮らしの中で、若き空海やその師<行叡>と出会い、仏師となる決意を固める。だがそれは同時に世の荒波にもまれてゆくことでもあった。平安時代を舞台に始まり、庶民の目から現代にまで繋がる人間の歴史の連鎖を描こうとする長編力作。
  • 天破 三国志 1 長江を疾る風
    3.5
    「江南の小覇王」孫策は曹操の野望を挫き、自らの暗殺未遂事件を機に、大博打に打って出た。江南に覇を唱えた孫策、弱冠27歳。同年齢の美貌の親友・周瑜。眩しい若さに溢れる軍団が、乱世の梟雄を向こうに回し、熱き戦いを繰り広げる!

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  • 天平グレート・ジャーニー 遣唐使・平群広成の数奇な冒険
    4.1
    天平五年の遣唐使は苛酷な運命を辿った。朝貢国中最下位扱いされながらも、多くの人士や書物を満載し帰国の途についた四隻の船団。だが嵐に遭い、判官の平群広成率いる第三船は遙か南方の崑崙国へ漂着する。風土病と海賊の襲撃で、百人を越える乗員はほぼ全滅。軟禁されていた広成ら四人だけがふたたび長安へ向かう惨状ぶり。さらには新羅との関係悪化で、北方の渤海国経由での帰国に賭けることに。天平の「外交官」の見たものは?
  • 天平大仏記
    -
    天平十五年、聖武天皇は金銅盧舎那仏造顕の詔を発せられた。卓越した技能をもつ造仏工・天国や、手伎をもつ奴婢たちは、その身分を良民に直され、大仏建立に携わることになる。だがこの大事業には、熾烈な政争や陰謀が渦巻き、天国たちに過酷な試練が襲いかかる…。底辺を生きた人々の哀歓が胸に迫る長編力作。
  • 天平の女帝 孝謙称徳―皇王の遺し文―(新潮文庫)
    3.9
    奈良時代、二度の皇位についた偉大な女帝、孝謙称徳。彼女は生涯独身を貫き、民のため、国のため、平和な世のために、全力をつくした。大仏開眼供養、遣唐使の派遣。逆臣たちの内乱を抑え、僧道鏡を重用し、九州の民・隼人を侍童として置いた――女帝の突然の死と遺詔の行方、秘められた愛の謎を追い、一人の人間として、そして女性としての人生を求めた女帝の真の姿を描く、感動の歴史小説。(解説・島内景二)
  • 天風の彩王(上)藤原不比等
    4.0
    不遇から甦った男の知謀と野望! 天皇に疎(うと)まれながらも不屈に生きる、中臣鎌足の子・不比等の凄烈な生涯――天智天皇と中臣鎌足(なかとみのかまたり)が築いた近江朝は、壬申の乱により大海人皇子(おおあまのみこ、後の天武天皇)に倒される。鎌足の子・不比等(ふひと)は山科で戦乱を逃れたが、中臣氏を疎む天武天皇は、不比等に出世の機会を与えなかった。だが彼は、知謀と強運を武器に昇進をとげ、律令国家の基礎を作っていく。古代史小説の第一人者が描く、凄烈な男の実像。<上下巻>
  • テンペスト 第一巻 春雷
    5.0
    19世紀の琉球王朝。嵐吹く晩に生まれた真鶴は、厳しい父の命に従い、男として生まれ変わることを決心する。名を孫寧温と改め、13歳の若さで難関の科試を突破。憧れの首里城に上がった寧温は、評定所筆者として次々と王府の財政改革に着手する。しかし、王室に仕える男と女たちの激しい嫉妬と非難が寧温の前に立ちはだかる……。伏魔殿と化した王宮を懸命に生き抜く波瀾万丈の人生が、春の雷のごとく、いま幕を開けた!
  • 地獄舟~天保悪党伝~
    -
    幼い頃、お庭番だった父から武芸十八般を指導された伝蔵は、父の急死後、母と共に役宅を出た。16歳の時に母が流行病(はやりやまい)で死ぬと、伝蔵は家督を捨て無頼の徒の群れに飛び込み、悪事の限りを尽くす。そんな心のむなしさから、世間の厄介者を秘かに始末することを思い立ち、悪党狩りを開始するのだった。謎あり、活劇あり、人情ありの痛快時代小説!
  • 天保暴れ奉行(上) 気骨の幕臣 矢部定謙
    -
    旗本の家に生まれ、小姓番組入り後、徒頭、先手頭兼火付盗賊改、堺奉行、大坂西町奉行と順調に出世。その裁きぶりは大岡越前守の再来と言われた、矢部駿河守定謙。大坂東町奉行所元与力の大塩平八郎とも昵懇となった彼は、勘定奉行昇進後に乱を起こした大塩父子の罪状をめぐり、ときの老中・水野忠邦と鋭く対立する。
  • 天保うき世硯
    -
    掛川藩の目付下役という軽輩・桑名福太郎が、痣姫さまと通じたために、隠密という名目で江戸に追放されるが、討手に追われているようで気が休まらない。……作者は時代を江戸の天保期以後にもとめて、人情、風俗考証の正しさで、道中記の面白さの中にリアルな立体感を与える小説を得意とするので、この作品でもそれが満喫できる。しかも従来の作品と異なり、武士社会の組織の冷酷さの中に生きる主人公に、いわゆる「永遠の女性」としてのお高祖頭巾の痣姫への憧れが揺曳していて、一種の時代スリラー的な不気味さがあり、結末は余韻ふかい。山手文学の一転機を示す作品である。
  • 天保・怪盗鼠小僧次郎吉
    -
    天保三年の春、鼠小僧が軽い気持ちで盗んだ匂い袋は松平家代々の家宝であった。八代将軍吉宗の形見分けである匂い袋…。老中松平康任は極秘裡に奪還すべく、盗賊紫小僧を放ち、さらに鼠小僧の偽者を餌に恐るべき策を練っていた――!

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  • 天保・国定忠治無頼録
    -
    鉄砲や槍を武器に20人の子分を連れ、捕まれば磔の関所破りもなんのその。賭場荒し、闇討ちと、無法の限りを尽くした忠治の悪業、ここに極まれり!血に染まった長脇差を手挾んだ当代一の侠客・国定忠治の姿を描いた白熱の時代巨編!

