多崎礼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ絶対的な血液の価値を誇る女王が支配する階層社会・ライコスの最下層で出会った、血液専門の探索者ロイスと女王の20番目の王子ルーク。そして傭兵のヴィンス、ティルダ、美貌の調血師ギィ…
登場人物(動物も、植物も)血を持つ者は皆が、生まれ持った血の運命に翻弄され、崇拝しつつ恐れ、裏切りながら信じ合い、幾重にも複雑な感情がもつれあう。
いつもながら、多崎礼さんの紡ぐ物語は甘くない。
愛し合う2人は幾重にも引き裂かれ、愛娘を失った過去に苛まれ、心を通わせた少年は死へと向かう。
悲劇の瞬間の描写がなくても、同じ瞬間を味わったように、辛く哀しい。
だからこそ、ルークの誇り高い心や、ロイスとグローリアのどうしようもなく純粋な愛が、一層強く揺るぎなく輝くのかもしれない。
そしてこれもいつもながら…終章には、それでも人は生きていく、生きていけると、確かな希望を残して終わる。
きっといつか、ルークを慈しんだ面々が、また笑顔で再会出来る日が来るのではないかと。
数々の切なく美しいシーンの中でも、ギィがロイスに別れを告げるとき、同じ言葉を繰り返すシーンが、個人的には最高。
スピンオフ描いてくれないかなぁ。
この世界も、緻密に作られた多崎ワールド。
他人の血を取り込む事によって、力を得たり、意思を支配したり出来るという設定が、言葉に出来なかった思いを時を超えて伝える仕掛にもなって、物語の時間軸を軽々と飛び越えてしまう。
魔法使いが出てくればファンタジー、不思議な生き物が出てくれば異世界、なんてものじゃない!
この世界の物語が2冊で終わるなんて勿体無い‼️ -
Posted by ブクログ
ネタバレ★ネタバレありです!★
久しぶりに大満足な本に出会うことができました。
1巻はワクワクしながら読みましたが、2巻は切なくて思わず泣いてしまいました。
先が気になって、一気に読み切りましたが、もう一度、じっくりと読み返してみたい作品です。
途中まで読んでみて、副題の「無名の英雄」は第四話のローグを指していると思いながらも何となくしっくりこない気がしていたら、最後まで読んで、著者の意図がよくわかりました。無名の英雄はルークのことだったのですね。とても切ない…。
ルークの第一印象は「なんて尊大な王子様!」でしたが、最後まで読んだみて、印象ががらりと変わりました。ロイス達と出会って、市井の生活や殻の世界を知ったりすることで、最終的には大切な人達を命をかけて守り抜いたルークの生き様に泣かされました。
ところで、ヴィンセントは助かったのでしょうか?ヴィンスも公的には亡くなったことになってますが、アドリア姫の言葉からはヴィンスは生きているようにも受け取れます。とっても気になります。(ヴィンセントには今後も陰ながら活躍してほしいと思っているので。)
著者の多崎礼さんのブログを読むと、1、2巻はシーズン1とのことですし、シーズン2の刊行を心待ちにしています。
あと、読後に2巻の帯をじっくりと見て「吸血鬼×…」と書いてあるのにびっくり。そういわれてみれば、太陽光や銀が弱点となっているなぁ、と納得。でも、私の中では「吸血鬼」→「悪役」という印象が強いので、個人的には、この物語の世界では彼らが普通の「人間」としておきたいと思っています。 -
Posted by ブクログ
3巻全部読み終わってみると
良いシリーズ作品ではあったけど、
ちょっと勿体なかったなと思う気持ちもある。
別の視点での繰り返しが3巻まで続くのは
さすがにきつすぎるというのが1点。
ハウファ、アライス、ツェドカの3人の視点は
必要だとしても、ダカールはいらなかったと思う。
別の人物の話だけど、人間関係が同じ絵図なので
繰り返しがさらにキツく感じたのがもう1点。
多くの章の背骨になっている構図が
光にあたる人物と影にあたる人物がセットとして物語られ
夢を追う主人と、愛もしくは忠誠心に従って
主人の夢に自分のすべてを捧げる従者(ほとんど影使い)の
組み合わせが延々続く。
光:アライス⇔影:オープ夫妻&ダカール&ツェドカ
光:ハウファ⇔影:アルティヤ
光:ツェドカ⇔影:サフラ
光:イズガータ⇔影:アーディン
神の視点、光と影というのが作者の書きたいテーマなのは
理解しつつも、意図を強調しすぎてくどさが抜け切らなかった。 -
Posted by ブクログ
良かった!面白かった!!
1つ1つの話がラストに向け繋がっていく様子。登場人物たちのそれぞれの想いの深さ。しっかりと創り込まれた世界観と確かな文章力。続きが気になってどんどん読み進めてしまった。文章量の多さもまったく苦ではなかった。むしろ、あそこまで書き込まれた内容の深さに感動した。
最終巻は光輝晶と闇輝晶。アライスとツェドカの話。
アライスの輝きと優しさ、そして弱さとそれでも強くあろうとする心。読みながらアライスに話を聞く歴史学者は彼なんだろうと思っていたらやはりそうだった。2人は運命に導かれた存在だったのだろう。どちらが欠けても世界は救えなかった。
ツェドカの話は特に切なかった。ハウファへの想い、そして何よりアライスへの強い憧れ。舞台はアライスと違えども彼も戦っていた。1人戦う彼の孤独を癒したのはサファルだった。彼がツェドカの側にいたからこそ、ツェドカも最後まで戦えたのだと思う。サファルにとってもツェドカは何よりも大切な存在になっていたからツェドカの想いをアライスに伝えたかったのだと思う。ツェドカとサファルの関係もすごく良かった。
最終巻まで読んで良い作品に巡り会えたと思った。多崎礼という作家を知れたことは読書の楽しみを増やしてくれたと思う。他の作品もぜひ読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
面白かった。ノベルズを読むのは久しぶりで2段もあるし、読むのに時間がかかるかな?と思っていましたがそれは杞憂でした。一気に読んでしまった。
「彩輝晶」は叶うことのなかった夢の結晶。
1巻では翠輝晶と蒼輝晶に込められた想い・夢の話。
翠輝晶は地方領主の娘・アイナがツァピール公の息子・オープに嫁ぐことから始まる物語。強く、そして切ない話。
蒼輝晶は夢を持てない男・アーディルの話。女騎士イズガータとの関係が切なくて、でも面白い。
設定・文章の書き方などとても自分好み。話がリンクしていて、少しずつ明らかになっていく展開も良かった。サクサク読める。登場人物がいっぱい出てきて読み慣れるまでは頭の中で「あれ、これはどの方?」と思うことがあったけれど(笑)
早く続きが読みたいです。