多崎礼のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ多崎礼さんの『レーエンデ国物語』、「こういうファンタジーが読みたかった」と思わせてくれる作品だった。
何より魅力的なのは、レーエンデという国そのもの。銀霧に包まれた森や古代樹、湖、城など、幻想的な風景が丁寧に描かれていて、物語を読んでいるというより、自分自身がその世界を旅しているような感覚になる。美しいだけではなく、その土地が抱える歴史や人々の苦しみまで描かれているからこそ、レーエンデという場所が次第に「生きた世界」として感じられてくる。
ユリアとトリスタンの関係も印象的。二人の出会いを軸に、少女だったユリアが外の世界を知り、自分の意志で生き方を選び取っていく過程がとても良かった。恋愛だけ -
Posted by ブクログ
大人版のお伽話を読んでいるようだった。
まず装丁がかなり好き。タイトルに「夜」が入っているだけでも、なんとなく自分に刺さる。
二人の語り部が交互に物語を話していき、一見別々に見えた話が少しずつ繋がって、この世界で起きたことが紐解かれていく。
語られる物語も童話っぽいので、頭の中で絵本のページをめくるような感じで読み進めることができた。全体を通して、人と魔物を巡る美しくて少し切ない物語だったと思う。
ただ、登場人物や島の名前が聞き馴染みのない言葉ばかりで、これが全然覚えられなかった。話が繋がっていく作品だからこそ、「これ誰だっけ?」となるのがちょっと気になった。
あとは世界観が面白そう -
-
Posted by ブクログ
一つ一つの短編が独立した物語として描かれながら、後半になるにつれて少しずつつながっていく構成が面白い作品。
物事は見る角度によって違って見えるし、時間が経つことで初めて分かることもある。そして、誰かの想いや経験を受け継ぎながら、より良く生きていく。そんな姿が描かれていて、これは物語の中だけではなく、現実の世界にも通じることだと思った。
特に作中に出てくる「全てのことには意味がある」という言葉が印象に残った。読み終えた後に振り返ると、何気なく読んでいた一つ一つの物語にも意味があったことに気づかされる。
読み進めるほどに点が線になっていく感覚が心地よく、最後まで読んでからもう一度振り返りたく -
-
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレいやあ、もう。
一巻と同じように希望を持たせた瞬間にどん底に突き落とされる。
前作で散々苦しい気持ちにさせられたので覚悟はしていたけれど、その遥か斜め上をいく残虐さ。
ご都合主義のハッピーエンドなんてない。
テッサが仲間たちを鼓舞する時,シモン中隊長の言葉を借りるのが良かった...心から崇拝していたのが伝わってきた。
賢く優しかったルチアーノがなぜ残虐王になってしまったのか...レーエンデの民への絶望が彼をそこまで変えてしまったのだろうか。
のめり込んでしまう,だけどひたすらに苦しい。
それでも...最後まで見届けます。
個人的な好みとしては、一巻の方が好きだったなあ。
トリスタンの生 -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ壮大なファンタジー。
わたしにとっては聞き慣れない表現が多く,調べてメモをとりながらじっくり読んだ。
終盤は胸を抉られるような苦しい展開が続き、涙が止まらなかった。
読み進めるのが怖くて何度も本を閉じた。
とてものめり込んだし、読み終わった今も心がレーエンデに囚われているのだけれど、あまりの結末にしばらく立ち直れそうにない。
良くも悪くもここまで心を揺さぶられる作品にはなかなか出会えないと思う。
ヘクトルとトリスタンの無敵な強さで全てがうまく行くことを期待していた...
この後の作品も全部こんな鬱展開なのだろうか。
救いがなさすぎる。トリスタン...
それでも、心がレーエンデに囚われてし