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  • 天保十四年のキャリーオーバー
    3.4
    七代目市川團十郎vs悪の奉行・鳥居耀蔵。積もり積もった100万両をめぐる史上最大の騙し合いが始まる! 天保十四年十一月。七代目市川團十郎は、自分を捕縛し江戸から追放した南町奉行・鳥居耀蔵を討つべく、息を潜めてその時を待っていた。絶好の機会が訪れ、短刀を抜いたその瞬間、何者かの拳をくらい気絶してしまう……。それが、父・矢部定謙を無実の罪で陥れられ、同じく鳥居への復讐に燃える鶴松との出会いだった。聞けば、鶴松は別の方法で鳥居に復讐しようとしていた。なんと、鳥居が富くじの裏で溜め込んだ、100万両を根こそぎ奪おうというのだ。果たしてその方法とは!? 『1985年の奇跡』『リカ』の著者が、『安政五年の大脱走』『相棒』に続いて贈る、一気読み必至の歴史エンタテインメント。
  • 天保水滸伝
    3.0
    若きころ北辰一刀流・千葉道場で竜、虎、鯨と呼ばれ、汗を流し剣技を高めあった平田造酒之進、神崎圭助、市松。だが、大晦日迫るある夜の事件が、三人の仲を無残に引き裂く。十余年の時を経て、それぞれに背負ったもののため、宿命の利根川にて、己の剣を抜いて対峙する――。江戸水滸伝三部作、第一弾。『天保バガボンド』を改題。〈解説〉西上心太
  • 天保図録1
    5.0
    上意! 江戸城老中部屋に呼ばれた将軍家慶の側用人水野美濃守は、老中筆頭水野越前守忠邦から、突然の罷免を告げられた。その瞬間こそ天保の改革の幕あけだったのだ。家慶の信を得た忠邦は野望に燃える鳥居耀蔵を町奉行に抜擢、苛烈ともいえる容赦ない諸改革を断行する。天保政治の実相を壮大に描く時代長編〈全5巻〉
  • 天保艶犯科帖
    -
    老中の水野忠邦は天保の改革で贅沢を禁じた。しかし、それは人々の心を疲弊させ、景気は悪くなる一方であった。大店呉服屋の時次郎は景気の先行きを案じ、大奥御用達の座を得るため南町奉行の鳥居耀蔵に近づくが、その煮えきらない態度に業を煮やし、自ら今の御用達である扇屋をつぶすことを画策する。ねらわれた扇屋は用心棒を雇うことにし、南町の定町廻り同心・倉田彦三郎の通う道場の師範代である坂木結衣がその任に納まる。その夜、賊が押し入り、ひとり娘の美奈がさらわれた。結衣と彦三郎はあとを追うが、一味は大きな屋敷に逃げこむ。しかしそこで、彦三郎は意外な人物に出くわして……。殺伐とした世に、ひとすじの光明をさす痛快娯楽時代小説!
  • 天保百花塾
    -
    江戸の町方同心を退き、寺子屋『百花塾』の手習師匠として八王子宿にやってきた大窪伝次郎。かれを待っていたのは、様々な事情を抱えた個性豊かな子供たちだった。親分肌で家族を養うために手段を選ばない龍馬、千人同心の父親に反発する総司、母親が江戸に駆け落ちした小五郎……。次々と起こる難題に、伝次郎は師として、一人の人間として子供たちと向き合っていく。師弟の情愛に胸が熱くなる連作時代小説。

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  • 天保冷や酒侍 嵐を呼ぶ刃
    値引きあり
    -
    四国は伊予西条藩で天衣無縫に育った若武者・菅野靖兵衛は、剣の師の推薦で江戸詰めを命じられる。そして着任早々、藩主から直々に、藩どころか国の命運をかけた一大事を託される。だが靖兵衛は、持ち前の剣技と器量で、様々な難事に立ち向かうのだった!

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  • 天保紅小判
    -
    長崎の豪商・平戸屋民右衛門は、江戸に7軒の出店を持ち、年に1万両ずつ長崎へ送らせていた。その民右衛門が獄死して5年、出店の一つ、松戸屋の主人・仁右衛門と、蔵にあった預り金35万両が、ある日突然消えてしまった。曰くありげな浪人・阿保八郎は、娘曲芸師・子狐太夫、料亭・青柳の若い女主人・お美津などに巧みに近づきながら、徐々に事件の核心に迫って行くのだった。
  • 天保六道銭(電子復刻版)
    -
    江戸時代も天保まで下ると、諸藩の財政も軒並み火の車。九州松浦藩もその例にもれず、国家老・松浦蔵人は起死回生の賭けに出た。海産物商・森田屋清蔵に禁制の抜荷の罪を着せ、ついでに用立て銀をも帳消しにしようとの算段だが、実は森田屋は海賊を裏稼業の悪党、易々と罠に嵌まる相手ではない。ご存知、河内山宗春ら”天保六花撰”の面々を巻き込んで逆襲に出るのだった。士も悪なら商も悪、痛快無比の対決篇。

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  • 天馬、翔ける 源義経 上
    4.0
    【第11回中山義秀文学賞受賞作】平安末期。平氏追討の決起を促す以仁王の令旨が兄弟の運命を変えた。奥州藤原氏の下に逼塞していた弟・義経、そして伊豆に流罪となっていた兄・頼朝。黄瀬川で対面を果たし、力を合わせて源氏再興を図る二人だったが、かたや類いまれな政略家、かたや知勇並びなき天才武人。兄弟の溝は深まる一方だった。源平合戦の固定観念を打ち破った歴史大作。風雲急を告げる波瀾の第1巻。
  • 天馬の子
    3.6
    『貸本屋おせん』で日本歴史時代作家協会賞新人賞受賞、 『梅の実るまで』で山本周五郎賞候補となった注目の新鋭が満を持して放つ感涙の長編時代小説! 南部藩の村に生まれたリュウは馬と心を通わせる10歳の少女。厳しい自然のなかで名馬「奥馬」を育てる村では、時に人よりも馬が大切にされていた。リュウの家にも母馬が一頭いるが、毛並みの良い馬ではない。優れた馬乗りだった兄が二年前に亡くなり、家族は失意のなかにあった。祖父は孫娘に厳しく、母は小言ばかり。行き場のない言葉を抱えたリュウが馬の世話の合間に通うのは「柳の穴」と呼ばれる隠れ家だった。姉のようにリュウを見守る隣村の美少女セツ。村の有力者の優しくてドジな次男坊チカラ。「穴」に住む家無しのスミ。そこでは藩境を隔てて隣り合う村の子どもが集まり、自由な時を過ごしていた。 ある日、片腕のない見知らぬ男が「穴」に現れる。「仔は天下の御召馬になる」。馬喰(馬の目利き)の与一を名乗る男はリュウの育てる母馬を見て囁いた。将軍様の乗る御馬、即ち「天馬」。しかし天馬は天馬から生まれるのが世の道理。生まれにとらわれず、違う何かになることなどできるのだろうか? リュウは「育たない」と見捨てられた貧弱な仔馬を育て始める。 村を襲う獣、飢饉、「穴」の仲間や馬たちとの惜別。次第に明らかになる村の大人たちの隠しごと。与一との出会いから大きくうねり始めるリュウと仔馬、仲間たちの運命。なぜ人の命も馬の命も、その重さがこんなにも違うのか。馬も人も、生まれや見た目がすべてなんだろうか。いつか大人になったら、すべてわかる日が来るのだろうか? 生きることの痛みも悔しさも皆、その小さな体に引き受けながら、兄の遺したたくさんの言葉を胸に、少女と仔馬は生きる道を切り拓いていく。
  • 天魔の乱
    -
    天文三年、尾張織田家に男児が誕生した。幼名を吉法師(信長)。十四歳で初陣の後、うつけを演じながら異能を発揮し、人外の化生としての一端をみせる。父・信秀の死後、織田一族の抗争が激化。信長は弟・信行を謀殺して尾張を統一する。やがて尾張を狙う駿河の大守・今川義元の大軍勢が侵攻してきた……。歴史の闇に閉ざされた信長像に、新解釈で挑む異色時代長編!
