多崎礼のレビュー一覧

  • レーエンデ国物語 月と太陽

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    あまりにも壮大な本格ファンタジーには違いないんだけど、語り口が軽いおかげでサクサク読める。無理難題に立ち向かうテッサの活躍は本当に気持ちがいい。枠にはまった『キャラクター』っぽい登場人物たちのなかで、イシドロはちょっと人間味感じて好きだった。

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    2025年08月28日
  • レーエンデ国物語 喝采か沈黙か

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    まるでジョジョのように毎回、主人公も世界観もガラッと変わって、それでいてきちんとつながっていて、そこがこのシリーズのいいところと思います。今回の作品が一番好きかも。今回は、前作の主人公のテッサの活躍を戯曲にし、それによって世界を変えたいと思う双子の兄弟が、テッサの足跡を追い求めていくというストーリー。最後はミステリアスな要素もあり、早くレーエンデに自由を与えてほしいと強く感じた今回でした。

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    2025年08月24日
  • 夢の上 サウガ城の六騎将

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    【夢の上】の外伝
    ケナファ騎士団の士隊長達の短編集
    《世界で一番早い馬》
    《天下無敵の大盗賊》
    《汝、異端を恐るることなかれ》
    《あの日溜まりの中にいる》
    《約束》
    《手紙》
    《世界で一番早い馬 書き下ろし》

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    2025年08月19日
  • レーエンデ国物語 月と太陽

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    テッサの激動の生涯の物語。
    そしてルーチェの人としての感情が壊れてしまう物語
    決して大団円で終わらない一つ一つの物語
    レーエンデ国物語、最高です

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    2025年08月18日
  • レーエンデ国物語 喝采か沈黙か

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    兄の才能を認められず、双子なのに…
    自分は凡人ではないと思わないと、自分が醜く感じてしまう。たった1人の家族を憎まなければいけなくなる。そんな苦しい気持ちを、必死に隠す主人公も素直になれない兄もなんとももどかしい…

    隠された正しい歴史を、テッサを探す物語。
    テッサの歴史を知るにつれ、お互いがお互いを大切にしているのに、それが伝わらない。わかっているのに素直に認められない。そんな双子のお話。

    最後は涙が止まりませんでした

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    2025年08月18日
  • レーエンデ国物語 喝采か沈黙か

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    美しくも残酷な大人のファンタジー。
    前作がその残酷さが強かった為、心して読み始めました。
    戯曲によって世界を変える革命の話。

    章を重ねる度にまだ光はか細く、一章終わる毎にある一幕がまた登場人物たちの幸せを遠くさせるような気がしてならない。
    しかしこの舞台の幕が上がった…ということは?
    希望も見える中、また衝撃な言葉が降ってくる。
    ある意味ミスリードされたような展開でしたが、少しだけ光が差してきた気がしますね。

    人は貴賤上下問わずに時代を経て変わっていくものだ。
    それがまざまざ見せられるのは何足る幸福だろうか。
    歴史を変える一瞬だけではなく、多くの人や物事があって掴むものがあるのだと思い知ら

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    2025年08月17日
  • 夢の上 サウガ城の六騎将

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    技術的な問題で本編収録されなかったという「手紙」がとてもいい。敵国デュシスのエピソードを描いて物語を立体化させただけではなく、いくつかの伏線をしっかり回収している。
    アルアーラがデュシス語でアーディンに語った言葉とエスクエラの「お帰りなさい、二人とも」が忘れられない。
    帯には「番外編」とあるが、本書まで含めてシリーズ完結と考えるべきだ。多崎先生、楽しい時間をありがとうございました。

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    2025年08月17日
  • レーエンデ国物語 喝采か沈黙か

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    ネタバレ

    ルーチェが残した犠牲法がレーエンデにさらなる陰を落とす時代。娼館保護法も生きているけど、何かしら告訴されてしまえば、レーエンデ人なら罪人としてほぼ決定してしまう。一巻から比べると、レーエンデからすっかり自由はなくなってしまったのだと痛感させられる状況。

