多崎礼のレビュー一覧

  • 血と霧 2 無名の英雄

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    ネタバレ

    絶対的な血液の価値を誇る女王が支配する階層社会・ライコスの最下層で出会った、血液専門の探索者ロイスと女王の20番目の王子ルーク。そして傭兵のヴィンス、ティルダ、美貌の調血師ギィ…
    登場人物(動物も、植物も)血を持つ者は皆が、生まれ持った血の運命に翻弄され、崇拝しつつ恐れ、裏切りながら信じ合い、幾重にも複雑な感情がもつれあう。

    いつもながら、多崎礼さんの紡ぐ物語は甘くない。
    愛し合う2人は幾重にも引き裂かれ、愛娘を失った過去に苛まれ、心を通わせた少年は死へと向かう。
    悲劇の瞬間の描写がなくても、同じ瞬間を味わったように、辛く哀しい。
    だからこそ、ルークの誇り高い心や、ロイスとグローリアのどうしようもなく純粋な愛が、一層強く揺るぎなく輝くのかもしれない。

    そしてこれもいつもながら…終章には、それでも人は生きていく、生きていけると、確かな希望を残して終わる。
    きっといつか、ルークを慈しんだ面々が、また笑顔で再会出来る日が来るのではないかと。

    数々の切なく美しいシーンの中でも、ギィがロイスに別れを告げるとき、同じ言葉を繰り返すシーンが、個人的には最高。
    スピンオフ描いてくれないかなぁ。


    この世界も、緻密に作られた多崎ワールド。
    他人の血を取り込む事によって、力を得たり、意思を支配したり出来るという設定が、言葉に出来なかった思いを時を超えて伝える仕掛にもなって、物語の時間軸を軽々と飛び越えてしまう。

    魔法使いが出てくればファンタジー、不思議な生き物が出てくれば異世界、なんてものじゃない!
    この世界の物語が2冊で終わるなんて勿体無い‼️

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    2016年11月16日
  • 血と霧 1

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    血液の性質で階級が決まる社会を舞台にした物語。

    ううむ、いつもながら独創的な世界設定。
    表紙の、中田春彌氏の美麗なイラストで手に取った人も、後悔ナシ。

    詳しいレビューは2で。

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    2016年11月10日
  • 血と霧 2 無名の英雄

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    文字通り血の持つ能力が、その人の貴賎を左右する世界の物語。
    血は、情報にも武器にも、もちろん金にもなる。

    高い能力を持つ王族が君臨し、力を持たない者は、蹂躙される。

    主人公は、人生のすべてを失い、最下層で生きながら死んでいるも同然の生活を送っていたが、ある少年の捜索を機に、人生の意味を取り戻し、王家をめぐる陰謀に巻き込まれる。

    久々に大当たりのファンタジー。
    2巻で終わりなのが惜しいくらい。

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    2016年10月20日
  • 血と霧 2 無名の英雄

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    ネタバレ

    ★ネタバレありです!★

    久しぶりに大満足な本に出会うことができました。
    1巻はワクワクしながら読みましたが、2巻は切なくて思わず泣いてしまいました。
    先が気になって、一気に読み切りましたが、もう一度、じっくりと読み返してみたい作品です。

    途中まで読んでみて、副題の「無名の英雄」は第四話のローグを指していると思いながらも何となくしっくりこない気がしていたら、最後まで読んで、著者の意図がよくわかりました。無名の英雄はルークのことだったのですね。とても切ない…。

    ルークの第一印象は「なんて尊大な王子様!」でしたが、最後まで読んだみて、印象ががらりと変わりました。ロイス達と出会って、市井の生活や殻の世界を知ったりすることで、最終的には大切な人達を命をかけて守り抜いたルークの生き様に泣かされました。

    ところで、ヴィンセントは助かったのでしょうか?ヴィンスも公的には亡くなったことになってますが、アドリア姫の言葉からはヴィンスは生きているようにも受け取れます。とっても気になります。(ヴィンセントには今後も陰ながら活躍してほしいと思っているので。)

    著者の多崎礼さんのブログを読むと、1、2巻はシーズン1とのことですし、シーズン2の刊行を心待ちにしています。

    あと、読後に2巻の帯をじっくりと見て「吸血鬼×…」と書いてあるのにびっくり。そういわれてみれば、太陽光や銀が弱点となっているなぁ、と納得。でも、私の中では「吸血鬼」→「悪役」という印象が強いので、個人的には、この物語の世界では彼らが普通の「人間」としておきたいと思っています。