  • 天魔乱丸
    3.0
    炎と煙が払暁の空を赤黒く染め、本能寺を焼く。天下人・信長を討たんと光秀の刺客どもが刃を振るう地獄で、森蘭丸は信長の首を独り護る。だが追手から逃れようとしたその時、炎が身体を呑み込んだ。目覚めると――右半身は美貌のまま、左半身が醜く焼け爛れていた。ここで果てるわけにはいかぬ。蘭丸は光秀側の安田作兵衛を抱き込み、ある計略を成し遂げんと……復讐に燃え盛る美青年の計略の行方。激しき戦国悪漢小説。
  • 天明の密偵 小説・菅江真澄
    4.0
    日本民俗学の先駆者として知られ、各地の風俗・民俗などを日記体で詳細に書き記し、200冊以上の書物を残した菅江真澄。三河・吉田宿の御師の次男に生まれ、国学者で藩の御用商人でもあった植田義方のもとで勉学に勤しんだ彼は、岡崎へ出て和歌を、名古屋では絵画と本草学を身につけた後、30歳で古里を後にして長い旅に出る。当時は、天明の大飢饉や浅間山の大噴火などの天変地異、賄賂にまみれ、幕府を意のままに動かす老中・田沼意次と松平定信ら譜代衆の対立、松前藩問題と北方ロシアの脅威など、幕藩体制が大きく揺らいだ激動の時代だった。そんな中、彼は何を求めて、信濃、出羽、陸奥、そして蝦夷地へと旅をしたのか――。彼を蝦夷地へと駆り立てたものは何だったのか――。本書は、立身出世を願うも叶わず、生涯を旅に生きざるをえなかった菅江真澄の虚実入り交じった人生をミステリーの手法で掘り起こしながら、彼の秘密に迫った傑作歴史小説である。

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  • 天網恢々(てんもうかいかい)~お噺奉行清談控~
    3.0
    江戸南町奉行・根岸肥前守鎮衛。通称、耳九郎のところには、今日も奇怪な話がやってくる。ある日、老掏模の河童の平六が、北町奉行所同心とともにやってきた。足を洗いたいという平六にはある相談事があった――(「河童の平六」)。善良な庶民に情け深く、悪には厳しい人情奉行・根岸鎮衛が江戸の理不尽を爽快に裁く! 江戸弁の小気味よさが響きわたる傑作時代小説。
  • 天文方・伊能忠敬 出奔
    4.5
    幼い頃から謎解きを得意とする三治郎(後の伊能忠敬)は、酒造家の伊能家に婿養子に入った。着実に家業を伸ばし続ける一方で、伊能家に伝わる測量術を元に、全国の測量に旅立った。しかし、その最中、さまざまな事件に巻き込まれ……。書き下ろし新シリーズ。
  • 天文御用十一屋 星ぐるい
    4.0
    公儀天文方御用を命じられた大坂の大店質屋で、天文学の研究に精進する宗介。 彼のもとに遊郭の奥座敷で蘭方の妙な星占いをする女を調べて欲しい、と同心が訪ねてきた。宗介が店の用心棒・小次郎と調査を始めると、件の占い師の簪で喉を刺された新造が、死体で発見される。二人は真相に迫るが、背後に巨悪の陰謀が浮かび上がった。 眉目秀麗にして頭脳明晰。だが人間性に難ありの天才学者、ここに登場。
  • 天佑なり 上 高橋是清・百年前の日本国債
    4.0
    足軽の家に養子となった少年、のちの高橋是清は、英語を学び、渡米。奴隷として売られる体験もしつつ、帰国後は官・民を問わず様々な職に就く。生来の勉強家は、現場経験を積んだことで不世出の銀行家へと成長する。
  • 天佑なり 高橋是清・百年前の日本国債【上下 合本版】
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    足軽の家に養子となった少年、のちの高橋是清は、英語を学び、渡米。奴隷として売られる体験もしつつ、帰国後は官・民を問わず様々な職に就く。生来の勉強家は、現場経験を積んだことで不世出の銀行家へと成長する。日露戦争の戦費調達を命じられた是清は、ロンドンで日本国債を売り出し、英語力と人脈を駆使して成功を収める。蔵相、首相をも歴任、金融恐慌の鎮静化にも尽力するが、経済を破壊する軍国主義の波が押し寄せる。新田次郎賞受賞の話題作がついに合本版に! ※本電子書籍は「天佑なり 上 高橋是清・百年前の日本国債」「天佑なり 下 高橋是清・百年前の日本国債」を1冊にまとめた合本版です。
  • 天を裂く 水野勝成放浪記
    3.8
    前田慶次を超えるカブキ者!家康の従兄弟ながら切腹より重い処罰を食らい、秀吉に命を狙われ、名を捨て、家を捨て、戦場と主を渡り歩く青年は、その先に何を求めたのか?そして、運命の関ヶ原。初代福山藩主にして戦国最強のフリーター水野勝成の青春放浪記。

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  • 天を衝く 全3冊合本版
    値引きあり
    -
    天を衝く 全3冊合本版 『天を衝く(1)』『天を衝く(2)』『天を衝く(3)』収録。 織田信長が天下布武(てんかふぶ)を掲げた頃、陸奥(みちのく)の南部家では内紛が続いていた。新たな時代を予見する九戸党の棟梁・政実(まさざね)は、ついに宗家を見切った。戦の天才「北の鬼」九戸政実が、武者揃いの一族郎党を束ねて東北の地を駆け巡る。著者が故郷を舞台に熱き思いを込めた歴史巨編「陸奥3部作」の最終章、待望の文庫化。(講談社文庫) 『炎立つ』『火怨』…… 大河3部作の決定版
  • 天を測る
    4.0
    安政7(1860)年、咸臨丸が浦賀港からサンフランシスコを目指して出航した。太平洋の長い航海では船室から一向に出てこようとしない艦長・勝海舟を尻目に、アメリカ人相手に互角の算術・測量術を披露。さらに、着港後、逗留中のアメリカでは、放埒な福沢諭吉を窘めながら、日本の行く末を静かに見据える男の名は、小野友五郎。男は帰国後の動乱の中で公儀、そして日本の取るべき正しい針路を測り、奔走することになる―。知られざる幕末の英雄の物語!
