多崎礼のレビュー一覧
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ネタバレ壮大なファンタジー。
わたしにとっては聞き慣れない表現が多く,調べてメモをとりながらじっくり読んだ。
終盤は胸を抉られるような苦しい展開が続き、涙が止まらなかった。
読み進めるのが怖くて何度も本を閉じた。
とてものめり込んだし、読み終わった今も心がレーエンデに囚われているのだけれど、あまりの結末にしばらく立ち直れそうにない。
良くも悪くもここまで心を揺さぶられる作品にはなかなか出会えないと思う。
ヘクトルとトリスタンの無敵な強さで全てがうまく行くことを期待していた...
救いがなさすぎる。トリスタン...
それでも、心がレーエンデに囚われてしまったわたしは最後まで見届けると思う。
- 残った謎メモ -
ユリアの居場所がダリアの証言と異なっていたのは何故か
交易路は完成しなかった?→2巻で判明
御子の行方→2巻で判明 -
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レーエンデの自由を求め、戦い続ける
なぜ支配をしたがるのだろう?
それは今でも続く戦争でも言えることではありますが…。
お金や資源、人、領土を求め広げていく。
民族が豊かに住みやすく穏やかな空間で過ごしたい。平和でありたい。
だけど支配されてしまえば自分たちの住処を及ぼし、蝕んでいってしまう。
逆らえば死罪などと自分の命が迫る。
そういった生活を目にしてきたテッサたちは革命を起こした。
「自由を求めて戦ったこと、打倒帝国まであと一歩のところまで迫ったこと、それはレーエンデ人の希望になる。
これからやってくる暗黒の時代、レーエンデに希望の光を灯し続けるために、真実の歴史を語り継ぐ者が必要になる。」
テッサは勇敢な戦士だと改めて思う。自分の命を犠牲にしても帝国と戦い続ける、強く逞しい。そして誰よりも人を愛する。
だからこそ厭わずに突き進むのだろうと思う。
テッサの周りには、テッサを愛する人達がたくさんいる。テッサの意志が行き届いている。
すべての行動は今後も受け継がれる。そう信じたいと思う。
途中で読むのを止めずに夜通しで読みたいぐらいだったと思う。
それだけ前作からさらにレーエンデ国の歴史をぎゅっと濃縮し、自分もその世界に誘われた感覚になった。
3作目、レーエンデ国の歴史に新たな一歩が踏まれる。 -
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ネタバレ1巻で撒かれていた伏線たちを4巻にてかなり回収。2巻の伏線も一部回収。1〜3巻が伏線を張る位置付けだったことがわかった。今のところシリーズの中で一番面白かった。
以下ネタバレ。
4巻では、法皇帝の息子レオナルドと、娘ルクレツィアが異母きょうだいとして出会い、やがて幽閉されていた神の御子を見つけ、レーエンデの革命を別々の方向から試みるに至る。
レオナルドは帝国の差別に反対する立場として奔走し、ルクレツィアは帝国側でレーエンデ人の抑圧や差別を最大限に引き上げ、同時に内部構造を破壊するお膳立てをするに至る。両者によってレーエンデ人の革命がやっと勃発する(かもしれない)。
以下、回収された伏線(自分用のメモ)
・神の御子エールデは不死の存在で、4巻でも生きている(正確にいうと、絶命はするがすぐ蘇るので、断末魔の苦しみを歴代法皇帝から味わわされて脅されながら、未来選択の力を彼らの望み通りに使うことを強いられ続けている)
・泡虫は死んだ人間の魂
・銀呪にかかった動物は一応死んでいるが、それに泡虫が入ることで見かけ上生きているように見える。実際は泡虫(元人間)が操っている
・二代目法皇帝ルチアーノ・ダンブロシオ、通称残虐王がレーエンデ人を虐げていたのは、それによってレーエンデ人の革命を促すため(テッサを見殺しにしたレーエンデ人を恨んでいたのかと思ったがそうではなかった)
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レーエンデの時代がさらに進み、前巻に出てきたテッサが忘れられかけている時期の話。劇作家リーアンと男娼かつ演出家のアーロウという双子の兄弟の複雑な関係を描きつつ、ふたりがレーエンデの歴史を追い、禁忌になっているテッサを主人公とした劇を作り出す過程が描かれる。
主人公が毎回変わりながら、一つの地域の歴史を追うという形でシリーズ化しているファンタジーはめずらしく、着眼点が面白い。
二巻に続き、三巻も、貧困に伴い身体を売る人々にも焦点が当たっている。どちらも、その人々の心の強さが描かれているが、今回は、主人公も男娼であり、自分は穢れているという嫌悪感との葛藤も描かれているのが印象的だった。
双子の関係も複雑で、相手を傷つけ、自分も傷つけられた過去を抱えつつも、心の底では相手への愛情を抱いているが、その愛ゆえに最後は衝撃的な結末となっていた。
神の子がどのような存在なのか、銀呪とは一体なんなのか、まだ明かされていないので、今後伏線回収されることに期待。 -
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レーエンデ地方が聖イジョルニ帝国の支配下となり、100年ほどの年月が流れた。
司祭長の次男ルチアーノは、屋敷の火事から唯一生き残り、炭鉱業が盛んなダール村へと辿り着く。
怪力自慢の少女テッサと出会い、ルチアーノは過去を捨て、「ルーチェ」として新たな生活が始まった。
平穏な日々だったが、炭鉱の落盤事故をきっかけにその生活は終わりを迎える。
軍隊で活躍していくテッサと、教養を生かして村を豊かにしようと策を練るルーチェ。
村のために奮闘する2人の選択は、レーエンデ地方、ひいては帝国を揺るがす革命へと繋がっていく。
レーエンデ物語の2巻目となる今作。
