多崎礼のレビュー一覧

  • レーエンデ国物語 月と太陽

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    前作から100年以上経ったレーエンデの物語で、登場人物は変わりますが所々に前作を感じられて面白かったです。
    今回はテッサとルーチェ(ルチアーノ)の物語。
    レーエンデの自由のために戦い続けたテッサと、そんなテッサを想い続けてくれたルーチェの幸せを願わずにはいられませんでした。

    タイトルにある月と太陽は、ルーチェが月でテッサが太陽なのかな。でも登場人物それぞれに言えるのかも。
    アレーテとキリルはお互いがお互いに月と太陽だと思うし、イザークが月ならキリルが太陽で、中隊長シモンが太陽ならテッサが月で、、、エドアルドが月ならばルーチェは太陽のような存在だったかもしれないですね。自分にとっての太陽がいな

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    2025年10月02日
  • レーエンデ国物語

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    ネタバレ

    最初から最後まで面白かった。
    これまで何度かオーディオブックでファンタジー小説を聴いてみたが、いつも途中で挫折していた。
    だが本作は、かなり長く物事があまり進展しないところもあったにもかかわらず、不思議と最後まで飽きることなく聴くことができた。
    世界設定や登場人物が魅力的でリアリティを感じることができたからかもしれない。

    ビクトル・シュライヴァや法王アルゴ三世といった権力者は、名前は頻繁に出てくるものの直接登場はせず、背景のように描かれる。
    そのような権力者たちの思惑や銀呪病の呪いが渦巻くレーエンデで、必死に前を向いて生きるユリア、ヘクトル、トリスタンの姿には心を打たれる。
    トリスタンの最期

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    2025年10月01日
  • 煌夜祭

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    色々なお話が最後に繋がる系の本。
    もう一回読み直したい。
    魔物の心象描写がとても切なく、食べることで食べた人の記憶が継がれていくけどそれこそが愛に近いと思った。

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    2025年09月29日
  • 煌夜祭

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    これは面白い。
    面白いと同時に切なくなるエピソードがいくつもあった。
    魔物として生きていかねばならなかった者たちの苦しみも伝わってきて、読みながら胸が苦しくもなった。
    平和を願う気持ちは、作品の登場人物たちも現実世界を生きる人間たちも同じ。
    平和に、平穏に生きていける時代が来ることを願ってやまない。

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    2025年09月28日
  • 煌夜祭

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    レーエンデ国の世界観に魅了されて、その原点とも言われる作品と聞けば読まない訳にはいかないでしょう。

    美しいのに、
    ただそれだけでなく残酷さがあるのに、
    冷たくはない。
    短編が繋がっていく精緻なストーリーは、人物を困惑させられましたが、何度も読み返したくなる作りでした。

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    2025年09月28日
  • レーエンデ国物語 喝采か沈黙か

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    前作も良かったけど、歴史の繋がりを強く感じる今作は、なお良かった。
    一行目の「革命の話をしよう」の文字を見るたび、ウキウキが止まらない。次の作品も楽しみ。

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    2025年09月27日
  • レーエンデ国物語 夜明け前

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    ネタバレ

    正義と正義。全く同じ形をした普遍的な正義なんてものはありえない。誰かの正義は、誰かにとっての悪で、そうやって正義は変わっていってしまう。御子の子の解放のために、レーエンデ人を苦しめ、殺してまで、立ち上がらせるルクレツィアの正義が正しかったのか。あるいは、頑なに己の信念を曲げず真っ直ぐでありたいと願い続けたレオナルドが本当に正義だったのかは分からない。だけど、夜明け前が一番くらいのは確かだ。暗闇の中でふたりが見たいと願った未来は光だった。夜明け前のうっすらとした払暁の瞬間、そこだけが唯一、決して同じではあれない光と闇の交じわれる刹那だった。愛する兄から、唯一無二と特別として心臓を貫く銃弾を求める

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    2025年09月24日
  • レーエンデ国物語