  • 天を食む者 斎藤道三 上
    -
    戦国時代の代表的梟雄・斎藤道三。その出自は美濃の油売りではなく、美濃国守護の土岐家の家来筋に連なる国人だった。父を謀殺され、権力の怖さと魅力を知る道三。最新の資料をもとに、これまでの道三像をくつがえす、波乱と艱難に満ちた道三の前半生を描く!
  • 天を行く女 若さま侍捕物手帖
    -
    将軍家の寝所に夜毎現れる白い影……若さま登場して姿なき賊に挑戦――ヨガ念術の両派、友成・阿羅目の宗家争いを探り出した若さまは、念術者の巣窟を求めて単身、甲州の山深く入りこんで行ったが……。怪奇な念術者の行と生活。人間を超脱しようとして超脱できず、若さまへの恋に悩む女念術者・おゆう。若さま侍捕物手帖の長篇異色作。
  • 出合茶屋
    4.5
    爛熟した町人文化が花開いた、文政年間(1818~30)の大坂。元武士の町之介は貸本屋稼業に精を出す傍ら、豪商の後家・綾乃、旦那替えを頼まれた妾奉公のお菊、公家に仕える京娘・佐知ら女たちとの逢瀬を重ねてゆく。活気あふれる浪速を舞台に、男女の愛と性の営みを大胆に描く、好評『後家長屋』続編。
  • ディスカヴァー文庫 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)
    値引きあり
    4.0
    全国の書店員が「世に出したい」新作を選ぶ、エンタメ小説新人賞 第 1 回 本のサナギ賞大賞作品が文庫版で登場! 「読み終えたときは胸が震えた。完成度の高さで群を抜き、これほど読ませる作品を書く作者が、いままで無名であることが信じられなかった」 さわや書店・松本大介 <あらすじ> 天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧(たおやぎ)へと成長する。 忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。 「ここは吉原じゃ。世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。それができないものは死んでいく。馴染むものには極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。まあ、これはどこも同じじゃがな…… 地獄か極楽かはお前さん次第じゃ」 本書は2017年に小社より刊行された著作を文庫化したものです。
  • 母子燕 出入師夢之丞覚書
    完結
    4.2
    半井夢之丞は、深川の裏店で、ひたすらお家再興を願う母親とふたり暮らしをしている。亡き父が賄を受けた咎で藩を追われたのだ。鴨下道場で師範代を務める夢之丞には”出入師“という裏稼業があった。喧嘩や争い事を仲裁し、報酬を得ているのだ。そんなある日、呉服商の内儀から、昔の恋文をとり戻して欲しいという依頼を受けるが・・・・・・。男と女のすれ違う切ない恋情を描く「昔の男」他全五篇を収録した連作時代小説の傑作。待望の新シリーズ、第一弾。
  • 出入物吟味人~日暮左近事件帖~
    3.5
    出入物吟味人として日暮左近が働く公事宿巴屋に鍛金師の文吉が銀の香炉の代金を払ってもらえないと公事訴訟の依頼に来た。しかし、文吉は何者かに殺害されてしまう。それでも文吉の依頼を完遂せんと動く左近の前に、謎の忍びが現れ、背後には醜い権力者同士の争いが――。左近の無明刀が欲に塗れた悪を斬る! 藤井邦夫の代表シリーズ、五カ月連続刊行第二弾。(『無明暗殺剣 日暮左近事件帖』改題)
  • デウスの城
    3.4
    【電子書籍特典】 『デウスの城』発刊記念対談「これからの宗教の役割」を収録。 関ヶ原の戦い、大坂の陣、 そして日本史上最大級の内戦・島原の乱。 幕府軍12万vs一揆軍3万7000 三人の若きキリシタン侍に待ち受ける試練。 信仰の自由を懸けた最後の戦いが始まる! 歴史小説の第一人者、新たなる代表作! 神とは。信仰とは。生きるとは。 天下分け目の関ヶ原の戦いに西軍で参陣した小西行長の小姓・彦九郎と善大夫、そして肥後の地で守りにつく佐平次。彼らは幼馴染みの若きキリシタン侍だった。敗れて主家を失った三人はそれぞれ全く別の道を歩むことに。やがて、激しい弾圧と苛政に苦しむ島原・天草の民が、奇跡を起こすという四郎という少年の下に起ち上がった。この地で、三人は立場を変え、敵同士となって再会を果たすことに――。魂震わせる大河巨篇! 【目次】 第一章 生きてこそ 第二章 神はいずこに 第三章 武士と十字架 第四章 運命の変転 第五章 われらの祈りを聞き給え 第六章 讃美歌の海
  • デウスの棄て児
    3.7
    不義の子、天草四郎――野ばら流歴史小説! ポルトガルへ売られた美しい母親と、妻子がある男の間に生まれた天草四郎。母親譲りの美貌を持つ四郎には、不思議な超能力が備わっていたが、不義の子として虐げられ、父親からも「悪魔の子」と恐れられる日々。神に弄ばれ、棄てられ、絶望した四郎は、神を見限り、神への憎しみを原動力に生き始める。やがて母親と日本にやってきた四郎は、その美貌と特殊な能力により、隠れ切支丹たちから神の遣いだと崇められることになるが……。  キリシタン・3万7千人殉教の悲劇を、神をも恐れぬ大胆な解釈で描いた衝撃作の電子化。

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  • 出戻り侍 新装版
    -
    貧しい御家人の次男坊の善吉に、願ってもない婿養子の口が舞い込んだ。相手は黒門町の馬具屋で、蔵には千両箱が唸っているという。娘の器量も申し分なく、あっさりと二本差しを捨てて町人に鞍替えした善吉だったが、家中にはどろどろの男女関係が渦巻き、果ては刃傷沙汰まで……。作者の小説巧者ぶりを存分に発揮した諧謔と機知溢れる表題作をはじめ全七編収録。
  • でれすけ忍者
    3.0
    藤森次郎(ふじもりじろう)は、陸奥国白河(むつのくにしらかわ)藩でただ一軒続く忍者の家の「養子」だ。独り忍術修行を続けるが、仲間はおらず、烏や猟師を相手に技を磨く日々。だが、その役立たずぶりから「でれすけ!」と養父に怒られることも……。藩主松平家が御三卿田安(たやす)家から跡継ぎを迎えるとの噂を聞いた次郎は仕込んだ術を総動員して、真相を探り始めるが!? 山育ちの少年忍者の成長を描く痛快作!
