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  • 恋

    4.0
    〔直木賞受賞作〕連合赤軍が浅間山荘事件を起こし、日本国中を震撼させた一九七二年冬。当時学生だった矢野布美子は、大学助教授の片瀬信太郎と妻の雛子の優雅で奔放な魅力に心奪われ、かれら二人との倒錯した恋にのめりこんでいた。だが幸福な三角関係も崩壊する時が訪れ、嫉妬と激情の果てに恐るべき事件が!?
  • 懐かしい家 小池真理子怪奇幻想傑作選1
    3.6
    夫との別居を機に、幼いころから慣れ親しんだ実家へひとり移り住んだわたし。すでに他界している両親や猫との思い出を慈いつくしみながら暮らしていたある日の夜、やわらかな温もりの気配を感じる。そしてわたしの前に現れたのは…(「懐かしい家」より)。生者と死者、現実と幻想の間で繰り広げられる世界を描く7つの短編に、表題の新作短編を加えた全8編を収録。妖しくも切なく美しい、珠玉の作品集・第1弾。
  • ふしぎな話 小池真理子怪奇譚傑作選
    4.0
    日常の中にふと忍び込む死の影、狂おしいほどの恋に潜む崩壊の予感、暗闇に浮かび上がる真っ白な肌……。著者が紡ぐ美しくも恐ろしい世界を、エッセイから小説まで見渡して厳選した、これまでにない傑作選。
  • 恋人と逢わない夜に
    5.0
    男友達には言えても、恋人には絶対に言えないことばがある。逆に恋人の前ではかまわなくても、男友達に対しては許されないふるまいがある。女と男はフクザツ怪奇、愛の表現も百人百様、ショート・コントを通して、女には女の魅力を、男には男の美学を教える“知的悪女”のソフト・エッセイ。単行本未収録のオリジナル版。
  • ここから先はどうするの―禁断のエロス―(新潮文庫)
    3.2
    官能小説の依頼に難航していた女性ホラー作家は、女性同士のカップルの後をつけ漫画喫茶へ。隣の壁に耳を澄ませ聞こえてきたのは、衣擦れ、溜息、潤みの音で……(「壁の向こうで誰かが」)。医師の寺沢は急患の老女の足に驚く。爪先に向かって細く、指は折り畳まれ、足裏は窪んでいた。纏足だ。それは、性具だった――(「Lotus」)。歪んだ欲望が導く絶頂、また絶頂。五人の作家の官能アンソロジー。
  • この1冊でわかる リースの税務・会計・法律
    -
    御社はメリットを最大限に活かしていますか? メリット1、陳腐化に対するリスクを減らせる。メリット2、資金を効率的に動かせる。メリット3、管理業務が簡略になる。中小企業でもまだまだリースは魅力です。豊富な実務経験から徹底解説します!
  • 怖い話
    3.4
    わたしが幼い頃は「猫ラーメン」の噂を何度も聞いた。旨いと評判の店の厨房には、猫の生首がごろごろしているという。もっとも、猫でダシをとったくらいではたいして話題になりそうもないのが怖い――。都市伝説、虫、病院、食べものなど、ホラー・怪談小説の鬼才が震える、身の周りの怖い物事あれこれ。読めばよむほどたしかに怖い、傑作エッセイ!
  • 怖ガラセ屋サン
    3.8
    誰かを怖がらせてほしい。戦慄させ、息の根を止めてほしい。そんな願いを考えてくれる不思議な存在――。「怖ガラセ屋サン」が、あの手この手で、恐怖をナメた者たちを闇に引きずりこむ! 怪談は作りものだと笑う人、不安や恐怖に付け込む人、いじめを隠す子供、自分には恐ろしいことは起こらないと思い込んでいる人……。 こんなヤツらに、一瞬の恐怖なんて生ぬるい! 気づいたときは、あとの祭り。 “怖がらなかったこと”を、後悔させてあげる――。 一話ごとに「まさか! 」の戦慄が走る、連作短編集。
  • 蠱惑の本~異形コレクションL~
    3.4
    記念すべき50冊目を〈本〉を愛する皆様に贈ります。貴方の本棚に、どうか、もう一冊、闇色の本をお迎えください。本は、常に私たちの身近にあって、あらゆる「世界」を閉じ込めた存在でした。本を開きさえすれば、脳裏に飛び込んでくる「未知」の世界。そこには人生を変えてしまうような出会いもある筈です。記念すべき50巻目の《異形コレクション》を〈本〉に関わるすべての人々に捧げます。(編集序文より)
  • 壊れるもの
    3.7
    大手百貨店に勤める西川英雄は、四十歳をすぎて手に入れた郊外の一軒家で家族三人暮らし。裕福ではないが、大きな不満もない。しかし、そんなありふれた日常に生じた一点の染みが、突如、絶望の底なし沼となって男を呑み込んでいく。「やばいとこ住んでるね。“イミチ”って、聞いたことある?」。精神の迷路に踏みこむ、狂気のサイコホラー!!
  • 合意情死(がふいしんぢゆう)
    3.5
    あなたの周りにもきっといる――。小学校教員、新聞記者、地方小劇団の座長、看守。偏狭な社会でちっぽけな権力をふりまわす木っ端役人、目立たないくせにどこか鬱陶しい地味女、誠実に見えて肝心なところで無神経な好青年……。思惑と欲望がうずまく小市民たちの葛藤を、ユーモアと恐怖のなかに浮き彫りにした、名手による傑作短篇集。「華美粉飾」「合意情死」「自動幻画」「巡行線路」「有情答語」を収録。
  • 午後の音楽
    3.8
    父や母、妹との距離感がつかめなかった少女時代。夫に別の女性がいたとわかったときの喪失感や娘に与えてしまった心の傷。胸の中にそっととどめておいた様々なことを、いつのまにか打ち明けてしまっていた。音楽をふたりで奏でるように、メールで言葉を紡ぎ合う。こんなにも共鳴し合える人に出会ったことの驚きと喜び。それなのに相手は義弟、妹の夫……。メールで綴られる新たな大人の恋愛長編。
  • 午後のロマネスク
    3.0
    Romanesque…小池真理子の不思議な愛の物語。夜になると来訪する死んだ友。母の密やかな不倫の光景。闇に監禁される声の美しい女――懐かしさや切なさ、失われたものへの哀しみ、激しい恋が淡い色彩とともに甦ってくる、幻想とファンタジーに満ちた17篇の掌篇小説集。

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  • 最後の記憶
    3.5
    脳の病を患い、ほとんどすべての記憶を失いつつある母・千鶴。彼女に残されたのは、幼い頃に経験したというすさまじい恐怖の記憶だけだった。死に瀕した彼女を今なお苦しめる、「最後の記憶」の正体とは?
  • 再生ボタン
    3.6
    教師と学生たちがキャンプ地で、とっておきの怪談話を披露しあった末に起きた悲劇を綴る「怪の再生」。さえない中年男が帰宅途中に美女と出会い、夜な夜な夢現の狭間で情事に耽る「幻日」。得体の知れない黒い影にすがり、期限付きの命を手に入れた男の“生への執着”を描く「お迎え」ほか、全十編。深夜、ひとりで読んでほしい恐怖小説の傑作!
