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鹿島槍ヶ岳殺人事件
重度の腎機能障害で苦しんでいる若い女性・麻也子は、幸運にも移植手術をすることができた。 麻也子は友人の弓子にその幸運について話すうちに、臓器提供者・ドナーが気になりはじめる。そのうちに、どうやら腎臓バンクから得られたものではなく、父親の財力による闇ルートによって得られた腎臓を使った生体移植ではないかと疑いを持つ。罪悪感も日増しに強くなる。 白馬の別荘で静養する麻也子は、弓子の勧めで、私立探偵を頼みドナー探しを始める。すると間もなく、探偵・出雲が鹿島槍ヶ岳で死体で発見され、その遺志を継いで調査を始めた探偵や病院スタッフも他殺遺体で発見される。 臓器移植を巡る異色の山岳ミステリー! -
カシマレイコの噂
連続行方不明事件と謎の変死体。事件の周りでは、とある都市伝説が囁かれていた――。 熊岡愛瞳の親友、三輪葵が姿を消した。 愛瞳は葵を探し出すために、同じように友人が行方不明になったと話す上村と接触し、ともに事件の手掛かりを探ることに。 そこで彼らは「カシマレイコ」の都市伝説を耳にする。連続行方不明事件はカシマレイコという妖怪の仕業であり、誘拐された者は彼女によって無残に殺されてしまうというのだ――。 一見信じがたいこの噂に何かを感じたはぐれ者の刑事・伏見は、犯人を見つけ出すべく都市伝説の謎を追う。 「カシマレイコ」とは一体何者なのか。そして、愛瞳は葵と無事に再会できるのか。 予測できない展開に思わず引き込まれる、渾身のサスペンス・ホラー小説! 〈著者紹介〉 白崎 秀仁(しろさき ひでと) 白犀の名でYoutubeチャンネルをもち、2015年から執筆を開始。これまでに書いた作品数は100を越える。サスペンス、ミステリー、ホラー、恋愛もの、動物もの、SFなど、ジャンルは問わず、読者に感情体験を届ける作品を多数執筆。白崎秀仁の名では、インスタグラムでショートストーリーを掲載中。 -
歌集 秋津島逍遥
この歌集では、旅に焦点を当て、日本の風景を三十一文字に写し取る。詠まれた歌はどれも不思議な魅力を醸し出す。例えば、世界遺産にもなった北海道の知床では、鯱の母子の野生の荒々しさを的確にとらえつつもうらやましいと憧憬し、日本最西端の島・沖縄与那国島では海底遺跡を事細かに描きながら、古代の息吹を感じた興奮を饒舌に語る。冷静な中にも素直な感情がほとばしり、思わず日本の良さを見直さずにはいられない。四方を海で囲まれた島国であること、四季折々の豊かな自然をもつこととそこに育まれたすばらしい風土のことを。歌を通じて日本各地への旅を体験できる、ほかに類を見ない歌集。 -
歌集 風音
黒土に蕾の押し合う福寿草日向に黄金の光あつめる 鬼灯の青き袋を手に摘みてぽんぽんと鳴らす夏の末かな はろばろと黄金の穂を垂る稔田に太古のままの月満ちて照る (「季節のうた」より) 本作は、著者にとって8作目となる短歌集。旅先での光景や、著者が暮らしている町での出来事など、何気ない日常について綴った珠玉の短歌が200首以上収められている。移りゆく季節や、変化し続ける町並みの中でも、決して変わることのない美しい景色や人の温かさ。そんな日常を彩る小さな幸せの一瞬が、この一冊に詰まっている。ページをめくれば、あなたのもとに優しい風を運んでくれるだろう。 -
歌集 滑走路
