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天正18年(1590)、豊臣秀吉は戦国乱世の時代に終止符を打ち、天下統一を成し遂げた。この偉業を支えた二人の名軍師が、竹中半兵衛重治と黒田官兵衛孝高である。わずかな手勢でやすやすと美濃・稲葉山城を盗り、そのあとで城を主に返して隠棲した無欲の天才・竹中半兵衛。秀吉が織田家臣団の中で台頭する時期、戦場における半兵衛の貢献は計り知れないほど大きかった。一方、播磨の国人に仕える一家老でありながら、天下への志を抱いた智謀と誠実の人・黒田官兵衛。本能寺の変に際して中国大返しを実現させ、官兵衛は秀吉に天下人への道を開いた。「二兵衛」と並び称された半兵衛と官兵衛は、置かれた環境は異なり、性格も正反対だった。にもかかわらず、互いの才を認め合い、相手を信頼し合って、秀吉の天下取りを補佐した。二人が抱き続けた志と友情は、今日の我々の胸を打つ「熱さ」を帯びている。不世出の軍師二人の人生を描いた力作長編小説。
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Posted by ブクログ
所謂「二兵衛」を描いた物語。半兵衛の稲葉山城乗っ取りから始まって、官兵衛の死で括られている。二兵衛は二章目から直に交誼を通じているが、物語の前半を半兵衛、後半を官兵衛が担うかたちである。
全体に「大雑把な伝記物」という印象が残らないでもない。合戦や調略戦に詳しい訳でも、主:秀吉との一筋縄ではゆかない関係に重点を置くのでもない。その一方で、他の二兵衛モノにては採り上げられていないエピソードが多く収められてあるから、特定の細部に頁を費やす分、全体としては「端折った」ように映るのかも知れない。
要するに、筆者が書き留めておきたかったのは二兵衛それぞれの “人となり” なのだろうと想われる。
読み進める私にとっては、 “官兵衛の半兵衛への思い” が、この作品の最も太い柱であった。半兵衛の方は相変わらず飄々と在るが、官兵衛の彼を慕う気持ちは微笑ましい限りである。訓えを請うというよりは兄の前の弟の如く、もっと純粋で素直な眼差しで居る。もしも半兵衛が永く在ったなら、半兵衛が言う処の、官兵衛の「危うさ」は、半兵衛の示唆を受けた官兵衛自身によって巧く隠され、後の失敗も未然に防がれたかも知れない。秀吉の疑心暗鬼は、それでも止まなかっただろうけれど……。
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小説・文芸
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