  • 緋色の囁き 〈新装改訂版〉
    3.7
    1~3巻902~1,078円 (税込)
    本当の「魔女」誰――? 名門・聖真女学園高校の「開かずの間」で、少女が死んだ。「魔女」という謎の言葉を残して――。 美しくも残酷な連続殺人劇の、それが幕開けとなる。転入生・冴子の心にひそむ「赤い記憶」の秘密。 夜ごとに少女たちを襲う殺人者の正体は?  鮮血と狂気に彩られた「囁き」シリーズ第一弾、待望の新装改訂版。
  • 蠍のいる森
    4.2
    美千代は人間嫌いの図書館司書。英国人の夫と離婚して帰国した女流翻訳家、真樹子と知り合って初めて心の交流を持った。二人が共有する静かな日常に、ある日、奔放な人生をおくる修平が入り込んできた。三者三様に大都会で生きる男女のそれぞれの愛が進行するが、修平が資産家の老未亡人の財産を狙ったことから急展開し、恐怖の結末を迎える。ラブ・サスペンス。
  • 貞子
    完結
    -
    全1巻748円 (税込)
    心理カウンセラーの茉優のもとに、ひとりの記憶障害の少女が入院してくる。やがてその少女は、 一週間前に公営団地で起きた放火事件の犯人・祖父江が人知れず生み育てていた子供であることが判明。 少女と真摯に向き合う茉優だったが、次第に彼女のまわりで奇妙な出来事が起こり始める――。 一方、WEBマーケティング会社に勤める祐介の薦めで動画クリエイターとなった、茉優の弟・和真は アクセス数の獲得に焦るあまり、心霊動画を撮ろうとその火災跡に忍び込むが、動画をアップしたのちに消息を絶ってしまう。 茉優は拡散された動画を探し出し、再生してみると、和真の背後に長い髪の女が立っていて……。
  • 貞子 角川つばさ文庫版
    -
    東京の病院で臨床心理士として働く茉優は、24歳。 ある日、その病院に少女がはこびこまれてきた。 ひとことも話さない彼女には、 どうやら、恐ろしい過去があるらしく……。 さらに、茉優のたった一人の家族である、弟の和真は、 インターネットに謎の動画を投稿したあと、 とつぜん姿を消してしまう。 どうやら、その「動画」から 恐ろしい呪いが広まっていたようで―― ついに、茉優にも危険がせまってきた!!! 【撮ったら、死ぬ―――。】 話題映画のノベライズが、角川つばさ文庫に登場! ※映画とは、一部内容が異なります。【小学中級から ★★】
  • 貞子
    完結
    3.0
    鮎川茜が教師を勤める女子高では、何者かによって動画サイトに投稿された自殺を生中継した映像が話題となっていた。噂では、その生中継を偶然見ていた人も皆、死んでしまったらしい。そんな中、教え子の森崎典子が不可解な死を遂げる。刑事の小磯たちは複数の不審死に疑問を抱き、調べを進めるうちに死の直前にある動画を見ていた、という共通点に辿り着くが--。
  • 貞子怪談
    5.0
    貞子って知ってる? 白い服を着た、ながーい黒髪の女の人の幽霊。あることをすると貞子さんを呼び出せて、きらいな人を呪い殺してくれるんだって。…え、その方法? …呼び出した後、どうなっても知らないよ?【小学上級から ★★★】
  • 貞子さんとさだこちゃん
    完結
    3.0
    映画「貞子」のスピンオフコミックが登場! 本編では活躍する場面が少ない貞子自身が、じつはあんなことやこんなことをしていた!? 貞子視点で送る新しいギャグショートコメディを、とくとご覧あれ! いままで見たことのない貞子が、きっとくる……?
  • 貞子
    3.3
    日本で一二を争う最新治療が望める総合医療センターに、秋川茉優(あきかわまゆ)が臨床心理士として来たのは半年前のことだ。その病院に、記憶を失っていた少女が運び込まれたことから、怖ろしい物語が始まる。茉優の弟・和真(かずま)は自分の動画配信チャンネル『ファンタステイック・カズマ』を持っている。伸び悩む再生回数を増やそうと、最近放火事件がおき、多くの死者を出した団地に潜入。心霊動画の撮影を試みるのだが……。その後の和真、焼身自殺した女性と謎の少女の関係。鳥の啼く夜に次々と死んでいく人たち。二十年以上も前の貞子の呪いが復活したのか――。映画で語られなかった背景や登場人物たちのエピソード満載の充実のノベライズ。 ※本作品は映画「貞子」ノベライズです。映画本編とは一部内容が異なります。
  • 貞子3D ──復活
    3.6
    茜が教える女子高では、見ると死ぬという「呪いの動画」の噂が広がっていた。遺体に手の形の痣が残された不審死が続くなか、ついに茜の生徒も不可解な死を遂げる。警察は自殺と判断するが、生徒の遺体にも同じ形の痣が残され、死の直前に見ていたサイトが、噂の「呪いの動画」だったことが判明する──。 かつて日本中を恐怖に陥れた、あの貞子がよみがえる! 逃れられない恐怖が襲う話題のホラー映画を完全ノベライズ。
  • 作家ごはん
    3.8
    ドラマ化でも人気の『侠飯(おとこめし)』著者が、自信のお取り寄せ食材と作家経験のうんちくを全開に綴る、エンタテイメント・グルメ小説。入社ほやほやの文芸編集者・和真が担当するのは「書かずのチクリン」の異名をとる竹林賢一郎。高尾山の麓に瓦葺の一軒家に住み隠居同然の竹林は、もう何年も新作を出していない。のらりくらりの竹林は山之内が訪ねるたび、おとりよせグルメを食卓に。そして、のたまうは物故作家たちの伝説的エピソード。ご飯が美味しいのはいいけれど、いったい山之内は竹林から原稿をもぎ取ることができるのか?
  • 殺意の爪
    3.7
    怒鳴り合う声、立ち去る男、長く続く女の悲鳴。――同じマンションで愛人を待つ木部比呂子はそのとき不審な思いにかられた。翌日、その部屋から布施夏美の死体が発見され、夏美の恋人が逮捕された。「彼はシロだ」真実を知る比呂子はしかし、不倫の恋の発覚を恐れて口を噤んだ。秘密に怯える彼女の前にあらわれた男は!? 赤いマニキュアの謎。日常の中にある恐怖。
  • 殺人鬼 ――逆襲篇
    3.6
    伝説の『殺人鬼』ふたたび! ……蘇った殺戮の化身は山を降り、麓の街へ。いっそう凄惨さを増した地獄の饗宴にただ一人立ち向かうのは、ある「能力」を持った少年・真実哉! ……はたして対決の行方は?!
