多崎礼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
多崎さんのデビュー作品。
恐ろしくも美しい魔物と人との誓いの物語。
こんなファンタジーは初めて!
全体を通してもの悲しい雰囲気が漂っています。
己の無力さに対する苦悩・後悔、人間の暗い部分について描きながらも決して暗くなく、希望と決意を感じてスラスラ読める。
あっという間に世界観に引き込まれ、ページをめくる手が止まりませんでした。
“魔物”がいて、歴史や人の思いを受け継いでいく“語り部”という特別な存在がいる世界。
語り部の「語り」で繋がっていく展開がとても新鮮でした。
語られる1つ1つの物語に新たな世界が広がっていて、読めば読むほど強く引き込まれどっぷりと世界観にハマっていく。
いろい -
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Posted by ブクログ
ネタバレファンタジー小説で、しかも、この厚さでこんなにも濃縮された物語が繰り広げられるなんて、正直予想外でした!
個人的にファンタジーというと、やはり…
「その世界に没入できるか?」
「何か心に残ること、言葉、考え方等があるのか」
が評価基準になるのですが、もうオールクリアでした。
人間の愚かさ、醜さもあれば、人間の優しさ、愛なんかも描かれていて、その対比に心を揺り動かされるのです。
「なんで人間って…」何度思ったことでしょう。
何度恥ずかしく思ったでしょう…。
その世界の住人になったくらい、没入してしまいます。
なんとなく選んだ『煌夜祭』でしたが、何度も読み返したくなるほど大満足です! -
Posted by ブクログ
冬至の晩に繰り広げられる煌夜祭。ここで語り部が語るは、18の島々を巡る物語。
人を喰う魔物と人間の物語が繰り広げられる。物語は恐ろしくもいとおしい魔物の、苦しく切ないものばかり。
語り部の紡ぐ物語1話1話が童話のように幻想的であり現実的であり、美しく残酷で心惹きつけられる。魔物と人間の交わらないけれど、交わろうとする運命に切なさがますます募る。しかし、切ないばかりではなくほのかなあたたかさも感じる。
それぞれの物語が語られるごとに、この世界の欠片が少しずつ集まり、全体像が明らかになっていく。
美しく気高いファンタジー。魅力に溢れた世界に誘われ、読み返すごとに感じる気持ちも変化する。何度も読み -
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