最初はファンが、行き過ぎた真似をして推しの正体を暴いて面倒なことに巻き込んじゃうみたいな話かなって、そんな軽い気持ちで読み始めたんだけど…
話が進むにつれて雲行きが怪しくなっていって、第三者なのにソワソワしてきて、得体の知れない不安感を持ちながら読み進めたらソレが確信に変わって、、、
登場人
...続きを読む物の感情の描写が繊細すぎてFの痛みや苦しみや葛藤も、友香の痛みや罪悪感も、手に取るように分かって辛かった。
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誰でも多かれ少なかれ持ってる自分に対する後ろめたさみたいなものを、Fと友香を通して同じ体験ではないにせよ、読者も向き合わされてるような感じ。
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自分の嫌なとこ、弱いとこは見なくて済むなら見たくない。って思ってしまうけれど、いつか私が苦しくて立ち止まりそうになったら、そんなとこも含めて私だよって思って、まずは自分を受け入れるところから始めようって思いました。
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話の切り替わり方が、登場人物の視点で分けられてわたしは今まであまり見た事がない構成でとても読みやすかった!
著者自身が誰かのファンであり、逆にファンという存在がいる表現者でもあるからこそ、そのへんの細かい描写がより一層リアリティがあって良かったです。