【感想・ネタバレ】血と霧 2 無名の英雄のレビュー

あらすじ

ロイスが救った少年ルークはオルタナ王家の王子だった。彼に、4年前に行方不明になった娘ミリアムの面影を見るロイス。一方ルークもまた血の分析官になるという夢を抱きはじめる。そうして穏やかな日々を取り戻したふたりだったが、女王シルヴィアと反勢力の対立に巻き込まれたことで状況は一変する。ロイスとルークの過去に秘められた、残酷な真実とは? 血に支配された国で葛藤する者たちを描く、贖罪と祈りの完結篇。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

壮大な映画を見終わったかのような読後感だった。世界観がすごいのはもちろん、キャラクター個々の個性にいつの間にか愛着が湧き、無名の英雄の最後には涙がでた。深い愛と革命の話。ずっと映像を見ているような感覚のある本だった。

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2024年10月07日

Posted by ブクログ

第四話の段階では、正直皆なんでその境遇でそんな甘っちょろい考え方でいられるんだよ!とイライラした。けど、物語は甘くて優しいから美しいのかもしれない……。
幾人かの、名を残さぬ英雄たちに敬意を。
ところで、まだ掘り下げる余地はありそうなんだけれど続編が書かれることがあったりはしないのだろうか。

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2024年06月04日

Posted by ブクログ

一生大切にしたいと思える、間違いなく私にとって宝物の作品になりました。表紙の綺麗な絵に惹かれたのがきっかけですが、この本を手に取った本当に良かった...!同著者の他の作品も読みたいと思います。

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2023年10月17日

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ネタバレ

こんなに心揺さぶられる物語は久しぶりに読んだ。読み終わったテンションで感想を描いているので読みにくい文章、文章になっていないところがあるかもしれない。出来ることならば続きが読みたい。
ギィの霧笛で、ロイス、ルーク、ヴィンセント、ティルダそして、ミリアムが一緒に暮らし、ルークの夢が実現することを私は想像していた(望んでいた)が、そんなことはなかった。
ルークの血実を握りしめ霧笛に向かうシーンが印象的でした。
ユイア・ノイアの行いは許すことができないが、私がもし彼女であったならば、同じ行動をとってしまうかもしれない。それだけ彼女はアドリア姫を慕っていた。

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2023年02月14日

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ネタバレ

絶対的な血液の価値を誇る女王が支配する階層社会・ライコスの最下層で出会った、血液専門の探索者ロイスと女王の20番目の王子ルーク。そして傭兵のヴィンス、ティルダ、美貌の調血師ギィ…
登場人物(動物も、植物も)血を持つ者は皆が、生まれ持った血の運命に翻弄され、崇拝しつつ恐れ、裏切りながら信じ合い、幾重にも複雑な感情がもつれあう。

いつもながら、多崎礼さんの紡ぐ物語は甘くない。
愛し合う2人は幾重にも引き裂かれ、愛娘を失った過去に苛まれ、心を通わせた少年は死へと向かう。
悲劇の瞬間の描写がなくても、同じ瞬間を味わったように、辛く哀しい。
だからこそ、ルークの誇り高い心や、ロイスとグローリアのどうしようもなく純粋な愛が、一層強く揺るぎなく輝くのかもしれない。

そしてこれもいつもながら…終章には、それでも人は生きていく、生きていけると、確かな希望を残して終わる。
きっといつか、ルークを慈しんだ面々が、また笑顔で再会出来る日が来るのではないかと。

数々の切なく美しいシーンの中でも、ギィがロイスに別れを告げるとき、同じ言葉を繰り返すシーンが、個人的には最高。
スピンオフ描いてくれないかなぁ。


この世界も、緻密に作られた多崎ワールド。
他人の血を取り込む事によって、力を得たり、意思を支配したり出来るという設定が、言葉に出来なかった思いを時を超えて伝える仕掛にもなって、物語の時間軸を軽々と飛び越えてしまう。

魔法使いが出てくればファンタジー、不思議な生き物が出てくれば異世界、なんてものじゃない!
この世界の物語が2冊で終わるなんて勿体無い‼️

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2016年11月16日

Posted by ブクログ

文字通り血の持つ能力が、その人の貴賎を左右する世界の物語。
血は、情報にも武器にも、もちろん金にもなる。

高い能力を持つ王族が君臨し、力を持たない者は、蹂躙される。

主人公は、人生のすべてを失い、最下層で生きながら死んでいるも同然の生活を送っていたが、ある少年の捜索を機に、人生の意味を取り戻し、王家をめぐる陰謀に巻き込まれる。

久々に大当たりのファンタジー。
2巻で終わりなのが惜しいくらい。

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2016年10月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

★ネタバレありです!★

久しぶりに大満足な本に出会うことができました。
1巻はワクワクしながら読みましたが、2巻は切なくて思わず泣いてしまいました。
先が気になって、一気に読み切りましたが、もう一度、じっくりと読み返してみたい作品です。

途中まで読んでみて、副題の「無名の英雄」は第四話のローグを指していると思いながらも何となくしっくりこない気がしていたら、最後まで読んで、著者の意図がよくわかりました。無名の英雄はルークのことだったのですね。とても切ない…。

ルークの第一印象は「なんて尊大な王子様!」でしたが、最後まで読んだみて、印象ががらりと変わりました。ロイス達と出会って、市井の生活や殻の世界を知ったりすることで、最終的には大切な人達を命をかけて守り抜いたルークの生き様に泣かされました。

