あらすじ
何がどうしてそうなった? 1行目は全員一緒、できた新法25本!
『黒猫を飼い始めた』『嘘をついたのは、初めてだった』『これが最後の仕事になる』『だから捨ててと言ったのに』に続く、会員制読書倶楽部:Mephisto Readers Club(MRC)で配信(公開)された大人気ショートショート集第五弾。
著者一覧(掲載順)
金子玲介
日野瑛太郎
朱野帰子
阿部智里
真下みこと
須藤古都離
嶋戸悠祐
多崎 礼
風森章羽
名倉編
真梨幸子
東川篤哉
霜月流
矢樹純
高田崇史
潮谷 験
献鹿狸太朗
高田大介
大沼紀子
矢部嵩
柾木政宗
くどうれいん
白井智之
赤川次郎
五十嵐律人
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Posted by ブクログ
オムニバスで24人?が お題にそって
一行目は ”新しい法律が出来た”です。
それぞれに 面白かったのですが、最後の最後に シリアスな一遍が入ります。まあそうだろうと、法律は国民を守るための物でないとなりません。
私的には "モう、デストピア”が、好きです。
Posted by ブクログ
話題作、人気の作家たちによる"新しい法律ができた"の一文から始まる短編集。同じような短編集の5冊目。めくる度にうわっ、今度はこの人か~とワクワクしながら読めます。個人的に一番良かったのは五十嵐律人さんの憲法のお話でした。
殺人や男女関係のエピソードあり、中学校から。
金子礼介「ルパちゃん」
日野瑛太郎「推し活制限法」
朱野帰子「日本国民に英語の勉強を義務づけへ」
阿部智里「つるべを取られて」
真下みこと「こんにちは、チャッテー」
須藤古都離「虚法」
嶋戸悠祐「国家殲滅フットボール法」
多崎礼「復讐者は振り向かない」
風森章羽「コロシヤとユキオンナ」
名倉編「Touch law if you can」
真梨幸子「ある死刑囚の回顧録」
東川篤哉「『ラ禁法』ディストピア」
霜月流「忘却加害」
矢樹純「密室の獣」
高田崇史「御首塚の風」
潮谷験「ネーミング」
献鹿狸太朗「試み」
高田大介「魔法罪」
大沼紀子「もう、ディストピア」
矢部嵩「自転車武装条例」
柾木政宗「ありがとう、虎太郎」
くどうれいん「ショートケーキの夜」
白井智之「ぜんぶミステリのせい」
赤川次郎「帰り道の行先は」
五十嵐律人「革命夜話」
Posted by ブクログ
同じ書き出しで、25人の作家さんが25通りの物語を紡ぐ。1編が6ページほどのショートショートだからサクサク気軽に読めるし、様々なジャンルの物語を1冊で楽しめるためお得感がすごい読書時間を過ごした。
現実の法から奇想天外な架空の法まで、ジャンルもミステリやディストピアものなど、物語の舞台も現代から近未来、果ては明治時代やアメリカの西部開拓時代まで、多種多様な設定の中でその法律が齎す思わぬ影響や人間模様が繰り広げられる。短いながらどの作品もとてつもない読み応えだった。
法律というテーマ故か、ディストピアものとの相性が特に良かったように感じる。
ハッとしたのは、今私たちの生きている世界はディストピアではないか、という視点の「もう、ディストピア」を読んだ時だ。
殺人が許されているパラレルワールドが舞台で、ある日突然殺人が違法になることから物語が始まる。殺人が禁じられたことで以前よりも治安が悪化するストーリーだが、そこへ至るまでの描写がリアルでとても的を射ており、説得力があって戦慄した。
掉尾を飾るのが、憲法にまつわるストーリーというのが素晴らしいと思った。
Posted by ブクログ
ショートショートというものを初めて読んだ。
なので、他シリーズは未読。
「新しい法律ができた」
最初の1行は全員一緒。
なんだそれ、面白い!!!