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    2016年09月22日
  • 血と霧 1

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    ネタバレ

    多崎礼さんの作品は本作で初めて読みました。

    登場人物が皆、個性的で読んでいてワクワクします。
    また、血液で各個人の価値が決まり、明度(バリュー)、彩度(クロマ)、色相(ヒュー)の三属性でその能力値が測られるという設定が面白い(まるでマンセル表色系!)。
    上・下巻の書影から、ロイスとルークのイメージは焼き付いたのですが、他の登場人物(ギィ、ヴィンセント、ティルダ、他)や、ライコスの風景などの挿絵(イラスト?)もあると嬉しいなと思いました。

    全体的な感想は下巻を読んだ後で書かせていただきます。

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    2016年09月22日
  • 血と霧 1

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    バリューや何やとちょっと慣れるまで時間かかりましたが面白い。血によって生活もかわるヒエラルキー社会、曰くありげな主人公に雇い主(?)、最初は繋がってなかったものが、徐々に輪郭と背景をもつようになっていくと更に面白くなっていく。一筋縄ではいかないキャラクターの一人ひとりが多彩な魅力。

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    2016年08月31日
  • 血と霧 2 無名の英雄

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    ネタバレ

    スチームパンク探偵譚の後篇。
    表紙のルークがかっこかわいい。

    ロイスを煮え切らないというのは簡単だけども、でもやっぱり最後まで頑張ったねと労いたい。
    ギィはほんと好みのキャラしてたなー。
    しかし子どもが死ぬのはツライ……本当にツライ……。

    多崎先生によるとこれはシーズン1で、シーズン3まで構想があるということなので、続きを心待ちにしたい。

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    2016年07月27日
  • 血と霧 1

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    スチームパンクでハードボイルドで男やもめが凸凹バディ組んだりわがまま王子様と疑似家族したりする、好きなもの全部盛りのような多崎礼の新作。
    おまけに性別不明の家主とか美味しすぎる。
    「血」が価値をもつ世界観、巻き貝(スネイル)という都市国家の形態といい、独自の世界がまたとてもいい。
    どこをとってもわくわくする。
    しかもこの1巻、凄まじく気になる引きで、今すぐ2巻が読みたい。
    帯によると2巻は7月下旬刊行とのこと。
    後篇、と書いてあるので前後篇、2巻で終わりかな?

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    2016年06月18日
  • 煌夜祭

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    自分がとにかく押してる構成の妙の一冊
    大人から子供まで楽しめるが、少しシリアス系

    とにかく構成!本当に素晴らしい
    あえて表紙絵があるイラスト版をおすすめします
    この作者の本は他に夢の上、慣れてきたら八百万の神に問うをおすすめします

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    2015年11月22日
  • 百鬼夜行の少年 鏡ヶ原遺聞 壱ノ巻

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    表紙に一目惚れで読んでみたけど.....とっても面白かった!
    キャラが個性豊かで、楽しそうだった。
    秀一羨ましい.....。
    ジンさんや、妖怪たちにかこまれて楽しく過ごしてみたい(願望)
    ファンタジックな本はお久しぶりだったから、なおさら楽しく読めた。
    続きを早く読みたいなっ!!!

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    2015年08月20日
  • 夢の上4 サウガ城の六騎将

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    話の聞き手が次の主人公になるというリレー形式が実に面白かったです。 個人的にはアーディンのお話が好きです。タイトルを見てもしや…?と思ったのですが、そこはあくまでスピンオフということで、予想外の展開でした。 本編後の様子も伺い知ることができて、また違った一面を楽しむことができました。

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    2014年07月13日
  • 夢の上3 光輝晶・闇輝晶

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    最終巻は二人の王子の物語。光と闇、どちらも切なく儚くて、シリーズ中で特に読み進めるのが辛かったです。 「夢の上」このタイトルの意味がわかった時には、思わず涙ぐんでしまいました。 緻密に練られた設定と駆けるような文章に圧倒され、驚かされた、素敵な物語でした。

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    2014年07月13日
  • 夢の上2 紅輝晶・黄輝晶

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    読み終えて、まさかの展開にしばし放心状態になってしまいました。一つ一つの物語が点と点をつなぎ合わせるように繋がっていく様子は、巧みであり、同時に、切なさを増幅させます。次の最終巻も楽しみです。

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    2014年07月13日
  • 夢の上1 翠輝晶・蒼輝晶

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    美しさの中に儚さや切なさが潜む物語に、ページをめくる手が次第に重くなっていった。それでも読むことを辞められなかったのは読みやすい淡々とした文章と、物語の結末を見届けたかったから。続き2冊、怖くもあり楽しみでもあります。

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    2014年07月13日
  • 夢の上4 サウガ城の六騎将