ところで、ヴィンセントは助かったのでしょうか?ヴィンスも公的には亡くなったことになってますが、アドリア姫の言葉からはヴィンスは生きているようにも受け取れます。とっても気になります。(ヴィンセントには今後も陰ながら活躍してほしいと思っているので。)

著者の多崎礼さんのブログを読むと、1、2巻はシーズン1とのことですし、シーズン2の刊行を心待ちにしています。

あと、読後に2巻の帯をじっくりと見て「吸血鬼×…」と書いてあるのにびっくり。そういわれてみれば、太陽光や銀が弱点となっているなぁ、と納得。でも、私の中では「吸血鬼」→「悪役」という印象が強いので、個人的には、この物語の世界では彼らが普通の「人間」としておきたいと思っています。

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2016年09月22日

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ネタバレ

スチームパンク探偵譚の後篇。
表紙のルークがかっこかわいい。

ロイスを煮え切らないというのは簡単だけども、でもやっぱり最後まで頑張ったねと労いたい。
ギィはほんと好みのキャラしてたなー。
しかし子どもが死ぬのはツライ……本当にツライ……。

多崎先生によるとこれはシーズン1で、シーズン3まで構想があるということなので、続きを心待ちにしたい。

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2016年07月27日

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シーズン1の2作目。というより上下巻といったほうが良かったのでは?
1作目より各自のキャラクターが深掘りされ生き生きとしている。ギイの昔話はなかったが、このキャラは謎としておきたい。
前作と比べて切ないストーリー。伏線は全て回収されオチも綺麗についた。出生の秘密などはなかなかに意外性があり面白かった

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2017年02月16日

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切なく悲しくも愛おしさが後引く一冊

子供でありながら
子供でいられなかったルークのロイスとの別れの場面が
悲しく切なく感じる描写でありながら
私の頭の中に浮かんだルークは
満足感のあるキラッキラの笑顔を浮かべていて
悲しみながら読むことも違うなと
本を読んでいて感じた初めての感情だった

最終場面
霧笛でのロイスとギィのやりとりがとっても好きだな

真相はどこまでも残酷だけど
ふんわりとした温かみも感じるお話だったなと
私は思う

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2025年10月19日

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誰が、ギィが何者なのか教えて。。。

もう少しこの世界線見ていたかった。みんな散ってもまた再開できるような終わりの余韻でしたね。
ルークもヴィンもティルダも、そしてロイスも強く美しい矜持を持ったキャラクターでした。それが良かったです。

後半戦はルークの成長、ロイスとグローリアの過去、そして結末まで一気読みでした。

2024.9.23
150

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2024年09月23日

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完結編の2巻もとても面白かったです。ロイスやルークの過去が壮絶で切ない。そしてロイスが捜し求めていたミリアム…そんな!となりました。残酷な真実。ルークの決断と結果も、そんな!となりましたが。でもラスト辺りのロイスとアドリアの会話に一縷の望みを託して、続きもあったらいいなと思いました。血に支配された、この世界観がとても好きでした。

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2017年04月29日

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王子、国様々なものが抱えることが浮き彫りになって行く中で女王の絶対悪である感じが強まっていった。そして主人公の娘に関しても、息子同然に感じていた王子に関しても救いが無さすぎて辛かった。
国のこととかを考えた全体を見るとハッピーエンドに向かう兆しが舞える結末だったけど、子供の多大な覚悟の上での犠牲の上でなされたのが辛すぎた。彼らも幸せになる道があって欲しかった

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2024年05月22日

Posted by ブクログ

「血」がすべてを決める世界で生きる人たち

かなり作り込んだ世界観で大変好みでした。
ラストまで容赦ない展開でとてもよかった。

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2018年03月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ロイスの過去が少々食傷気味でした。グローリアの性格が受け入れられなかった。

ルークの成長と覚悟に切ない気持ちになりました。
続きはあるのでしょうか。

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2017年11月21日

Posted by ブクログ

1、2巻というより前後編とか上下巻と言ったほうが正しいような。

多数あった伏線を回収しつつ、ラストまとめたのはうまかった。やたら登場人物が不幸だらけなのは最近の流行りっぽいけど、それが一応本筋に影響するので、まあよいか。

血の内容ですべてが決まる世の中、という設定よりも、『殻』という世界設定が面白いなぁと思った。あまり活かされてなかったけれど。

ラストがやたらヒロイズム満載でちょっとだけ鼻白んだので☆3つに下げました。

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2017年05月21日

Posted by ブクログ

ゴシックパンク吸血鬼疑似親子モノ…で好みの要素たくさんでそこそこ楽しい。作中で「人間」と言われてる方は、銀と日光に弱く、血による他者支配ができる、などの特徴から吸血鬼、そして敵対する「純血種」の方が人間なんだと思われるが、敵役の純血種や女王に魅力やストーリー性が乏しいのが残念。生まれつき血のバリューが高い=俺強い、となる世界観のため、あまり主人公に共感できないのも△。
また主人公は中年と思われるのだが、作中から年齢不詳な感じが漂う。吸血鬼故に長寿、だからなのではないかと思うけどここも説明がほしかった。吸血鬼と人間の寿命の差って鉄板ネタなので。

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2017年04月03日

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