あらすじ
この作品がなければ『レーエンデ国物語』は書けなかった(多崎礼)
輝晶が語り出すのは、光神王の圧政に夜明けを夢見た人たちの物語――ささやかな幸せを願いながらも、死影に憑かれた領主の妻が、宮殿から逃げ出してきた王子に托した夢(「翠輝晶」)。望むものすべてを手に入れてきた騎士団副団長・アーディンの唯一叶わなかった夢(「蒼輝晶」)。中公文庫『夢の上 夜を統べる王と六つの輝晶 1』を改題し、書き下ろし番外短篇「輝晶の欠片1 永遠の誓い」を収録。
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圧巻。
面白くて一気読みでした。
『レーエンデ』の時から多崎さんの緻密な世界設定に圧倒されていたけれど、
空のない世界と、叶わなかった夢の結晶を売る「夢売り」のお話。
ファンタジーだけど人間らしく、熱くて希望のあるお話。
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多崎氏自ら「この作品がなければ『レーエンデ国物語』は書けなかった」と評する王道ファンタジー。
現実の「革命」にはとんでもないものが多いが、物語なら安心して心躍らせることができる。
本シリーズに心惹かれるのは「ノブレス・オブリージュ」が主要テーマになっていると思われるから。
アイナも、アライスも、イズガータもそれぞれの立場で負うべき責任を決して放棄しない。高貴な生まれ、とは行動により事後的に意味を持つものだということがよく分かる。
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数多くのファンタジー小説を好んで読んできたがトップ3に入るほどの一冊であった。物語構成から登場人物まで全てが魅力的です読めば読むほどこの美しい世界観に引き込まれていく。切なくも優しく温かい物語。読み終わってもこの世界から抜け出せず数日は余韻に浸れる。続編があることが嬉しすぎる。
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大人になってもファンタジーで泣けるんだと泣いてもいいんだと思い出させてくれた一冊でした。
もうそれにつきる。出てくる人達が全て魅力的でかっこいいし可愛い。私の知らない世界で本当にこの人たちが生きていて、その夢を今夢利きしてもらってるかのような気持ち。こんなに早く続きが読みたい!!と思った作品はいつ以来なんだろう。(たぶん宮部みゆき先生のドリームバスター以来?もしくは田中芳樹先生の創龍伝?)こういう時、生きていてよかったと心から思う。明日必ず続きを買いに行こうと思いました。仕事が忙しい時期には絶対読み始めてはいけない本です。
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レーエンデ国物語は、これがあったからできたのかなぁと思う、一冊目にして先の世界の壮大さを想像させられる物語だった。
ひとつ目の夢は、不幸ではあるものの、アイナは夢をちゃんと叶えてしあわせだったからよかったなぁって心から思えてホッとした。
でもふたつ目の夢は、ああ、レーエンデと一緒じゃんーーー!て切なくなった。
恋物語なら絶対ハピエンがいいわたしは、そこんところはやっぱり本当に悲しくて、切なくて、もう、なんでよおーーー!
って思ってしまうんだけど、この先の物語を考えたらここでこの2人が結ばれることはやっぱりあり得ないよな…ってしょんぼりしながらも納得してしまう他ないのだ。
嫌なのに!笑
でも、ひとつ目の夢がふたつ目の夢とこうつながってたかぁー!!!!
と言う伏線回収は、相変わらずお見事としか言えなくて、本当にお上手だなぁと言うか面白い!!と思う。
あと、この世にないものを作ってしまう多崎先生のお話はいつもすごいなぁと思う。
SFがお好きだったと何かで読んだことがあるけど、だからなのかなー、とあんまりSF読んだことないわたしは思うのでした。
壮大な夢を完結させるには、小さな犠牲は必要、でもそれが犠牲なのかどうなのか?は本人にしかわからない。
そんな物語は、この地球にも死ぬほどあったんだろうな、と思う。多崎先生の本読むと神視点、て思うことがあってそこがすきな理由のひとつかも知れいない。
切ないのは納得いかないけど、面白さでは抜群だった。
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ファンタジー好きには良いかも。
ズラアが最初は憎かったが、最後はいい奴…って思ってしまった。
アイナとオープの夫婦愛が素晴らしい。
この二人の愛に感動。
次巻もぜひ読みたい。
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レーエンデを読んで面白かったので、多崎礼の作品を読みたいと思って読んだ。
個性的な登場人物が多く、内容もとても精緻で読めば読むほど面白い。
映画にしても面白い内容だと思った。
このシリーズも全て読みたいと思う。
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多崎礼さんすごい。どの本も面白いじゃん。ハイファンタジーなので、世界観がわかるまでは少し時間がかかる。でも、一度わかったらシリーズものを楽しみにできる。
レーエンデの1巻はかなり面白かったけど、2巻以降レイプの話ばかりでもう⋯。せっかく面白いだけに嫌気が限界。男が劣等種であることから目を逸らさせてくれないのか。どうやらこの「夢の上」と「〈本の姫〉は謳う」は大丈夫かな?