歌集としては異例のベストセラー。そして、映画化も決定! いじめ、非正規雇用……逆境に負けず それでも生きる希望を歌い続け 32歳という若さで命を絶った歌人・の萩原慎一郎の歌集がついに文庫化。 解説:又吉直樹 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * NHKニュースウオッチ9で「“非正規”歌人が残したもの」として紹介され、大反響。 10月16日放送、NHK「クローズアップ現代+」で特集、又吉直樹氏により大絶賛。 11月3日「朝日新聞」「売れてる本」、「日経新聞」書評欄「ベストセラーの裏側」掲載 11月20日「毎日新聞」特集ワイド掲載。 紀伊國屋書店スタッフが全力でおすすめするベスト30「キノベス!2019」、第8位。 * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * -
歌集 北へ漕ぐ舟
■内容紹介 平成二十三年三月、地球のプレートのひずみに耐えきれず、海底の地殻破壊にそのエネルギーを放出した地震と津波が、東日本を襲った。さらに福島第一原発の事故も追い打ちをかけるようにして日本列島に三重の災害がひとときに押し寄せた。これら未曽有の災禍の中で、しのぎ、助け合い、ともに立ち上がる東北の人たちには、人類の将来にもたらすひと筋の希望の光が見える。古来、この列島に渡来し定住した民族は、互いに協力しながら、自然をなだめ利用し崇拝してきた。彼らの精神は特に北の大地に色濃く息づく。その遺産をこの歌集では東北から北海道へとたどることにより、3.11後の世界の理想の姿を考える。 ■著者紹介 松下 正樹(まつした まさき) 1939年、鹿児島県種子島に生まれる。1968年、東京教育大学(現・筑波大学)大学院、農学研究科修了。2004年3月まで東京都板橋区役所勤務。 -
歌集シンデレラボーイなんかじやない
馬鹿ならば馬鹿とでも言へ ――青春時代の大半を費やした短歌という形式にけじめをつける 1989年からの8年間、並びに2010年の約1年間の間に詠まれ、まとめられた短歌の作品群を収録。 潰れぬ幸食はれぬ不幸併せ持ちトマトは坂を転がり続く 少年は男とならむ吸ひ差しの煙草の匂ひゆるくまとひて 街中に種と見紛ふ石ころの芽を生やさむとする振りをせり 埋めらるるものを待ちゐてぽつかりと穴貪欲に己を開く 半月の形にあらず幼子はこれは西瓜ぢやないと泣き初む 【目次】 転がるトマト(初期歌篇 雑歌) 答案の束 ことばなくとも 小さき狂言師 シンデレラボーイなんかじやない 水しぶき 背もたれの無き椅子(二〇〇六年) 程良き狭さ(二〇〇七年) ほろろと溶けて(二〇〇八年) 免罪符(二〇〇九年) あとがき 【著者】 小早川忠義 1969年11月生まれ。 1989年短歌を詠み始める。 1996年短歌を辞める。 2006年俳句を詠み始める。 2008年『童子』入会。辻桃子に師事。 日本伝統俳句協会所属。 句集に『光れ光れ』 -
歌集 じゃんけんできめる
【ご注意】※この電子書籍は紙の本のイメージで作成されており、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 類まれな想像力と繊細な洞察力。 朝日新聞内の短歌投稿欄「朝日歌壇」にて、2012年ごろより常連として掲載され「とても沁みる」と話題の母子3人による初短歌集。 聡介さんが小学一年生の時に詠んだ短歌は、2022年「折々のことば」にても選出され、注目が集まりました。 圧倒的な鮮やかさで世界を表現し、朝日歌壇に累計250回以上選ばれている親子の短歌から、約430首を厳選して掲載。 【母・聖子の歌】 新しい教祖のように迎えられ麩をちぎる子に鯉のざわめく 【姉・葵の歌】 弟の「ん」はいったんもめんだよ夜になったらとんでいきそう 【弟・聡介の歌】 ふうせんが九つとんでいきましたひきざんはいつもちょっとかなしい 学校生活での驚き、発見、家庭内で感じた喜び、寂しさ――「短歌」の形になることで、詠み手の一瞬の感情が、時間を越えて読者の手元で解凍されます。 3人の歌は2012年から2022年までの年ごとに並んでおり、 姉弟が短歌とともに成長している様子にも心を揺さぶられます。 巻末には、自宅で創作に励む子供たちの日常を取材したインタビュー記事も収録。 (底本 2022年9月発売作品) -
