小説・文芸 - PHP研究所作品一覧
-
5.0ラストコンサートをやる気まんまんだったマイケル・ジャクソンは、なぜ復帰直前で急死したのか? ダイアナ元皇太子妃事故死の黒幕はやはり英王室なのか?本書は、世界に衝撃がはしった奇怪で不可思議な未解決事件を厳選し、その真相に迫ったものである。本書で扱った事件は、芸能向きの事件ばかりではない。世界でもっとも有名な連続殺人事件といわれる「ゾディアック事件」や世界中の人が目撃したのに、迷宮入りとなった「ケネディ大統領暗殺事件」等、残虐極まりない犯罪や政治がらみの未解決事件の裏側にも鋭く切り込んでいる。ところで、日本で起こる事件というのは、海外で先例が見受けられることが多い。たとえば、米国版オウム真理教といわれる人民寺院がおこした事件もそのひとつであり、私たち日本人と無関係とはいいきれない。本書で扱った事件を、いつ自分たちの身に降りかかるかわからないという想像力をもって読んでいただけたら幸いだ。
-
4.0「僕は日本に生まれたかった」紛争、貧困、小さな幸せ……。そんな日常のなかで、「日本が好き」と語る人々が教えてくれたこと――。 《「車が故障したから直してくれないか」「パソコンの調子が悪いから見てほしい」といった注文が何度も寄せられた。私は車やパソコンの修理などまるでできないので、これらの依頼を鄭重に断ると、「君は本当に日本人か? 中国人じゃないのか?」と言われる始末であった》 《「日本人はヒグチのことをあまり知らないのですか? それは本当ですか? 日本人は学校で何を習っているのですか?」クララさんの言葉が、戦後日本の核心を一気に突いた》 《「日本か。素晴らしい国なんだろうな。まるで夢の国みたいだ。行ってみたいけど、僕には一生、絶対に無理だな。世界は不公平だね」》(本文より)世界中を自分の足で歩き回り、路地裏の人々とふれあった著者。各国の人々の目に映る「憧れのニッポン」像から、日本人が知らない「世界と日本」が溢れ出す……。心が温まり、そして深く考えさせられる、感動の紀行エッセイ。 【目次】より ●第1章 満洲──日本人が掲げた理念の風 ●第2章 モンゴル──世界史の中の不思議な繋がり ●第3章 ルーマニア──「僕は日本に生まれたかった」 ●第4章 チェコ・ポーランド──救われた生命、奪われた生命 ●第5章 バルト三国──一枚の色褪せた「日の丸」 ●第6章 旧ユーゴスラビア──コソボの「ワールドカップ」 ●第7章 トルコ・シリア──時を越えた恩返しとトウモロコシ ●第8章 イラク──一国平和主義は卑怯で、みっともない ●第9章 イスラエル──ゴールデンブックに刻み込まれた感謝 ●第10章 サイパン・パラオ──日本流委任統治の光芒 ●第11章 フィリピン──天使たちの町に残る特攻兵の面影 ●第12章 台湾──なぜ、この地は「美しい島」なのか
-
3.8友だちがいないのは、そんなにだめなことなの? ひとりはそんなに、おかしいの? 【あらすじ】好んでひとりで過ごしていたのに「いじめられている」と誤解され、都会から海辺の町に引っ越すことになってしまった、中学1年生の凛子。家族を心配させまいと、今度こそ「友だち」を作ろうと努力するが……。「友だちは本当に必要か?」悩みもがきながらも、自分なりの答えを探していく――。胸が締めつけられる青春小説。 【目次】1:世界は「ひと」でつながっている/2:世界は「ひとり」を許さない/3:世界は「えがお」で傷つけられる/4:世界は「わたし」が閉ざしている/5:世界は「あした」も続いていく ■イラスト:げみ
-
4.3中学1年生の由加は、家では優しい家族に、学校では仲の良い友人たちに囲まれ、毎日を楽しく過ごしていたが、ある日を境に突然学校内で孤立してしまう。親友だと思っていた涼ちゃん、毎日おしゃべりが尽きなかった友人たちからも避けられるようになった由加は、同じく一人きりで過ごしている幼なじみの男の子・悠真に話し掛けるようになるが――。世界は「楽しい」ばかりじゃない。世界に満ちているものが「 」なら、私たちはどうしたらいいの――? リアルで胸に迫る、青春小説。 【目次】●1:世界は「愛」に溢れている ●2:世界は「孤独」が潜んでいる ●3:世界は「毒」に侵されている ●4:世界は「無知」で壊れていく ●5:世界は「君」でできている
-
4.3全部、全部「ウソ」だった。胸が締めつけられる青春小説、完結巻。 【あらすじ】自分の好きなものがわからず、身近な人たちが作り上げた「かっこいい女子」を演じ続けてきた玉川(たまがわ)つばさは、「かわいいもの」や「きれいなもの」を身につける男子・雨宮凪良(あめみや なぎら)と出会い、少しずつ「自分の本当の気持ち」を見つけていく。「自分が本当に好きなものは何か?」「相手に自分のことを全部理解してもらう必要はあるのか?」悩みもがきながらも、自分なりの答えを探していく――。 【目次】1:世界は「モノ」が多すぎる 2:世界は「スキ」で彩られる 3:世界は「キミ」を見てくれない 4:世界は「ウソ」を隠している 5:世界は「アイ」で重ねていく ■イラスト:げみ
-
3.0凡将と名将を分けるもの――それは常に最前線に身を置き、状況の変化に即応できるかどうかだ。本書は、百戦錬磨の傭兵経験を持つ著者が、“ローマ史上最大の敵”と恐れられたハンニバル、激情と共に大戦車軍団を率いた異色の猛将パットンなど、世界を変えた最強の戦闘指揮官30人を厳選、その勝利の秘訣を解説していく。逆境と困難の時代に、戦場のリーダーシップを学ぶ一冊。
-
3.0「徳川将軍家の剣術」として、天下に広く知られた柳生新陰流。しかし、そこに至る道筋は決して平坦なものではなかった! 大和の一土豪の家に生まれ、剣聖・上泉伊勢守秀綱の門弟となり、柳生新陰流を打ち立てた石舟斎(宗厳)。彼の人生は、筒井順昭・順慶父子や松永久秀に属して戦塵にまみれる、波乱に満ちたものであった。そして、その柳生新陰流をもって徳川家康に仕え、将軍家兵法師範となる息子の宗矩。豊臣政権によって領地を没収された柳生家の再興を成し遂げた彼は、治世に生かす剣の道を模索していく。さらに宗矩の嫡男に生まれ、祖父・石舟斎のごとく傑出した才能に恵まれた十兵衛三厳。父に反発しながら純粋一途に剣の道を追求していく彼は、新たな境地へと足を踏み入れる……。戦国争乱から江戸時代の泰平へと世の流れが移り変わる時期、それぞれに「剣」を極めるべく歩み続けた柳生家の三代、石舟斎・宗矩・十兵衛の人生を描いた力作長編小説。
-
3.8「普通の夫婦」っていったい何!? 社労士事務所を経営している岩瀬麻衣子は、結婚するときに仕事を辞めると申し出てくれた夫の耀太に育児を任せ、大黒柱として家計を担い、日々の仕事に邁進していた。しかし世間の不理解、お互いの仕事と家事への不満、さらに忙しさですれ違う生活のなか、ある決定的な出来事が起こり、とうとう二人は離婚することに。だが、麻衣子にはこれまで任せっきりだった育児、耀太には再就職という高い壁が立ちはだかっていて……。世間の価値観とのギャップに振り回される夫婦生活のゆくえは!? 人気シリーズ「居酒屋ぜんや」の著者が描く、新しい家族の形を捉えた、感動の長編小説。
-
-超大作・『源氏物語』執筆の裏側、病と闘った晩年、恋愛について、被災地への慰問……30年以上ともに歩いてきた著者だから知りえた、寂聴先生のエピソードが満載! 笑いあり涙ありのライトエッセイが誕生。「人は自由に生きる権利と幸せになる権利があります」「恨んだら、自分に毒が回って、器量が悪くなるわよ」「うちは宗教では稼がない」……寂聴先生の金言がここに! 【目次】第一章 寂聴先生、最期のときまで 第二章 寂聴先生との出会いと寂庵の八十年代 第三章 寂聴先生の気迫とパワーと、優しいお心 第四章 寂聴先生の「源氏物語」への意気込みと愛着 終章 寂庵を去る日
-
4.5※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 第16回創作コンクールつばさ賞(童話部門)優秀賞受賞作! フンズワ森には、いじのわるいヒツジと、おこりんぼうなハリネズミが住んでいました。ある日、がけの上からヒツジの背中にハリネズミが落ちてしまい、ヒツジの毛とハリネズミのハリがからまってしまいました。ヒツジが動けば動くほど、ハリネズミのハリはヒツジの毛にからまっていきます。「だれだ、お前は!」「お前こそ、だれだ!」ヒツジとハリネズミはお互いを見ようとしますが、まったく見えません。言い争いを続けているうちに、ふたりはようやく気づきました。“これは、自分たちでは引き離せない”と。だれかにとってもらわなくてはいけません。ところが、いつもえらそうにしているふたりは、やさしい顔つき、やさしい言い方でお願いすることができなくて、みんなに断られてばかり……。素直になることの大切さや、お互いを思いあうことの大切さを描いた幼年童話です。
-
3.0
-
4.0軍神「毘沙門天」に帰依して妻帯せず、その生涯の大半を戦場で過ごした上杉謙信――。戦の天才と謳われつつも領土欲が薄く、何よりも「義」を重んじた聖将を支えたのが“戦国最強”を誇る上杉軍団であった。本書は、川中島で武田信玄と鎬を削った謙信の治世から、越後を二分する跡目争いとなった「御館の乱」、直江兼続と二人三脚で天下人の秀吉や家康と対峙した後継者・上杉景勝の時代まで、主君に負けず劣らず個性的な上杉の武将たち14人を厳選した人物列伝だ。「長尾政景/野尻池の悲劇」「鬼小島彌太郎/謙信股肱の猛臣」「色部勝長/血染めの感状」「荒川長実/謙信の影武者」「甘粕長重/激戦の殿」「北條高廣/三度背信した奇将」「直江信綱/白昼の惨劇」「栗林政頼/三国峠の勇士」「新発田重家/揚北の剛勇」「藤田信吉/旧領奪還の熱意」「直江兼続/閻魔への書状」など、彼らの熱い生き様を通じて上杉家の強さの秘密に迫る!
