あらすじ
この世界を守りたい。
少年は大人になり、少女は英雄になった。
テレビ、書店で話題沸騰!
大人のための王道ファンタジー、はやくも第二弾!
☆☆☆
名家の少年・ルチアーノは屋敷を何者かに襲撃され、レーエンデ東部の村にたどり着く。
そこで怪力無双の少女・テッサと出会った。
藁葺き屋根の村景や活気あふれる炭鉱、色とりどりの収穫祭に触れ、
ルチアーノは身分を捨てて、ここで生きることを決める。
しかし、その生活は長く続かなかった。村の危機を救うため、テッサは戦場に出ることを決める。
ルチアーノと結婚の約束を残して――。
封鎖された古代樹の森、孤島城に住む法皇、変わりゆく世界。
あの日の決断が国の運命を変えたことを、二人はまだ知らない。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
1作目は序章に過ぎなかったと痛感した。こらは革命の話なんだと、胸に刻まれた。そのうえで、ここから先は覚悟を持って、呪われた地と言われるレーエンデ国と、その国を愛するひとたちの行く末を見守りたい。
登場人物それぞれが、誰かにとっての月であり、太陽だった。その愛の大きさに胸を焦がされたよ…。
Posted by ブクログ
今年読んだ中で1番泣けた本、いや、人生で1番泣いた本かも
テッサやルーチェ、シモン隊長など登場人物が魅力的で愛着が湧くからこそ、報われないのがこんなにも辛い
テッサにとってルーチェは良心を引き留めてくれる存在だったけれど、ルーチェにとってもテッサは良心の象徴だったんだね…
Posted by ブクログ
「生まれた瞬間から最後の息を引き取るまで、俺達の人生は俺達のものだ。命も矜持も魂も、すべて俺達自身のものだ!」
・辛くてたくさん泣いたけれど、とっても良かった。
・シモンが好きすぎた。
Posted by ブクログ
前作から100年以上経ったレーエンデの物語で、登場人物は変わりますが所々に前作を感じられて面白かったです。
今回はテッサとルーチェ(ルチアーノ)の物語。
レーエンデの自由のために戦い続けたテッサと、そんなテッサを想い続けてくれたルーチェの幸せを願わずにはいられませんでした。
タイトルにある月と太陽は、ルーチェが月でテッサが太陽なのかな。でも登場人物それぞれに言えるのかも。
アレーテとキリルはお互いがお互いに月と太陽だと思うし、イザークが月ならキリルが太陽で、中隊長シモンが太陽ならテッサが月で、、、エドアルドが月ならばルーチェは太陽のような存在だったかもしれないですね。自分にとっての太陽がいなくなってしまったら、月は輝くことができないから、月は壊れてしまうのかもしれません。
テッサのラストシーンは泣いてしまいました。
Posted by ブクログ
革命は失敗すれば悲惨だし、成功しても安定した統治ができるまで荒れて混沌とすることも多い。
今回も本当に苦しかった。
闘いの中で強く結びついた、命を預け合った仲間を櫛の歯が欠けるように失うさまは胸を突いた。革命の失敗は首謀者テッサの死を意味する。追い詰められる。
それでもテッサが自分を失わず命を全うしたことだけが、読み進める力になった。悲劇ではあったが間違いなく英雄だった。
しかし、民衆が立ち上がるまであと一つ届かなかった。ルーチェの言う通り、憎しみが絶望があと少し足りなかった。みんなが大局をみて英雄にはなれない。
ルーチェが残虐な法皇帝になったのは、法王庁への憎しみを醸成させるため、
次の革命の種を蒔いたのだと思った。
使命のもと志半ばで命を落とすことも胸苦しいが、託されて生き残った面々の心中は比ぶべくもない。仲間を想えばこそあとも追えない。
しかし、流れを止めなければ、いつかは届くか
シャイア城にて赤ん坊の声が聞こえた。エールデがいるならトリスタンの魂もそばにあるかな
Posted by ブクログ
あまりにも壮大な本格ファンタジーには違いないんだけど、語り口が軽いおかげでサクサク読める。無理難題に立ち向かうテッサの活躍は本当に気持ちがいい。枠にはまった『キャラクター』っぽい登場人物たちのなかで、イシドロはちょっと人間味感じて好きだった。
Posted by ブクログ
テッサの激動の生涯の物語。