歌集 月は綺麗で死んでもいいわ
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ゆうだちに傘をたたんで空を見る何してんだろ、睫毛がうざい――少年は、ヤクザにならないためにホストになった。そして今、昼と夜の欲望が交差する街・歌舞伎町で、寿司を握りながら歌を詠む。ベストセラー「ホスト万葉集」のトップ歌人にして、異色の経歴をもつ大型新人、珠玉の153首をおさめた初歌集! ※このコンテンツは固定レイアウトで作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 -
歌集 星あかり
■内容紹介 50代のある日気がついた。目に映るものはどれも故郷を重ねて見ていたことに。そう思うと途端に心が軽くなり、何ものにも縛られない自由な歌が生まれてきた。たとえ暮らす土地が東京から中国・無錫へと移り変わり、刻々と過ぎゆく時間に日々追い立てられたとしても、温かい友人と美しい自然への憧憬の気持ちを自由に歌うことは少しも変わらない。6年間毎日感謝の念を捧げながら、詠み続けた心のスケッチ集――。 ■著者紹介 上條 草雨(かみじょう そうう) 本名、上條勢一。1950年5月20日生。1974年まで北海道暮らし、その後、35年間東京都新宿区に在住。1970年より2年半、電信級無線通信士として無線海岸局に勤務経験有り。1979年に洗礼を受ける。キリスト教信徒(教会にて執事職を歴任した)。1983年より3年間 神学大学にて神学を修学。2009年より中国無錫市在住。現在、江南大学に留学中。 -
歌集 令和の玉響
令和2年、日本、そして世界に起こった未曾有の非常事態。人々はこれまでに体験したことのない事態にどう対処していいのか判らない困惑の日々を送ることになった。気軽に人に触れることができない、マスクなしでは人と話すこともできない。老人ホームで過ごしている親にも会えず、病院への見舞いに行くこともできない。毎日の感染者数に怯える暮らし……。そんな状況を客観的に観察し、できる限り冷静に行動した日本国民の様子を詠った歌集「玉響」。第1部の「新型コロナウィルス」から始まり「可視化されたもの」まで全十六部に渡り、余すところなく人々の緊張、焦り、戸惑い、喜怒哀楽が表現されている。いつかこの事態も過去のひと時のものとして語られるよう、「玉響」(ほんのしばらくという意味)というタイトルがつけられている。 -
カシュニッツ短編傑作選
非行の果てに死んだはずの養子に怯え、戸締まりを厳重にする妻。夫との会話から見えてくる真実とは……(「雪解け」)。知らぬ間に手脚に痣や傷が増えていく会社員の女性。親指の付け根を切ってしまっても気づかず、すねを拳骨で打ってもまったく痛みを感じない。自己観察を続ける彼女の生活は、どんどん異様になっていき……(「火中の足」)。広告塔に大きな写真が貼られ、新聞でも連日報道された、行方不明の少年を探すことに取り憑かれた女性は、その少年を見つけたのだが……(「幸せでいっぱい」)。町が消え、家も、学校も、図書館も、なにもかもがなくなる。