  • 死後結婚(サーフキョロン)
    -
    OL京雨子が慕うビーズデザイナー沙羅。その内縁の夫が自殺したのは桜吹雪のときだった。そして「モウ、ホネダケ」、京雨子に奇怪な声が聞こえはじめた。沙羅が京雨子に言う、「死後結婚に立ち会って」と。在日韓国女性沙羅の故郷に今なお残る死者との婚姻の儀式、サーフキョロン。頷いた京雨子は、何が待ち受けているかを知らなかった……。

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  • 死者はまどろむ
    4.5
    美しい自然に囲まれ、信仰心の厚い村人が住む夢見村に魅せられひと夏を過ごすことになった間宮亜希子の一家。小説家の夫はスランプを脱し、義母も優しくなった。幸福をもたらす魔法の土地だと思った。しかし異様な葬式の列と共同墓地を見たことから、彼らの周囲で何かが狂い始める。ざわめく木立の隙間に、きらめく光の中に使者の影が忍び寄る。幸福に浸っていた家族を恐怖のどん底に突き落とす怪奇の連続とは。長編ホラー小説。
  • 私小説
    3.5
    男に会うためだけに海を越える私のいじらしい性欲。南国ホーチミンのレストランで口説いたボーイと、酷寒の宵に出会ったソウルのホテルマン。高校時代の翌(あす)なき春から、痛ましい夏を経て終焉の春へ、20年にわたる恋愛遍歴。魂の放浪記はここから始まった。静かで熱く、どこまでも赤裸々に描いた自伝的恋愛小説。(講談社文庫)
  • 死小説
    3.0
    ひとは、いつか死ぬ。それをはじめて知ったのは、いつのことだろう――。入院先のベッドの上で非業の死を遂げた男の「憎悪の転生」、ある痴呆老人の部屋に見え隠れする怪異の「黒い子供」、夏に小中学生の男女が離れにこもって行った暗い遊びのエロスと恐怖を描く「夜枷」など全五編。汗ばむ真夏の闇夜を切り裂く、傑作怪談・ホラー小説集。
  • 七人怪談
    3.6
    「これは、わたしが小学校の、高学年だった頃の話です」――少女が雑誌に寄稿した、ある家族を襲った不気味な怪異の記録。悪化していく一方の父の怪我、何者かに乗っ取られ不気味な笑い声をあげる妹。そして親類たちの死。霊能者“マツシタサヤ”によって怪異は鎮められ、記録は締めくくられる。だが、この投稿を皮切りに、マツシタサヤを巡る不可解な記録が世に溢れはじめ……(澤村伊智「サヤさん」)。  同窓会をきっかけに、故郷の実家に泊まることになった「私」。すでに実家には誰も住んでおらず、何も無い家に過ぎないはずなのに、「私」以外の何者かの気配が段々と濃くなっていく。居間にたたずむ邪悪な笑みをたたえた阿弥陀如来像、座敷の布団の中で蠢くモノ、そして――。忌まわしい記憶とともに、何かが迫ってくる(三津田信三「何も無い家」) ホラー界の巨星、三津田信三が、屈指のホラー小説の名手七人それぞれに相応しいテーマで「自分が最も怖いと思う怪談を」と依頼して編まれた戦慄のアンソロジー。
  • 7人の名探偵
    3.7
    全編書き下ろし新本格アンソロジー。 綾辻行人「仮題・ぬえの密室」 歌野晶午「天才少年の見た夢は」 法月綸太郎「あべこべの遺書」 有栖川有栖「船長が死んだ夜」 我孫子武丸「プロジェクト:シャーロック 」 山口雅也「毒饅頭怖い 推理の一問題」 麻耶雄嵩「水曜日と金曜日が嫌い ──大鏡家殺人事件──」
  • 死に向かうアダージョ 新装版
    3.0
    死に魅入られた二人の男女は、甘美な充足感の中で終焉を迎えるはずだった。アルビノーニの荘厳な旋律に浸りながら……。しかし雪に閉ざされた山小屋で、愛と孤独、そしてほんの少しの偶然が、事態を予期せぬ方向へと導いていく。傑作心理サスペンス!
  • しにんあそび
    -
    女4人の同窓会。酔いから醒めると、全員が一室に閉じ込められていた。暗闇に潜む、恐るべき悪意とは?(表題作) 縁日のお化け屋敷で消えた夫と娘。必死でふたりの行方を探す妻を、戦慄の結末が待ち受ける。(「お化け屋敷」) 仕事に疲れた中年男が25年ぶりに帰郷した。再会した旧友たちが仕掛けたのは?(「昭和の夜」) 一読忘れがたい印象を残す「奇妙な味」の小説集。
  • 死の島
    3.0
    大手出版社を定年退職後、カルチャースクールで小説講座を持つ澤登志夫、69歳。 女性問題で妻子と別れて後も、仕事に私生活に精力的に生きてきた。 しかし、がんに侵されて余命いくばくもないことを知るとスクールを辞め、人生の終幕について準備を始める。 講座の教え子・26歳の宮島樹里は、自分の昏い記憶を認めてくれた澤を崇拝し、 傍にいることを望むが、澤はひとり冬の信州へ向かった。 澤は、最後まで自分らしく生きることができるのか。「ある方法」を決行することは可能なのか…。 プライド高く情熱的に生きてきた一人の男が、衝撃的な尊厳死を選び取るまでの内面が描きつくされ、 深い問いかけを読者に与える傑作長編。 解説・白石一文 ※この電子書籍は2018年3月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • シャッター通りの死にぞこない
    3.0
    潰れかけたシャッター商店街に、元ヤミ金の男が流れついた。さびれた店と老人だらけのこの商店街はバンビロードというよりゾンビロード。男は住人の依頼で町おこしイベントをでっちあげるが、当然のように大失敗。昭和のアッパー系おやじアサカツの登場で、事態はカオスの頂点へ。著者初の長篇小説は、3ページに1回は腹筋が痛くなるハイテンションコメディ。
  • 少女Aの殺人
    3.5
    深夜の人気ラジオで読まれた手紙は、ある少女が養父からの性的虐待を訴えたものだった。その直後、三人の該当者のうちひとりの養父が刺殺され……。

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  • 小説 エコエコアザラク
    3.0
    株式会社秋田書店と株式会社誠文堂新光社による新たな文芸エンタテインメントを生み出す新レーベル【APeS Novels】の第二弾!! 『ブラック・ジャック』『恐怖新聞』に続き、本年7月に創刊50周年を迎える大人気コミック誌『週刊少年チャンピオン』の、輝かしい歴史を彩った名作コミック『エコエコアザラク』のノベライズです!! 「エコエコアザラク、エコエコザメラク……」どこからともなく聞こえてくる妖しい呪文と共に黒井ミサが帰って来た!! 70年代のオカルトブームの中でも、「黒魔術」を操る美少女主人公が異彩を放ったホラーコミック『エコエコアザラク』が、自身も作品の大ファンだったと語る岩井志麻子氏により小説として現代に蘇ります!! あるときは災いの象徴として、またあるときは自分に害を為した者への復讐劇として描かれることの多かった黒井ミサとその物語。 悪霊の力を借りて執行される呪術という神秘的なイメージと相まって、昏い魅力に溢れた『エコエコアザラク』のイメージはそのままに、情念を描いた作品で人気を集める岩井氏の筆によって、人々を惑わせる「運命の女」黒井ミサへと昇華され、あたかも幻想文学をも想起させる作品となっています。 黒井ミサの存在に翻弄され、愚かな者たちがさまよい続ける出口のない迷宮へ、あなたも足を踏み入れて見ませんか……? ---------------------------------------- ●第一話 逃げる女  「私はいつでも逃げている女なの」――平凡な街の平凡な家庭に生まれ、なんの才覚にも恵まれず、唯一の取り柄である容姿も十人並みをちょっと上回る程度。高校受験の失敗からお決まりの転落を辿った女・有里が目を背け続けてきた真実とは……。 ●第二話 さまよう夫婦 有名画家の息子と美人女優の娘。親からの才能を受け継げなかった残念な二人が運命のような出会いを果たす。二人の子供時代に共通する謎の女性「黒井さん」「ミサちゃん」の記憶が、互いの結びつきをより強固なものにしていく。そして…。 ●第三話 居すわる母 留利子の高校時代からの恋人・俊博には、二人の母がいる。一人は生みの母、そしてもう一人は、俊博の家庭を壊した「父親の愛人」。父が亡くなったいまでもその女を「義母」と呼び続ける俊博の気持ちがわからず、今日も留利子は行きつけの喫茶店で、ウェイトレスの少女に愚痴をこぼす。 ●第四話 追いかけてくる愛人 裕福な家に生まれ容姿にも恵まれ、周囲にはちやほやされて育った須美香だったが、その過去にはひとつの暗い影があった。失踪とも誘拐ともつかぬままいなくなった母。最後の電話で母の口から語られた「黒井ミサ」の名前が、それからずっと須美香の心を縛りつけている。 ----------------------------------------