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    ネタバレ

    【再読】気になる脇キャラを掘り下げつつ本編のその後を少しずつ差し込んでくる理想的な外伝。
    アーディンとトバイットは本編でも大好きだったけどいぶし銀のイヴェトも好き……。

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    2014年05月22日
  • 夢の上1 翠輝晶・蒼輝晶

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    【再読】ツァピール夫妻の生涯もそれは素晴らしいのだけど、何度読んでもアーディンが好き過ぎる。
    イズガータとの最後の会話は泣いてしまう。

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    2014年05月22日
  • 夢の上1 翠輝晶・蒼輝晶

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    『煌夜祭』の後に『本の姫』シリーズを飛ばして
    このシリーズを読むことになったけど、
    期待を裏切らないシリーズでした。

    『煌夜祭』のときは魔物という人間を超えた力を持つが
    人々から忌み嫌われる存在が出てきたけど
    このシリーズでも「影使い」という力を持った
    日影の存在が出てくる。

    作者、こういう存在が好きなのかな。

    夢の上を3巻まで読んで振り返ると
    第1巻目が一番楽しく読めたと思う。

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    2014年05月07日
  • 夢の上3 光輝晶・闇輝晶

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    3巻全部読み終わってみると
    良いシリーズ作品ではあったけど、
    ちょっと勿体なかったなと思う気持ちもある。

    別の視点での繰り返しが3巻まで続くのは
    さすがにきつすぎるというのが1点。

    ハウファ、アライス、ツェドカの3人の視点は
    必要だとしても、ダカールはいらなかったと思う。

    別の人物の話だけど、人間関係が同じ絵図なので
    繰り返しがさらにキツく感じたのがもう1点。

    多くの章の背骨になっている構図が
    光にあたる人物と影にあたる人物がセットとして物語られ
    夢を追う主人と、愛もしくは忠誠心に従って
    主人の夢に自分のすべてを捧げる従者(ほとんど影使い)の
    組み合わせが延々続く。

    光:アライス⇔影:オープ夫妻&ダカール&ツェドカ
    光:ハウファ⇔影:アルティヤ
    光:ツェドカ⇔影:サフラ
    光:イズガータ⇔影:アーディン

    神の視点、光と影というのが作者の書きたいテーマなのは
    理解しつつも、意図を強調しすぎてくどさが抜け切らなかった。

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    2014年05月07日
  • 夢の上3 光輝晶・闇輝晶

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    良かった!面白かった!!
    1つ1つの話がラストに向け繋がっていく様子。登場人物たちのそれぞれの想いの深さ。しっかりと創り込まれた世界観と確かな文章力。続きが気になってどんどん読み進めてしまった。文章量の多さもまったく苦ではなかった。むしろ、あそこまで書き込まれた内容の深さに感動した。

    最終巻は光輝晶と闇輝晶。アライスとツェドカの話。
    アライスの輝きと優しさ、そして弱さとそれでも強くあろうとする心。読みながらアライスに話を聞く歴史学者は彼なんだろうと思っていたらやはりそうだった。2人は運命に導かれた存在だったのだろう。どちらが欠けても世界は救えなかった。

    ツェドカの話は特に切なかった。ハウファへの想い、そして何よりアライスへの強い憧れ。舞台はアライスと違えども彼も戦っていた。1人戦う彼の孤独を癒したのはサファルだった。彼がツェドカの側にいたからこそ、ツェドカも最後まで戦えたのだと思う。サファルにとってもツェドカは何よりも大切な存在になっていたからツェドカの想いをアライスに伝えたかったのだと思う。ツェドカとサファルの関係もすごく良かった。

    最終巻まで読んで良い作品に巡り会えたと思った。多崎礼という作家を知れたことは読書の楽しみを増やしてくれたと思う。他の作品もぜひ読んでみたい。

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    2013年08月13日
  • 夢の上1 翠輝晶・蒼輝晶

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    面白かった。ノベルズを読むのは久しぶりで2段もあるし、読むのに時間がかかるかな?と思っていましたがそれは杞憂でした。一気に読んでしまった。
    「彩輝晶」は叶うことのなかった夢の結晶。
    1巻では翠輝晶と蒼輝晶に込められた想い・夢の話。
    翠輝晶は地方領主の娘・アイナがツァピール公の息子・オープに嫁ぐことから始まる物語。強く、そして切ない話。
    蒼輝晶は夢を持てない男・アーディルの話。女騎士イズガータとの関係が切なくて、でも面白い。
    設定・文章の書き方などとても自分好み。話がリンクしていて、少しずつ明らかになっていく展開も良かった。サクサク読める。登場人物がいっぱい出てきて読み慣れるまでは頭の中で「あれ、これはどの方?」と思うことがあったけれど(笑)
    早く続きが読みたいです。

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    2013年07月24日