そしてルーチェの人としての感情が壊れてしまう物語
決して大団円で終わらない一つ一つの物語
レーエンデ国物語、最高です
Posted by ブクログ
単純に戦って終わるのではないところが面白い。
最後にテッサが亡くなったみんなと会えて良かった。ルーチェは…まあ…そうなるよな…
私生活が忙しくて読み切るのに時間がかかったが、読みながら今までの流れを思い出せるほど全体的に面白かった。
Posted by ブクログ
第1作目を読んで 1年近く経っていますが、レーエンデの美しさを思い出しながら読み始めました。
文体が変わったような気がしますが、読みやすさに変わりはなくどんどんのめり込むストーリーも健在。
『月と太陽』は残酷で、どの人物に入れ込んでも辛さが残る。
手に入らないものばかりで歯痒い。
それでもレーエンデに浸りたいと思うのは何故だろう。
未来の自由には武力か知力か、そこに含まれる正義は如何なるものか。
続きが楽しみです。
-号哭するほど その死を悼ましく思う。
そんな人間に巡り合えた 僥倖を存分に噛みしめるがいい
Posted by ブクログ
革命の物語の中でも、力による革命を描いたもの。胸踊る戦い、カリスマ性のある統率者、戦いの中で育まれる友情。読んでいると胸が熱くなって読むのが止められなかった。
Posted by ブクログ
強大な国に奪われた自分たちの国を取り返す。
その歴史の壮絶さと、人々の織り成す人間模様から目が離せなかった。全く、次から次へとよくもまあこんなに目の離せない展開を盛り込めるものだ。
登場人物が皆魅力的である。彼らの喜びが、苦悩が、悲しみと覚悟が胸に染み渡る。読み終えて改めてこのジャケットを見る。一人の人間の足跡など歴史の大波の中に消えてしまうものだが、ここには確かにその人がいた記憶が、思い出が、誰に語られなくても残っているのだ。
Posted by ブクログ
さて、
1部を読み終わったのは1ヶ月ほど前で少し内容が抜けていたが、読み進めていくうちに思い出せた…(笑)
推しキャラは「シモン」と「エドアルド」「シーラ」
シモンは言わずもがなかっこよすぎる。
エドアルド、元は善良な兄が、教皇からの性暴力、両親からの裏切り、唯一助けた実の弟の裏切り、逃亡未遂で病気とかいう地獄コンボで闇堕ちしていく感じたまらなく好き。
シーラ含む三姉妹の信念を持って生きている感じがたまらなく好き。バカっぽいキャラかと思いきや、自分の立場を利用して情報を引き出す「情報屋」とわかった時は、彼女は強い、かっこいいと思った。残虐王は3人のこと忘れてなかったんだね…
正直な話、前作は少し中盤で退屈と感じてしまう章もあったのだが、2部は本当に全章面白くて読む手が止まらなかった。1部より戦闘描写が強く本格的に革命が始まったのだなあ、と。
義勇団の士気がいっきに下がっていく描写が細かく、読んでいてこのまま終わってしまうのか、と実感できて複雑だった。
ユリアやヘクトルの名前は何度も出てくるがトリスタンの名前は本当に出てこず、トリスタンの名前は歴史に残らなかったということを実感した…
少し前に「同志少女よ、敵を撃て。」を読み、戦闘描写が恋しくなっていたので、いっきに読めてしまった。サブタイトルの「月と太陽」の考察も捗る。
Posted by ブクログ
レーエンデ国の革命の物語第2巻。主人公テッサ・ダールはレーエンデのダール村の娘。やがて戦士になり、レーエンデに自由を、を胸に英雄になる娘。シリーズ全体が、ある国の革命の歴史の話であることが強く印象づく本巻。かなり読み応えあり。
前巻から100年以上たっている時代が舞台。レーエンデの民は、帝国のイジョルニ人から不当な扱いを受けている。レーエンデ人は兵役があり、テッサは村の幼馴染の男二人と共に帝国軍に駆り出され、訓練や戦闘の日々を送る。
しかし村を離れているその間、帝国側に村を蹂躙され愛する家族をすべて失う。その理不尽さに目覚め、レジスタンスの義勇軍を立ち上げ、帝国に立ち向かう。レーエンデに自由を、という矜持を胸に持って。