-
3.0天下人となるチャンスが誰にでもあった動乱の時代に、我が故郷の武将は一体どうしていたのだろうか? 応仁の乱ののち群雄割拠する有力大名や、信長・秀吉・家康による天下統一だけが“戦国”ではない。地方各地に目を向ければ、自家の存亡を賭けて勢力拡大を目指した武将たちのドラマが見えてくる。本書は、室町幕府以降の全国各地の武将たちの野望と動向を、勃興期から47都道府県別に調べ尽くした一冊。「京都:足利一門では傍流だった細川家の出世」「山口:陶晴賢が大内氏を滅ぼしたのではない」「鹿児島:島津氏が頼朝の子孫を称する意味」「千葉:房総半島では意外に新参者の里見氏」「茨城:古河が関東の首都だった理由」「宮城:伊達藩家老は東北の名族だらけ」「愛知:名門織田家と用心棒稼業の松平家」など“それぞれの戦国時代”を克明に描き出していく。そこから導かれる「国盗り」から「天下取り」への条件とは? 戦国ダービー、いざ開幕!
-
-
-
5.0史上屈指の汚名を被った男は、なぜ、奇跡の復活を果たせたのか? 戦国武将・仙石秀久といえば、戸次川の戦いで長宗我部信親らを討死させる大敗を喫したことで批判されてきた。「三国一の臆病者」とまで罵られたほどである。本作は、そんな汚名にまみれた武将の栄光と挫折、そして復活を、新解釈で描き切った力作長編である。物語は、主君・信長と秀吉との出会いから始まる。若き日の姉川合戦での一騎打ち、智謀の将・竹中半兵衛と黒田官兵衛との交わり、強敵・長宗我部元親との引田合戦を経て、秀久はついに、国持ち大名へと立身出世を果たす。ところが、戸次川合戦でまさかの大失態……。領地も名声も全てを失った秀久は、髷を落とす覚悟まで固める。しかし、選んだ道は、再び戦場に身を投じることだった――。「失敗しても、明日がある!」。現代人に鮮烈なメッセージを伝える戦国小説。
-
3.7ゲームやTVドラマでおなじみの武将たちが美麗なイラストとともに迫り来る! 上杉謙信、伊達政宗、真田幸村、長曾我部元親・・・。若い女性を中心に今巷で大人気の戦国武将たち。彼らの魅力のひとつは、他を圧倒する強烈な個性と「義」を重んじた独特の美学にある。 独眼竜の異名を取った奥州の覇王=伊達政宗 強靭な肉体と恐るべき精神力を誇った天下無双の豪傑=本多忠勝 神の心、悪魔の戦術で敵を圧倒した軍神=上杉謙信 天下の覇権を夢見た四国の覇者=長曾我部元親 など、常に死と隣り合わせに生きた男たち117人を「婆沙羅武将」「猛将」「義将」「智将」「戦略家武将」「哀将」の6つのカテゴリーに分け、紹介する。 本書のもうひとつの魅力は、従来の固定概念を覆すイラストの数々。力強く格好いいイラストから、憎らしい程のスキのない武将イラストまで、カバー、本文とも豊富に掲載。一見の価値あり! の戦国武将入門書。
-
5.0全国各地で多くの知将・猛将が覇を競った戦国時代。本書は戦国時代を生き抜いた武将たちの「意外な人生」に注目したものである。武田信玄・徳川家康といった、誰もが知っているような名将から知る人ぞ知る武将まで、波瀾万丈の人生を送った男たち。彼らの中には優れた才能を持ちながら非業の死を遂げたり、失意のうちに晩年を過ごした者も少なくない。逆にパッとしない前半生を送りながら、人生の後半になってその名を轟かせた者もいる。現代以上に実力主義だった戦国乱世、「できる男」たちの人生を決めたものは何だったのか? 歴史ファンのみならずとも読んで欲しい一冊。
-
3.9各都道府県で一人、武将を取り上げて掌編小説に! 直木賞作家・今村翔吾が挑む“驚天動地”の衝撃作。秀吉に、毛利、長宗我部、島津、さらには黒田官兵衛、立花宗茂……。西の空に漢たちが舞う! 近畿・中国・四国・九州の武将24人の、胸が熱くなる、くすりと笑える、ほろりと泣ける逸話を描く傑作掌編小説集。 《目次》[広島県]十五本の矢 毛利元就/[島根県]謀聖の贄 尼子経久/[山口県]帰らせろ 大内義興/[奈良県]九兵衛の再縁 松永久秀/[佐賀県]老躯、翔ける 龍造寺家兼/[岡山県]宇喜多の双弾 宇喜多直家/[滋賀県]四杯目の茶 石田三成/[大分県]雷神の皮 戸次道雪/[三重県]何のための太刀 北畠具教/[兵庫県]未完なり 黒田官兵衛/[鳥取県]夢はあれども 亀井茲矩/[宮崎県]泥水も美味し 伊東祐兵/[長崎県]海と空の戦士 有馬晴信/[熊本県]小賢しい小姓たちよ 加藤清正/[和歌山県]孫一と蛍 雑賀孫一/[京都府]旅人の家 足利義昭/[大阪府]土を知る天下人 豊臣秀吉/[香川県]三好の舳 十河存保/[高知県]土佐の土産 長宗我部元親/[愛媛県]証を残す日々 加藤嘉明/[鹿児島県]怪しく陽気な者たちと 島津義弘/[沖縄県]三坪の浜の約束 謝名利山/[徳島県]古狸と孫 蜂須賀家政/[福岡県]立花の家風 立花宗茂
-
3.0かつて、学校ではこう習った――1467年、山名宗全と細川勝元との争い、応仁の乱を口火として戦国乱世がはじまった。この群雄割拠の時代を彩った英雄たちが数多くいた。織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、武田信玄、上杉謙信、北条早雲、斎藤道三……歴史に名を刻んだ有名人だけでも枚挙に暇がない。そしてそれぞれの武将について現代まで多くのエピソードが伝えられ、我々はそこから人物像をイメージする。しかし、一方では史実とは違った姿が広まっていたり、歴史の中に隠されてしまった彼らの一面も多くある。本書は、そんな戦国に活躍した武将たちの意外な話を紹介。「豊臣秀吉は『サル』とは呼ばれていなかった?」「武田信玄が精神を集中した秘密の場所とは?」「加賀百万石を守った前田利常の『鼻毛作戦』とは?」「真田幸村は討死にせずに鹿児島で生きていた?」など、思わず誰かに話したくなってしまうネタを満載した、歴史雑学本の決定版!