みんないなくなり、あとは地を這う人間の残骸がいるだけ。――世界が滅亡するXデイが気がかりで、ある母親はその日に起こるはずのことについて詳細な手記を執筆する……(「ある晴れたXデイに」)。日常に忍びこむ幻想。悲劇と幸福が結びついた人生観。歪で奇妙な家族たち。戦後ドイツを代表する女性作家による、『その昔、N市では』に続く全15作の傑作短編集!/【目次】雪解け/ポップとミンゲル/太った子/火中の足/財産目録/幸せでいっぱい/作家/脱走兵/いつかあるとき/地滑り/トロワ・サパンへの執着/チューリップ男/ある晴れたXデイに/結婚式の客/旅立ち/訳者あとがき -
カシュニッツ短編傑作選
兄は船旅に出る妹を見送ったが、それは彼女が乗る予定の船ではなかった。ひと月後、妹から手紙が届く。彼女は、その船では日付も時刻も現在位置も確認できないと書いていた。手紙を読み進めるにつれ、内容はさらに常軌を逸していき……(「船の話」)。ある日突然、部屋の中に謎の大きな鳥が現れる。“わたし”は、なぜか外に出ていかない鳥の正体を突き止めようとするが……(「ロック鳥」)。旅行から帰ったら、自分が死んだとアパートの住人に触れまわった女がいたという奇妙な話を聞かされて……(「六月半ばの真昼どき」)。大都会N市では、死体から蘇生させられた“灰色の者”たちが、清掃や介護などの労働を人間の代わりに行っていた。彼らに生前の記憶は一切なく、恐怖も希望も憎悪も持ち合わせていない。しかしある時、“灰色の者”たちにすさまじい変化が訪れ……(「その昔、N市では」)。日常に忍びこむ奇妙な幻想。背筋を震わせる人間心理の闇。懸命に生きる人々の切なさ。戦後ドイツを代表する女性作家の粋を集めた、全15作の日本オリジナル傑作選!/【目次】白熊/ジェニファーの夢/精霊トゥンシュ/船の話/ロック鳥/幽霊/六月半ばの真昼どき/ルピナス/長い影/長距離電話/その昔、N市では/四月/見知らぬ土地/いいですよ、わたしの天使/人間という謎/訳者あとがき -
花心
生け花とアレンジメントの違いは、花と花の間の余白かもしれない。それは、俳句の切れに似ている。 畑洋子の池坊の「生け花」と、畑毅の所属する銀化主宰の中原道夫、詩人の清水哲男、群青代表の櫂未知子、俳友の仲寒蟬、岩淵喜代子、島田牙城、銀化ならびに里の句友の「花の句」との競演である。 【目次】 花信風「生け花と俳句」 新年 春 夏 秋 冬 絵心「ペンシル画」 跋 畑 毅 野菜の秘密 畑 洋子 【著者】 畑毅 編集者の畑毅は、歯科口腔外科医として大学病院で教育・研究・診療に従事した後、管理歯科医として介護施設に勤務。銀化同人、俳人協会会員、俳句甲子園の審査員。 -
華神 ―完全版―
愛する女を永遠に自分のものにするため、禍々しい闇の力を手にした中国人画家・王森。一躍人気画家となった王森は、蘭・竹・菊・梅……世に言う「四君子」になぞらえた大作「華神」のために、さらに4人の女たちを次々に闇の世界へと引きずり込んでいく。大型投稿サイト「小説家になろう」の公式企画「夏のホラー2009」にて、人気投票1位を獲得したホラー小説「華神」に、官能シーンを加えた完全版。【主要登場人物】◆王森/中国人画家。最愛の女・美夜と知り合うが、その心が自分にないことに絶望し、彼女を殺してしまう。だがその直後、闇に住まう強大な力と契約を交わし、自らの才能を捧げることで美夜の美を永遠に絵に封じ込め、その作品によって人気画家へと飛躍を遂げる。その後も、闇より授かった禍々しい力で、大作「華神」を描くため、次々と美しい女たちを闇の世界に引きずりこんでいく。◆美夜/王森が盲愛の果てに殺してしまう。彼のデビュー作「海華」に封じ込められる◆沙織/美大の女子大生。「声」の恐怖を味わった後、「蘭の女神」として封じ込められる。ほか -
