あらすじ
血の価値を決める三属性――明度(バリュー)、彩度(クロマ)、色相(ヒュー)――による階級制度に支配された巻き貝状の都市国家ライコス。その最下層にある唯一の酒場『霧笛(むてき)』で血液専門の探索業を営むロイスのもとに、少年ルークの捜索依頼が持ち込まれた。だが両親だと偽る男女は、事件の核心部分を語ろうとしない。価値ある血を持つと思われる少年に自らの過去の因縁を重ねたロイスは調査を始めるが、それは国家を揺るがす陰謀の序章に過ぎなかった。
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Posted by ブクログ
世界観設定は多少複雑だがイメージしやすく、説明ではなく読み進める過程で察することが出来る。
登場人物が皆訳ありというか、腹に一物抱えたタイプだが、想定より早く"人間らしさ"が感じられてそれぞれ皆好ましい。世界観に対してむしろ主要人物いい人過ぎないか?ってくらい笑
Posted by ブクログ
ーー血に支配される国で、血に染まらぬものを探しつづける男。ーー
作中にずっと流れる鬱々とした灰色の雰囲気と、その中でキャラクターが時折チリチリと光るように生きているのがとても素敵な物語だった。血の三属性については、把握できるか不安もあったけれども自然と馴染むし、ブラッド〇〇がこうだからこうなるぞ、と何度も言ってくれるので分かりやすかった。一巻で多くの情報が入っていて、それら全てが繋がっていくのが小気味よく感じた。でも帯の血に染まらぬものを探す男は誰の事なのか?
Posted by ブクログ
血液の性質で階級が決まる社会を舞台にした物語。
ううむ、いつもながら独創的な世界設定。
表紙の、中田春彌氏の美麗なイラストで手に取った人も、後悔ナシ。
詳しいレビューは2で。
Posted by ブクログ
多崎礼さんの作品は本作で初めて読みました。
登場人物が皆、個性的で読んでいてワクワクします。
また、血液で各個人の価値が決まり、明度(バリュー)、彩度(クロマ)、色相(ヒュー)の三属性でその能力値が測られるという設定が面白い(まるでマンセル表色系!)。
上・下巻の書影から、ロイスとルークのイメージは焼き付いたのですが、他の登場人物(ギィ、ヴィンセント、ティルダ、他)や、ライコスの風景などの挿絵(イラスト?)もあると嬉しいなと思いました。
全体的な感想は下巻を読んだ後で書かせていただきます。
Posted by ブクログ
バリューや何やとちょっと慣れるまで時間かかりましたが面白い。血によって生活もかわるヒエラルキー社会、曰くありげな主人公に雇い主(?)、最初は繋がってなかったものが、徐々に輪郭と背景をもつようになっていくと更に面白くなっていく。一筋縄ではいかないキャラクターの一人ひとりが多彩な魅力。
Posted by ブクログ
スチームパンクでハードボイルドで男やもめが凸凹バディ組んだりわがまま王子様と疑似家族したりする、好きなもの全部盛りのような多崎礼の新作。
おまけに性別不明の家主とか美味しすぎる。
「血」が価値をもつ世界観、巻き貝(スネイル)という都市国家の形態といい、独自の世界がまたとてもいい。
どこをとってもわくわくする。
しかもこの1巻、凄まじく気になる引きで、今すぐ2巻が読みたい。
帯によると2巻は7月下旬刊行とのこと。
後篇、と書いてあるので前後篇、2巻で終わりかな?