1冊に2つの物語があり、関連していた。翠輝晶は、アイナとオープの物語。ここで登場する騎士たち、イズガータ、アーディン、アライスがメインの蒼輝晶。
翠輝晶、アイナ様が虐められなくて良かった。何も知らない嫁ぎ先で嫁姑問題に巻き込まれる匂いしていたのに、見事に打ち砕かれて良かった。
一番記憶が新しいからというのもあるけど、最後、イズガータの本当にしたいことができなかったもどかしさや葛藤は胸が苦しくなった。
私が理想を叶えず、日常に身を置いてる様と重なったからだ。私の場合は崇高な理由ではなく、言い訳してるだけなので比べようもないけれど。しようと思えばできるけれど、それでも違う道を自ら選ぶ。切ない。
脇役なんだけど、なんかちょっと気になったのは、蒼輝晶では敵のくせに良いチームになってる的な立ち位置ズラア、翠輝晶では、女言葉のシャロームと、終盤で猫好きだとわかる弓が得意なイヴェト。
六士隊長のキャラもよくできてる。得意な武器もキャラもそれぞれ違う。こういうところがアニメ的に感じる。六士隊長をメモに表にしたけど、次巻以降も出てくるのかな。
⋯で、これらの物語って叶わなかったんだよね?じゃあ現実はどうなった?夜の王の正体は⋯
Posted by ブクログ
世界線がレーエンデと同じで、「えっ!もしかしてレーエンデの人たちが出てきたりするのか!?」と思ったけれど、2010年の作品を新装改訂されたものだと最後に知る。笑
叶わなかった夢が語られるので、とても切ない気持ちになる。理想を追い求めていても、身分や宗教、国など様々な理由から実現することはないと彼らはわかっている。けれど、未来が少しでも良くなるように動いている登場人物たちに勇気をもらえた。
本当に、多崎さんの作品は応援したくなる登場人物が多い。
まだまだ物語は序盤。
幕間で語られる夜の王と夢売りは誰?
敵国デュシスとの戦いの行く末は?
アライスの戦いの結末は!?
これからの展開が楽しみだ。
Posted by ブクログ
翠輝晶
影使いになったオープとアイナの物語。
影を使役し、自分の時間を与え続ける影使いは、人よりも人生が短くなる。
その上、影使いは帝国内での居場所もなく、見つかれば処罰されるという厳しい世界。
二人は旅をし、アライスという少女と出会う。
蒼輝晶
アライスが騎士として入隊することになったケナファ騎士団。
そこに属する天賦のスキルを持つ女性騎士イズガータと騎士の中で最強のアーディン。
この二人の物語。
王に夢売りがそれぞれの物語を見せていく、という構成になっている。
それぞれとても綺麗で、そしてどこか哀愁の漂うストーリー。
これらが歴史を少しずつ動かす歯車となっていく予感。
壮大なファンタジーが始まる気配。
1冊を通して、その序章が開かれた感じではあるけど、これ何冊まで続くんだろう…。
アラビアンナイトの一話一話を読む感覚にとっても近く、
10巻だときついな…
Posted by ブクログ
最初は世界観に入り込めず、最後まで入り込めたかどうかは分かりませんが、蒼輝晶は良かったです。
ただ、翠輝晶のアイナが夫のためにしたことは理解ができませんでした。(夫婦の時間をそこまで濃く描かれてなかったので、そこまで夫のこと愛してたの?と驚き)。
でも次巻は本巻で気になった人がメインで出てくるようなので、読んでみます。
Posted by ブクログ
文庫版に書き下ろし短編を収録した完全版「夢の上」第一巻。
文庫版の時は短編集が発売されず残念だったけど、今回の完全版は本編+短編集が出版される予定みたいなので楽しみ。