花神曼陀羅 妖花亭の女たち
永遠の美を保つ女たちと花の香り……幻想ホラーとエロスが充満した怪奇ミステリの名作 昭和三十三年春、売春防止法の施行を前に賑わう私娼の街、東京・玉の井で狂気の放火殺人が行なわれ、娼館“妖花亭”は中庭のけやきの大木を焦がす魔焔に包まれた…。三十年の月日を経て、死の床に就いた事件の終身犯は、獄中で育てた鉢植えを弁護士風野に託す。風野は、遺族の住む南洋の小島に向かうが、そこは巨樹ガジュマルが気根を張りめぐらし、不思議な能力を持つ巫女が統べる秘島であった。帰京した風野の前に死者の再生を暗示する出来事が続き、怪現象の源は、絞首刑者の精液により芽を吹くという伝奇の花アルラウネにまで遡る…。 ●田中文雄(たなか・ふみお) 1941年東京生まれ。早稲田大学卒業後、東宝入社。70年代を中心にプロデューサーとして映画製作に携わる。1974年に『夏の旅人』で早川書房SF三大コンテスト佳作入選。1975年に『さすらい』で幻影城新人賞佳作入選。1986年東宝を退社して作家専業となり、ミステリー、ホラー、SFバイオレンスなどに健筆をふるう。草薙圭一郎名義では時代小説、架空戦記も発表している。 -
梶龍雄 青春迷路ミステリコレクション
発売2週間で、即重版した梶龍雄「龍神池の小さな死体」。 梶龍雄のリリカル路線のミステリ作品を集めた別系統〈青春迷路ミステリコレクション〉が始動──傑作ミステリとしても特に名高い「リア王密室に死す」が第一弾! 如才ないリアリストであるためリア王と渾名される三高生・伊場富三が下宿先の鍵のかかった倉の中で毒殺されていた。 盗まれたのは、ノートと作文帳だった。 嫌疑は同居者のボン・木津武志にかかるが、キレ者のカミソリ・紙谷達弘ら級友たちは無実を信じ、ボンを救うべく密室殺人の謎に立ち向かった。 終戦直後、焼け残った古都京都を舞台に、個性豊かな旧制最後の三高生たちが繰り広げる本格長篇。 「本格ミステリの中に、人間を生き生きと描きたい。それが私の変わらぬ願望だ」という言葉を遺した梶龍雄だが、 著者の作品の中でも特にリリカルな心情を掬い取った旧制高校シリーズ作品となっている。 -
果実の誤解
彼女の鬱屈した“想い”はやがて全ての歯車を狂わせていく 物静かな性格の千春には妹が一人いた。妹といっても実の妹ではなく、実の母親が死に、家に転がりこんできた女が生んだ腹違いの妹。その妹は昔から何かと人のものをほしがった。人のものが羨ましく見えて、なんでもほしがる性格なのだ。そのくせ、それが自分のものになると全く興味を示さなくなる。そんな妹が次にほしがったのは、千春の婚約者…。(「熟れた柿」) 心理サスペンスの名手が贈る、電子オリジナル短篇集。 ・熟れた柿 ・堕ちたグミ ・溶ける日 ・ザクロの秘密 ・杏の誤解 ・マスカットの空 ●松村比呂美(まつむら・ひろみ) 1956年福岡県生まれ。オール讀物推理小説新人賞最終候補作2作を含む『女たちの殺意』(新風舎)でデビュー。著書に『キリコはお金持ちになりたいの』(幻冬舎文庫)、『鈍色の家』(光文社文庫)、『終わらせ人』『恨み忘れじ』(角川ホラー文庫)、『幸せのかたち』(双葉文庫)などがある。 -
火定