Posted by ブクログ
作者の多崎礼さんはレーエンデ国物語で知っていたけど
この作品は完全に表紙と帯に惹かれて購入
思っていたよりも数倍面白かった
登場人物たちも癖があって面白い
世界観もかなり好み
主人公のロイスの印象がページをめくるたびに変わっていく
心の傷や背負っているもの今現在思っていること
自分に正直になれないロイスが
周りの言葉を聞きながら
少しづつ心の奥の思いを認めていく
その過程がとても人間らしく本当のロイスが垣間見れて
ホッとする
ただ最後の一行は衝撃でショックだった…
私はヴィンセントがかなり好きらしい…
切なすぎて悲しすぎて痛い…
もちろん2も買ってあるけど…
手に取るのをためらってしまう…
Posted by ブクログ
多崎ワールドの広さ、深さ、細さにただただ驚く。世界観が読み進めていくうちにすっと入ってくる感じはいったいどこに秘密があるんだろうか。情景が常に頭に浮かびながら読めるファンタジー。細かい設定もいつの間にか理解できてる構成もすごい。血で支配された人々の切なくも希望が見えるお話。早く続きが読みたい。
Posted by ブクログ
この作者の他の作品と毛色は違うが、いい意味で期待を裏切られました。
面白かったです。
ヴァンパイア、ってわけでもないんだよなぁ。世界観がユニークでした。
2024.9.18
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Posted by ブクログ
Twitterでおすすめされて読んだ。初読みの作家さん。血の明度、彩度、色相という独自の設定はつかむまでは??状態だが理解するととても魅力的。この壮大な物語は本当に2巻で終わるのでしょうか?ミリアムは見つかるのでしょうか?
Posted by ブクログ
血に階級がある世界。女王に大切にされない王子が家出をし、何でも屋の元で厄介になる。あらすじとしては真新しさはないものの、すっきりとした文章と構築された世界で読ませてくれます。
Posted by ブクログ
「血」の持つ価値で人生が決まってしまう世界。主人公は探索人。そこへ人探しの依頼が来るが裏がありそうな気配。王子が拐われたらしい。
ファンタジーな設定のハードボイルド。少し精霊の守り人と被るが、雰囲気はもっとダークな感じ。まだ1巻なので人物紹介だがキャラクター、世界観は面白そうなので次を読んでみたい。
Posted by ブクログ
学校 ★★☆ 大人 ★☆☆
この世界の人の価値は血の持つ能力で決まる。
血でランク分けされ人々は上層・中層・下層、そしてランク分けすらされない能力を持たない廃血の住む廃棄地区がある。
都市国家ライコスの下層で血液専門の探索者をしているロイスは、過去に自身の持つ血の能力ゆえ妻子とともに上層に住んでいた。
しかし妻を亡くし娘が行方不明となり、その娘を探すためにロイスは下層で探索者をしているのだ。
ある日ロイスのもとにライコスの王子を探してほしいという依頼がくる。
なぜわざわざ下層の探索者に依頼をするのかといぶかしむロイス。
依頼主はロイスが4年も行方の知れない自分の娘を探し続けていることを知っており、そんなロイスならば王子をどんな形であれ探し出してくれるだろうと思っているというのだ。
結局依頼を受けることにしたロイスは、時間が止まったような生活をしていた自身の過去に向き合うことになる。
設定が作りこまれており、大まかに把握しておけば話自体は読めるので問題ないが、人によっては難しいと感じるかもしれない。
登場する人物は各々謎めいていて魅力的。
少しずつ明らかになる過去と現在の物語に出てくる登場人物はみな苦悩し、懸命に生きている。
高校生には重めの話だが、世界観や登場人物の魅力にはまればあっという間に読めると思う。
Posted by ブクログ
スチームパンクっぽい世界観に生きる吸血鬼達の話って感じ。全体を通した感想はなんとなく間延びした印象。王子と出会って主人公が振り回さつつじんわり裏に潜む大きな問題がわかってくる。主人公の娘に関しては話は進まないし、次巻に期待と言ったところ
Posted by ブクログ
ここまでの世界観を構築する力がある作家なのだと知った。
ハヤカワの電子書籍の半額セールのときに、ずっと気になっていた作品だったので買ってみた。
物語の部分では実にオーソドックスな展開ではあるけれど、ファンタジーの命の世界観はなかなかのもので、面白かった。