-
5.0お江戸の町に、かわいい大型犬を連れたニューヒロイン誕生! 日本橋本石町の米問屋「千石屋」の一人娘お奈津は17歳。武州一帯の米を扱う大店で、将来は婿をもらい跡取りになる身だ。しかし好奇心と行動力にあふれ、かどわかし事件を探って危険な目にあったりと周囲をハラハラさせる。そんなお奈津の頼もしい相棒が、愛犬の綺羅々(きらら)。大陸から来た大型犬と狼の混血という変わった血統の綺羅々だが、お奈津とは以心伝心。かしこくて力持ちの綺羅々は、ときに悪漢をこらしめ、あるときはお奈津の心をなぐさめたりと大活躍だ。よき理解者である唐物屋の藤五郎、旗本の子息・有馬龍之助など、脇役のキャラクターも印象的。長く脚本家としてアニメ『タッチ』などの番組を手がけ、映像の世界で磨かれた著者の描写力、ストーリー展開の巧みさは、時代小説初挑戦とは思えない。連作4篇で構成されたニュースタイルの「青春」時代小説。装画:杉井ギサブロー。
-
3.0「人の命」を奪うのが当然の戦時下で、彼は命を懸けて「人の命」を守った――。本国外務省の方針に背き、ナチスに追われてリトアニアに逃れてきたユダヤ人のために、日本通過ビザを発給し、6000人もの命を救った杉原千畝。そして託されたその命のバトンを受け継いだ建川美次、根井三郎、小辻節三、松岡洋介ら4人のサムライたちの勇気ある行動……。本書は、ヨーロッパと西太平洋で勃発した「戦争」という非常の事態を織り交ぜながら、のちに「日本のシンドラー」と呼ばれる杉原とその家族が、戦時下のヨーロッパに赴任してからの軌跡と、外交官としての杉原千畝がとった行動にスポットをあて、小説にしたものである。また、日米開戦を避けるためにアメリカの地で命を削った齋藤博駐米大使、真珠湾攻撃を立案、最後は南太平洋に散った山本五十六連合艦隊司令長官ら、それぞれの立場で自らの信念を貫き通した男たちの生きざまをドラマチックに描く。
-
-
-
4.021世紀を迎えた今日、戦争やテロの恐怖はますます増大している。人類発生以来、絶えることのなかった「争い」の歴史。数多の経験則を積み上げながら、人間はなぜ「戦争」を放棄する英知を持ち得ないのか。本書は、古今東西の歴史に“臨床例”を求め、戦争の根源的要因に解明のメスをふるった文明評論。ローマ帝国、スパルタ、カルタゴから始皇帝、モンゴル、インカ帝国まで、20の具体例をもとに戦争発生のメカニズムを読み解いていく。とりわけ本書の特徴は、各項ごとの論旨を明確に掲げたことにある。スパルタの巻では<教育>、十字軍の巻は<文化衝突>、ヒトラーの巻は<宣伝>……のように、戦争という“怪物”の様々な性格や要素が見事に因数分解されて提示されるのである。長年にわたり世界各地を旅し、実際に古戦場や帝国の遺跡にたたずみ、「戦争と人間」の問題を考察し続けてきた著者ならではの力作。著者撮影の貴重な写真も満載した好著である。
-
3.02001年にクラウゼヴィッツの「戦争論」の新訳が30年ぶりに出版されたことを受けて、クラウゼヴィッツの人物像、「戦争論」成立の時代背景から現代の安全保障・防衛の実態、ビジネス戦略への応用まで研究者4人が多角的に分析する。【目次】クラウゼヴィッツの人物像と『戦争論』-『戦争論』成立の背景とその内容/『戦争論』はいかに読むべきか/『戦争論』から見る日本の近代の戦争/帝国陸軍の戦争観-クラウゼヴィッツ『戦争論』誤解釈の観点から/現代の戦略問題とクラウゼヴィッツ『戦争論』/軍事組織におけるナレッジ・マネジメント/今なぜクラウゼヴィッツか-『戦争論』の現代的意義
-
-
-
3.0
-
3.7徳川秀忠とお江の娘として生まれたお千は、徳川家と豊臣家との絆となるべく、わずか七歳で大坂城に嫁ぐ。夫・秀頼や姑・お茶々との幸せな日々。しかし、それも徳川と豊臣の間に戦が起こることで終わりを告げた。夫と共に死ぬか、それとも……。大坂の陣後、ひとり生き残ったお千だったが、つらい運命が次々と襲いかかる。「火傷を負った坂崎直盛を嫌い、わがままを押し通して若くて美男の本多忠刻に嫁いだ」「春日局の片棒を担いで、影で大奥を牛耳った」「竹橋の屋敷に男を誘い込んでは弄んで殺した」など、いわれなき悪評を立てられるお千。しかし、そうした悪名を背負いながらも、お市、お茶々と受け継がれてきた「女にできる七つのこと」を心に刻み、ひたむきに生きていく。戦国の悲劇のヒロイン・千姫の、波瀾万丈の生涯を描いた長編力作。
-
3.8※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 【注 単行本に収録されているパロディ短編小説「陰気な山脈にて」は電子版には収録されておりません。ご了承ください】ロバート・ブロック(サイコ)、ギーガー(エイリアン)、菊地秀行(吸血鬼ハンターD)など、世界中のクリエイターに強い影響を与えた「クトゥルフ神話」。その原点小説『クトゥルフの呼び声』に勝るとも劣らない人気を誇り、映画化の噂も絶えない『狂気の山脈にて』を漫画化。各章末には、PHP研究所既刊『クトゥルフの呼び声』の解説やライトノベル『うちのメイドは不定形』の原案を担当したクトゥルフ神話研究の第一人者、森瀬繚氏による解説を掲載。
-
3.9事なかれ主義で経営が悪化した上場企業に、メインバンクから取締役としてロボットが出向してきた!?予算5000万円の新規事業を任された新米課長・道明美穂は、ロボット取締役からさっそく事業計画書の作り直しを命じられるが……。はたして道明はこの事業を成功させ、業績を上げることができるのか、さらに恋人・吾郎との恋の行方は?「新規事業を成功させる3つの戦略」「ポートフォリオを使えば、事業リスクは減らせる」「事業を拡大するお金を上手に調達する方法」「賃料を上げて不動産投資を成功させる方法」「戦略を理解できれば、人生の勝者になれる」など、事業計画書や経営戦略の立て方から株や不動産投資の基本まで、投資のルールのすべてがわかる! 先が気になる、笑いと涙の投資戦略ノベル。運に任せた人生は、努力の効率が悪い。成功するために必要な知識を得て、戦略を立て、合理的に決断し、実行すれば人生は変わる!
-
-世の中には「人が人を支える」仕事がたくさんあります。人と向き合う仕事ゆえの苦労や、時にはつらいこともあるかもしれません。でも同時に、真剣に仕事をしているからこそ出会う奇跡のような一瞬があります。そんな一瞬に生きがいや仕事の醍醐味を感じるのではないでしょうか。保険は、怪我や病気、さらには生命の危機といったときに役立つもの。だからこそ保険の仕事はストレスや大変さが多い反面、やりがいというのも大きいはずです。仕事の報酬は、お客様からの「ありがとう」。あなたの一生懸命は家族や仲間がきっと見ていてくれる。だからこそ毎日がんばれる。住友生命スタッフの体験をもとにした12のストーリー。仕事の本質や楽しさがわかる一冊です。
-
3.3テレビニュースは、なぜつまらなくなったのか? ニュースとワイドショーの垣根の消失、ニュースなのに視聴率を取らなければならない現実、番組や企画を外注することによる「やらせ」の多発。そして、記者の取材への熱意はなくなり、取材力の低下が著しい現場……。テレビは、視聴率に阿(おもね)るあまり視聴者に見放されるという負の循環に陥ってしまった。人気報道番組のキャスター、解説委員などを歴任した著者が、テレビ報道の内側を余すところなく著す。さらに自らがウェブメディアJapan In Depthを立ち上げた背景を語りながら、ウェブとテレビ報道の今後を考える。今アメリカではSNSなどでの「口コミ」で爆発的に情報を広げることを狙う「バイラル・メディア」や、莫大なデータを図表を用いてわかりやすく解説する「データ・ジャーナリズム」が花盛りだが、翻って日本のメディアはどうなのか。日本のテレビの「ネットアレルギー」を告発し、真摯な提言を行う。
-
4.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 マンガ家修業を始めて早2年弱。昼夜逆転で生活は不規則になり、ほとんど外出しないため腰痛持ちの虚弱体質に……このままではダメだ、と一念発起して女子力アップ、自分磨きに奔走するコミックエッセイ。でも、自分磨きしたくてもお金がない。かくなる上は、無料体験へGO! 日陰の干物女がまず向かったのは、天敵の美容業界。化粧、エステ、脱毛……。はたして著者は、干からびた状態から生まれ変わることができるのだろうか。そして、テニス、フィットネスでいい汗をかき、お料理、ヴァイオリンなど習い事へもまっしぐら。あぁ、著者が行き着く先は天国か地獄か!? 無料体験につきものの、勧誘の断り方などもレクチャー。ちょっと何かを始めてみたかったけれど及び腰の貴女は、本書で笑い転げながら、妄想世界で無料体験できちゃいます。美肌、仕事力、健康……タダでゲット大作戦に参加してみませんか。明日から180度人生が変わるかもしれませんよ。
-
2.0電子書籍だからできた、カラーイラストをふんだんに使用した贅沢なつくりのSFビジュアル小説が登場。物語の主人公はニコニコ動画などで人気の美少女キャラクター「シーエ」(キャラクター原案:Deino)。さらに『囚人と紙飛行機』をはじめとする作品で「悲恋」に定評のある「猫ロ眠@囚人P」氏を迎え、絶滅に抗する「ヒト」の斜陽を描いた、壮大な物語を構築していきます。【STORY】果てが存在するのかどうかさえも不確かな超巨大建造物「間隙鋼外殻(クロムシェル)」。幼少時に両親を亡くした少女、シーエ・エレメチアもまた、この「間隙鋼外殻」内の巨大な集落「街(ネブル)」で暮らしている有機生命体のヒトリだった。シーエは両親の悲願であった夢の大地「アルマ(天蘢未)」への移住を果たすべく、「夬衣守(えぐも)換装士」を目指して相棒のエムジや親友のミカイヌらとともに、厳しくも愉しい学園生活を送っていた。無限にして夢幻の空間「アルマ」。電子汚染を引き起こす殺戮機械「無機思考体」。機械でありながらヒトの心を持つ機械「救世主」……。すべての欠片(ピース)が接触するとき、物語は――稼働する!