  • 「死霊」殺人事件
    5.0
    東京駅で拾った客を世田谷の家に届けたが、「金を取ってくる」と言ったまま戻ってこない。痺れを切らし中に入ったタクシー運転手が目撃したのは、2人の人間の死体だった。警察は直ちに捜査を開始。1階の和室の床下が掘られており、2階の寝室には、泥まみれの女の死体が……。その上、現場は密室状態で……。大胆・斬新なトリックが光る、長編本格推理小説の秀作。
  • 新世代ミステリ作家探訪
    3.8
    若手書評家として精力的に活動を繰り広げる若林踏。主催するトークライブでは、新世代作家たちに真正面から問いをぶつけていく。熱中した物語、創作論作法、問題意識……。和やかなトークは、時に熱を帯びながら、深まっていく。そして、語らいの先に浮かび上がったものとは!? 各人各様に進化するミステリの最前線。読書をより深く楽しむための一冊。
  • 新装版 あなたに捧げる犯罪
    4.7
    1巻561円 (税込)
    突然現れた妻の旧友は、厚顔で鼻持ちならない女だった。従順な妻を家政婦のように扱い、平穏だった家庭生活を掻き乱していく。そんな彼女に夫は不快感を募らせていくのだが……(日本推理作家協会賞受賞作「妻の女友達」)、ありふれた日常に潜む心の闇と、音もなく忍び寄る恐怖を描いた傑作サスペンス集。
  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~
    4.2
    本格ミステリの巨匠にして、新人発掘にも多くの実績を持つ綾辻行人が、それぞれのデビュー時からかかわりを持ってきた10人の後輩作家たちと夜な夜な語る、ミステリの魅力と創作の秘密。着想の手段、執筆時のこだわり、影響を受けた本、これまでに書いてきた作品への想い。作家たちが語る創作の魅力に触れれば、きっと、小説がさらに面白くなる。ミステリ専門誌「ジャーロ」に不定期連載された噂の「京都対談」、待望の単行本化!
  • 自薦 THE どんでん返し
    3.4
    名だたる本格ミステリの書き手があなたを仰天させる!ミステリには不可欠のラストの驚き、どんでん返し。6人の作家が自作から「これは」というどんでん返し作品を自ら選び、読者に届けます。どうぞみなさん、だまされてください。
  • 実話怪談 恐の家族
    -
    5人の巧者が炙り出す、家族の間の心霊怪異奇譚 家族が次々と病に倒れていく!  夫の実家の墓を見て感じた妻の違和感――(「義実家の墓」西浦和也より) 親子の愛憎、きょうだいの確執、無念、怨念──家族という入れ物の中で起こる逃げ場のない心霊怪異の数々!  ・義理の家で起こる病気の連鎖、その原因は…「義実家の墓」(西浦和也) ・祖母の部屋に毎夜来るモノ「家族以外のなにか」(松永瑞香) ・異国の地で聞いた凄惨な母親殺しの顛末「焦熱極楽家族」(岩井志麻子) ・家系を呪う、その代償とは…「リキの一族」(Dr.マキダシ) ・伯父が庭に建てた異物、そして家族が壊れていく…「鉄塔のある家」(川奈まり子)など。 川奈まり子が書き手を初プロデュース!家族をテーマに、濃密濃厚な怪談奇譚が集結──あなたの家族は大丈夫ですか?
  • 自分に適した仕事がないと思ったら読む本 落ちこぼれの就職・転職術
    3.4
    富める者はますます富み、貧しい者はますます貧しくなる時代。年収二百万円以下の給与所得者は、すでに一千万人を超えた。拡大する賃金格差は、能力でも労働時間でもなく、単に「入った企業の差」である。こんな世の中だから、仕事にやる気がでなくてあたりまえ。しかし働くよりほかに道はない。格差社会のなかで「就職」をどうとらえ、どう活かすべきなのか? マニュアル的発想に頼らない、親子で考える就職哲学。
  • 自閉スペクトラム症 マイペースなきみに家族はすったもんだ
    -
    自閉スペクトラム症のある子の個性と向き合いながら、笑いあり涙ありの「すったもんだ」な家族の日常を、4コマ漫画で切り取った。学校、病院、外出など場面ごとのユニークなエピソードに、クスっとしたり、多様な個性を実感したり。解説付きで、かかわりの参考にもなる一冊。 ※本電子書籍は同名出版物(紙版)を底本として作成しました。記載内容は、印刷出版当時のものです。 ※紙版とは異なる表記・表現の場合があります。また、電子書籍としては不要な情報を含んでいる場合があります。
  • 蛇神
    3.6
    新橋の老舗蕎麦屋の若女将、倉橋日登美が直面した信じられない現実――。父と夫と長男が、住み込みの少年に惨殺されたのだ。幼い娘の春菜とふたりとり残され、茫然自失の彼女のもとへ従兄と称する神社の禰宜が現れ、信州の日の本神社へ里帰りするように勧める。従兄によると、26年前、実母は生まれたばかりの日登美を連れて、ある日、忽然と村から姿を消したのだというが……。長編ホラー。
  • 樹海
    3.5
    苦しむことなく、この世とおさらばしたい――。 死を渇望して樹海に溶け込む人間たちと、彼らとともに運命という名の濁流に巻き込まれていく人びとを描いた6つの連作短篇集。 「それぞれの短編に、長編一本分の着想が詰まっています」――鈴木光司 富士の裾野に広がる樹海で自殺を遂げた原田正吾。 自殺をしようと入った樹海で原田の死体を見つけた井口輝子。 原田も井口も幼児期からの親からの虐待によって性格を歪められて、大人になってから虐待の連鎖に苦しんでいた。 ヤクザからの暴行により、瀕死の重傷を負ったまま車のトランクに入れられ樹海へ運ばれていく細田剛。 不倫スキャンダルから転落人生に陥り、難病に冒された元女優の篠沢遠子。 失業し、家族には見放され、引きこもりの長男の突然死から失踪したホームレスの矢掛弘。 樹海に入る人間も、入らない人間も、生まれ落ちたその瞬間から不幸の連鎖に巻き込まれ、因果応報の報いを受けていく。 虐待、借金、失業、薬物中毒……。 救いようのない人生を生きなければならなかった人間たちの生と死を描いた6つの連作短篇集。 解説・朝宮運河
  • ジューン・ブラッド
    3.0
    組織の抗争で命じられた組長暗殺に失敗した梶沼武。敵対組織はもちろん、口封じのためか身内からも命を狙われることに。デリヘル嬢の里奈を人質に逃亡を図る梶沼だが、そこに、逃走用の車を強奪するために押し入った家の高校生・健吾も加わって……。警察の包囲網をかいくぐり、血飛沫を浴びながら逃げ続ける三人に、最凶の殺し屋・八神が迫る!!
