多崎礼のレビュー一覧
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レーエンデ国の革命の歴史第3巻。だんだん、巻頭にある地図を丹念に見るのが楽しみになってきた。地図って面白いんだな。土地の使われ方の変遷には、歴史が反映されている。古地図好きってこういう楽しみ方をしてるのか。
さて、3巻目は、前巻よりもさらに100年以上時代が進んでいる。レーエンデの民族は、すっかり下級市民として生きることが定着している。利用できる施設、就ける仕事、住む場所がはっきりと上級市民イジョルニ人とは別れている。レーエンデの民には法も公平ではない。アパルトヘイトか。
本巻の主役は、そんな下級市民のレーエンデの双子、天才脚本家とその作品を上演する演出家兼俳優のふたり。歴史は勝者の物語、2巻目で主役だったテッサ・ダールの抵抗の話は悲しいかな語り継がれておらず、歴史は改ざんされ、忘れ去られていた。そんな歴史の隙間に落っこち消えかけたレーエンデの英雄とその矜持の話を見つけ出し、掘り返し、舞台作品にしてこの世に放つ形で抵抗しようとする二人の話。
そう、3巻目の革命は、ペンによるものだ。力による革命を果たそうとした2巻目の主役テッサ・ダール、その姉は、自由を勝ち取るには知識や教育が必要だと話していた。そのとおり、100年たち、知識が力になりペンと文化で戦う時代がやってきたというわけだ。
本作は、忘れられたテッサ・ダールの伝説を巡る謎解きのような側面もあり、楽しい。読者はもちろんテッサの話はよく知っていながら、本作の主人公たちがそれを見つけ出し理解しようとする過程を物語の外から見届けるという構造になっている。
革命にはいつの時代も悲しい被害者がいて、革新は名も無き者の上に立つ。本書もまた切ないエンディングだが、レーエンデは少しずつ自由への道を歩み始めただろうか。次巻で見届けよう。 -
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レーエンデ国の革命の物語第2巻。主人公テッサ・ダールはレーエンデのダール村の娘。やがて戦士になり、レーエンデに自由を、を胸に英雄になる娘。シリーズ全体が、ある国の革命の歴史の話であることが強く印象づく本巻。かなり読み応えあり。
前巻から100年以上たっている時代が舞台。レーエンデの民は、帝国のイジョルニ人から不当な扱いを受けている。レーエンデ人は兵役があり、テッサは村の幼馴染の男二人と共に帝国軍に駆り出され、訓練や戦闘の日々を送る。
しかし村を離れているその間、帝国側に村を蹂躙され愛する家族をすべて失う。その理不尽さに目覚め、レジスタンスの義勇軍を立ち上げ、帝国に立ち向かう。レーエンデに自由を、という矜持を胸に持って。
さまざまな葛藤が描かれ、信頼や裏切りがある。敵側のイジョルニ人の名家の息子だった子供を拾い家族として温かい関係性を築くという要素が、来たる不穏の予感を物語にずっと漂わせる(なんせ物語の冒頭で、この子供がやがて残虐王と呼ばれる男になることが予告されているのだ)。また、娼館の娘たちの暮らしが描かれ、市井の人の受ける搾取の描写にもページが割かれる。物語に奥行きがあり、なぜテッサやレーエンデは革命が必要なのか(そしてなぜ失敗するのか)が丁寧に描かれた。
エピローグの短い文章の中で、その後歴史はどう動いたかが軽く触れられる。ひとりの人間の半生は濃い物語であるが、歴史の中では豆粒のような存在だ。前巻の英雄だったビクトルやユリアも忘れ去られ、歴史の中の悪役のような認識にもなっていることがわかる。歴史は勝者の物語。大河のなかのズームイン・ズームアウトの演出が憎い。 -
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レーエンデ国の歴史をたどる物語の第3作。
これまでの2作とは異なり、今回は戯曲の制作が大きな柱となっている。
一見とっつきにくそうだが、これまでの歴史を知っている読者だからこそ、この創作の過程に深く入り込める。
レーエンデの歴史、そしてこの先の建国に向けて大切にすべき矜持が描かれた本作。
