多崎礼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
レーエンデ国シリーズ。第3部。読み進める度に評価が上がって来た。リーアンとアーロウ、双子の兄弟が共に目指し、運命を別つ。
レーエンデはテッサの思いが実を結ぶことなく沈黙の時代を迎えていた。自分の生活を守ることで精一杯で、革命の声も聞こえないものとしていた。
レーエンデが本物の自由を得るためには皆で立ち上がらなければならないのに。
ファンタジーであるが、物語が訴えるものは、まさに今の社会に通じていると感じた。
自分が平和に過ごせればそれでいいと思っていないか?見てみぬふりをしていないか?助けを求めている人がいるよね?
読んでいるうちに自分の無力さと臆病さ、行動力のなさに自己嫌悪にな -
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Posted by ブクログ
ネタバレレーエンデを巡る、自由と抑圧、そして革命のお話。
武力、芸術、の次は「情報」による革命を目指す辺りは、現実世界に類似するところがある気がした。無血の革命なんてほとんど存在しないけど、やっぱり今回も呼んでいて苦しくなる瞬間。
夜明け前が一番暗い。
確かにどんなに絶望的な状況でも、ひとは自分より酷い状況の人があれば、「あれよりはマシ」「逆らって、ああなってはいけない」と思う。だから犠牲法で人々を立ち上がらせようとしたルーチェの試みは「ウル族への圧政」「娼館保護法」によって叶うことは無かったのだなと、今更ながら思った。
戦は人を変えるとかよく言うけど、このシリーズでは、テッサたちよりステファノが体 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ革命は失敗すれば悲惨だし、成功しても安定した統治ができるまで荒れて混沌とすることも多い。
今回も本当に苦しかった。
闘いの中で強く結びついた、命を預け合った仲間を櫛の歯が欠けるように失うさまは胸を突いた。革命の失敗は首謀者テッサの死を意味する。追い詰められる。
それでもテッサが自分を失わず命を全うしたことだけが、読み進める力になった。悲劇ではあったが間違いなく英雄だった。
しかし、民衆が立ち上がるまであと一つ届かなかった。ルーチェの言う通り、憎しみが絶望があと少し足りなかった。みんなが大局をみて英雄にはなれない。
ルーチェが残虐な法皇帝になったのは、法王庁への憎しみを醸成させるため、
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Posted by ブクログ
美しくも残酷な大人のファンタジー。
前作がその残酷さが強かった為、心して読み始めました。
戯曲によって世界を変える革命の話。
章を重ねる度にまだ光はか細く、一章終わる毎にある一幕がまた登場人物たちの幸せを遠くさせるような気がしてならない。
しかしこの舞台の幕が上がった…ということは?
希望も見える中、また衝撃な言葉が降ってくる。
ある意味ミスリードされたような展開でしたが、少しだけ光が差してきた気がしますね。
人は貴賤上下問わずに時代を経て変わっていくものだ。
それがまざまざ見せられるのは何足る幸福だろうか。
歴史を変える一瞬だけではなく、多くの人や物事があって掴むものがあるのだと思い知ら -
Posted by ブクログ
ネタバレルーチェが残した犠牲法がレーエンデにさらなる陰を落とす時代。娼館保護法も生きているけど、何かしら告訴されてしまえば、レーエンデ人なら罪人としてほぼ決定してしまう。一巻から比べると、レーエンデからすっかり自由はなくなってしまったのだと痛感させられる状況。
そんな時代下、物語の主人公は劇作家のリーアンと、劇団座長のアーロウの双子の兄弟。リーアンが依頼をきっかけに、名前も忘れられた英雄テッサの物語を書き起こそうとし、その足跡を辿る。
帝国からの抑圧化の下にあっても、ちゃんとテッサの名前を、物語を、覚えている人がいた。その勇姿を受け継いでいた人もいた。そのことに希望も見える一冊。
もちろんという -