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Posted by ブクログ
誰もが天下を夢見て覇権を争った戦国時代。
そんな中、野心を抱くことなく自らの生きる意味を探した知将・半兵衛。
僅か36年で幕を閉じた彼の生涯は、自らは天下を望むことは無くとも、天下統一の為に明け暮れたものでした。
戦乱の世を憂いていた半兵衛は、若き日の秀吉に懇願されて軍師を務めます。
当時は不治の病だった肺病を患いながらも、その知略を秀吉のために使い、天下への足掛かりを築き上げました。
自らの頭脳を驕ることなく、欲望に走ることなく、自らの生存意義を探し続けた半兵衛。
そんな彼の生き方に憧れます。
どうでもいい余談ですが、私の筆箱には半兵衛の家紋のストラップが付いています。
学業成就祈願です(笑)
Posted by ブクログ
さほどの厚さではないのに 進めるのには存外時間を要した。
理由の第一は 半兵衛の内向性の強さ そこから生ずる内省が 死の間際まで執拗に繰り返される処にある。大軍師たる者 無論己を律することには他者に対するより厳しいに違いない そして筆者は そんな半兵衛の孤高というものを著したかったのかも知れなくても 剰りに幾度も目に見えるかたちで綴られるが為 私にはかえって 優柔不断な・線の細い・似非完璧主義者のような――まるで自身のような――半兵衛重治像しか結ばれなかった。安寧なる天下を志して居る筈だのに 実の処は 暴虐を極めたとも映る信長の天下布武を 其れを未だ畏れることしか知らぬ秀吉を 助けて己もまた暴虐を尽くしただけである。「わが一身の非力 わが生の矛盾」――半兵衛はこの自己反駁に呵まれ続けて逝く。作中引用された 死を前に宛てたとされる前野将右衛門への書状に見られる「一人雲にのって遊ぶような気分」の行とは裏腹に まるで失意の内に逝ったような印象を受ける。
第二は 比叡山焼討ちの辺りから 半兵衛が信長への対抗心をハッキリ自覚し 且つそれを実施に移して居る点にある(以前何処かで記したように 私は二人へ「ぬるい関係」を求めて居る / 笑)。増してや信長でなく秀吉に天下を取らせるべく目論むようであれば それは半兵衛讃歌の主題である「無私無欲」どころではない。家中の誰より密かに想いもよらぬ大望を温めて居るのであり 「無私無欲」というのは特大の隠れ蓑である。そう書いてみれば これはこれで半兵衛らしい謀り事ではある。現代に於いて比叡山焼討ちに際し最も強固に反対を唱えた者として挙げられる明智光秀でさえ 未だその叛意を明確に自覚するには至ってなかったのではないか。
「あとがき」の中で 半兵衛への思慕並ならぬことを筆者は明かしている。そうした熟しきった個人の理想が このような半兵衛を産んだのかも知れない。日頃 何を考えて居るのか肚の内の全く知れない人物として語られることの多い半兵衛は この作品に於いては読者の前へ胸の内を吐露して憚らない。そういう意味では異色であり 人間味を備えた半兵衛である。型で押したような像にそろそろ飽きた向きには佳いかも知れない。
又 これまで採ったうちではどれより前野将右衛門について詳しく触れられてある。その人物像の純朴で温かなことが 半兵衛と共に反駁する私の途上に唯一の慰めだった。軍師という立場に張り詰める半兵衛が好意を寄せるのも道理と想われた。表情豊かに描かれた「前将」は 物語の幕引く役をさえ担っている。
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