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血の価値を決める三属性――明度(バリュー)、彩度(クロマ)、色相(ヒュー)――による階級制度に支配された巻き貝状の都市国家ライコス。その最下層にある唯一の酒場『霧笛(むてき)』で血液専門の探索業を営むロイスのもとに、少年ルークの捜索依頼が持ち込まれた。だが両親だと偽る男女は、事件の核心部分を語ろうとしない。価値ある血を持つと思われる少年に自らの過去の因縁を重ねたロイスは調査を始めるが、それは国家を揺るがす陰謀の序章に過ぎなかった。
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Posted by ブクログ
世界観設定は多少複雑だがイメージしやすく、説明ではなく読み進める過程で察することが出来る。 登場人物が皆訳ありというか、腹に一物抱えたタイプだが、想定より早く"人間らしさ"が感じられてそれぞれ皆好ましい。世界観に対してむしろ主要人物いい人過ぎないか?ってくらい笑
血液の性質で階級が決まる社会を舞台にした物語。 ううむ、いつもながら独創的な世界設定。 表紙の、中田春彌氏の美麗なイラストで手に取った人も、後悔ナシ。 詳しいレビューは2で。
バリューや何やとちょっと慣れるまで時間かかりましたが面白い。血によって生活もかわるヒエラルキー社会、曰くありげな主人公に雇い主(?)、最初は繋がってなかったものが、徐々に輪郭と背景をもつようになっていくと更に面白くなっていく。一筋縄ではいかないキャラクターの一人ひとりが多彩な魅力。
スチームパンクでハードボイルドで男やもめが凸凹バディ組んだりわがまま王子様と疑似家族したりする、好きなもの全部盛りのような多崎礼の新作。 おまけに性別不明の家主とか美味しすぎる。 「血」が価値をもつ世界観、巻き貝(スネイル)という都市国家の形態といい、独自の世界がまたとてもいい。 どこをとってもわく...続きを読むわくする。 しかもこの1巻、凄まじく気になる引きで、今すぐ2巻が読みたい。 帯によると2巻は7月下旬刊行とのこと。 後篇、と書いてあるので前後篇、2巻で終わりかな?
作者の多崎礼さんはレーエンデ国物語で知っていたけど この作品は完全に表紙と帯に惹かれて購入 思っていたよりも数倍面白かった 登場人物たちも癖があって面白い 世界観もかなり好み 主人公のロイスの印象がページをめくるたびに変わっていく 心の傷や背負っているもの今現在思っていること 自分に正直になれな...続きを読むいロイスが 周りの言葉を聞きながら 少しづつ心の奥の思いを認めていく その過程がとても人間らしく本当のロイスが垣間見れて ホッとする ただ最後の一行は衝撃でショックだった… 私はヴィンセントがかなり好きらしい… 切なすぎて悲しすぎて痛い… もちろん2も買ってあるけど… 手に取るのをためらってしまう…
多崎ワールドの広さ、深さ、細さにただただ驚く。世界観が読み進めていくうちにすっと入ってくる感じはいったいどこに秘密があるんだろうか。情景が常に頭に浮かびながら読めるファンタジー。細かい設定もいつの間にか理解できてる構成もすごい。血で支配された人々の切なくも希望が見えるお話。早く続きが読みたい。
この作者の他の作品と毛色は違うが、いい意味で期待を裏切られました。 面白かったです。 ヴァンパイア、ってわけでもないんだよなぁ。世界観がユニークでした。 2024.9.18 145
Twitterでおすすめされて読んだ。初読みの作家さん。血の明度、彩度、色相という独自の設定はつかむまでは??状態だが理解するととても魅力的。この壮大な物語は本当に2巻で終わるのでしょうか?ミリアムは見つかるのでしょうか?
「血」の持つ価値で人生が決まってしまう世界。主人公は探索人。そこへ人探しの依頼が来るが裏がありそうな気配。王子が拐われたらしい。 ファンタジーな設定のハードボイルド。少し精霊の守り人と被るが、雰囲気はもっとダークな感じ。まだ1巻なので人物紹介だがキャラクター、世界観は面白そうなので次を読んでみたい。
学校 ★★☆ 大人 ★☆☆ この世界の人の価値は血の持つ能力で決まる。 血でランク分けされ人々は上層・中層・下層、そしてランク分けすらされない能力を持たない廃血の住む廃棄地区がある。 都市国家ライコスの下層で血液専門の探索者をしているロイスは、過去に自身の持つ血の能力ゆえ妻子とともに上層に住ん...続きを読むでいた。 しかし妻を亡くし娘が行方不明となり、その娘を探すためにロイスは下層で探索者をしているのだ。 ある日ロイスのもとにライコスの王子を探してほしいという依頼がくる。 なぜわざわざ下層の探索者に依頼をするのかといぶかしむロイス。 依頼主はロイスが4年も行方の知れない自分の娘を探し続けていることを知っており、そんなロイスならば王子をどんな形であれ探し出してくれるだろうと思っているというのだ。 結局依頼を受けることにしたロイスは、時間が止まったような生活をしていた自身の過去に向き合うことになる。 設定が作りこまれており、大まかに把握しておけば話自体は読めるので問題ないが、人によっては難しいと感じるかもしれない。 登場する人物は各々謎めいていて魅力的。 少しずつ明らかになる過去と現在の物語に出てくる登場人物はみな苦悩し、懸命に生きている。 高校生には重めの話だが、世界観や登場人物の魅力にはまればあっという間に読めると思う。
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