    そんな時代下、物語の主人公は劇作家のリーアンと、劇団座長のアーロウの双子の兄弟。リーアンが依頼をきっかけに、名前も忘れられた英雄テッサの物語を書き起こそうとし、その足跡を辿る。

    帝国からの抑圧化の下にあっても、ちゃんとテッサの名前を、物語を、覚えている人がいた。その勇姿を受け継いでいた人もいた。そのことに希望も見える一冊。

    もちろんという

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    2025年08月15日
  • 夢の上3 光輝晶・闇輝晶

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    完結編の語り手は、光の王と闇の王。重層的に語られる物語は深い満足を与えてくれた。
    太陽姫アライスの見果てぬ夢は、ある意味で幼く、それだけに純粋で胸を打つ。ツェドカのハウファに捧げる最後の夢はただ切なく、余韻のある終幕。
    単行本書き下ろしの「最初の夢」も良かった。誰も取り残さない鮮やかな後日談。お見事!

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    2025年08月12日
  • 夢の上2 紅輝晶・黄輝晶

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    語り手を変えながら、同じ時が描かれるファンタジー。
    第二部の語り手は光神王妃ハウファと太陽姫アライスの同僚ダカール。
    ハウファの物語は悲劇で終わることが分かっており、少々気が重かったが、人生を劇に見立てた幕引きで読後感は意外に良かった。
    ダカールの物語はまさにメインストリーで、アライスの強さ、そして父王を憎みきれない弱さが最も近しい人物の目線で語られる。少女が騎士に、希望の姫になる展開はまさに王道。
    しかし、光神を砕く魂の叫びの後の展開は・・・
    後味が良くても、悲劇はもう読みたくないのだが。

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    2025年08月10日
  • レーエンデ国物語

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    綺麗な表紙に惹き寄せられて手に取った一冊。

    レーエンデという、神に見放された土地と評される地を巡る物語の第一幕。満月の晩に、レーエンデにのみ現れる銀の霧は、銀呪病という病のもと。そして発症すれば、長い年月をかけて100%死に至らしめる。
    死病の恐ろしい発生源のはずなのに、その光景はとても美しい。木々の雫は結晶化して銀の粒に。安全な家の窓の外では幻魚の群れが泳ぐ。きっと目の前でそんな光景が広がれば、わたしは恐ろしさも忘れて、魅了されると思う。

    勿論光景の美しさだけでなく、聖典と反対のことを唱えるウル族の伝承なども、この物語のポイント。
    いつも前向きなヘクトルは、武勇だけでなく、その思考こそが

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    2025年08月10日
  • レーエンデ国物語 月と太陽

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    ネタバレ

    単純に戦って終わるのではないところが面白い。
    最後にテッサが亡くなったみんなと会えて良かった。ルーチェは…まあ…そうなるよな…
    私生活が忙しくて読み切るのに時間がかかったが、読みながら今までの流れを思い出せるほど全体的に面白かった。

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    2025年08月05日
  • レーエンデ国物語 月と太陽

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    第1作目を読んで 1年近く経っていますが、レーエンデの美しさを思い出しながら読み始めました。
    文体が変わったような気がしますが、読みやすさに変わりはなくどんどんのめり込むストーリーも健在。
    『月と太陽』は残酷で、どの人物に入れ込んでも辛さが残る。
    手に入らないものばかりで歯痒い。
    それでもレーエンデに浸りたいと思うのは何故だろう。
    未来の自由には武力か知力か、そこに含まれる正義は如何なるものか。
    続きが楽しみです。