真実を伝えることの先にあるものは何か。
それこそが、これから迎えるレーエンデ国の未来を形づくっていくことを感じた。
シリーズを追ってきた人なら、間違いなく楽しめると思う。
そして、副題の「喝采か沈黙か」。終盤でその意味が明かされ、思わずうなずく納得のタイトルだった。 -
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感想
最後はようやく物語が一つに繋がり一件落着。でもやっぱり交互は読みにくいな。
あらすじ
アンガスはバニストンに忍び込み、街を救う手立てを考える。
天使の話は、十三代目ツァドキエルが本を作り、エマを本に移す物語。エマを本に移し、鍵の歌と大地の歌を創る。
アンガスはセラの歌で街の人を正気に戻していく。そしてその元凶となったダニーこと、歌姫のシルバーアロー元へ向かい、対峙の末、文字を二つ回収する。街は平穏を取り戻したかに見えたが、レッドの仕掛けた爆薬で街は破壊され、ウォルターが命を落とす。
アザゼルは、リグレットを救うために第七聖域に乗り込む。そこで天使たちと戦うが、友達だったガブリエルに救われる。本に宿った初代アザゼルとリグレットが交代し、リグレットは文字を撒き散らして、本に宿る。
アンガスは、憎しみを持ってレッドを殺すために、ジョニーと第七聖域に乗り込む。レッドは第七聖域を落として世界を滅ぼすつもりだったが、アンガスがそれを救う。第七聖域は姫の歌によって墜落を免れる。
アンガスたちは、最後の文字である世界を回収し、姫ことリグレットは解放される。世界は救われたのであった。 -
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感想
いつ交錯するか分からないが、やはり、アンガスとアザゼルの話が交互にくるのは読みにくい。漫然と読んでいるとどちらの話か分からなくなってしまう。
面白いけどね
あらすじ
アンガスは無事だった。ツァドキエルから文字を回収する。姫はアンガスから文字を奪って旅を辞めるように説得する。
一方、アザゼルの方はカネレクラビスに集まった部族の中からリグレットが歌姫として選出される。アザゼルは部族に天使との戦い方を伝える。
アンガスはエヴァグリーンらによって占領された燃油会社へ赴く。そこで文字の気配を感じ、言い伝え通りに洪水を起こすことで文字の存在を明らかにして、文字を回収し、エヴァグリーン達を救う。アンガスたちはその後も順調に文字を集め、一度街に戻ることにする。
アザゼルの方はエネルギーを失くした聖域が落ち始め、天使と人間の争いが始まった。
アンガスはカネレクラビスに向かうそこでは土地を巡って東部連盟とネイティブが争っていた。そこには文字の存在があった。アンガスは捨て身で抗争を止めて、文字を回収する。残りは8個。その後、バニストンで新聞を介して文字が広められ、街は疑心暗鬼に陥っていた。アンガスはそれを収束させるため、バニストンに向かう。
アザゼルの方は、部族の食糧が尽きかけ、冬を越せないため、天使に襲われることを覚悟でとうもろこしの収穫に向かう。その帰りに天使に襲われる。歌姫であるリグレットは天使の暴走を止めようと自ら聖域へ赴く。アザゼルはリグレットを救う方法を探すべく、大地の鍵に触れる。大地の鍵の中には同じ遺伝子を持つ初代アザゼルがいた。 -
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作者の多崎礼さんはレーエンデ国物語で知っていたけど
この作品は完全に表紙と帯に惹かれて購入
思っていたよりも数倍面白かった
登場人物たちも癖があって面白い
世界観もかなり好み
主人公のロイスの印象がページをめくるたびに変わっていく
心の傷や背負っているもの今現在思っていること
自分に正直になれないロイスが
周りの言葉を聞きながら
少しづつ心の奥の思いを認めていく
その過程がとても人間らしく本当のロイスが垣間見れて
ホッとする
ただ最後の一行は衝撃でショックだった…
私はヴィンセントがかなり好きらしい…
切なすぎて悲しすぎて痛い…
もちろん2も買ってあるけど…
手に取るのをためらってしまう…