  • でれすけ 常陸の鬼・佐竹義重
    -
    【文庫版特別書き下ろし「佐竹義重略伝」収録】 されど、佐竹は負けませぬ。 豊臣、石田、徳川――覇者と対峙し激動の戦国末期に 家を護り抜いた父子の意地。 かつて鬼と恐れられた荒武者、佐竹義重。子・義宣に家督を譲り隠居の身となった男に、天下統一を成した豊臣秀吉から常陸平定の命が下る。 佐竹家の悲願成就へ乗り出す義重だったが、義宣から届いたのは御家存続すら揺るがす報せだった。終わりゆく戦国の世で変化に戸惑う義重と、己のやり方で権力と渡りあう義宣。 名門佐竹家を護り抜いた父子の勇姿を描く歴史小説。
  • 御町見役うずら伝右衛門(上)
    -
    うずら小屋の番人とは、世を忍ぶ仮の姿! 「うずら伝右衛門」こと志摩銀之丞は、尾張藩主・徳川宗春の「隠秘御用」を務める御側足軽で居合の達人。質素倹約で享保の改革を進める将軍・吉宗に対し、景気刺激策をとる宗春の命を受けた伝右衛門は、下屋敷内に東海道五十三次を模した町屋を造成することに!?
  • 御町見役うずら伝右衛門・町あるき
    3.0
    うずら小屋の番人とは、世を忍ぶ仮の姿。「うずら伝右衛門」こと志摩銀之丞(しまぎんのじょう)は、第7代尾張藩主・徳川宗春の異父弟にして「隠秘御用」を務める居合の達人。河獺(かわうそ)の化物退治、謎の忍者「猿者(さるもの)」との対決、奪われた名刀の探索など、江戸の町に起る怪事件・珍事件の数々を伝右衛門が鮮やかに解決する痛快時代小説
  • 伝奇無双「秘宝」
    -
    第一線で活躍中の時代・歴史小説家が結集した「操觚の会」。その選抜メンバーが現在の小説シーンに風穴を開けるため全編書き下ろしで挑む「伝奇」の物語。今回のテーマは「秘宝」。山中に秘められた隠し財宝、伝説の名刀、そして……!
  • でんぐり侍
    -
    三年越しの大飢饉がつづく奥州から江戸に出てきた男は、珍商売を転々とするなかで幸運にも大店(おおだな)の婿養子となる(「けつめど」)。将軍の密命で越後新発田藩(えちごしばたはん)に潜入した御庭番がする帰着後の復命の中味とは(「おんみつ侍」)。女嫌いで有名な武士が、三歳の童女に惚れ、許婚(いいなずけ)の約定を交わして十三年待ったが(「おどろ」)。ユーモアと風刺の効いた傑作集。全九編!
  • 電光剣の疾風(かぜ)
    4.0
    大身旗本である本多家の嫡男として生を受けた誠四郎(せいしろう)だが、いまは根津権現(ねづごんげん)の裏店(うらだな)で気ままな町場暮らし。門前の辻番所を預かる老爺・留蔵(とめぞう)への依頼が誠四郎の耳に入った。江戸市中を騒がす義賊・鼠小僧が再来し、水戸藩邸に犯行予告を送りつけてきたというのだ。(鼠小僧異聞)一本気な正義漢・誠四郎が留蔵、浪人・伊織(いおり)と手を携えて悪を討つ、好評連作短篇シリーズ。
  • 伝七捕物帳
    -
    「やいっ。化けの皮を、てめえで脱いで恐れいってしまえ」 紫ぶさの十手と分銅ぐさりを武器にして、悪人どもを懲らしめる黒門町伝七親分! 大江戸八百八町から京都までを舞台に、痛快ストーリー満載の傑作選。
  • 【電子版限定】女だてら 麻布わけあり酒場 完結10巻セット
    4.5
    女将に惹かれた客が集う居酒屋では、町の奇怪な謎を肴に常連客が大盛り上がり。だが幕府と開明派の対立が深まるにつれ女将は新たな使命を背負う――。時代小説の俊英が放つ大人気シリーズ!