-
3.6「禅のいろは」というと禅の入門書のようだが、さにあらず。いや、ある意味では入門書と言えるかもしれない。「いろはカルタ」の諺に託して、禅僧にして作家である著者が、禅的な生き方・考え方へのヒントを綴った一冊なのである。「いろはにほへとちりぬるを」で始まり、「あさきゆめみしえひもせす」と終わる「いろは歌」は、同じかなを一度も使わずに、「夜叉説半偈」という「死」についての短いお経を味わい深く翻訳したものだ。江戸の庶民たちは、それに口承された諺を頭文字ごとに一つずつ当てはめることで、「いろはカルタ」を生み出した。「い:犬も歩けば棒に当たる」「ろ:論より証拠」……「京:京の夢大坂の夢」と並んだ四十八句から、フッと肩の力が抜け、ホッとこころ癒されるメッセージが聴こえてくる。仏教にも文学にも造詣が深い著者ならではの諺の“読み筋”が冴えわたっている。人生の様々な局面にあって、臨機応変に歩むための「こころの四十八手」!
-
3.5「色は匂へど散りぬるを 我が世誰ぞ常ならむ 有為の奥山今日越えて 浅き夢見じ酔ひもせず」と、仏教的死生観をいろは47文字に凝縮した「いろは歌」。平安の昔に作られ、日本人が愛唱してきたこの歌が、ポルトガル伝来の「カルタ」と結びつき、諺の頭文字を「いろは」順に並べた「いろはカルタ」になった。「犬も歩けば棒に当たる」「論より証拠」「花より団子」……。年輩の方なら馴染み深いこれらの諺には、たんなる教訓を超えた仏教的な思想が看取できる。本書は、禅僧にして芥川賞作家である著者が、軽妙にして滋味深い筆致で、「いろはカルタ」のことわざをもとに禅的な生き方・考え方を説いている。かわいい挿画とともに、心癒されて明日への元気が出てくるヒントが満載。福島県三春町在住の著者は、いま原発問題を中心に未曾有の大震災と向き合い、多くの情報を発信している。本書ではひととき重い気持ちを忘れ、禅の自在の境地に身をゆだねたい。
-
4.0ママと二人暮らしの十一歳の美月は、夏休み、遠い親戚のおばさんの海の家で過ごすことになった。土地の子とはなかなか仲良くなれなかった美月は、ある日、泳ぎが得意で陽気な女の子、沙耶ちゃんと出会った。沙耶ちゃんと一緒にいると、何を話しても愉快で、一緒にいてこんなにもおもしろいと思える子は、初めてだった。沙耶ちゃんの家は、工務店で、おじいちゃんとおばあちゃんと住んでいた。美月は、スイミングスクールでバタフライの選手として活躍する沙耶ちゃんに、海で泳ぎを教わったり、海の町の情報を教えてもらったり、二人はすぐに仲良くなった。ところが、ある日、美月のママが、突然海の家にやってきて……。ママとのけんか、少年との恋のゆくえ、海のおばさんとの信頼関係、沙耶ちゃんのおかあさんのこと……。悩んで、泣いて、笑って、走って――少女たちのひと夏の成長を描いた、さわやかな物語。
-
3.7※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 人気コンビがおくる「わがままおやすみ」シリーズ第5弾! 梅雨の晴れ間に、そうじをしようとはりきるお母ちゃん。ところが、そうじきがなぜか動かない。そうじきを開けてパックの中を見てみたら、なぜかつりに使う道具が入っていた。すると、そうじきが突然しゃべり始めて、つりに行きたいと言いだした。今日はそうじをやめて、家族三人とそうじきの「ひでじいさん」で、つりに行くことにした。つり公園に着いてつりを始めたら、ひでじいさんのつりざおには、どんどん魚がかかる。そして、そうじきなかまから、つり名人と言われるだけあって、魚の名前もよく知っている。つりを楽しんでいると、突然、ぼくの背中にムニュムニュとした物体が……。「なにもつれてないのがかわいそうだから」と、いじめっこがタコを入れていた。怒ったぼくは、いじめっこを追いかけた。ところが……? ハラハラドキドキの展開が楽しい幼年童話。小学校1~3年生向け。
-
-1900年9月、第五高等教育学校教授であった夏目漱石は、2年間のイギリス留学へと旅立った。しかしこの留学生活は、後に「ロンドンに住み暮らしたる2年はもっとも不愉快の2年なり」と語られることになる。栄ある第1回官費留学生・漱石の「不愉快」の原因とは一体何だったのか。本書では、漱石自らが失敗作と認める『文学論』と、優れた18世紀英文学論である『文学評論』という、2冊の著作が執筆された背景を探りながら、これらの問いを解き明かしていく。文明開化のシンボルたる「英語」と、実学の対極に位置する「文学」の狭間で揺れる「英文学」という学問の意味。文明開化の担い手としての役割を期待されながら、イギリスで、近代化が人間の精神を衰弱させていく過程を目の当たりにするというジレンマ。漱石のみならず、明治の知識人が不可避に抱え込まざるを得なかった苦悩、そして近代化の残酷な宿命を浮き彫りにした、出色の漱石論である。
-
4.5人間の深い心理を描き、日本近代文学史上屈指の文豪と言われる漱石は、ホラー小説の名手でもあった!本書は、ショートショートや長編小説、エッセイなどの漱石作品の中から、ホラー・オカルト色の強いエピソードを集めた名品集である。霊魂、妖怪、魑魅魍魎、恨み、呪い、恋心などをテーマに、夢の中で語られた10の怪奇なストーリーを集めた傑作『夢十夜』。漱石の出世作『吾輩は猫である』の中の、一癖も二癖もある登場人物たちが語る、妖しくも艶やかな体験談。何気ない日常のすぐそばにひそむ闇と幻想と死の世界を淡々と描写した『永日小品』。子のない夫婦、宗助と米の悲しい運命を描いた、漱石三部作の一つ『門』。危篤を脱した漱石が入院先で出逢った、謎の隣人のことを綴ったエッセイ『変な音』。男と女の魅かれ合う恋心を描いた、淡く切なく妖しい明治の恋物語『趣味の遺伝』。エンターテインメント性に溢れつつも、存分に恐ろしい漱石の「怪談」を堪能する!
