多崎礼のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ百年戦争が終わり、闘うことから少し距離ができた時代。しかし、人種による階級差、差別はむしろ積み重なった年月分酷くなった。闘うことが遠い分反抗する想像もできない、レーエンデ人は家畜化された。
レーエンデにも鉄道が通り、もはや閉ざされた地ではなくなり、文化芸術が花ひらく。しかし光が強ければ影も濃いというのか
剣をペンに持ち替え革命の戯曲を描き、レーエンデ人を鼓舞する今作。当然自由に思想を開陳することはできない時代、命の危険を覚悟した行動だ。
しかしただそれだけのストーリーなら読む者の想像の範疇に収まるだろう。
自分の分身、才能と凡庸、嫉妬と愛情、人間らしい要素が物語に加わり次第に引き込まれていく -
Posted by ブクログ
ネタバレレーエンデ第二弾。
前作で懸命に生き抜いた人々は歴史に。
前回、ヘクトルが言っていた独立(合州国)をユリアが成し遂げ、帝国との戦争中。
レーエンデは帝国側に取り込まれ、いいように使われているという状況。
あくまで視点はレーエンデなので、合州国は倒すべき敵。
前作から続けて読んだため、最初少し混乱した。
まとめれば、ティコ族のテッサがレーエンデが自由になるための革命を起こして駆け抜けていく物語。
前作の名残りが所々あって、それがまぁ思い描いたとおりにはやっぱりなっていなくて、ちょっと切なくなる。
でも、主人公補正でトントン拍子に進むよりずっといい。
時間の経過がん?と思うところがあったり( -
-
-
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ読むペースがわりと遅い方&久しぶりの長編小説なので、これ読み切れるのか…?とページ数を確認するたびに不安になっていましたが、終盤になるにつれがっつりのめり込むように読みふけっていました。
最初はつかみどころのなかったトリスタンにこんなに感情移入してしまうとは!
死線をくぐり抜けすぎてだいぶと引くレベルですが。
弓兵っていいよね。戦う男たちの信頼関係っていいよね。
花と雨のダブルミーニングに素敵だな……としんみりしていた後の終章でのその後のギュッとしたまとめにちょっと興ざめ、というかスッと冷静になってしまいました。そういうタイプの連作シリーズだと言われればそうなのですが。余韻にひたったまま読 -
Posted by ブクログ
ネタバレ一番感情が揺れたのは、ラピス族たちの死。ブラックホークの「兄弟たちよ、来世でまた会おう!」でうるっと来た。ペルグリンも皆も死んだのか…?ネイティブたちは気持ちの良いさっぱりとした生き方をしていていいな。
アンガス一行は、ウォルターやエヴァグリン、テイラーまで加わり一層賑やかに。スペルの回収がサクサク行き、展開が早いのでストレスがない。
やっぱり、2巻で登場したピットとジミーはちょっとした伏線だったか。ジャイロが活躍するんだね。
アンガス編もアザゼル編もイチャラブになってる。アザゼル編で登場したドールがアークだとわかりましたね。少しずつ2つの話が交わりつつあるけど、最終巻までここまで関連し -
-
-
Posted by ブクログ
ネタバレ革命の話をしよう。神の祝福を経て、喝采を得るか。全てを飲み込み、沈黙となるか。
此度も時は流れ、英雄の名前は忘れられた。暗君は暴虐の限りを尽くし、民草は圧政に虐げられる。希望はなく、世界に救いはない。静寂の中で、決して消えない火を灯す。
天才劇作家の兄。凡人の弟。彼らは無い物ねだりだ。弟は才能を求めた。兄は愛を求めた。互いに反目しあっていたが、誤解を解き、互いを認めることで、2人を繋ぎ止める信頼の綱を作っていった。これは彼らが本当の意味で求めていたものだ。互いを絆の命綱で繋ぎ、最も大切なものを得ていった。
彼の偉業には喝采が送られる。 -
-
Posted by ブクログ
話題作、人気の作家たちによる"新しい法律ができた"の一文から始まる短編集。同じような短編集の5冊目。めくる度にうわっ、今度はこの人か~とワクワクしながら読めます。個人的に一番良かったのは五十嵐律人さんの憲法のお話でした。
殺人や男女関係のエピソードあり、中学校から。
金子礼介「ルパちゃん」
日野瑛太郎「推し活制限法」
朱野帰子「日本国民に英語の勉強を義務づけへ」
阿部智里「つるべを取られて」
真下みこと「こんにちは、チャッテー」
須藤古都離「虚法」
嶋戸悠祐「国家殲滅フットボール法」
多崎礼「復讐者は振り向かない」
風森章羽「コロシヤとユキオンナ」
名倉編「Touch la