――己のために行なったことはみな、己の命とともに消え失せる。(中略)わが身のためだけに用いれば、人の命ほど儚く、むなしいものはない。されどそれを他人のために用いれば、己の生には万金にも値する意味が生じよう。(本文より抜粋)時は天平――。藤原氏が設立した施薬院の仕事に、嫌気が差していた若き官人・蜂田名代だったが、高熱が続いた後、突如熱が下がる不思議な病が次々と発生。それこそが、都を阿鼻叫喚の事態へと陥らせる“疫神(天然痘)”の前兆であった。我が身を顧みず、治療に当たる医師たち。しかし混乱に乗じて、病に効くというお札を民に売りつける者も現われて……。第158回直木賞と第39回吉川英治文学新人賞にWノミネートされた、「天平のパンデミック」を舞台に人間の業を描き切った傑作長編。解説:安部龍太郎。 -
佳人
一日中、子供用の肘かけ椅子に行儀よく坐って、紅殻色の出格子にはめこまれた小さなガラス窓から道路をのぞいていた、足なえの童女、その名は圓(つぶら)。薄い皮膚に「いのち」を包んで、それは幻のように美しい童女であった。女にとって、いちばん華やかで夢多い季節になっても、彼女は10歳にも満たぬ躯しかなかった。が、数奇な運命をになう彼女に、結婚の日が訪れる。それは非情な忍従を求める、おそろしい日々の明け暮れだった。清純に死を選んだ彼女が残していった紅絹の匂い袋……。直木賞作家・藤井重夫が哀切な筆でえがいた佳人の生涯。 -
歌人紫宮透の短くはるかな生涯
穂村弘推薦! 1980年代に彗星の如く現れ、突如姿を消した天才ゴス歌人。 その謎に満ちた生涯を、彼の作品と関係者の証言で追う、異色の伝記小説。 1990年に亡くなった紫宮透(しぐう・とおる)という歌人がいて、友人だったんだけど----。 歌人が遺した31首の短歌から紐解かれていく彼の生涯。 虚構と現実が入り乱れた作品世界で、「私」が見つけた真実とは。 1980年代の日本を舞台に繰り広げられる、当時の若者文化と短歌が混ざり合った「ザ・文化系」の青春グラフティ。 『ゴシックハート』『不機嫌な姫とブルックナー団』の著者、待望の書き下ろし長編小説! ●穂村弘・推薦文 極度に文系な魂のための青春のバイブル、ただし80年代限定版。 著者プロフィール 高原 英理(たかはら えいり) 1959年、三重県生まれ。小説家、文芸評論家。立教大学文学部卒業。東京工業大学大学院博士課程修了(価値システム専攻)。1985年、小説「少女のための鏖殺作法」で幻想文学新人賞受賞(選考委員は澁澤龍彦・中井英夫)。1996年、三島由紀夫と江戸川乱歩を論じた評論「語りの事故現場」で群像新人賞評論部門優秀作を受賞。著書に『怪談生活』『ゴシックハート』(立東舎)、『不機嫌な姫とブルックナー団』(講談社)、『うさと私』(書肆侃侃房)、『ゴシックスピリット』(朝日新聞社)、『抒情的恐怖群』(毎日新聞社)、編著に『リテラリーゴシック・イン・ジャパン----文学的ゴシック作品選』(ちくま文庫) など。 -
〈歌人探偵定家〉シリーズ
1187年。平家一門の生き残り・平保盛は、前年鎌倉から帰ってきた静御前の乗った牛車と、都で行き逢う。愛する源義経が兄・頼朝との確執から行方をくらまし、彼との子を失った現状を冷静に語る彼女の姿は、保盛に深い印象を残した。一方、後白河院の命を受け、藤原俊成が編纂している勅撰和歌集の完成がいよいよ迫っており、新進気鋭の歌人・定家も父の手伝いに駆り出されていた。ある日保盛は俊成邸にいる定家を訪れるが、門前で若者の屍を発見してしまう。屍には、なぜか清少納言の和歌が書かれた卒塔婆が刺さっていた。和歌が汚されたと激昂した定家は、下手人を探すべく探索に乗り出すが……。/【目次】一「よにあふさかの せきはゆるさじ」なぜ屍には、清少納言の和歌が書かれた卒塔婆が刺さっていたのか?/二「わがみよにふる ながめせしまに」空から降ってきたとしか思えない、小野小町の和歌が留められた屍はどこから来たのか?/三「わがころもでに ゆきはふりつつ」定家の父・俊成の邸の庭に、大量の人の手がばらまかれた理由とは?/四「わがたつそまに すみぞめのそで」高僧でもある歌人・慈円の秘密の隠れ家を突き止め、荒らしたのは誰か?/五「やまのおくにも しかぞなくなる」定家と俊成の周りで起きた怪事件。その裏に隠された秘密とは?/あとがき/参考文献・史料 -