-
3.3ドロドロと混沌の遺産相続。そこに現れる謎のヒーローとは? 累計20万部突破の「ビジネス戦略ノベル」シリーズ最新作! 金額は関係ない! 愛と憎しみの資産防衛ノベル。 「銀行の預金は友里恵さんに相続させる。汐留のマンションは沙也加と亜美さんの二人に相続させる。そして、死亡保険金の受取人には……『金城陽菜』っていう名前が書かれていますが――」「お母さん、誰なのよ、陽菜って」沙也加が友里恵の両肩を揺さぶった。しばらくなすがままになっていたが、友里恵は「今まで黙っていて、本当にごめんなさい」と、うなだれながら話し始めた。「お父さんと……前妻の間の子の名前よ」「ちょっと、何、その話!」――本文より抜粋 税理士の慎吾は、親族同士で揉める相続の案件が大の苦手だった。ところがある日、相続相談の場に赤と銀のボディスーツに黄色いマスクの男が現れる。豊富な知識と不思議な力で次々と相続事案を円満解決する彼こそが、相続仮面と呼ばれる謎のヒーローだった! さらに相続仮面を追う謎の男も現れて……。生前贈与から節税手法、事業継承まで、相続の基本がわかる異色の資産防衛ノベル。
-
-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 重要文化財「通潤橋」。熊本県にある壮大で美しいこの石造りの水路橋は、多くの観光客を魅了し続けた。2016年の熊本地震で被害を受けたが、橋は崩壊することなく、2018年現在、着々と復旧工事が続いている。120年にわたり乾いた台地に水を送り続けたこの橋は、飢えに苦しむ江戸時代の矢部郷の人々の希望の象徴であり、そして後世から見ても驚くほど高い技術に裏打ちされていた。本作は、不毛の大地を潤すべく、通潤橋建設に生涯をかけた矢部郷の惣庄屋・布田保之助が、石工、郷の庶民とともに困難を乗り越え、そして完成に至るまでの物語である。
-
-いかなる巡り合わせか、首相としてどうというよりも、それ以前に「人間失格」ですらある人物が、最悪のタイミングで最高権力の座にいる。そして当然のごとく失政を重ね、しかもその地位にしがみついているのである──本文「はじめに」より著者は自民党政権5代、民主党政権2代の総理大臣を、官邸で間近に見つつ報道してきた辣腕記者。その阿比留氏が「最低、最悪」の烙印を押すのが、現・菅直人内閣だ。3月11日に東日本大震災が起きると「これで首相を2年できる」と周囲に漏らし、内閣不信任案が出されると党内を「ペテン」にかけて生き延びる。永田町ではもはや「歩く人災」とまでいわれる政治家をトップに置くかぎり、日本には「復旧」も「復興」もない。本書は2010年6月の菅政権発足以来今日まで、阿比留氏が新聞、雑誌で繰り広げた「超・辛口」報道をすべて網羅。何が辣腕記者をして「許しがたい」と確信させたのか。読んで迫力満点の一冊。
-
-
-
4.0いつの時代も企業に求められるもの、それが「組織力」だ。本書は、破綻した日本長期信用銀行が新生銀行として再生するまでを丹念に取材し、それをモデルにして組織が再生していく道のりを描いた感動のビジネス小説である。物語の根底を流れるのは、主人公の一人である社長の伊勢が訴えた「マインドセットを変えなければ」という危機感。それはまさしく、当時同じ銀行業界で仕事をしていた著者自身が感じていた「日本、そして銀行を良くするためには今までの考え方を変えなければならない」という思いと重なるものだ。さらにその危機感は、いまなお日本の社会に打ち鳴らされるべき警鐘であると著者は言う。社長など経営陣のみならず、各部署の責任者といった中堅社員、さらには現場で働く人びとなど、さまざまな角度から描くことで、改革プロセスが浮き彫りになってくる――奮闘する彼らの熱きドラマを味わいながら、組織力を高めるヒントを学びとれる一冊。
-
5.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 りっちゃんは、3さいのおんなのこです。ママのまねっこがだいすき。りっちゃんは、ママのお手伝いで牛乳を運びます。ところが、バタバタいそいで運ぶので、牛乳がこぼれてしまいます。「あら あら……そっと 運ばないと……」「はぁい……」今度は、猫のミーにミルクをあげましょう。「りっちゃん、ミー どこに いるかな?」「りっちゃんが つれてくるー!」ところが、ギュッと捕まえるので、逃げられてしまいました。「あら あら……そっと だっこしないと……」「はぁい……」そんな失敗続きのりっちゃんですが、日々を通して“そっと”が上手になっていきます。赤ちゃんに触るときは、“そっと”。シャボン玉をふく時も、“そっと”。できなかったことができるようになっていくりっちゃんの成長と、それを見守るママのあたたかな空気が伝わってきます。『ちょっとだけ』(福音館書店)の作者が描くやさしい一冊です。
-
4.0入院中のおばあちゃんに歌をつくった翔太と麻里絵。その話を聞いた友だちの滝田が、校内合唱コンクールの自由曲もクラスの創作曲で挑戦したいと言い出した。何をやってもビリで、やる気もまとまりもない6年3組。だれもが無理だと思っていた。ところが、いつもはやる気のないボスが滝田の提案にのって、創作曲をつくることが決まった。歌の作詞は翔太、作曲は麻里絵。しかも歌詞は、クラス全員が一言ずつだしあってつくることになり……翔太は思わぬ展開に頭を悩ませる。歌ができると、今まではサボってばかりの受験組も歌の練習に参加するようになり、次第に盛り上がっていく。そして、今までまとまりがなかったクラスが初めて一つになった。ところが、麻里絵はみんなに隠していたあることを話し……。家族、クラス、そして友達。それぞれのつながりのなかで成長していく翔太。卒業を迎えるクラスの姿、子供たちのさまざまな思いを描いたさわやかな作品。
-
4.5ありえない話の連続だがどれも本当にあったエピソードばかり。競馬新聞の記者をあきらめて、1990年になんとなく入社したソニーでは、人事部の憧れの女性とのほろ苦い思い出を皮きりに、深夜にいきなり起こして訳もなく謝罪させる美女、勝手に玄関に将軍様のポスターが貼られたり、引っ越してきた当日に発砲事件が起きるなど、映画のなかで生きているかのような抱腹絶倒のエッセイ! 「なかでも、学生時代やソニー時代を通じて出会った女の人たちからは、たくさんのことを教わりました。田舎育ちで何も知らなかったぼくは、彼女らに親切にされ、遊んでもらい、時に手痛い洗礼も受けながら、世の中のことや大人の世界のことを学びました。いわば、ぼくという人間は、彼女たちとの経験や思い出によってできているのだと感じました。そんな人たちへのお礼の意味も込め、一冊にまとめたのが本書です。笑っていただければ幸いです。」(あとがきより)
-
4.0母親を亡くし、祖父母と暮らすことになった中学2年生のトーコ。ある日、トーコがママの部屋を整理していると、ノートの間から何かがするりと抜け落ちてきた。それは、見覚えのない一枚の絵ハガキで、トーコが知らない差出人からだった。その後、トーコは「トーコに見せたい」と、ママが行きたがっていた場所があることを思い出して……。その場所を探すことにしたトーコは、叔母の千紘ちゃん、同級生の穂香や北沢など、周囲の優しさにふれ、成長していく。「べんり屋、寺岡」シリーズの著者書き下ろし作品。〈目次〉1.戻れない庭/2.空耳と現実/3.ママのノートとわたしの夏服/4.穂香の絵と星占い/5.パパからの電話/6.途切れた虹/7.パンケーキと千紘ちゃんの涙/8.やさしい風が吹いた/9.緑の瞳とネックレス/10.雪が咲く
-
-悲しいことがあると訪ねる保育園のケヤキの木とツリーハウス。小4になっても弱虫のぼくは、ことあるごとにそこをおとずれる。でも、そこに懐かしさを覚えるのは、ぼくだけではない。ケヤキの木とツリーハウスは、昔から地域の人に愛され、守られてきた場所なのだ。ところが、そんな憩いの場に突然、福祉施設建設の話が持ち上がった。「あの大切なケヤキの木は……」「思い出のツリーハウスは……」人びとの思いを置き去りにして、建設計画は進んでいく。弱虫のぼくも、じっとしている訳にはいかなくなった。いじめっこたちとも協力して、ぼくは子どもたちでできる「ケヤキを守る会」を立ち上げた。ぼくたちは懸命に署名を集めた。夏休みが終わり、始業式にぼくたちは市長さんに署名を届けに行く……。弱虫でいじめられっこだった「ぼく」が、ケヤキを守る運動に参加することで、自分の意見を言える逞しい少年に成長していく姿を感動的に描写した物語。
-
5.0
-
-
-
5.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 スケートぐつですいすい空を滑る、白くまのボーボが大活躍! 夢あふれる楽しいファンタジーです。 ハルナさんはクッキー屋さん。でも、お客はまだやって来ません。「今日は誰か来てくれるかしら」そう思った時です。ずっしーん!! 突然大きな音がしたので駆けつけると、赤いスケートぐつをはいた白くまが倒れていました。「ぼく、ボーボ。北極から空を滑ってきたんだ」やがて二人は、すっかり仲良しに。でも、相変わらずお店はがらんとしたまま。そこでボーボは、ハルナさんのために、北極の雪で空に広告を書いてあげます。おかげでお店は大繁盛。大忙しの毎日です。ところが冬になると、ボーボは「もう、行かなくちゃならないんだ」と言い出しました。実はボーボのスケートぐつは、サンタさんのものだったのです。四季の美しさも色鮮やかに描かれています。ボーボとハルナさんの友情に、心温まる絵本です。
-
3.5※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 伊豆諸島の島の小学校に、大きなイチョウの木がありました。葉っぱは、このイチョウの木に生まれました。葉っぱは、いつも思っていました。「空から見ると何が見えるのかなぁ?」。ある朝、島に強い風がふいて、葉っぱは大空に舞い上がりました。空の旅のはじまりです。「おーい。空から見ると、何が見える?」。海をはしる船が、葉っぱに聞きました。「とっても広い海が見えるよ」。葉っぱはそのあとも、熱海の上空で糸の切れた奴凧と出会ったり、横浜港上空で黄色い風船と出会ったりしながら空の旅をつづけ、新宿、東京のウォーターフロント上空を通って、東京スカイツリーにたどりつきます。そして、その近くの神社に舞い下ります。空から見える風景を描いた鳥瞰絵図が圧巻の絵本です。鳥瞰絵図はすべて、作者が小型飛行機で空から実際に見た風景をもとに描いたものです。
-
3.5遠巻中学校の2年生男女、鰐淵頼子と犬走凪人。二人は幼稚園時代からの幼なじみで、仲がいいわけでも悪いわけでもない。二人は、幼い頃から、不定期になぞの空飛ぶくじらに吸い上げられ、どことも知れない世界へと連れていかれる。空飛ぶくじらがやってくると、おかしなことに、二人の周りの人やモノの動きがピタリと止まって動かなくなる。別世界から元の世界に戻った時も、時間はまったく経過していない。空飛ぶくじらに吸い上げられ、別世界に降ろされたあとは、空飛ぶくじらが迎えに来るまで、ひたすらそこで生きていかねばならない。二人はこの一連の流れを、「空飛ぶくじらの優雅な遊び」と言い、部活動になぞらえて「空飛ぶくじら部」と呼ぶ。「活動日誌」6話――「爆撃機」「ゾンビ」「弱肉強食」「ヤンキー」「ムラ」「鬼」――から成る、世にも奇妙でふしぎな冒険ファンタジー。
-
4.2ある日、列車の形をしたパンが駅に到着しました。子どもたちが大喜びで乗り込むと……パンはフワリと空へ浮かびあがりました。みんなを乗せたパンは、大きな雲の中に入っていきました。中は、パンでできた夢の国でした。すると、その国の人たちは、みんなに変わった形のパンを、たくさんご馳走してくれました。みんなはおいしいパンをお腹一杯食べることができました。それから、みんなでパンの国を散歩していると、突然怪獣が現れ、一人残らず食べられてしまいました。みんなは、お腹の中からトンネルを掘って脱出しました。お腹に穴が空いてしまった怪獣は、ワンワン泣きだしてしまいました。反省した怪獣のお腹に、パンを詰めてあげると、お礼に、とっておきのおいしいパンをくれました。そらとぶパンの楽しい冒険が、画面いっぱいに展開されます。子どもが大好きなパンが続々登場する絵本です。
-
4.0往復書簡で描く、ある家族の物語。実話を元に描く感動作。昭和ひとケタ生まれの妙子と、高校生の孫の理沙。ある年の春、二人は新しい生活を始めることになった。妙子は長年住み慣れた稲毛の家を手放し、高齢者施設で暮らすことを決断。一方の理沙は、高校入学と同時に親元を離れて学生寮での生活をスタートさせた。そんな新生活を励まし合うために妙子の提案で始めたのが「文通」だった。手紙のやり取りを通じて明かされる家族の歴史、戦争の過酷さ、そしてもう二度と戻らない懐かしい日々……。世代が全く異なる二人がお互いを思い、気づかい合う姿は多くの人の実体験とも重なるでしょう。中高生から年配の方まで、家族三世代で楽しめる心温まる一冊です。2021「第45回 千葉県課題図書(中学生向け)」、公益社団法人読書推進運動協議会「2020 若い人に贈る読書のすすめ」24点に選出。全国の図書館司書からも大反響を得た作品です。
-
4.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 アンナが買いもの途中で見つけた、いろいろなクリスマス。ごちそういっぱいのクリスマス、着飾ったおねえさん達のダンスパーティ。そして最後に見つけたものは……?