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     これぞ、ファンタジー!!というような、壮大な物語でした。
     表紙から何からこの物語の世界観に引きずり込まれるかのような没入感を味わいました。
     美しく勇敢なこの物語に、強く心を打たれます。

     早く次の第2巻を読みたいと思いました。

     「レーエンデ国物語」の公式ホームページもとても綺麗なので見てみるといいですよ。

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    2025年09月15日
  • レーエンデ国物語 月と太陽

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    一作目でだいぶ地理を把握した分入り込み度が格別
    前作も今作も登場人物一人一人にも魂がある
    また時を経ててから読み返したい作品になった

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    2025年09月12日
  • レーエンデ国物語 夜明け前

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    ネタバレ

    今巻はレオナルドとルクレツィアの愛と正義の話
    個人的に、10人いれば10通りの正義がある、刺さった。あと、ペンは剣より強しでも俺は銃を選ぶ、このレオナルドの言葉に、ペンの強さを知ってるからこそあえてって言う覚悟が見えた瞬間に感じた。

    話の中でユリア、テッサ、アーロウとリーアンの戯曲の話があるたびに涙が出そうになった。みんなが今までやってきたことは無駄じゃないんだなーってなんか懐かしくなった。

    読んでる最中思ったこと、エールデの存在は完全に忘れてた。確かにあの時からそのままだったと気づいて鳥肌がたった。エールデのそばにいたカラスはトリスタンじゃなかったのかなとか思ったり、、

    読み終わった時

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    2025年09月10日
  • レーエンデ国物語 夜明け前

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    ネタバレ

    革命はレーエンデの民たちが団結しないと起こせない。けれど支配されることに慣れた彼らは、理不尽な圧政にも蜂起するどころか、諦観してますます従順になる。
    ならば心を捨てて、徹底的にレーエンデを地獄に落とすことで革命の火種を起こそうとした皇女と、そんな彼女の意をくんで『英雄』を引き受けた兄の物語。
    トリスタンの登場にめちゃくちゃ興奮した。そうだよね、ずっとエールデのそばにいるって言ってたもんね。過去作の主人公が介入してくる展開ってなんでこうも熱いんだろう。それはそれとしてエドアルドおまえ……

    ラスサビ前くらい盛り上がってる。三百年かけて受け継がれてきた意志が、ようやく実を結ぶのだろう。次が最終回か

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    2025年09月08日
  • レーエンデ国物語 喝采か沈黙か

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     レーエンデ国シリーズ。第3部。読み進める度に評価が上がって来た。リーアンとアーロウ、双子の兄弟が共に目指し、運命を別つ。
     レーエンデはテッサの思いが実を結ぶことなく沈黙の時代を迎えていた。自分の生活を守ることで精一杯で、革命の声も聞こえないものとしていた。
     レーエンデが本物の自由を得るためには皆で立ち上がらなければならないのに。

     ファンタジーであるが、物語が訴えるものは、まさに今の社会に通じていると感じた。
     自分が平和に過ごせればそれでいいと思っていないか?見てみぬふりをしていないか?助けを求めている人がいるよね?
     読んでいるうちに自分の無力さと臆病さ、行動力のなさに自己嫌悪にな

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    2025年09月06日
  • レーエンデ国物語 喝采か沈黙か

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    毎回違う時代、登場人物へと移り変わって進んでいくこのシリーズ改めてものすごく面白いし好き。
    リーアンをいまいち掴みきれていないアーロウの心情や思考を読んでいく時はもどかしさを感じた。そこもすごくよかった!

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    2025年09月06日
  • レーエンデ国物語 月と太陽

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    ネタバレ

    手に取った時、本の分厚さに喜びが溢れた。

    ラストのテッサとルーチェのシーンが深く心に刻まれてしまって忘れられない。号泣した。

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    2025年09月06日
  • レーエンデ国物語 夜明け前

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    ネタバレ

    レーエンデに自由を!