  • 【電子版限定】爺いとひよこの捕物帳 完結4巻セット
    値引きあり
    4.7
    風野真知雄の傑作時代小説『爺いとひよこの捕物帳』シリーズ4タイトルが電子版限定で、合本になって登場! 老爺の導きで半人前の少年が成長を遂げる痛快捕物帳! ※本書は、『爺いとひよこの捕物帳』シリーズ一巻~四巻を一冊にまとめた電子書籍限定の合本版です。
  • 伝説の隠密 しあわせ長屋人情帖
    -
    深川の一角にある、みすぼらしい貧乏長屋の『しあわせ長屋』。 その管理人である差配は、れっきとした武家である御神本右京がつとめている。なんとも奇妙な話だが、長屋の住人たちはみな、この右京という風変わりな差配に、親しみを抱いていた。 さてこの右京、普段のおだやかな言動とは裏腹に、壮絶な過去をもっている。なんと、幕府お抱えの隠密として裏工作や諜報活動、ときには暗殺などもおこない、裏世界では『死神』と呼ばれるほどの男であった。 血なまぐさい生活に嫌気がさし、引退後、いわくつきの長屋の差配となった右京だったが、その力を、今度は市井の庶民のために使うこととなる…。 泣けて笑える人情活劇、新シリーズ!
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い
    3.7
    どこかに、強い敵はおらんものかな――。平安時代、栄華を極める一門に産まれた藤原隆家は、公卿に似合わぬ荒ぶる心を抱えていた。朝廷で演じられる激しい権力闘争のさなか、安倍晴明と出会った隆家は、国を脅かす強敵が現れることを予言される。やがて花山院と対立し、九州に下向した隆家が直面したのは、熾烈を極める異民族の襲来だった。荒くれ者公卿は、世の安寧を守り抜くことができるのか。血湧き肉躍る戦記ロマン!
  • 刀伊入寇 藤原隆家の闘い
    3.7
    日本国存亡の危機に真の英雄現わる! かつてなき国難に立ち向かった実在の貴族の闘い! ――時は平安中期、朝廷きっての貴公子でありながら、「さがな者」(荒くれ者)と呼ばれた藤原隆家は、花山法皇や藤原道長らとの「闘乱」(喧嘩)に明け暮れる日々を送っていた。その頃、陰陽師・安倍晴明は彼にこう告げた。「あなた様が勝たねば、この国は亡びます」。道長との政争に破れ、自ら望んで任官した九州・大宰府の地で、隆家は、海を越えて壱岐・対馬を蹂躙し、博多への上陸を目論む異民族「刀伊」の襲来を迎え撃つ! 清少納言、紫式部らとも交流し、京の雅の世界にも通じつつ、かつてなき未曾有の国難に立ち向かった実在の貴族の奮闘を、豊かな想像力をからめ織り上げた、雄渾にして絢爛たる平安戦記エンターテインメント!
  • 陶炎 古萩 李勺光秘聞
    3.0
    後に萩焼の祖となる李勺光は、文禄の役で捕まり日本に連行された陶工だった。その身を預かることになった毛利家では、彼を特別な待遇で迎えた。朝鮮での戦いで夫を亡くしたばかりの志絵を世話係に任命したのだ。夜伽も務めるその任に志絵は屈辱を覚えるが、武家の娘として従容と受け入れる。捕虜の陶工を志絵はどのように支えたのか。関ヶ原の合戦で時代は豊臣から徳川へ。激動の世を生き、一人の陶工に身を捧げた女の運命とは!
  • 東海道をゆく 十時半睡事件帖
    3.8
    著者の死生観が結晶した終わりなき旅路。人気シリーズ最終作! 「生きる者は生き、死ぬ者は死ぬ」。福岡藩江戸屋敷総目付を務める名物老人・十時半睡(とときはんすい)は、重病の息子弥七郎(やしちろう)を見舞うため、国許(くにもと)への旅に出る。息子の天運を信じる半睡は、あえて陸路・東海道を悠々と旅してゆくのだが、道中には様々な事件が巻き起こる。惜しくも著者の絶筆となった人気シリーズ最終作。
  • 闘鬼 斎藤一
    3.5
    新選組組長として激動の幕末を生き抜いた 男の生き様を描く渾身の時代小説 新選組三番組組長として、芹沢鴨暗殺・池田屋襲撃などの事件に関わった斎藤一。弱冠25歳の局長として臨んだ会津戦争後は捕縛され、後に警察官となる。激動の幕末を生き抜き、明治の世まで命をつないだその生き様を鮮烈に描き出す書下ろし時代小説。瀬戸際での命のやりとりの果てに何を見たのか! [内容] 一 覚醒 二 壬生の狼 三 芹沢局長 四 凶行 五 新選組 六 剣士の命 七 池田屋 八 闘と争 九 異物 十 面従腹背 十一 御陵衛士 十二 油小路 十三 濁流 十四 闘いの形 終節 魂は死なず
  • 東京影同心
    3.0
    金子弥一郎は慶応3年に異例の若さで定町回(じょうまちまわ)り同心となったものの、幕府は瓦解して町奉行も消滅。新政府に仕官した同僚の誘いにも気が進まず、元岡っ引の始めた料理茶屋に居候を決め込んだが、ひょんな縁で佐幕派の「中外新聞」で種取り記者として探索にあたることに。元「八丁堀」同心の矜持を描く傑作長編。(講談社文庫)
  • 東京彰義伝
    4.5
    江戸城無血開城から上野戦争へ、江戸の庶民にとっていつから東京になったのか。明治維新の歴史からこぼれ落ちた秘められた恋の行方。
  • 刀圭
    4.4
    長患いを負い目にし、自害を試みた一三(いちぞう)を救った若き医者・圭吾(けいご)。日本橋福島町の長屋に居着き、住人から頼りにされていた。だが、懇意にする薬種問屋の若旦那とのいざこざから、薬が手に入らなくなる。亡き父から託された教えを胸に刻みながらも、圭吾は志を失いかけていた。そこに永代橋が落ち、多くの怪我人が出たとの報(しら)せが。小説宝石新人賞作家の長編デビュー作。
  • 東慶寺花だより
    3.9
    井上ひさしが十年をかけて紡いだ、感動の遺作! 江戸時代、女たちが不幸な結婚から逃れるための「駆け込み寺」であった鎌倉の東慶寺。その門前に建つ御用宿の居候で、戯作者志望の青年の目を通し、救いを求めて寺に身を寄せる女たちの物語が描かれる。ただ虐げられるばかりではない。怒り、抵抗し、許し、受け入れる。名もなき人々の弱さと強さを優しい視線で見つめた井上文学の到達点とも言うべき、静かな感動に満ちた連作短篇集。著者自身による特別講義を巻末収録。
  • 秘する花 刀剣目利き 神楽坂咲花堂
    完結
    4.0
    人の心の真贋も見抜く! 刀剣鑑定師にして名うての剣士、江戸に参上! 馬喰町から上州の駆け込み寺に向かったはずの女が、神楽坂の三日月坂で息絶えた。死因はわからず、爪が割れるほど土を掴んだ女の両手が無念さを物語っていた……。京に本店を構える刀剣鑑定で著名な「咲花堂」。その江戸店(だな)を任された上条綸太郎(かみじょう・りんたろう)は女の死に疑念を抱くが……(『秘する花』)。文化文政の江戸を舞台に、刀剣や骨董を鑑定する綸太郎の鋭い眼力が人の心の真贋をも見極める、書下ろし傑作時代小説シリーズ第1弾!