-
3.6父・孫堅を亡くし、若くしてその跡を継いだ呉の武将・孫策。勇猛であった父の軍隊は解散してしまい、一兵も持たない境遇になってしまった孫策だったが、伝国璽とひきかえに三千の兵を手にする。それがきっかけで息を吹き返した孫策は、人並外れた戦闘力と抜群の統率力で瞬く間に戦功を挙げ、主家筋である袁術軍の中でもひときわ異彩を放つ存在になっていく。また一方で、人と話すのが好きで闊達な性格であった孫策のもとには、続々と人材も集まった。袁術から江東への出兵を要請された孫策は、次々と敵を打ち破り地盤を強化、盟友・周瑜の協力も得てついには江東で念願の独立を果たす。さらに快進撃を続ける孫策は、勢いに乗って曹操の支配する許都を攻めようと機会を窺う。そして出立を三日後に控えた朝、孫策はある見逃せない情報を得た……。「江東の小覇王」と呼ばれた若き英傑の生涯を描く歴史小説。
-
-
-
-時は、四〇〇年続いた中国殷の時代末。周の国で、魚が釣れるはずもない真っ直ぐな釣り針を水面の上に垂らし、幾日も川辺に佇む老人。その老人の噂を聞いて会いに赴いた周の文王は、一目会っただけで、先君の太公が予言した、周に興隆をもたらす大賢人と見抜き、軍師とした。その老人は、太公が待ち望んだということから、「太公望」と尊称された。太公望は、文王とその子武王に仕え、比類なき軍略と、ときには権謀術数をも自在に駆使して周の国力を増強させ、強勢を誇った殷帝国との戦いに勝利をもたらし、周に覇をとなえさせた……。後世、兵法の始祖とも称された太公望。のちに項羽を倒して漢帝国を樹立した劉邦の軍師張良も、太公望の兵法書といわれる『六韜』から得た軍略で劉邦に勝利をもたらしたと伝えられる。本書は、そんな伝説に彩られた史上最高の軍師太公望の叡智に溢れた生涯を、雄渾な筆致で描き出した長編歴史小説である。
-
-これは、神戸の二大洋菓子メーカーの一つ、モロゾフの真の創業者・ヴァレンタイン・モロゾフ一家の物語である。ロシア革命後の亡命から神戸で洋菓子店を開き成功するも、その後、日本人共同経営者による裏切りから「モロゾフ」という屋号を名乗ることが許されない悲劇。そして神戸大空襲と敗戦による苦難……大正十五年に始まったモロゾフ親子の苦闘の歴史を綴ったのが本書である。ロシアで成功した富豪でありながら、そのために革命後に国を去る決断をし、ハルビンから日本を目指すも、関東大震災に出会い、日本をあきらめシアトルへ、そしてまた日本の神戸と流転する。モロゾフ一家の足跡をたどることによって、革命下の家族離散の悲劇、亡命者の苦難、戦前・戦後の神戸や日本の近代史の一側面が描かれている。高級チョコレートにはほろ苦くも深い人生の味がある。
-
3.5幸せな恋がしたい女の子、必読! 「関係が尊すぎる」とインスタで8万人が憧れる同棲イラストエッセイ、待望の初書籍の電子版。 ●Chapter1 恋に落ちるのは、ほんとうに一瞬で ●Chapter2 近付いたぶんだけ、もっと知りたくなる ●Chapter3 すれ違っても、言葉だけは怠らないように ●Chapter4 違うことが楽しい、補い合えることが嬉しい ●Chapter5 あったかい愛情に包まれた暮らし ●Chapter6 結婚のその先も、ずっと大切にしたい 〈著者紹介〉にぃまる 絵を描くこと、本や漫画を読むことが好きな20代会社員。2019年2月より、愛おしすぎる彼氏、水野くんとの同棲エピソードをインスタに投稿したところ、「素敵以外の何者でもない」「隣にいる彼を大切にしたくなった」と多くの憧れ・共感の声が寄せられ、フォロワー数現在8万人。水野くんとは、2020年初旬入籍。本書が初めての著書。Instagram @niiiii_maru
-
-19世紀中葉、清朝打倒を掲げて中国南部に蜂起、長江下流域に強勢を誇った太平天国。拝上帝教をもとに、漢民族の復興を掲げた指導者・洪秀全は、強力な軍団を組織して清朝勢力を駆逐していった。ところが南京に至り、天京と名づけて都とすると、洪秀全ら上層部は貴族的生活に染まり始める。「なぜ、一気に進撃しなかったのか?」――大陸情勢の視察を命じられた紀州藩士・蜂田十兵衛は、そんな疑問を投げかける。金ピカの宮殿や装束、不毛な権力抗争と粛清の嵐、清朝軍やゴードン将軍率いる常勝軍からの猛攻、無気力なまでに何もしない天王こと洪秀全……戦乱の只中に身を投じながら、蜂田十兵衛は絶頂から転落していく太平天国を目のあたりにする。構想・取材に7年を費やした著者渾身の長編小説。戦記として描かれているが、そこで語られるのは戦う姿勢を失った組織が自壊していく過程であり、太平天国を反面教師とする「勝つ組織」への教訓の書といえる。
-
4.0国力がはるかに勝る米国との戦争。それは当然ながら、苛烈な戦闘と決死の覚悟を日本の将兵に強いた。昭和から平成、そして令和に時代が変わった今でも、その「記憶」が消し去られることはない。兵を率いる指揮官には、理性派や闘将型、さまざまなタイプがあったが、刻々と変わる状況下で求められるのは、相手の出方を読む冷静な判断力に加え、「肉を切らせて骨を断つ」強烈な気迫であった。リーダーに迷いがあれば、部下はついてこない。そして、そのような将たちにも、守るべき家族がいた──。海軍からは、山本五十六、山口多聞、角田覚治。陸軍からは、中川州男、栗林忠道、今村均の戦略や戦術、采配を分析。真珠湾攻撃やミッドウェー海戦、南太平洋海戦、ペリリュー島や硫黄島の戦いなど、太平洋戦争の分岐点となった数々の戦闘を取り上げ、その背景や位置づけ、勝敗を分けた要因について詳しく解説。父祖たちが残した激闘の軌跡から、現代の我々が受け取るべきものとは。
-
-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ぶたのぶぶは、むしたちから「たいようさん」とよばれています。きょうも、外でお昼寝をしていると、むしたちが集まってきました。最初にきたのは、ありたちです。ありたちは、あたたかい「たいようさん」の顔にのぼっていきます。「むずがゆーい」。ぶぶは、ぶひぶひぶひーんと、ありたちを森までふきとばしました。つぎにきたのは、ちょうたちです。ちょうはくだをのばして、鼻の穴をほじります。「こちょばーい」。ぶぶは、ぶきゃぶきゃびーと、ちょうちょうを海までふきとばしました。つぎに、くもたちがやってきて、顔に糸をかけます。「くるしいー」。ぶぶは、ぶりんばーいと、くもを空の雲にふきとばします。つぎには、いもむし、ばった、けむし、ごみむしがやってきます。しかもそこに、てんとうむしが遠足でたくさんやってきます。「いきぐるちぃー」。ぶぶは、むしたちを宇宙にふきとばし、これでゆっくりお昼寝ができると考えたのですが……。
-
3.5桓武天皇の子孫にして、陸奥鎮守府将軍・平良持の子、将門。右大臣藤原忠平卿に仕えることになった将門は、父の命で従兄弟で幼なじみの平貞盛とともに京にのぼることになる。都では市中を荒らしまわる群盗を退治したり、先の左大臣藤原時平の娘で、忠平の姪の褒子に恋をしたりと多忙な日々を送る将門。しかし父良持の死がきっかけとなり、運命は一変する。なんと故郷の地で将門を待っていたのは、一族相手の血で血を洗う抗争だった。父の遺領をめぐって戦いを仕掛けてくる伯父達を相手に必死で戦い、打ち破ることに成功する将門。紛争を解決するうちに、坂東一円の豪族達から支持を集めるようになった将門は、「新皇」として朝廷からの独立を宣言する。しかしその野望を打ち砕かんと一人の男が都から帰ってきた。圧政に苦しむ領民たちを助けるべく、あえて逆賊の汚名を被る覚悟で、朝廷に叛旗を翻した男の壮絶な生涯を描く歴史人物小説。
-
5.0不思議な島に閉じ込められた男の子・もーちゃすと、コンチェル、ラザニア、ぱりぱりうめの3人の女の子。4人で力を合わせ、島から脱出するものの、奇妙なロボットに襲われ、再び島へ連れ戻されてしまいました。再びロボットから逃げ出した4人のうち、もーちゃすは大きな冷蔵庫へ隠れます。彼が深い眠りから目を覚ますと……そこはロボットが支配する200万年後の世界でした――。カリスマ的人気フリーゲーム『タオルケットをもう一度』を、原作:水野輝和(「タオルケットをもう一度」シリーズほか)×執筆:ひびき遊(小説『ガールズ&パンツァー』ほか)×挿画:碧風羽(漫画誌『Fellows!』表紙ほか)の最強パーティで小説化! 何億年経っても「逢いたい気持ち」は変わらない――宇宙の始まりと終わりをさ迷うもーちゃすの旅が、今、始まります。