さまざまな葛藤が描かれ、信頼や裏切りがある。敵側のイジョルニ人の名家の息子だった子供を拾い家族として温かい関係性を築くという要素が、来たる不穏の予感を物語にずっと漂わせる(なんせ物語の冒頭で、この子供がやがて残虐王と呼ばれる男になることが予告されているのだ)。また、娼館の娘たちの暮らしが描かれ、市井の人の受ける搾取の描写にもページが割かれる。物語に奥行きがあり、なぜテッサやレーエンデは革命が必要なのか(そしてなぜ失敗するのか)が丁寧に描かれた。
エピローグの短い文章の中で、その後歴史はどう動いたかが軽く触れられる。ひとりの人間の半生は濃い物語であるが、歴史の中では豆粒のような存在だ。前巻の英雄だったビクトルやユリアも忘れ去られ、歴史の中の悪役のような認識にもなっていることがわかる。歴史は勝者の物語。大河のなかのズームイン・ズームアウトの演出が憎い。
Posted by ブクログ
ファンタジー辛口 かなり残酷で、甘くないファンタジー。
だが、革命の話をしよう、
と言っているのだから、
このくらい現実的?な苦しさは必要か。
苦しい結末の方が覚えがよくなるので
良かったのかも。
Posted by ブクログ
レーエンデ第二弾。
前作で懸命に生き抜いた人々は歴史に。
前回、ヘクトルが言っていた独立(合州国)をユリアが成し遂げ、帝国との戦争中。
レーエンデは帝国側に取り込まれ、いいように使われているという状況。
あくまで視点はレーエンデなので、合州国は倒すべき敵。
前作から続けて読んだため、最初少し混乱した。
まとめれば、ティコ族のテッサがレーエンデが自由になるための革命を起こして駆け抜けていく物語。
前作の名残りが所々あって、それがまぁ思い描いたとおりにはやっぱりなっていなくて、ちょっと切なくなる。
でも、主人公補正でトントン拍子に進むよりずっといい。
時間の経過がん?と思うところがあったり(読み込み足りないだけかも)、この世界観でこのセリフは出ないんじゃないか?ってところがあったり。
もっと緻密に作り込んでほしいなーそしたらもっと面白いなーと思います。
あと会話がどうしてもセリフくさい。
もう少し自然にできないかなー
口調でキャラが分かるようにという意図は理解できるけど、やりすぎな気が。
16歳のルーチェも幼すぎない?
お屋敷に住むボンボンの16歳ならこれでいいけど、けっこうな年数ダール村で過ごしてるわけでしょ?
ふわふわしすぎでは?
子どもの頃のルーチェに引っ張られてるなぁという印象。
前作はトリスタンとユリア。
本作はテッサとルーチェ、あるいはシモン。
どちらも結局結ばれず。
最後テッサに「もう死んでいい」と言ったルーチェの気持ちはどうだったのか。
好き、にしてはずいぶん温度がないな、と。
テッサとはもちろん、ルーチェとしての自分とも完全に決別しにいったのか。
でも「残虐王」となったのは、テッサを追い詰めた全てに対する復讐だよね。
まぁ割り切れないのが人間か。
あ、赤子は100年経ってもおそらく赤子のまま。
今回は泣いただけでその辺の謎はまだまだ解明されず次回以降に持ち越し。
Posted by ブクログ
長編だが展開がちょうどいいペースで物語にどっぷり浸かり堪能出来た。前作より研ぎ澄まされてる印象。
レーエンデの自由のために人生を捧げたテッサ。
運命に翻弄され、生き抜いたルーチェ。
レーエンデで命を落としたテッサは始原の海に戻って行った。ルーチェはどこに戻って行ったのか。
Posted by ブクログ
ああ、どうして自分の幸せだけを考えてくれないんだろう、どれだけ惨たらしい目にあってもレーエンデを想い続けたテッサ、だからこそかっこいいんだけどさ、幸せになる結末を夢みたっていいじゃん…と思わずにいられない。読み進めていくうちに、1人の女の子でもあり英雄でもあるテッサの激動の人生を共に歩めたような気がして、最期はとってもつらかった。
ルーチェ、どんな怒りがあったとしても思いは伝えておいてほしかった。どれだけしんどい思いをして法皇に登り詰めたのか。その最期まで革命をとめテッサを死に至らしめたレーエンデへの怒りは収まらなかったんだね。
Posted by ブクログ
再びこの世界へ入り込むことになった。
時は経ち世界は少し変わっていた。
人々に武器を持たせることで世界はどうなるのか、現実の世界ともリンクする。
戦争の描写は非常に残酷。