  • 峠―慶次郎縁側日記―
    3.7
    山深い碓氷峠で、思いがけず人を殺めた薬売りの若者。江戸に逃れ、別の人間になり変わって生きようとするが、過去を嗅ぎつけた者たちに狙われ、底知れぬ運命の変転に呑み込まれることに。一瞬の過ちで人生の「峠」を踏み外し、幸せから遠ざけられて捩れてゆく人間たちに、慶次郎の慈悲の心は届くのか――。晃之助、玄庵、佐七ら、お馴染みの面々の活躍も冴える、好評シリーズ第四弾。
  • 峠越え
    3.8
    元禄三(一六九〇)年七月、深川冬木町の裏店に住む女衒の新三郎は、仕事の不始末から莫大な借金を背負うことになった。その返済のため、重い足取りで向かった江の島の賭場で、運命的な出逢いを果たす新三郎と壺振りおりゅう。その偶然が、新三郎の人生を大きく変えることになる。二人で新たに人生をやり直すべく、おりゅうが考え出したのは、江島神社の裸弁天を江戸へ持ってきて公開する「出開帳」だった。成功すれば何千両もの拝観料が手に入り、堅気に戻れるのだが……。次から次へと押し寄せる難問、問われる新三郎の器量とおりゅうの知恵。乾坤一擲の大勝負の首尾やいかに。おりゅうに美質を磨かれ、度重なる試練にも鍛えられ、一歩一歩登っていく新三郎。手に汗を握るハプニングの連続に一喜一憂しながら、気がつくと二人と一緒に人生の峠越えをしている気分になる。様子のいい登場人物たちの温かい真心と共に、爽やかな余韻が胸に残る傑作時代小説。
  • 峠しぐれ
    4.6
    峠の茶屋は、駆け込んでくる客を拒まない! 峠の茶屋の中年夫婦。夫は滅法腕がたち、妻はとても賢い。夜逃げ家族、女盗賊など珍妙な客が続々と。痛快な歴史エンタテインメント。 峠の茶店を切り盛りする中年夫婦。腕っぷしの強い夫の半平と「弁天様」と呼ばれるほど美しく賢い妻の志乃。茶店を訪れる夜逃げ家族や女盗賊、はたまたお家騒動の渦中の一行など、困っている人らを見過ごせない二人には実は苦難の過去が……。笑いあり涙あり陰謀あり剣戟あり、著者の魅力満載の傑作時代小説。解説・末國善己
  • 峠(上中下) 合本版
    4.3
    幕末、雪深い越後長岡藩から一人の藩士が江戸に出府した。藩の持て余し者でもあったこの男、河井継之助は、いくつかの塾に学びながら、詩文、洋学など単なる知識を得るための勉学は一切せず、歴史や世界の動きなど、ものごとの原理を知ろうと努めるのであった。さらに、江戸の学問にあきたらなくなった河井は、備中松山の藩財政を立て直した山田方谷のもとへ留学するため旅に出る。 ※当電子版は『峠』(上)(中)(下)の全三巻をまとめた合本版です。
  • 峠道 鷹の見た風景
    3.7
    財政再建、農地開拓に生涯にわたり心血を注いだ米沢藩主、上杉鷹山(ようざん)。寵臣の裏切り、相次ぐ災厄、領民の激しい反発──それでも初志を貫いた背景には愛する者の存在があった。名君はなぜ名君たりえたのか。招かれざるものとして上杉家の養子となった幼少期、聡明な頭脳と正義感をたぎらせ藩主についた青年期、そして晩年までの困難極まる藩政の道のりを描いた、著者渾身の本格歴史小説。
  • 峠を出でて奇兵隊を撃て 幕末小倉藩物語
    -
    関門海峡を隔てて長州藩の攘夷に翻弄される譜代・小倉藩。海峡を渡ってきた長州奇兵隊に叩きのめされ、小倉城を焼き、退却。しかし、峠に拠ってゲリラ戦で抵抗を続けた。敗者・小倉藩の側から幕末動乱を描く物語。「攘夷も維新もわからねえ。ただ、故郷のために戦うのだ」

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  • 唐玄宗紀
    4.0
    則天武后以来の女禍の時代を終わらせ、唐全盛期をもたらした玄宗には影の如き名臣があった。唐6代皇帝、玄宗。彼が「将軍」と呼んだ宦官にして名臣に高力士(こうりきし)があった。二人は女禍の時代に幕を引き、開元の治と呼ばれる繁栄を実現する。しかしやがて、楊貴妃の出現、安禄山の大乱によって国は止め処なく乱れゆく。唐帝国最盛期をもたらした皇帝の一生とその影となり支えた忠臣を見事に描く歴史大河小説。
  • 東洲しゃらくさし
    3.0
    江戸へ下ると決めた上方の人気戯作者・並木五兵衛。道具方の彦三は、五兵衛から「一足先に行って様子を報せてほしい」と頼まれる。江戸へ向かい、蔦屋重三郎のもとに身を寄せる彦三。まず彦三に己を描かせた蔦屋は、顔の癖を容赦なくとらえた絵に息を呑む。これは……! 彦三の絵を大きく仕掛ける肚を決めた蔦屋。一方、彦三からろくな報せのないまま江戸へ向かった五兵衛には、思わぬ挫折が待っていた――。
  • 闘将 島津義弘
    -
    「たとえ最後の一兵となっても、われらは義弘様を薩摩へ連れ帰ります。 義弘様あっての島津家です。 ここで殿を殺させるようなことがあれば島津は滅んでしまいます…」 群雄ひしめく九州統一戦線(伊東家、大友家、龍造寺家との戦い)から、 秀吉への抗戦、文禄・慶長の役、運命の関ヶ原敵中突破。 戦国で無類の強さを示し、家臣に心底慕われていた戦国最強の男の 激戦譜を描く。

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  • 藤十郎駆ける! 一 さらば刈谷城
    -
    水野藤十郎勝成は三河刈谷城主・惣兵衛忠重の嫡男。勇猛果敢に戦場を疾駆する若武者だ。一騎駆け、一番鑓(やり)が生き甲斐で、短気で荒々しい気性を心配する父とはしばしば対立するのだった。織田信長に伺候するために京に滞在していた藤十郎は、本能寺の変に際し、父と自らの命も瀬戸際に立たされた。援軍手配のために刈谷へ向かう藤十郎の命運やいかに! 風雲急の戦国冒険譚がここに始まる。
  • 燈 台 鬼
    4.0
    遣唐副使として唐に渡ったまま行方不明となった父・石根(いわね)を求め、道麻呂(みちまろ)はかの地へ赴いた。二十数年の歳月を経て、ようやく出会った父は、あまりにもおぞましい姿に変わり果て……。 直木賞受賞の表題作のほか、オール新人杯第一回受賞作「子守りの殿」、異色作「水妖記」など初期の作品六編を収録。直木賞受賞までの歴史小説をすべて網羅した、巨匠の原点!