-
-※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 児童文学作家・故大石真氏と絵本画家・井口文秀氏。児童書出版の一時代を築いた二人の大家の制作途中の絵本が、井口文秀氏の長女の画家・向井康子氏の補筆でよみがえりました。二世代にわたって描き継いだ感動の絵本です。琵琶湖のほとりに長浜という町があります。長浜の春の祭り「長浜曳山祭り」には、五歳から十二歳までの男の子だけで演じられる「子ども歌舞伎」があります。長浜に住む主人公のたかしは、子ども歌舞伎に、お姫さまの役で出ることになりました。たかしは、曳山まつりが昔から伝わる町の大切なお祭りなので、よろこんで引き受けることにしたのです。お祭りの日まで、毎日毎日、猛練習が続きました。そして、いよいよ明日は曳山まつりの本日。日が暮れてから、夕渡りがはじまりました……。伝統の祭りに、湖北地方に伝わる「お花ぎつね」の伝説を折り込み、歴史の町の風土とそこに暮らす子どもたちの姿をいきいきと描いた本です。
-
2.7「おもしろき こともなき世を おもしろく」――幕末長州藩の風雲児・高杉晋作が詠んだというあまりにも有名な辞世である。松下村塾で吉田松陰門下の逸材として久坂玄瑞と併称され、武士だけでない庶民参加の軍隊「奇兵隊」を日本史上初めて組織し、長州藩を「討幕」に向けてまとめ上げた。しかし後年、病に伏した高杉は明治維新を見ることなく29歳で病没している。この若さで、これほど気宇壮大に生きながら、この辞世の意味するところは何か。著者は、高杉の生き方を「面白くもない世の中を、面白く生きられるように仕掛けて行った」ものと喝破する。そして、激動の生涯を追いながら、かれが自分で自分にどう仕掛けて行ったかを、現代的な視座でたどりながら描いていく。歴史小説であるとともに、「面白い生き方は、自分が面白く作っていかなければならない」という著者のメッセージが込められている。2015年大河ドラマ「花燃ゆ」の主要登場人物。
-
5.02019年11月24日の最終公演をもって宝塚歌劇団を引退する花組トップスターの明日海りお。宝塚歌劇100周年の2014年から、宝塚を代表するトップスターとして華やかに宝塚歌劇を牽引してきた明日海りおの魅力とは何か。多くの人気タカラジェンヌを輩出した89期生として、同期である雪組トップスターの望海風斗、元星組トップ娘役の夢咲ねね、元月組男役の美弥るりか、元星組の七海ひろき、壱城あずさ、専科男役の凪七瑠海などの仲間たちと歩んできた時代(宝塚音楽学校入学前から宝塚歌劇団退団まで)を振り返り、トップスターの魅力を徹底分析、稀代のタカラジェンヌの秘密に迫る。
-
-宝塚歌劇で2009年から2015年と6年もの長い期間で、ダントツの人気トップスターであった柚希礼音。1999年に85期生として入団する前の音楽学校受験前から、退団、さらには退団後のミュージカル、リサイタルなどにも触れ、どのようにスターへの階段をのぼっていったのか。音楽学校入学前~音楽学校時代~宝塚歌劇団入団時~星組若手時代~二番手時代~トップ就任時~退団前~退団時と、それぞれの時代の9人のトップスターたち(天海祐希、大浦みずき、北翔海莉、真飛聖、安蘭けい、真矢みき、真琴つばさ、明日海りお)と比較し解説。最後に年表を付す。
-
3.5匠=職人。その熟練の技は神話の時代から感動と尊敬の念を人々にもたらしてきた。精魂込めた「本物」を生み出す彼らの姿は、絶やしてはならない「ものづくり」の喜びを教えてくれる。日本酒、漆器、和紙、茅葺、金箔、和ろうそく、織物、仏像と修理、人形、日本刀、花火、陶芸――世界でも有数の伝統は、最先端の技術と共存しながら、今なお受け継がれている。それこそは日本の尊き美質であり、国を支えてゆく礎となる。地道な努力を厭い「楽して儲けたい」という現代の風潮を憂える著者が、日々研鑽を重ねる職人たちに迫った。戦後、吉田茂と白洲次郎は荒廃の極みにあったわが国土を前にして、それでもそこにまだ「日本人」が残っていることに一筋の光明を見出した。それは匠の伝統を受け継いだ、手先が器用で我慢強く、向上心旺盛な、世界有数の勤勉な国民である。日本には天然資源はない。しかし「日本人」がいる。それを誇らずして何を誇ろう。
-
3.01573年、甲斐の虎・武田信玄が上洛の志半ばで死去した。このとき勝頼28歳。信玄の四男であった彼は、兄達の自害や病死によって正式な後継指名を受けないまま家督を継ぐこととなった。もともと母系諏訪家の名跡を継ぐ予定だった勝頼には、強力な後ろ盾がいない。そのため家臣団に抑えがきかず亀裂が生じようとしていた。さらに急激に勢力を増してきた織田・徳川連合が、武田家の領地を脅かそうと何かとちょっかいをだしてくる。勝頼を取り巻く事態は予断を許さない状況にあった。そんな中、勝頼は巻き返しを図るべく高天神城を包囲する。父信玄さえも攻略できなかった難攻不落の城。これを落とせば綻(ほころ)び始めた家臣団が再び結束するかもしれない。そんな思いを胸に戦場に向かった勝頼は、怒涛の如く攻め立て見事攻略するのだった。名将信玄の跡を継ぐという宿命ともいうべき重責を担った若き武将の光と影を描く人物小説。
-
3.5江戸時代において「まことの武将」と評されるとともに、その家訓が武士の心得として読み継がれるなど、後世の武士に大きな影響を与えた仁徳の武将、武田信繁。父・信虎に廉直な気質を愛され、次代の後継者とも目されていた信繁だったが、家臣・領民のために兄・信玄に従って父を追放。兄弟、親族同士が争う戦国時代にあって信玄を献身的に支えた。家臣の統制と領国経営に力を発揮するとともに、権力の大きさゆえに道をはずれそうになる信玄を、自身を犠牲にしてでも正す役目を負う。そして川中島の合戦では、信玄を守るために壮烈な戦死を遂げた。信玄は遺骸を抱いて号泣し、武田家臣団からは「惜しみても尚惜しむべし」といわれるだけでなく、敵である上杉謙信さえもその死を悼んだという。武田二十四将、随一の副将の生涯を爽やかに描く長編小説。
-
3.5天正18年(1590)、豊臣秀吉は戦国乱世の時代に終止符を打ち、天下統一を成し遂げた。この偉業を支えた二人の名軍師が、竹中半兵衛重治と黒田官兵衛孝高である。わずかな手勢でやすやすと美濃・稲葉山城を盗り、そのあとで城を主に返して隠棲した無欲の天才・竹中半兵衛。秀吉が織田家臣団の中で台頭する時期、戦場における半兵衛の貢献は計り知れないほど大きかった。一方、播磨の国人に仕える一家老でありながら、天下への志を抱いた智謀と誠実の人・黒田官兵衛。本能寺の変に際して中国大返しを実現させ、官兵衛は秀吉に天下人への道を開いた。「二兵衛」と並び称された半兵衛と官兵衛は、置かれた環境は異なり、性格も正反対だった。にもかかわらず、互いの才を認め合い、相手を信頼し合って、秀吉の天下取りを補佐した。二人が抱き続けた志と友情は、今日の我々の胸を打つ「熱さ」を帯びている。不世出の軍師二人の人生を描いた力作長編小説。
-
3.8
-
3.5筑後柳河十三万石の領主立花宗茂を描く長編小説。秀吉をして「鎮西一の忠勇、天下無双の勇士なり」といわしめた宗茂の生涯は、戦っては義戦多く、常に寡兵をもって大軍を破り、その生きざまは信義一筋、まことに誠実・清廉なものであった。これは実父高橋紹運、養父立花道雪という両父の高潔な生き方を範としており、ゆえに本編は、この三人の父子像が中心のテーマとなっている。ともに大友家の加判衆であった両父は、当主宗麟を守り立てる立場にある。たとえ非道な仕打ちにあったとしても、決して当主を見放さず、己の運命として受けとめ、恥じることのない生涯を終えるのである。この愚直なまでの廉潔な生き方を、著者は現今の知的ノウハウ重視の風潮に対するアンチテーゼとして提示、また自立する女性として描かれる妻ぎん千代と宗茂との葛藤も、今日的なテーマとして見事に描出している。現代人の心を癒し、人間の温もりをほのぼのとつたえる力作である。