シリーズを通して、はじまりの文章が「革命の話をしよう」であるということの意味がようやく分かってきた。
前作以上に苦しい展開が続き「革命」という言葉の重み、人々の熱量や覚悟といったものが読んでいて強く訴えかけられるように感じたからだ。
キャラクターの魅力は前作同様で、特にテッサの終盤の振る舞いは、革命の物語を背負う主人公としての凄まじさに圧倒された。
後日談のあっさり感は前作でも感じたことであったけれど、今作を読み終えてみて、このシリーズ作品は「レーエンデ国」の長い歴史を伝えるために、レーエンデの歴史的転換点をまとめた記録の物語なのかもしれないと思えた。
そういった意味で、個人的には今作で作品の世界により乗ることができ、このシリーズが何を描こうとしているのか、自分なりに思いを馳せることができるようになったと感じる。
レーエンデのこの先を見届けたい気持ちが強まった一冊だった。 -
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ネタバレおなじみの一行目一緒ショートショートのシリーズ。今回は初読みの作家さんが多かった気がする。特に最初の方、ロボットとかAIとかが続いて、大丈夫かいな、と思ったけど、真梨幸子さんや東川篤哉さんはちゃんと違うテイストで来ててさすがと思った。殺人が罪ではないという世界から、死刑等の罪になるという法律ができた、という大沼紀子「もう、ディストピアじゃん」は皮肉が効いてて特に印象的。面白かった。五十嵐律人「革命夜話」も違う切り口でとても良かった。敗戦後の混乱の中、食うにも困っている頃に、理想を夢見て日本国憲法を作った人がいたんだ、ということに改めて気付かされたわ。ありがたいことだ。
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テッサの革命も、「月と太陽」も、確かに受け継がれてきたのだと感じた。
そして、それをちゃんと心で受け取っている人がいる。
人は亡くなっても、その想いは生き続けていくのだと強く思わされる。
4作目にして、ようやく革命の兆しが見えてきた一方で、物語はどこまでも暗く、重く、そして切ない。
レーエンデに自由をもたらすという同じ未来を見据えながら、異母兄弟はそれぞれ別の道を選ぶ。
一方は正義を貫き、もう一方は悪へと進む。
お互いを深く理解し、信じ合っているからこそ、その結末はあまりにも悲しいものになっていく。
「正義っていうのは欲望を粉飾するための方便だよ」
「十人いれば十通りの正義がある」
「正義を通すって言えば聞こえはいいけど、それは他の正義をねじ伏せるってこと」
ビョルンのこの言葉は、物語が進むにつれてますます重みを帯びていく。
正義とは何かを問い続ける物語だった。
4作を通して感じたのは、自己犠牲の上に成り立つ革命の姿。
誰かが犠牲にならなければ、そのきっかけすら生まれないのか。
そう思うと、どうしようもなく切なくなる。
次でいよいよ最終巻。
終わってほしくないけど、たくさんの人々が積み重ねて来た思いがどういった形でレーエンデに夜明けをもたらすのか見届けたい! -
Posted by ブクログ
序章
第一章 ルーチェ
第二章 斬り込み中隊
第三章 もう神なんて信じない
第四章 落陽
第五章 隠れ里エルウィン
第六章 レーエンデ解放軍
第七章 春陽亭の三姉妹
第八章 初仕事
第九章 協力者
第十章 アルトベリ城攻略
第十一章 軍師の誕生
第十二章 革命の夏
第十三章 もっとも信心深い者にこそ
第十四章 月と太陽
終章
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まず地図を前作と今作とを見比べて、「交易路」が「旧街道」になってる!とか「西街道」は昔からあったけど「東街道」ができてる!とか、おお〜「緩衝地帯」がちゃんと機能してるっぽい!とかあがりました。そして「エルウィン」の場所が変わってる…??となぜか半泣きに。ユリアとヘクトルが通ったファスト渓谷はなくなってしまったのかな。と。
これから読み始めます。
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テッサが本来ものすごく純情な乙女で、女を買いに行く仲間を見てそういうのは本当に好きな人と思ったり、平和な家庭に入ってお嫁さんになりたいという願いを持っているのがいつまでも悲しい
それでも強くあろうとするテッサが痛ましい悲しくて愛おしい
テッサとキリルとイザークのスリーマンセル、良いです
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『月と太陽』
人から人へ、次の世代へ
「月」と「太陽」はルーチェとテッサのことなんだろうけど、この作中で明確に「月」に例えられているのはエドアルドで、「太陽」に例えられたのはアレーテ。 -
Posted by ブクログ
2作目から100年後。
蒸気機関車が走り、芸術が花開き、近代化が進んだレーエンデ。
かつての英雄テッサの存在は忘れ去られ、レーエンデ人と呼ばれるようになったレーエンデに住む人々は帝国の支配を受け入れ、不自由な現実に順応しつつあった。
そんな世界で、テッサの革命を脚本として舞台にし、力ではなく芸術で世界を変えようとした双子の物語。
天才劇作家の兄と、凡庸な舞台俳優の弟。
才能の差から拗れているように見える関係は、実は愛情と呼ぶには複雑なくらい、深い愛情で結ばれていた。
不器用ながらも、その想いがちゃんと伝わり合っていたことに胸を打たれた。
作中ではたびたびテッサの話が語られ、2作目の記憶に浸りながら楽しめた。
1作目のユリアとトリスタンも少しだけ登場してくれて、1作目が大好きな身としては嬉しい。
ラストは、双子ならではの終わり方。
切なく、どこか儚い。
残された方も、残して逝った方もどんな気持ちだったんだろう
なかなか明るい未来が見えてこないですね〜