    -号哭するほど その死を悼ましく思う。
    そんな人間に巡り合えた 僥倖を存分に噛みしめるがいい

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    2025年08月04日
  • 煌夜祭

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    圧倒的な世界観、精緻で語られる物語は、あまりに切なく美しい運命。物語が進むにつれて、煌々と闇を照らす炎が自分の胸にも灯ったのがわかった。それほどまでに心を掴んで離さない、一行たりとも見逃せない名作に、私は出逢ったことがあっただろうか。まだ胸中で炎は燃えている。

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    2025年08月02日
  • レーエンデ国物語 月と太陽

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    革命の物語の中でも、力による革命を描いたもの。胸踊る戦い、カリスマ性のある統率者、戦いの中で育まれる友情。読んでいると胸が熱くなって読むのが止められなかった。

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    2025年08月01日
  • レーエンデ国物語 夜明け前

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    革命前夜の緊迫感とレオナルド・ルクレツィア兄妹の深い絆が織りなす感動的な物語に引き込まれた。
    抑圧されたレーエンデの重苦しい雰囲気と、希望を灯す彼らの行動の対比が心に響く。
    過去の巻の歴史が集約され、革命への期待が高まる展開は圧巻。
    シリーズの集大成に向けた盛り上がりに感動。最終巻が待ち遠しすぎる!!

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    2025年07月16日
  • レーエンデ国物語 夜明け前

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    革命の話をしよう。

    テンポも良く、刺激的な内容が続くので一気にのめり込みました。

    人の正義は必ずしも自分の正義ではない。ガンダムも言ってる。夜明け前が一番暗い。結果は同じでもアプローチが違う2人のお話。
    非情だが大きな目的には犠牲が必要なのかもしれない。

    第1巻では、レーエンデの美しさををウル族を中心に。
    第2巻では、全てを焼け野原に、ティコ族を中心に。
    第3巻では、教育の大事さを、ノイエ族を中心に。
    そしてこの巻で圧政を敷く側、イジョルニ人を中心に

    レーエンデに関係する全ての民族人種が革命を押し進めていく。押さえつける側と押さえつけられる側、両者の力が合わさって初めて革命は達成する。

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    2025年07月15日
  • レーエンデ国物語 喝采か沈黙か

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    ネタバレ

    最初は才能があるない、双子ってそう言うことあるよねと単純に見ていた。
    でも後半リーアンが、アーロウと打ち明けていくたびに考えが全く変わった。アーロウはリーアンの才能に羨望し、リーアンはアーロウの人望に羨望してた。身代わりになるリーアンに計り知れないほどの愛を感じた。

    月と太陽とはまた違った感動で、今回は家族愛っていう感じだった。それにテッサのしてきたことは無意味じゃない。レーエンデの矜持はまだある!って思い知らされてた。すごく読みやすくて、展開がスムーズで気づいたら終わっていました。読むごとに感情移入しすぎて、次回も読むのが楽しみです!

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    2025年07月15日
  • レーエンデ国物語 夜明け前

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    壮絶である。このシリーズは読む度に物語の壮絶さと壮大さに飲み込まれる。そして後悔する。続きが気になって仕方ないのだ。
    フィクションでファンタジーの世界なのに今、我々の住む世界が直面している混沌と混乱があった。それぞれの信念が螺旋のように絡み合いながらレーエンデを、世界を巻き込んでいく様が素晴らしい。この巨大な物語の構成にどれだけの時間とアイディアが必要だったのか。考えるだけで身震いする。レーエンデに自由をもたらすための戦いはどんな結末をもたらすのか。今から楽しみだが、とても怖くもある。

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    2025年07月11日
  • レーエンデ国物語 喝采か沈黙か

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    2025年7月2日〜7月10日
    388ページ
    1900円

    テッサの没後100年を過ぎて語り継がれる英雄譚。リーアンかアーロウか、わからなくなることはあったが、最後の最後にこんな結末が待っているだなんて…一度読み終えて、初めから読んでみると、全く違う景色が見えてきた。私はなんて勘違いをしていたんだろう、と、再びすべて読み返したい気持ちになった。

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    2025年07月10日