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日常の中にふと忍び込む死の影、狂おしいほどの恋に潜む崩壊の予感、暗闇に浮かび上がる真っ白な肌……。著者が紡ぐ美しくも恐ろしい世界を、エッセイから小説まで見渡して厳選した、これまでにない傑作選。
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Posted by ブクログ
律子さん連作は、あれ?これどこかで?と思いながら読んでいたが、著者自身があとがきで書いているように、『神よ憐れみたまえ』の原型と言えるね。 どれもよく出来ていると思うけれど、『恋慕』『年始客』『やまざくら』あたりが特に◎。
小説のみならずエッセイも収録された怪奇譚傑作選。小池真理子さんの短編ホラーって結構読んでる……って思っていたのですが。「律子慕情」「午後のロマネスク」って、ただの恋愛小説だと思って完全に読み逃していました。不覚。 特に「律子慕情」に収録されている「恋慕」「花車」「慕情」が素敵。死者の霊が登場するので...続きを読むホラーとは言えますが、全然怖くないの。むしろこういう現れ方ならしてほしいと感じてしまいます。どこまでもさりげなく現れ、ただただ見守りそして消えていく愛おしい死者の姿がこれほどまでに静謐に描かれている作品ってなかなかないのでは。そして最近「神よ憐みたまえ」を読んだところなので、そちらとの符合にも「おっ」と引っかかりました。 一番怖いと思えたのは「声」。これ、幽霊なんて出てこないのにね。とても気持ち悪くて怖い物語。そしてまっとうに幽霊が出て怖い「水無月の墓」「やまざくら」も絶品。だけどこれらは怖いだけではなく、ひどく淋しい物語でもあるのですね。読後感がひたすらに切ないです。
物語は戦後から解放された豊かさに向けて走り始める頃の設定、大人は子供に媚びず子供には子供の世界があったし大人も見守るゆとりを持っていた時代。死者が見える少女の戸惑いと成長の(恋慕)事故で急死した恋人との(水無月の墓)他、梅雨時のこんな時期に似合うショートホラー小説でした。
短編小説かな っと思いきや、話が繋がっているのもあり 面白いが、 短編小説もあり、『んっ?』っと思ってしまった物もあり斜め読みをした部分があり、 星⭐︎を減らしています。 個人の感想です。
美しいホラーを始めて味わった。 ひたすら恐怖を感じる作品も良いが、たまにはこういったものに手を出したみるのも悪くないと感じた。
2021年刊、文庫オリジナルのホラー短編アンソロジー。2001年から2017年に発表された作品が収められている。 冒頭の3編はエッセイである。著者の母親が霊感の強い人だったそうで、著者自身も幾らか霊感があり、何度も霊を見る体験があるとのこと。なるほど、それで幽霊の出てくる物語を多く書いてきたのか...続きを読むと納得。 続く「恋慕」「花車」「慕情」は『律子慕情』なる単行本に収録された連作で、主人公律子の霊体験を、幼女時代からの成長に伴って描いている。この3編が、とても良い。一般的にこれは「ホラー小説」なのか?という疑問もあり、「恐怖をメインとした小説」という定義からは外れ、普通小説としての滋味を持って物語が進む末に、最後に故人の幽霊が出現する。その故人は主人公にとって親しい人々で、遺恨を遺して死んだわけでもないから「うらめしや」ではなく、生者への優しい愛惜を持って立ち現れるのだから、ほとんど怖くない。怖いホラー小説ではないが、怪異小説と呼ぶなら当てはまる。しかしそれよりも普通小説として「良い作品」だと思う。読んだことはないが、小池さんは恋愛小説を多く書いてきた作家なので、さすが、恋愛体験の細かな機微を巧みに描いている。 掌編小説も何編か入っているが、ちょっとしたスケッチといったところか。小池さんは川端康成の『掌の小説』を愛読しているそうだ。 ホラー小説らしく恐ろしい物語を紡いでいる時も、作者の文体は淡々としていていたずらに情動に揺れることは無い。特に文学的に優れた表現は見当たらないが、改行が多すぎることも無く、地味ながら却ってホラーの味わいを際立たせて効果的である。その点、こんにちの他のホラー作家の作品よりもぐっと優れている。 普通小説の味わいを持ち、ふつうに優れた短編小説の入った、良い作品集だった。
怪奇譚傑作選として甘美恐怖と戦慄の世界の エッセイと小説集 「霊の話」 小池さんの心霊経験談と母親からの体験談エッセイ。怪異の闇への起点。 「死者と生者をつなぐ糸」 お住まいの別荘地での出来事。生霊系エッセイ。 「現世と異界」 霊感の強いお母様の体験談エッセイ。 生と死のあわいに存在する意識。 「...続きを読む恋慕」 父の弟である叔父は、美しい母に恋をしていた。叔父の死を悼む母と少女。 死してもなお、慕われるのは母。 「花車」 学生運動のただ中の大学生活。 妊娠も結婚も、案外深くは考えられていなかったのかもしれない。誤って命を落とした女性が、死後に見せる幸福な姿。 「慕情」 「恋慕」の続編。 叔父との二度目の別れが、新しい出会いの扉を開く。 「ふしぎな話」 家出中の従兄弟の生霊と過ごした夏の一夜。 彼の手には、その夜の記憶が残る。 「夏の雨」 夏の雨の中、魅惑的な夫の裏切りに快楽を見いだすのか。 「年始客」 長い歳月を漂った女が、年老いたかつての恋人に巡り合う。 「旅路」 好きな彼との二十歳の最愛の一瞬から、死の瞬間を繰り返す旅路。 「声」 醜い女の声を愛する男。自ら眼を潰して女を愛することを選ぶが、潰れたのは耳。 「水無月の墓」 不倫相手の突然の事故死。 その死を受け入れていた女性が、後に知る真相。 襖の先に和室が果てしなく続くような描写が、恐ろしげで印象的だった。 「やまざくら」 予感していた結末へと、不倫の行き着く先が静かに収束していく。 小池真理子さんの怪異は、ご本人もおっしゃる通り、死んだことに気づかない魂の存在が多く現れる。 また、不倫や血縁といった成就し得ない関係性を、多方面からパラレルに描き出しているように感じた。
タイトル通りの不思議な物語が詰まった、短編集。 恐怖と言うよりは、恋に心を燃やす女の切なさだとか、 愛欲が人を狂わせるだとか、艶めかしさと悲しみに満ちた怪異譚。
おどろおどろしいホラーではなく、日常にそっと寄り添う幽霊譚でした。 哀愁漂う感じもあり、 恋慕と慕情の律子物語が善き。
花車が好きだった。どれも恋愛と幽霊を絡めたような話で好みではあるが、恋愛模様によくも悪くも昭和みを濃く感じる。
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