あらすじ
この作品がなければ『レーエンデ国物語』は書けなかった(多崎礼)
輝晶が語り出すのは、光神王の圧政に夜明けを夢見た人たちの物語――ささやかな幸せを願いながらも、死影に憑かれた領主の妻が、宮殿から逃げ出してきた王子に托した夢(「翠輝晶」)。望むものすべてを手に入れてきた騎士団副団長・アーディンの唯一叶わなかった夢(「蒼輝晶」)。中公文庫『夢の上 夜を統べる王と六つの輝晶 1』を改題し、書き下ろし番外短篇「輝晶の欠片1 永遠の誓い」を収録。
感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
レーエンデ国物語は、これがあったからできたのかなぁと思う、一冊目にして先の世界の壮大さを想像させられる物語だった。
ひとつ目の夢は、不幸ではあるものの、アイナは夢をちゃんと叶えてしあわせだったからよかったなぁって心から思えてホッとした。
でもふたつ目の夢は、ああ、レーエンデと一緒じゃんーーー!て切なくなった。
恋物語なら絶対ハピエンがいいわたしは、そこんところはやっぱり本当に悲しくて、切なくて、もう、なんでよおーーー!
って思ってしまうんだけど、この先の物語を考えたらここでこの2人が結ばれることはやっぱりあり得ないよな…ってしょんぼりしながらも納得してしまう他ないのだ。
嫌なのに!笑
でも、ひとつ目の夢がふたつ目の夢とこうつながってたかぁー!!!!
と言う伏線回収は、相変わらずお見事としか言えなくて、本当にお上手だなぁと言うか面白い!!と思う。
あと、この世にないものを作ってしまう多崎先生のお話はいつもすごいなぁと思う。
SFがお好きだったと何かで読んだことがあるけど、だからなのかなー、とあんまりSF読んだことないわたしは思うのでした。
壮大な夢を完結させるには、小さな犠牲は必要、でもそれが犠牲なのかどうなのか?は本人にしかわからない。
そんな物語は、この地球にも死ぬほどあったんだろうな、と思う。多崎先生の本読むと神視点、て思うことがあってそこがすきな理由のひとつかも知れいない。
切ないのは納得いかないけど、面白さでは抜群だった。
Posted by ブクログ
多崎礼さんすごい。どの本も面白いじゃん。ハイファンタジーなので、世界観がわかるまでは少し時間がかかる。でも、一度わかったらシリーズものを楽しみにできる。
レーエンデの1巻はかなり面白かったけど、2巻以降レイプの話ばかりでもう⋯。せっかく面白いだけに嫌気が限界。男が劣等種であることから目を逸らさせてくれないのか。どうやらこの「夢の上」と「〈本の姫〉は謳う」は大丈夫かな?
1冊に2つの物語があり、関連していた。翠輝晶は、アイナとオープの物語。ここで登場する騎士たち、イズガータ、アーディン、アライスがメインの蒼輝晶。
翠輝晶、アイナ様が虐められなくて良かった。何も知らない嫁ぎ先で嫁姑問題に巻き込まれる匂いしていたのに、見事に打ち砕かれて良かった。
一番記憶が新しいからというのもあるけど、最後、イズガータの本当にしたいことができなかったもどかしさや葛藤は胸が苦しくなった。
私が理想を叶えず、日常に身を置いてる様と重なったからだ。私の場合は崇高な理由ではなく、言い訳してるだけなので比べようもないけれど。しようと思えばできるけれど、それでも違う道を自ら選ぶ。切ない。
脇役なんだけど、なんかちょっと気になったのは、蒼輝晶では敵のくせに良いチームになってる的な立ち位置ズラア、翠輝晶では、女言葉のシャロームと、終盤で猫好きだとわかる弓が得意なイヴェト。
六士隊長のキャラもよくできてる。得意な武器もキャラもそれぞれ違う。こういうところがアニメ的に感じる。六士隊長をメモに表にしたけど、次巻以降も出てくるのかな。
⋯で、これらの物語って叶わなかったんだよね?じゃあ現実はどうなった?夜の王の正体は⋯