  • 桃中図 自選短篇集
    4.0
    人生のせつなさ、ふしぎさ 生きること、生かされること。そのせつなさ、不思議さが、よみがえる……。宮城谷昌光が傘寿を迎えて自ら選んだ中国歴史小説の珠玉。 【収録作品】 桃中図 歳月 指 布衣の人 買われた宰相 侠骨記 宋門の雨(単行本・文庫未収録作品) 花の歳月
  • 冬天の昴
    4.0
    北町奉行所定町廻り同心、木暮信次郎の同僚で本勤並になったばかりの赤田哉次郎が女郎と心中した。その死に不審を抱いた信次郎は、独自に調べを始めた矢先、消息を絶つ。信次郎に仕える岡っ引の伊佐治は、思案に暮れた末、遠野屋清之介を訪ねる。次第に浮かび上がってきた事件の裏に潜む闇の「正体」とは――。あさのあつこの代表時代小説シリーズ、待望の第五弾!
  • 滔々と紅 (本のサナギ賞受賞作)
    3.7
    全国の書店員が「世に出したい」新作を選ぶ、エンタメ小説新人賞 第 1 回 本のサナギ賞大賞作品が文庫版で登場! 「読み終えたときは胸が震えた。完成度の高さで群を抜き、これほど読ませる作品を書く作者が、いままで無名であることが信じられなかった」 さわや書店・松本大介 <あらすじ> 天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧(たおやぎ)へと成長する。 忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。 「ここは吉原じゃ。世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。それができないものは死んでいく。馴染むものには極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。まあ、これはどこも同じじゃがな…… 地獄か極楽かはお前さん次第じゃ」 本書は2017年に小社より刊行された著作を文庫化したものです。
  • 滔々と紅 分冊版上巻
    -
    1~2巻550円 (税込)
    全国の書店員が「世に出したい」新作を選ぶ、エンタメ小説新人賞 第 1 回 本のサナギ賞大賞作品が分冊版で登場! 「読み終えたときは胸が震えた。完成度の高さで群を抜き、これほど読ませる作品を書く作者が、いままで無名であることが信じられなかった」 さわや書店・松本大介 <あらすじ> 天保八年、飢饉の村から 9歳の少女、駒乃(こまの)が人買いによって江戸吉原の大遊郭、扇屋へと口入れされる。駒乃は、吉原のしきたりに抗いながらも、手練手管を駆使する人気花魁、艶粧(たおやぎ)へと成長する。 忘れられぬ客との出会い、突如訪れる悲劇。苦界、吉原を生き抜いた彼女が最後に下す決断とは…。 「ここは吉原じゃ。世間からは苦界とか地獄とか呼ばれておる。お前にもそのうちわかる。ここから生きて出たければ強い心を持たんといかん。それができないものは死んでいく。馴染むものには極楽じゃ、嫌う者には地獄じゃ。まあ、これはどこも同じじゃがな…… 地獄か極楽かはお前さん次第じゃ」 本書は2017年に小社より刊行された著作を上下巻に分冊したものです。
  • 藤堂高虎
    4.4
    豊臣秀吉が自分の家臣にすることを熱望し、晩年の徳川家康がもっとも信頼した男、藤堂高虎。近江の一豪族であった彼が、浅井長政をはじめ、羽柴秀長、秀吉、家康と次々に主に変えながらも、伊賀・伊勢の太守にまで上りつけることができたのは何故か。戦さ働きはもちろん、城づくり、水軍の指揮、情報収集等、あらゆる能力を身につけて戦国を生き抜いた男の、真実の姿に迫る長編力作。

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  • 等伯(上)
    4.1
    都に出て本物の絵師になる――武家から養家に出された能登の 絵仏師・長谷川信春の強い想いが、戦国の世にあって次々と悲劇を呼ぶ。 身近な者の死、戦乱の殺戮……それでも真実を見るのが絵師。 その焦熱の道はどこへ。
  • 東福門院和子(まさこ)
    3.0
    二代将軍秀忠(ひでただ)の末娘和子が後水尾(ごみずのお)天皇女御(にょうご)として入内(じゅだい)した。折りしも、「禁中並公家諸法度」による厳しい規制に遭い、朝廷・公家社会は江戸幕府に強い反感を抱いていた。だが、天皇と仲睦まじく、天真爛漫な愛らしさを持つ和子に、周囲の人々も次第に打ち解けてくる……。
  • 東福門院和子の涙
    3.6
    徳川2代将軍の娘和子(まさこ)は、史上初めて、武家から朝廷に嫁ぎ、「稀なる福運の姫君」と称えられた。戦国を毅然として生きた女性・お市の方の血を引いて、自らの苦悩は決して語らない女性であったが、宮廷の冷たい仕打ちは、中宮の紅絹(もみ)の布が知っていた……。涙を秘めた慈愛の国母を描いて、深い感動をよぶ長編小説(講談社文庫)。

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