  • 自由戀愛(単話版)<淫売監獄> 【前編】
    完結
    -
    天真爛漫で無神経な女、明子。 賢いが地味な女清子。 明子の夫を中心に、ふたりの女がひとりの男を奪い合い憎しみ合う! 女のドロドロ人生物語の決定版! ※この作品は「淫売監獄」に収録されております。重複購入にご注意下さい。
  • ストロベリー・フィールズ
    3.1
    「僕が今、女を感じてるのは、夏子先生だけです」  出版社社長・月川の後妻となった夏子は、夫の連れ子・りえの継母として、そして自らもクリニックを開業する女医として、七年余りの月日を平穏に過ごしてきた。しかし、りえの友人でロック・バーでバイトをする青年・旬と出会い、その危険なまでの若さに触れた夏子は、目を背けてきた己の渇きに気づかされてゆく……。  ひとりの女性の陶酔と孤独を描く傑作長篇。  〈解説〉稲葉真弓 〔著者のことば〕  誰もが、あからさまに「家族」の大切さを叫ぶ時代になって久しい。「家族」は人間にとって、最小単位の砦であり、「家族愛」ほど、愛の深さにおいて意味のある、健全で価値の高いものはないと見なされている。  とてつもなく嬉しいことが起こる。真っ先に誰に知らせたいですか、と聞かれる。誰もが「両親」「夫」もしくは「妻」「子供」と答える。  その健全さは微笑ましく、未来永劫、消えることはないかのように思われて、しかし、同時に、その健全な場所でこそ、人は苛立ったり、憎んだり、絶望したり、孤独の淵をさまよったりするのである。そこに「家族」がはらむ「魔」の部分がある。  (読売新聞2009年1月13日付、連載完結インタビューより抜粋)
  • スワン・レイク
    -
    久しぶりに叔母を訪ねたサツキ。信州の小さな町でバーを営む叔母は、何でも話せる唯一の存在。でもこの厳寒期に突然きた理由は話していない。きっかけは、一本の古いビデオテープだった…。3年前交通事故で夫を亡くしたサツキが、人生を新たにやり直そうと20年勤めた会社を辞める際、引き出しの奥で見つけたビデオ。そこに映っていたのは…。今、小雪が舞う中その場所へ。これは「忘れられない香り」の記憶をテーマとして競作されたアンソロジーの一篇です。
  • 千日のマリア
    4.0
    義母の葬式で男は思い出す。22年前に、義母の起こした事故のこと。義母を責めた自分のこと。そして--(「千日のマリア」)。会社に長文の手紙を送りつけてくる女。意を決して女の家を訪ねた男が見たものは(「修羅のあとさき」)。森に囲まれた土地で暮らして20年。引っ越しを間近に控えたその日、はじめて庭に現れた美しい琥珀色の生き物がいた(「テンと月」)。ほか、生と死、愛と性、男と女を見つめた珠玉の8篇。
  • 贅肉 新装版
    3.7
    才色兼備の姉と正反対の妹。しかし姉は、母の死、恋人との別離から過食に走り、見るも無惨な姿に変貌していく。そんな姉の世話をする妹は──(「贅肉」)。平凡な人間の、ほんの少しの心の揺らぎが、事件の加害者になったり被害者になったりする。そんな日常に潜む恐怖を描く傑作サスペンス集!
  • 双頭の蛇
    3.3
    編集者、喜屋武蛍子の元恋人で調査員の伊達が、信州・日の本村へ調査に出かけたまま行方不明になった。伊達の妻によれば、彼はこの村の寺に二泊した後、村長の車で長野駅まで送ってもらったという。蛍子は村を訪ねるが、伊達が所持していたライターが沼の近くに落ちていたということ以外、手がかりは見つからなかった。蛍子の奔走をよそに、日の本村では七年に一度の大祭に向けて準備が進んでいた。
  • ソナチネ
    3.4
    生と死とエロス――。著者の真骨頂! 刹那の欲望、嫉妬、別離、性の目覚め……。 著者がこれまで一貫して描き続けてきた人間存在のエロス、 生と死の根幹に迫る圧巻の短篇集。 ピアニストの佐江は、教え子の少女のホームコンサートで、 少女の叔父だという男と出逢う。 音楽堂の暗い客席で、少女の弾くソナチネのメロディに合わせるように、 佐江と男は視線を、指先をからませていく……。(「ソナチネ」) 「鍵」「木陰の家」「終の伴侶」「ソナチネ」「千年萬年」「交感」「美代や」の7編を収録。 「恋愛とはきっとこういうものなのだ。人生のあらゆる出来事に繋がっている。」(千早茜、解説より)
  • そのひと皿にめぐりあうとき
    4.5
    1946年、戦争で両親と住まいを失った里見滋は、焦土と化した東京を放浪し、飢えと貧困に苦しむ。2020年の東京、コロナ禍で自粛生活を続ける洲崎駿は、父の勤務先が倒産し、楽しかった高校生活が破綻する。絶望の淵から這いあがろうともがくふたりを待っていたのは、驚くべき運命の巡りあわせだった。心にしみる感動と勇気がみなぎる傑作長編。
  • 存在の美しい哀しみ
    3.8
    死の床に臥した母から異父兄の存在を知らされた榛名(はるな)は、母が亡くなったのを機に、兄の住むプラハに向かった。妹であることを隠し、ガイドとして兄を雇って、初めての対面を果たす。そこで初めて知ったのは、両親の過去であり家族の真の姿だった──。榛名、母、異父兄といくつも視点を変えながら、家族の歴史と真の姿を万華鏡のように美しく描き出す、感動の長編。
  • 玉虫と十一の掌篇小説
    3.9
    男はもうここに戻ってくることはないだろうと女は思った――。三年間、食事をともにした男との永遠の別離を描く「食卓」他、恋によって炙り出される男と女の孤独が、かなしさとせつなさを孕んでゆらめく十一篇。短篇よりも短い「掌篇小説」には、小さく切り取られているがゆえの微妙な宇宙が息づき、無限の時間へと読む者を誘う。長篇よりもいっそう濃密な闇と静謐な光を湛えた作品集。
  • タルドンネ 月の町
    3.7
    1巻1,672円 (税込)
    史上最悪の殺人鬼を生んだ、貧しくて冷たい月の光。もう、人間には戻れない――。韓国全土を震撼させた、未曾有の連続殺人事件をモチーフに描く、あらゆる禁忌を犯した男の憎悪と狂気。岩井志麻子、渾身の新・代表作!