同じ一行から始まるのに、話の内容も展開も全く違う。面白い。
1つ目のお話(金子玲介、ルパちゃん)が重くて、苦しくて、
え!?これ読めるか!?と思ってしまった。
が、作家によって内容は十人十色。
様々なバリエーションがあるのが面白かった。
しかし、法律が主題なので、内容が難しいものも多かった。
塩屋験さんは(AIが小説を書くようになるが、作者は人の名前にし、人間かAIが書いているか分からなくするという話)、最後、え!?となって驚かされた
シリアスなものが多い中で、くどうれいんさんのショートケーキのお話はほっこりした。
真下みこと「こんにちは、チャッチー」
塩屋験「ネーミング」
大沼紀子「もう、ディストピア」
くどうれいん「ショートケーキの夜」
が特に好みだった
Posted by ブクログ
全編「新しい法律ができた」の一文で始まるアンソロジー。
どのショートショートも気が利いていて、すきま時間での気分転換にもってこい。
並び順も秀逸で、金子玲介さんで不穏に始まり、五十嵐律人さんでビシッと終わる。一番好きだったのは工藤れいんさんの『ショートケーキの夜』。真下みことさんの『こんにちは、チャッテー』もおもしろかった。
Posted by ブクログ
昔の話、現在の話、近未来の話、遠い未来の話と同じ「新しい法律」をテーマとしている短編でもこうもバリエーションがあるんだと驚いた。1話1話とても短かったためすぐに読み切ってしまった。
Posted by ブクログ
サクッと読むのにちょうどいいショート×ショート
本当にいろいろなパターンがあって、そうかきたかぁーって唸ってみたり、この法律は困るーってなってみたり、楽しかった。
最初の金子玲介さんの「ルパちゃん」せつなさに心持ってかれた。
手放してしまって後悔しているからね、そこを突かれたよね。
締めの五十嵐律人さん、さすがです。ピシッと綺麗に締めてくれました。
Posted by ブクログ
『黒猫を飼い始めた』のシリーズ。「新しい法律ができた」で始まる掌編がたくさん入ってお得。
圧倒的に面白かったのは白井智之「ぜんぶミステリのせい」
こんなにソフトな話書いてここから入る人いたらどうするつもりなんだろう。この短さで犯人当てに挑戦してミステリに向き合ってて好き。
大沼紀子「もう、ディストピア」も反転がうまくて面白かった。
五十嵐律人「革命夜話」はさすが得意分野って感じでこれがラストで締まってよかった。
退屈する話も特になく、各作者の色が出ていて軽く読むのによかった。赤川次郎の赤川次郎らしさたるや。
『異セカイ系』の名倉編が参加してて嬉しかった。また長編書いてほしい……!
Posted by ブクログ
「新しい法律ができた」という同じ書き出しから始まるアンソロジー。作家によってさまざまなストーリーが生まれて興味深い。読んだことのない作家さんが今回はとくに多くて、新しい出会いがあったのがうれしい。とくに好きだったのは「ルパちゃん」「つるべを取られて」「虚法」「ネーミング」「もう、ディストピア」「ショートケーキの夜」かなあ。
Posted by ブクログ
25人の短編。「新しい法律ができた」から始まる物語。奇抜な発想の話し、よくわからん話し、いろいろあったけど、「もうディストピア」殺人が許されていた日本に殺人罪ができてから、みんなが殺人を恐れなくなり言いたいことを言い始めた、と言う怖い話し、面白かった。
Posted by ブクログ
新しい法律ができた。の書き出しから始まる、数十人の著者のショートショート集。
AIの発展に伴う近未来的な法律から、ラーメン禁止法など、多様で面白い。
Posted by ブクログ
25人の作家による、
『新しい法律ができた』
から始まるショートショート集。
多崎礼さん、東川篤哉さん、霜月流さん、五十嵐律人さんの作品が良いと思った。
くどうれいんさん、赤川次郎さんも短いなかでしっかりまとまっていて、流石プロ作家さん。