〈歌人探偵定家〉シリーズ
一一八六年。平家一門の生き残りである、亡き平頼盛の長男・保盛はある日、都の松木立で女のバラバラ死体が発見された現場に遭遇する。生首には紫式部の和歌「めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲隠れにし 夜半(よは)の月かな」が書かれた札が針で留められていた。そこに現れた、保盛の友人で和歌を愛してやまない青年歌人・藤原定家は「屍に添えて和歌を汚す者は許せん」と憤慨。死体を検分する能力のある保盛を巻きこみ、事件解決に乗り出す! 後に『小倉百人一首』に選出された和歌の絡む五つの謎を、異色のバディが解く連作ミステリ。/【目次】一 くもがくれにし よはのつきかな/二 かこちがほなる わがなみだかな/三 からくれなゐに みづくくるとは/四 もみぢのにしき かみのまにまに/五 しのぶることの よわりもぞする/単行本版あとがき/参考文献・史料/解説=千街晶之 -
かすがい食堂
駄菓子屋の奥に、子どもだけの食堂開店! 激務の末にロケ先で怪我を負い、心身ともにダメージを負った楓子は憧れて入った映像制作会社を25歳で退職した。実家で無為徒食の生活を過ごした後、80歳になる祖母が営んでいた東京・下町の駄菓子屋「かすがい」を継ぐことになった。 1ヶ月経ち、「おばちゃん」と子どもたちに呼ばれるのにも慣れ、常連の子の顔と名前も覚えて来た頃、ひとりの少年の存在に気がつく。夕刻にやって来てきっちり300円分の菓子を買って帰るのだ。その理由に気がついた楓子がとった行動とは──(第一話 その名も『かすがい食堂』)。 貧困、いじめ、摂食障害など問題を抱える子どもたちのために、楓子は店の奥の台所で食事を提供することにした。肉汁のあふれるハンバーグ、もりもりごはんが進む野菜炒め、みんなで囲む寄せ鍋……!! 楽しく温かい食卓を描く全四話。 -
春日懐紙の書誌学
鎌倉時代の歌会の記録であり、裏面が万葉集の書写に利用された「春日懐紙」。現存の史料を綿密に調べ、利用法の詳細を解き明かす。 -
カスタード
【きっと見つかる、大切なもの。 ――実業之日本社文庫GROWからあなたへ。】 誰もが抱える「後悔」を 奇跡で救う不思議なお弁当屋。 人生に迷ったら、ここへおいで。 ここは、あなたのための場所。 ――あなたの「後悔」はなんですか? 街の片隅に佇むお弁当屋。店名は誰も知らない。 やって来るのは、心の底に厄介な「後悔」を抱えた人々。 記憶の中のトゲが抜けず日々を無為に過ごす女性、母を疎ましく思いながらもその存在に縛られる青年、捨て猫にトラウマがある女子高生……。 客に差し出されるささやかな奇跡がそっと心を救って――。 人生の迷子に寄り添う感動作。ラスト、タイトルの意味を知り落涙! 優しさを紡ぐ名手・加藤 元の真骨頂! 切なさが心に沁みる珠玉の5編は、 悔いも迷いも乗り越えて、前に進む勇気を与えてくれるはず! -
かすてぃら
さだまさし初の自伝的実名小説、遂に文庫化。 昭和30年代、長崎。カステラの香りに包まれた記憶の中には、明るくて、ちょっと迷惑で、それでも皆から愛された破天荒な父と、振り回された家族の姿があった――。シンガーソングライターとして作家として、家族を巡る珠玉の名作を紡いできたさだまさしが父に捧ぐ、「もうひとつの“精霊流し”」。2012年4月10日、自身の還暦誕生日に上梓された、著者初の自伝的実目小説が遂に文庫化。7月7日からNHKBSプレミアムドラマにて遂に連続ドラマ化(主演・遠藤憲一、脚本・羽原大介『パッチギ!』『フラガール』他)。この夏、日本中の涙を誘います。(2013年6月発表作品) -