  • 短篇セレクション 幻想篇 命日
    4.0
    仙台の家に引っ越してから、姉の繊細な神経はますますその度合いを増していくようだった。見えないものを見、聞こえない音を聞く。それは死者の気配。(表題作「命日」より)生きているものたちの後ろにひっそりとある異界のものたちの存在。かれらは何を伝えようとしているのか。恐怖より哀しみ、不思議より美、幻想に満ちたあやしの交流を、流麗な筆致で描く恐怖短篇集。
  • 短篇セレクション サイコ・サスペンス篇1 会いたかった人
    3.8
    25年ぶりの親友との再会。TV出演した小夜子を見て連絡をとってきた女は、まるで別人のように変貌していた。うずまく疑念、そして……。表題作「会いたかった人」。他に男と女の妖しく美しい愛の行き着く果てを描く「倒錯の庭」、犬を飼い始めてからはじまる不運にみずからとりつかれていく男の物語「災厄の犬」を収録。静かな狂気を描くサイコ・サスペンス短編集。
  • 短篇セレクション ノスタルジー篇 夢のかたみ
    5.0
    一枚のモノクローム写真に秘められた懐かしくいとおしい日々の記憶。人生の晩年を迎えようとしている女性随筆家は、愛した男への思いを胸に生きてきた。だが、小さな出来事が平穏な生活にさざ波をたてる……。表題作「夢のかたみ」ほか、再会の一夜のドラマを綴る「チルチルの丘」など、遠い日のエロスを溢れるノスタルジーで描く。失われた時間への哀惜と感傷に満ちた5編。
  • 第三水曜日の情事
    4.0
    ジャネットは広告代理店に勤めるOL。女友達の何気ない言葉から、社長殺害の完全犯罪を思いつく。「第三水曜日」なら成功間違いなし。これで恋も仕事も思いのまま、と思いきや、完璧だったはずのアリバイが……。大都会を舞台に、摩天楼の迷路をさまよう男と女が抱く、恋、嫉妬、復讐心、そしてきらめく殺意! ありきたりな毎日に飽き飽きしたあなたに贈る、とびきり小粋でスパイスの効いた、ショート・ミステリー20編!!
  • ダーク・ロマンス~異形コレクションXLIX~
    3.8
    9年ぶりの復活! 新たな伝説の始まりです。闇を愛する皆様。闇のなかで強く燦めく「想像の力」を信じる皆様。怪奇と恐怖、幻想と驚異、人外の唯美……。言葉の力で現実を越えようとする小説の作者と読者の皆々様。そして、なによりも……異形の短篇小説を愛してくださる皆様。お待たせいたしました。49冊目の《異形コレクション》をお届けします。(編集序文より)
  • 痴情小説
    3.0
    岡山弁で「いじる」は「いらう」、「舐める」は「ねぶる」――。洗面台に手を突かせると、背後から真っすぐ硬くなっているものを尻の割れ目に押しつけてきた。男は女の耳たぶを噛みながら囁く。「結婚しちゃる。じゃけん、もう一人の男とは別れるんじゃで」――男は執拗にいらい、女は必死にねぶる……そこに恐怖を潜ませながら。官能と恐怖。ふたつが混ざり合ったときそこには究極のエロスの世界が開かれる。著者だけが探り当てたエロスの最奥13編。

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  • 超常気象~異形コレクションLIV~
    4.0
    〈超常気象〉――果たして耳慣れない単語と思われるでしょうか? 異常高温、異常低温。文明がもたらしてしまった地球温暖化。気象災害の規模も大きくなってきました。ならば、「異常気象」すらも異化するほどの〈超常気象〉をイメージすることも、このような時代を生き抜くためには意義があることではないでしょうか。あるいは、私たちは〈超常気象〉のただなかにいるのかもしれません。(編集序文より)
  • 沈黙のひと
    4.0
    吉川英治文学賞受賞、小池文学の最高峰! 亡き父が遺した日記には娘への愛、家族との不仲、そして恋人との心の交流が記されていた。生と死、家族を問い直す魂を揺さぶる傑作!