-
3.7※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 四月から友子は一年生になりました。学校はとっても楽しいです。でも、となりの席のたっくんは、大きくて力も強いし、「おまえ」なんていうし、ちょっとこわいのです。ある日、学校のうえきばちに、あさがおの種をまきました。友子は早く芽がでないか、楽しみでしかたありません。放課後、いつものようにあさがおの芽を見に行った時、友子はとなりのうえきばちを倒してしまいました。あわてて元にもどしますが、うえきばちの名前を見て、友子はどきっとしました。倒したのは、たっくんのうえきばちでした。先生に倒したことをいわなくてはいけないのに、なかなかいいだせません。そして、たっくんにあやまらなくてはいけないのに、たっくんはおたふくかぜでお休みしてしまいました。それから友子は、たっくんのうえきばちにもお水をあげました。ところが、たっくんの芽は一つもでてこないのです……。友達を思う気持ちの大切さを描いた、心温まる幼年童話。
-
4.2※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ちいさな池にすむ、生き物どうしでおこった仲間はずれ。それは人間の子どもの世界でも、大人の世界でも起こりがちなこと……。本書はいじめをテーマにした心の成長物語です。森のみずうみの近くに、ちいさな池がありました。その池にはカメとさかなとおたまじゃくしの三匹がすんでいました。自由に水からあがってひなたぼっこのできるカメをうらやんで、嫌がるさかなを誘い、おたまじゃくしはカメを仲間はずれにしていました。ところがある日、おたまじゃくしに足がはえ、かえるの姿に変わったのです。水からあがれるようになったおたまじゃくしは、今度はカメを誘って、一生水から出られないさかなを仲間はずれにします。やがて夏の日照りがつづき、池の水が干上がったため、かえるはカメとみずうみに移る相談をしました。しかし、さかなを見殺しにしてはいけないことに気づき、かえるはカメと力を合わせ、さかなを救うために、かたい土を掘り始めました……。
-
-この10年でプロボクサーの数が2倍増となり、ボクシングは「見るスポーツ」から「やるスポーツ」に変化した。そこには、目的喪失の時代を生きる者が精神的な飢えを感じ、自分の存在意義に悩む時代背景があると、著者は指摘する。過酷なスポーツに挑戦し限界を知ることで、はじめて見えてくる「己の輪郭」。日本テレビ系列の「TheサンデーNEXT」で紹介され、視聴者の心を掴んだ刺青ボクサー・川崎タツキもボクシングに魅せられた1人である。人一倍の負けず嫌い。ケンカに明け暮れた少年時代。そして、ヤクザ稼業、薬物依存症という過去と決別し再生してきた不撓不屈の精神の持ち主。何事にもとことん納得するまで挑まずにはいられない「100%燃焼男」が「家族の愛」と「ボクシング」に出会うまでの人生には、いったい何があったのか――「どん底」から這い上がってきた男が勝ち取った「共感」と「感動」の半生記。『はぐれ者』を改題。
-
5.0※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ほとんどが青一色で描かれた絵本です。青の濃さの変化のみで、幻想的な海の世界を描いています。その世界の中を、タツノオトシゴがさまよい、はばたいたり、隠れたり、自由気ままに楽しんでいます。そっとお花の蜜をすってみたり、泡にしてふいてみたりしてみると、いろいろな海の仲間が集まってきます。そのあと、ぼんやり空を見ていると、どしゃぶりの雨が降ってきてずぶぬれに。だけど気にする様子もなくのんびり乾かしています。すると、つるりっと落っこちて……タツノオトシゴはどこへいくのでしょうか? 本文はとてもリズミカルに読めて、独特な空気感があります。ゆったりとした世界がほっとした気持ちにさせてくれる一冊。
-
4.7新聞社の政治部記者時代に田中角栄と出会い、以後23年間、敏腕秘書として勇名を馳せた著者が、政治の舞台からプライベートまで、天才政治家の生の姿を活き活きと描く。貧より身を起こし、不屈不撓(ふくつふとう)、小学校卒の角栄が、54歳の若さで日本の最高指導者に登りつめた秘密のカギは何であったのか? 秀才官僚はなぜ角栄に心服したのか? 憲政史上最大最強の人脈はどのようにつくられたのか? 刊行当時ベストセラーとなった著者渾身のデビュー作、待望の復刊本を電子化。『オヤジとわたし』を改題。 ○“左翼の季節”は終わった ○戦後デモクラシーが生んだ“人民の子” ○大平正芳との友情 ○なぜ小学校卒で総理大臣になれたか ○裁判にも終始一貫、背すじをのばして ○政治の根っこは“義理と人情” ○嫁は下からもらえ、婿は上からもらえ ○政治は国民生活の片隅にあるのがいい ○白か黒かでなく、真理は中間にあり etc.
-
3.5※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 大人気の絵本『そらとぶパン』の第二弾! 大きな雲の中に、全てがパンでできた「パンの国」がありました。ある日、その国に住む兄妹のところに、お城のお姫様からお誕生日パーティーの招待状が届きました。さっそく二人がでかけると、家の近くにパンの汽車がやってきたので乗せてもらうことにしました。途中で、ぞうとライオン、アーモンドパンとメロンパンに出会いました。みんなもパーティーに呼ばれているというので、一緒に汽車で行くことにしました。しばらくすると橋に辿りつきました。でもその橋は、恐竜パンの子供に食べられていて、汽車は、ミルクの川へ落ちてしまいました。でも、優しい恐竜パンのお母さんが引き上げてくれて、何とか助かりました。さらに汽車が進んでいくと、あやしい森にやってきました。すると、突然カニパンが現れて……? ふっくらしたおいしそうなパンや、ユニークなパンが各ページに散りばめられた、愉快で楽しい絵本です。
-
-
-
3.3大人のたしなみ、心を豊かにする方法など、旅は生きていくうえで大切なことを教えてくれる。そして旅は、思いがけない出会いに満ちている――。本書は、十代で旅行会社の添乗員になり、その後、様々な職業を経て直木賞作家になった山本一力氏が、旅を通して学んだことを開陳する人生論。人気作家になった今でも、日本、アメリカ、中国などを旅しながら各地で時代小説を書いている著者だが、旅先ではトラブルがつきもの。先進国でも、停電や温水が出ないことは、たびたびある。そんな「事件」を乗り越えるたびに人生の引き出しが増えていったという著者。若い頃の失敗談には心が温まるし、なにより著者が足を運び、運命的な出会いを果たした場所へ行ってみたいと思わせる何かがある。作家のホンネや創作秘話も散りばめられているが、生き方について考えさせられる、一力節満載のエッセイ集。
-
-日本人はよく旅をする。今は新幹線や飛行機など国内の交通網が発達し、遠方へ行くにも比較的容易に、また気軽に行くことができるようになった。しかし私たちは、果たして旅を本当に味わい、愉しむことができているのだろうか?――本書は、そんな著者の自身への問いかけから生み出された。青森の津軽半島や三内丸山遺跡、丹後の天の橋立、竹久夢二の岡山県、湘南の江の島、さいたま市の盆栽村、夏目漱石の和歌山、瀧廉太郎「荒城の月」の大分県竹田市、長野県の姨捨山、石松の遠州森町、伊勢神宮の式年遷宮など、20の地方に旅する。しかし、いざ旅に出てみると、日本という国が途方もなく広いことを思い知らされる。行ってみたい所が数え切れないほどあるのだ。そして、出かけていったどの地にも、日本の心がしみつき、歴史が堆積しているのだ。本書は、著者が“手ざわりで”じっくりと日本各地を訪れ、味わい、人生を思索した名紀行といえるであろう。