テッサ目線で読むから爽快なところもあるが
逆の立場だったら
どんな理由があれ彼女を許すことはできない。
中隊長との別れも別の方法があったのではないか。
ルーチェの
「僕ね、昨日で十八歳になったよ」
の言葉には
ルーチェのこれまでの我慢、葛藤、期待、愛情、苦しかった日々、幸せな思い出、数々の感情が込められているように感じた。
私はまたこの世界に戻るだろう。
この先も見届けるべきだ。
Posted by ブクログ
ルーチェとテッサに報いるために、次を読みます。
「じゃあねキリル、また後で」
「おう」
2人の信頼関係が伝わるこの最期の会話が最高にかっこいい。
Posted by ブクログ
革命の話をしよう。その光は人々を導き、太陽の温かさを放つ灯りになるのか。その光は人々を恐怖の底に突き落とし、月夜の凍える闇となるのか。
本作は、前作から時が経ち、世代が移り変わった時代が舞台となっている。前作の登場人物たちは登場しないが、彼らの残した思いやバトンは脈々と受け継がれている。そんな世界で、レーエンデの自由を掴みとろうと、己の全生命をかけて戦った者たちの物語。
名前に光の意味を持つ少年。ルーチェは最初に名前と家族を失う。全てを失った闇の中で、太陽のような少女と出会う。彼女を愛し、彼女のために彼は全生命を持って、革命に身を投じた。
ダール村で過ごす少女。テッサは天命を持つ英雄であった。徴兵され、血に塗れた彼女は家族にとまり木のような安らぎを得る。乙女としての願望と英雄としての責務の狭間で揺れ動きながら、レーエンデに自由をもたらす為に革命へと身を投じた。
次作で彼、彼女らの戦いがどのような意味を持っていくのかが楽しみである。
Posted by ブクログ
前作から100年くらい後の話。時代的に連続すると勝手に思っていたので、意外でした。前作とは全く様相が異なり、帝国からのレーエンデの解放のための革命の物語。主人公のテッサが、カッコよく魅力的でした。予想とは違う結末を期待して読んだのですが、やっぱりそうなるかというところで、その点だけが残念でした。次巻以降も革命の話になってしまうのかなあと、先が気になるところです。
Posted by ブクログ
辛かった…。
1巻と違って、辛いと感じることばかり。
平和なのも「これからくるんでしょ辛いこと」としか思えなかった。
3巻気になるけど、手を伸ばすのが辛い…。何処からこのお話は明るい光が見えるんだろう?
そしてまた誰もいなくなった。
Posted by ブクログ
残虐王がなぜ生まれたのか。彼の人物造形がこの物語の白眉だった。彼もまた、革命のために生きた重要な歴史のワンピースだった。テッサとは違うやり方で、レーエンデ人の蜂起を促したのだと思う。
苦難は続く。深い
レーエンデ国物語なのに未だ国は成らず。そのためにはまだ苦難がいるのか。虐げられ続けるレーエンデ人たち。月がルーチェで太陽がテッサか。少しだけ前の本がリンクし、また次に少しだけ続いてるところでまた次が読みたくなる。
Posted by ブクログ
王道ファンタジー第二弾。前作からだいぶどころではない時間が経っており、人物も総取っ替え。革命軍とまではいかなかった主人公だけど、真っ直ぐで悩み、傷つき、誰かの為に生きて死んでいった。この物語、最後の最後でもう片方の主人公がフッと消えてしまって、その後歴史の語りでえらい事になっているのだけど、そういう語り方だと片方は何があったのか、察してという事なのか。
レーエンデの苦難、苦難の道が具体的な上にまだまだ続きそう。
Posted by ブクログ
ユリアたちの時代から時が経ち、後世の物語。
搾取されるだけの土地になったレーエンデをめぐり、一人の少女テッサと仲間が立ち上がる物語。
レーエンデの様子はすっかり変わってしまったが、ところどころでユリアやヘクトルの名前が出てくるのが、たしかに歴史は続いていると感じられるところ。
五巻もある物語の、まだまだ序章。ここでハッピーエンドになる必要はないとは言え、つらめの終わり方。
憎しみは連載するっていうけど、ルーチェたちを見てると、まさにそれを体現してるなと思った。裏切られ、相手を憎み、全てに怒り、怪物と化す。地獄をつくる側の、生きる地獄。