  • つきまとわれて
    3.6
    別れたつもりでいても、細い糸が繋がっている。ハイミスの姉が結婚をためらう理由は別れた男からの「幸せな結婚ができると思うな」という嫌がらせの手紙だったというが……。表題作のほか、幼い頃に家出した母に纏わるあり得ない記憶を辿る「帰り花」、ある絵画に隠された秘密に迫る「吾子の肖像」など前の作品の人物が登場する異色の短編集。〈解説〉千街晶之

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  • 翼ある蛇
    3.8
    英文学翻訳家、沢地逸子のホームページに「生理ガハジマリマシタ。ヨッテ、明日、母ナル神ニ生キ贄ヲ捧ゲル儀式ヲ行イマス。コンドハ人間デス」というメッセージが書き込まれた。翌日、都内で発見された大学生の猟奇他殺死体。沢地の担当編集者、喜屋武蛍子は、同居している姪の火呂が自分に黙ってこのホームページにアクセスしていたことを知り、疑念を抱く。火呂には胸に蛇の鱗に似た痣があり、かつてそれを見た神女が海蛇の生まれ変わりだと告げた記憶が蘇ってくる。長編ホラー。
  • 妻の女友達
    3.9
    市役所の戸籍係をしている夫と美人ではないが清楚で控えめな妻。平和で波風の立たない人生をこよなく愛する夫婦の前に、突然現れた妻の学生時代の女友達。女流評論家として活躍するスキャンダラスな女の登場が平穏な家庭をいつのまにか破滅的状況に追い込んでいく…。推理作家協会賞受賞の表題作。ありふれた日常に潜む愛憎が殺意を纏ってあなたの背後に忍び寄る恐怖の瞬間。傑作サスペンス6編。
  • 鉄道小説
    3.3
    1872年、新橋~横浜間に日本初の鉄道が開業。2022年、この国には世界に類をみない鉄道網が広がっています。150年の間、枝葉をのばすように広がってきた鉄道は、線路の数、車両の数、駅の数だけ、そして列車に乗った人の数だけ物語を生み出してきました。個人史と鉄道のさまざまな風景が交差する、“人と鉄道の記憶”についての物語を5人の作家が執筆。「これは、自分の/あの人のことかもしれない」と各々の記憶に思いをはせることができるような、長い歴史のレールの先につづくあたらしい「鉄道小説」をお届けします。
  • 天の刻(とき)
    4.2
    自殺はしないが、いつ死んだってかまわない──。世間に背を向けるわけでなく、かといってヴィヴィッドな後半生を望むわけでもない。みずからの積極性を放棄した、しかし魅力的な女たち。40代も終わりにさしかかろうとする女性が、思いがけず、恋愛の極みへと誘われていく。古い日本家屋やたるんだ初老男の肉体、果汁したたる枇杷の爛熟した匂いに導かれた官能の一瞬に、彼女たちは何を見ているのか。エロスとタナトスが、絶妙の筆致で融合された極上の恋愛作品集。
  • 東京アクアリウム
    3.5
    夜の闇に沈むカフェ。かつて愛した男の霊を見たと親友が話しはじめ……(「東京アクアリウム」)。施設に入居する母が実家で過ごす最後の夜(「猫別れ」)。最終の新幹線で会いに行く、父に似たあの人に(「父の手・父の声」)。出会いと別れが日常に波紋を起こし、遠い過去の記憶が裡から静かにあふれだす。珠玉の作品集。

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  • 東京難民(上)
    3.7
    1~2巻660円 (税込)
    時枝修(ときえだおさむ)は、東京郊外にある私立大学の三年生。夏休み明けにクラス担任から告げられたのは、学費未納で除籍になるという寝耳に水の事実だった。北九州の実家では、借金を抱えた両親が失踪(しっそう)。貯金はないに等しい。アルバイトを転々とする中、家賃滞納で住居も追い出されてしまう。追いつめられる修。だが、それはまだ、底なしの貧困と孤独への入口に過ぎなかった――。
  • 東京のオカヤマ人
    4.0
    エッセイと呼ぶにはあまりに怖い物語。ホラー大賞を受賞して上京間もないイワイに、ぶんぶん寄って来るヤバイ人々。「ぼっけえ」「きょうてえ」「やっちもねえ」など岡山弁のニュアンスを存分に盛り込んだ、人気ホラー作家とっておきの14話。ここまで書いたら、もう岡山には帰れんかも。
  • 倒錯の庭
    3.3
    電灯を消した仄暗い部屋の中で、私は今、竹彦と一緒にキノコを食べている。ヌメリイグチという名の、黄色い湿ったキノコだ。(「倒錯の庭」) 恋という病に憑かれた男と、溺れゆく女の、頽廃と官能に満ちた恐怖世界を描く表題作の他、人の心に巣くう危うく妖しい欲望に取材した3つの中編を収録。精密な筆致で描きだす人間心理の襞。サイコ・サスペンス集。
  • 時鐘館の殺人
    3.6
    作家、評論家をはじめミステリーマニアの集まる下宿屋・時鐘(とけい)館。編集者の催促を前に「原稿は一枚も書けていない。勝手ながら『消失』する」との手紙を残し、締め切り直前の老推理作家が姿を消した。翌朝、発見された不格好な雪だるまに彼の死体が。犯人は編集者なのかそれとも…。マニアたちの展開する華麗でシビアな推理の行方は? 傑作ミステリー短篇集。

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  • となりの貞子ちゃん 2D
    完結
    -
    ヒロくんのおとなりに引っ越してきたのは、ちょっとだけ他とは違った女の子貞子ちゃん。タイヤ付きの井戸に乗って追いかけてくる貞子ちゃんからは、もう誰も逃れられない!? 『貞子3D』禁断のギャグコミック化!
  • ドロップ
    2.0
    1巻108円 (税込)
    『リング』『らせん』の恐怖が再び! トイレで読むホラー小説  水気の多い閉ざされた空間は、怖い話の舞台に合う。  狭い空間に籠った怨念が、水という媒体によって熟成され、伝播されやすくなるからだ。古井戸ほど怪談の舞台にうってつけのものはないのだが、近ごろはめったにこれを見ない。  古井戸ほどではないにしても、似たような条件を兼ね備えた空間は、いたるところにある。  そう、トイレだ。  映画化され、社会現象を起こした『リング』の著者・鈴木光司が贈る、最高に怖いホラー短編小説!  15点の挿し絵とともに、日本語版・英語版を同時収録。  本書を読めば、あなたはもう夜中にトイレに行くことは出来ない……。 ●鈴木光司(すずき・こうじ) 1957年、静岡県浜松市生まれ。慶応義塾大学文学部仏文科卒。1990年、『楽園』が日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞して作家デビュー。『リング』『らせん』『ループ』『バースディ』のシリーズが計800万部のベストセラーとなり、ハリウッドで映画化される。著作は世界20ヵ国語に翻訳され、欧米を中心に積極的に講演活動を行う。高校教師であった妻に代わり、二人の娘を育て上げた経験から、政府の諮問機関「少子化への対応を促進する国民会議」委員をつとめる。
  • 泣かない女 短篇セレクション ミステリー篇
    4.0
    著者の自選短篇セレクションシリーズのミステリー篇。表題作「泣かない女」、推理作家協会賞受賞作「妻の女友達」をはじめ、「悪者は誰?」「鍵老人」の4篇を収録。男の歪んだ欲望と、女の捻れた欲望がぶつかりあう。普通の人々の生活がふとしたことから崩れていき、その隙間に忍び寄る狂気。心の奥底を覗き込むようなミステリーの醍醐味を味わえる傑作の連続。
  • なぜ勉強するのか?
    3.9
    「なぜ微分積分を勉強しなければならないの? 文系に進めば、そんなもの学んだって何の役にも立たないじゃない」と子どもから訊かれて、あなたはどう答えますか。この問いに合理的に答えられれば、勉強に対する子どものモチベーションは飛躍的に上がります。

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  • 懐かしい骨
    3.7
    両親が亡くなり、解体した実家の物置の床下から女性の白骨死体が発見された。真吾と妹・早紀子の子供時代は平凡だが幸福だった。だが25年前の記憶を辿るうち、ある犯罪の可能性に思いあたり戦慄を覚える。謎の骨が語りかけるのは恐怖なのか懐古なのか!?繊細なタッチで描く長編サスペンスの傑作!