カスハラ モンスター化する「お客様」たち
NHKの人気報道情報番組「クローズアップ現代+」で2回放映し、 大反響を呼んだ「カスハラ」の実例と分析、処方箋を待望の書籍化! 従業員のささいなミスでキレる、暴言を吐く、終わらないクレーム、 威嚇・脅迫、金品や土下座の要求、いきなり実名をさらしてネットにあげる―― モンスター化する「お客様」が増えている。 パワハラ、セクハラと並び、今や世界的な現象になっているカスタマー・ハラスメント(顧客からの悪質なクレームや迷惑行為)。 かつては反社会的勢力のやり方と言われたような刑法スレスレの悪質クレームを、今やごく普通の一般市民が行う。 どこでどんなことが起きているのか。なぜ、起きるのか。どうすれば良いのか。 放送し切れなかった情報までまとめて、徹底取材! 事例1 大手スーパーの衣料品売り場で働く加藤さん(仮名 56歳男性) 事例2 スーパーに勤める鈴木さん(仮名 女性) 事例3 西日本にあるグループホームで働く山本さん(仮名 男性) 事例4 コンビニ店主・川上さん(仮名 50代男性) 事例5 写真スタジオで働く大野さん(仮名) 事例6 元タクシードライバーの佐藤さん(仮名 男性) 事例7 元クレーマー・堀さん(仮名 50歳男性) 事例8 「お客様は神様ではありません」 居酒屋副社長の挑戦 事例9 約款を厳しく変えた タクシーのkmグループ 事例10 業界を挙げて対策を練った 日本菓子BB協会 -
霞沢岳殺人山行
登山者の少ない北アルプス霞沢岳で、顔面を無惨に切り裂かれた死体が発見された。 ポケットにはコスモスの花びらが一枚入っていた。 八日後、遠く北海道警旭川東署から、旭岳で同じように顔面を刻まれて殺された死体が見つかったとの報告を、長野県警豊科署の道原伝吉刑事は受けた。 ポケットには同じようにコスモスの花びらがひとつ。 地道な捜査をつづけるが、連続殺人の輪郭を描けず、被害者に共通することは何も見つけられない。 捜査本部に行き詰まり感が漂いはじめた頃、第三の殺人の報が入った。 宿怨を抱く犯人とは誰か。 そして、殺された者たちに共通する行いとは何だったのか……。 刑事の鬼気迫る執念が、男たちの闇をあぶりだしていく。 -
カズオ・イシグロ入門(立東舎)
2017年ノーベル文学賞受賞作家の作品の謎に迫る いちばん読みやすい解説書が登場! ! 2017年10月、突然のニュースに日本が大騒ぎになりました。 カズオ・イシグロのノーベル文学賞受賞。海外文学ファンは驚き、一般の人は「日本人っぽい名前だけど、誰?」となったのは記憶に新しいです。 そんなカズオ・イシグロの生い立ちから作品世界まで、その実像に迫る解説書ができました。 今回の受賞でイシグロのことを知った人も、『日の名残り』や『わたしを離さないで』なら読んだことがあるという人も楽しめる、イシグロ・ワールドへ読者を誘う、読みやすい1冊です。 【本書のポイント】 ・以前からノーベル文学賞受賞を予言していた専門家による解説書 ・イシグロを読んだことがない人でも楽しめます ・イシグロを読んだけど難しかった人には副読本として役立ちます ・単著なので、ムックや特集よりも内容が一貫していて深いです
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