残りのうちの半分くらいは、まあ、言いたいことは分かるんだが、消化不良のまま本になっちゃったかな、という感想です。玉石混淆ですね。
Posted by ブクログ
「新しい法律ができた。」という一文から始まる短編小説が25編載っています。
25人の書き手が、もしこんな新しい法律ができたら、という視点でお話を綴ります。
「新しい法律」ができた理由がそれぞれ興味深いです。
例えば、
・金子玲介さん「ルパちゃん」では、「少子化対策」のために「子どもがわりに人口知能を搭載したぬいぐるみを所持することを禁止する法律」ができます。
・日野瑛太郎さん「推し活制限法」では、「推し活にハマり過ぎて身を持ち崩す人が出た」ために「推し活への課金上限を制定する法律」ができます。
(わたしが、ぜひ読んでみたいと思っていた、くどうれいんさんの場合は、)
・くどうれいんさん「ショートケーキの夜」では、「フードロスと人口減少を同時に解決する」ために「ショートケーキはふたりで食べなければならない法律」ができました。
それぞれ興味深いです。
では、「新しい法律ができた。」から「どうなのか」というと、
・「だから、もう〇〇ができない。」というもの、
・「そのせいで、社会が〇〇になった。」というもの、
・「新しく〇〇をしなくちゃいけない。」というものに、分かれているような気がします。
そして、登場人物たちは、「新しい法律」がどこかで、知らないうちに「できて」、しぶしぶそれに従わざるを得ないという感覚で生活が変えられていっている作品が多いように見えます。表現の効果上、まあそうなりますよね。
(さてここからは私見です。)
世の中にはいろいろと従わなくてはいけないルールが存在しますが、「法律」とは国会で制定されるルールです。おおまかに言うと、国会は国会議員が審議する場です。国会議員は公職選挙によって選ばれます。選挙で投票できるのは18歳以上の国民です。
つまり、我々が選んだ国会議員が「法律」を国会で作るのだから、本来「新しい法律ができた」といった時事的、他人事的な表現ではなく、(意識としては)「新しい法律を(我々が国会議員をして)作らせた。」「新しい法律を作った。」と当事者意識で言うのが理想と言えるのかもしれません。
小説集の話に政治の話を持ち込むのは文字通りご法度なのかもしれませんが、「できた」という表現に自分の生活とは縁が薄いという意識が隠れていないか気になるところです。面倒くさいヤツですみません。
この小説集に書かれているような理不尽な「新しい法律」が制定されて社会がディストピアと化さないように、しっかり政治を監視しなくちゃな、と思ったしだいです。放言をお許しください。
それはさておき、いろいろな視点で語られるお話はそれぞれ読み物として面白いですので、オススメいたします♡
著者一覧(掲載順)
金子玲介
日野瑛太郎
朱野帰子
阿部智里
真下みこと
須藤古都離
嶋戸悠祐
多崎 礼
風森章羽
名倉編
真梨幸子
東川篤哉
霜月流
矢樹純
高田崇史
潮谷 験
献鹿狸太朗
高田大介
大沼紀子
矢部嵩
柾木政宗
くどうれいん
白井智之
赤川次郎
五十嵐律人
Posted by ブクログ
新しい法律ができた、から始まる物語を色んな書き手が描く1冊。
新しい法律ができているわけだから、世界設定がSFっぽかったりディストピア感を感じるものがあったりして、楽しく読めた。
その他にも、ぞっとする物語、切なくなる物語、短い中でミステリーのような作りになっている物語…
叙述トリックが含まれているものや、ばかばかしいと思ってしまうような内容の法律が大真面目に取り扱われる物語など、本当に色んな味がする1冊。
なかでも殺人を罰する法律が"新しい"法律として制定される「もう、ディストピア」が特に良かった。
有り得ないはずの世界に説得力があって冷たい汗をかく。
「ルパちゃん」「こんにちは、チャッチー」「ショートケーキの夜」あたりがお気に入り。さくっと読めて軽く楽しめる1冊です。