    だんだんと機械化が進むレーエンデ。列車が走り、新聞が配られる。という姿にファンタジーの要素が少しづつ薄れ、現代へと歴史が走っているという実感が湧きました。

    ルクレツィアがしんどい。
    彼女は頭が良すぎた。だから、どうすればレーエンデのためになるかわかっていた。だからあえて魔女になるしかなかった。わかっているけど、あの幸せな彼女の日々に祝福が欲しい。
    最後のページでボロ泣きした。全てわかってたんだね。

    あとついに出てきた神子。ちょっとびっくりした。

    早くレーエンデがどうなるか知りたい。続きでたら読みます。

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    2025年09月06日
  • レーエンデ国物語 夜明け前

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    ネタバレ

    レーエンデを巡る、自由と抑圧、そして革命のお話。
    武力、芸術、の次は「情報」による革命を目指す辺りは、現実世界に類似するところがある気がした。無血の革命なんてほとんど存在しないけど、やっぱり今回も呼んでいて苦しくなる瞬間。

    夜明け前が一番暗い。
    確かにどんなに絶望的な状況でも、ひとは自分より酷い状況の人があれば、「あれよりはマシ」「逆らって、ああなってはいけない」と思う。だから犠牲法で人々を立ち上がらせようとしたルーチェの試みは「ウル族への圧政」「娼館保護法」によって叶うことは無かったのだなと、今更ながら思った。
    戦は人を変えるとかよく言うけど、このシリーズでは、テッサたちよりステファノが体

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    2025年09月04日
  • レーエンデ国物語 夜明け前

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    夜明け前までたどり着いてしまった。
    登場人物たちとこれまで苦しい旅をしてきた。
    まだか、まだかと、それぞれの正義や覚悟をみてきた。
    過去の人物の真意がここでわかることもあり、革命を起こす、自由を手にする難しさを改めて感じさせる。

    お互い想い合う兄妹だからこそ成し遂げられた、ある意味のハッピーエンド。
    17年後の革命の話が読みたい。

    立ち上がらない人々は日本の情勢にも繋がるような気がして恐ろしい。

    -よく言うでしょう?
    『夜明け前が一番暗い』って。
    夜の闇が暗ければ暗いほど、黎明の星は眩しく輝くのよ

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    2025年08月30日
  • レーエンデ国物語 月と太陽

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    ネタバレ

    革命は失敗すれば悲惨だし、成功しても安定した統治ができるまで荒れて混沌とすることも多い。

    今回も本当に苦しかった。
    闘いの中で強く結びついた、命を預け合った仲間を櫛の歯が欠けるように失うさまは胸を突いた。革命の失敗は首謀者テッサの死を意味する。追い詰められる。
    それでもテッサが自分を失わず命を全うしたことだけが、読み進める力になった。悲劇ではあったが間違いなく英雄だった。

    しかし、民衆が立ち上がるまであと一つ届かなかった。ルーチェの言う通り、憎しみが絶望があと少し足りなかった。みんなが大局をみて英雄にはなれない。
    ルーチェが残虐な法皇帝になったのは、法王庁への憎しみを醸成させるため、
    次の

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    2025年08月29日
  • レーエンデ国物語 喝采か沈黙か

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    一、二巻の大冒険とは違って、徹底して双子の物語だった。三人称だけど、実質ずっとアーロウ視点。おかげでアーロウへの感情移入がすごい。稀代の天才たる兄への愛憎が、見苦しくて美しくて大変よかった。あの結末も、予期していたとはいえ、納得と満足感があった。これまでみたいにレーエンデという幻想的な世界をもっと冒険してほしい、難題に立ち向かう展開がほしい、そんな気持ちもわいたけれど、この作品だけちょっと例外な立ち位置なんじゃないかとも思った。壮大な物語の小休憩に、二時間ほどの演劇を観たような、よい読書時間でした。

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    2025年08月29日
  • レーエンデ国物語

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    読後、しばらくトリスタンに囚われた。
    幻想的な風景だけでなく、場面の一つ一つが目に浮かぶようなロマンティックな描写だった。だからこそセリフの現代っぽさがちぐはぐな印象だったけれど、読むうちに慣れた。トリスタン……かっこいいよ……間違いなく君はヒーローだ……

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    2025年08月28日