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  • 懐かしい骨 新装版
    3.7
    両親が亡くなり、解体した実家の物置の床下から白骨死体が発見された。娘である早紀子は、25年前の記憶を辿るうちに、ある事件に思い当たる。この骨は過去の犯罪を告発すべく現われたのか……。繊細なタッチで描く戦慄の長編サスペンス。
  • 夏の改札口
    3.7
    1巻1,375円 (税込)
    ひきこもりの息子とその父親、認知症の妻の介護に疲れた夫、日常の虚しさにとりつかれた主婦、痴漢容疑を受けたサラリーマン、際限なきいじめに悩む中学生…。図らずも人生の陥穽に落ちた人々は、「死」の深淵に臨むが…!? 現代社会のひずみを映し出す、珠玉の短編集。※巻末ページのリンク先にはジャンプ出来ませんのでご了承下さい。

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  • ナルキッソスの鏡
    4.0
    女装倒錯、その美貌とあいまった孤高のナルシズムに生きる作家志望の青年。そして、殺戮をくりかえしてまでも子供たちを守ろうとする過剰な家族愛に生きる異形の大女。高原の避暑地を舞台に、それぞれの人生が交錯するとき悲劇のドラマがはじまる――。愛と憎しみに囚われた人間の2つのストーリーがモザイク模様のように絡み、展開する衝撃のサイコ・サスペンス。
  • 肉体のファンタジア
    4.5
    ふくらみはじめた「乳房」を意識したころ。互いに「目」を見つめあうだけでわかりあえる関係。どこか性的にひかれる「毛」。中年男性の「背中」にただよう倦怠の魅力。受話器のむこうからこぼれる吐息のような「声」。そして女しか持ち得ない「子宮」の秘密とは。肉体のさまざまなパーツに刻まれた官能の風景、記憶が鮮やかに蘇る。五感を刺激するファンタジックなエッセイ集。
  • 虹の彼方
    4.4
    【第19回柴田錬三郎賞受賞作】間に合ってよかった……。女優の志摩子と作家の正臣。48歳と43歳の女と男が出会い、恋に落ちる。それぞれに家庭があり、名声がある。この恋が、どれほど周りの人を傷つけるのか、世間の非難を浴びるのか。わかっていながらも、無防備な子供のように愛し合うふたり。遊びの恋ならどんなに楽だろう。もうもどれない、もう一人では生きていけない。切なさが胸をうつ第19回柴田錬三郎賞受賞作品。
  • 二重生活
    3.3
    大学院生の珠は、大学時代のゼミで知ったアーティスト、ソフィ・カルによる「何の目的もない、知らない人の尾行」の実行を思い立ち、近所に暮らす男性、石坂の後をつける。そこで石坂の不倫現場を目撃し、他人の秘密に魅了された珠は、対象者の観察を繰り返す。しかし尾行は徐々に、珠自身の実存と恋人との関係をも脅かしてゆき――。渦巻く男女の感情を、スリリングな展開で濃密に描き出す蠱惑のサスペンス。 解説・野崎歓
  • 人間パワースポット 成功と幸せを“引き寄せる”生き方
    4.0
    今まで歩んできた人生の中で、不幸だったことはないと自認する著者が、自らの半生を通し、日常から、自身に成功のエネルギーを導く生き方を伝授する、迷える現代人に贈る最高にポジティブな生き方指南書。
  • 盗まれて
    3.6
    ゴースト・ライターだった夫が、本当に「幽霊」になってしまった!! 困り果てる売れっ子作家に、夫の幽霊から電話が……(「ゴースト・ライター」)。中学時代の同級生から、十五年の歳月を越えて送られて来た手紙(「時効」)。ミステリーはいつも電話と手紙によって運ばれる。傑作推理短篇集。

    試し読み

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  • 猫を抱いて長電話
    4.0
    小池真理子さんは1990年春、長年住み慣れた東京をはなれ、長野県の軽井沢町に引越しました。小池さんは、まずクルマの運転免許を取得しました。もちろん必要に応じてのことでしたが、あちらこちらと高原の町を走り回るうち、新しい視界がひらけて来るようだったと言っています。この本には、小池さんが喧噪の中で書き続けた、恋愛や友情やお酒や猫についてのたくさんのエッセイが収められています。心やさしく生きることの難しさと大切さを、この本は語っているのかもしれません。
  • ノスタルジア 〈新装版〉
    3.7
    平野繭子はかつて、親子ほど年の違う妻子ある作家・仙波雅彦と愛し合っていた。彼の突然の死から15年──。彼女の前に雅彦の息子を名乗る人物が現れる。父親と生き写しの彼に衝撃を受けつつも徐々に惹かれていく繭子。そして物語は思いもよらぬ結末に……。甘美で切ない大人の恋愛と、耽美で幻想的な世界を見事に融合させた極上の長編小説。
  • 望みは何と訊かれたら
    3.8
    パリの美術館で、槙村沙織は三十数年ぶりに秋津吾郎に再会する。彼こそは、学生運動の果ての凄絶な粛清リンチから身ひとつで逃走した二十歳の沙織を、半年間匿ってくれた男性だった。運命の再会は二人に何をもたらすのか──。殺意と愛情がせめぎあう極限状況で人生を共有しあった男と女ゆえの、根源的な結びつきと、身体も魂も貫く究極の悦楽を描き尽くした著者最高の恋愛小説。
  • 乗物綺談~異形コレクションLVI~
    4.0
    有栖川有栖、平山夢明、澤村伊智、上田早夕里、斜線堂有紀、芦花公園ら、稀代の短篇巧者16名が書下ろし競演! いまホラー界とSF界でもっとも注目されるテーマ・アンソロジー最新刊! 鉄道から人力車、潜水艇まで、さまざまな乗物をめぐる怖ろしくも妖しい16編を収録!
  • 灰色の犬
    3.6
    県警捜査四課のエースだった片桐誠一は、情報漏洩の疑いで左遷された。十年後、濡れ衣を晴らす機会が訪れるが、上司から拳銃のやらせ捜査を命じられ、かつての捜査協力者だった暴力団幹部の刀根剛に協力を求める。しかし刀根は組を追われる寸前で、誠一の息子、遼平は職を失い多重債務に苦しんでいた。三人は巨大組織を相手に絶体絶命の窮地を脱出できるのか!?
  • 廃屋の幽霊<新装版>
    4.0
    じめじめと降りしきる長雨、闇にすだく虫の声、おかっぱ頭の市松人形──四季の移ろいを背景に、日本人だからこそ感じる恐怖や夢と現実のあわいを描く七つの短篇。これぞホラージャパネスク、これぞ怪談文芸の神髄!
  • 白日の鴉
    4.0
    1巻1,045円 (税込)
    製薬会社のMR・友永孝は、電車内で見知らぬ男女に痴漢の疑いをかけられ駅から逃走、新人巡査の新田真人に逮捕された。友永は無罪を訴えるが、留置場に収監されてしまう。後日、真人はある出来事から友永の無実を確信し、老弁護士・五味陣介に協力を求めるが――。留置場から拘置所、そして法廷へ。仕組まれた冤罪との闘いを徹底した緻密さで描く異色の警察小説。
  • 鋏の記憶
    4.3
    桐生紫は女友達の家にあった鋏に触れようとした瞬間、手に電流のようなものを感じた。「この鋏は血を流したことがある」。小さな男の子の苦痛と恐怖が伝わってきた。だが、その子が死んだかどうかまでは分からなかった。――『鋏の記憶』より 物に触れただけで、それを所有していた人物の秘密を感知できるサイコメトリー(残留物感知能力)を使い、紫は未解決事件の手がかりをつかんでゆくが……。

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