良いですよーコレ! と、何はともあれ、まずオススメの言葉をお送りします!
少女と騎士の話から始まる儚くも美しい幻想譚。全3巻+外伝という構成ですが、本当に読んで良かったと感じる作品でした。複数の視点で構成されるストーリーは、それぞれの登場人物が歩んだ夢と想いを描きつつ、最終章へ収束していくこととなります。どのエピソードも胸にジンとくる描写に溢れ、しかもテンポよく進んでいくのでページを捲る手が本当に止まらない……おかげで帰宅中の電車で何度か降り損ねてしまいました。初めて本作を手に取る方はとってもラッキー!発売日を待たず一気に完結まで読めるのですから!
著者のデビュー作『煌夜祭』も非常に心に残る傑作でしたが、『夢の上』ではボリュームが更にアップ、より長くじっくりと楽しむ事ができます。悲劇や理不尽な状況に置かれながらも懸命に前へ進む人々の意志や心の動き、そういった描写が本当に巧い。本作はその真骨頂と言えるでしょう。絶対に読んで損はありません!カートボタン、どうぞ!
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Posted by ブクログ
最終巻は二人の王子の物語。光と闇、どちらも切なく儚くて、シリーズ中で特に読み進めるのが辛かったです。 「夢の上」このタイトルの意味がわかった時には、思わず涙ぐんでしまいました。 緻密に練られた設定と駆けるような文章に圧倒され、驚かされた、素敵な物語でした。
Posted by ブクログ
3巻全部読み終わってみると
良いシリーズ作品ではあったけど、
ちょっと勿体なかったなと思う気持ちもある。
別の視点での繰り返しが3巻まで続くのは
さすがにきつすぎるというのが1点。
ハウファ、アライス、ツェドカの3人の視点は
必要だとしても、ダカールはいらなかったと思う。
別の人物の話だけど、人間関係が同じ絵図なので
繰り返しがさらにキツく感じたのがもう1点。
多くの章の背骨になっている構図が
光にあたる人物と影にあたる人物がセットとして物語られ
夢を追う主人と、愛もしくは忠誠心に従って
主人の夢に自分のすべてを捧げる従者(ほとんど影使い)の
組み合わせが延々続く。
光:アライス⇔影:オープ夫妻&ダカール&ツェドカ
光:ハウファ⇔影:アルティヤ
光:ツェドカ⇔影:サフラ
光:イズガータ⇔影:アーディン
神の視点、光と影というのが作者の書きたいテーマなのは
理解しつつも、意図を強調しすぎてくどさが抜け切らなかった。
Posted by ブクログ
良かった!面白かった!!
1つ1つの話がラストに向け繋がっていく様子。登場人物たちのそれぞれの想いの深さ。しっかりと創り込まれた世界観と確かな文章力。続きが気になってどんどん読み進めてしまった。文章量の多さもまったく苦ではなかった。むしろ、あそこまで書き込まれた内容の深さに感動した。
最終巻は光輝晶と闇輝晶。アライスとツェドカの話。
アライスの輝きと優しさ、そして弱さとそれでも強くあろうとする心。読みながらアライスに話を聞く歴史学者は彼なんだろうと思っていたらやはりそうだった。2人は運命に導かれた存在だったのだろう。どちらが欠けても世界は救えなかった。
ツェドカの話は特に切なかった。ハウファへの想い、そして何よりアライスへの強い憧れ。舞台はアライスと違えども彼も戦っていた。1人戦う彼の孤独を癒したのはサファルだった。彼がツェドカの側にいたからこそ、ツェドカも最後まで戦えたのだと思う。サファルにとってもツェドカは何よりも大切な存在になっていたからツェドカの想いをアライスに伝えたかったのだと思う。ツェドカとサファルの関係もすごく良かった。
最終巻まで読んで良い作品に巡り会えたと思った。多崎礼という作家を知れたことは読書の楽しみを増やしてくれたと思う。他の作品もぜひ読んでみたい。
Posted by ブクログ
壮大で重厚な物語、完結。
素晴らしいです。感動して泣きました。
こんなに素晴らしいファンタジー小説があるなんて!
多崎礼さんを知ることができて良かった、と心から思いました。
Posted by ブクログ
徐々に厚くなる本
それを感じないほど物語へ徐々にのめり込んでいきました
すべてはここにつながっていたんだな
いろんな人の愛と強い思いが、大きな幸せへとつながっていった
きれいなハッピーエンドで、絵にかいたような幸せが続いていくのを
想像させる本でした。
う~ん。爽快!
Posted by ブクログ
壮大なお話だった。一つのお話をメインキャストそれぞれの視点から書き下す。しかも、矛盾しない。すげー。
ツェドカ殿下の働きを誰も知らないっていうのは漢すぎる。
Posted by ブクログ
選んだのはぜんぜん違うときなのに似たようなことを思う本が続きやすい。アライスとツェドカ、双子のようにそっくりな二人が仲良かった部分が大好きで、最後までずれることなくそのままであって欲しかった。アライスが子供の頃に言った言葉のように、アライスとツェドカが二人で国を治めてほしかったな。
Posted by ブクログ
明日への一歩を踏み出すための力を与えてくれる、素晴らしい物語でした。
この先どんな困難が待ち構えていようとも、自分の信ずる夢を胸に抱いて歩いてゆこうじゃありませんか。
たった一度きりの、あなたの人生なのですから。
Posted by ブクログ
最高だった(´ー`)
次回作も超期待!
群像劇として様々な視点からの物語を
一つのエンディングに収束させていくのが本当にすごい。
視点を変えて同じシーンが多々あっても全然苦にならないし。
Posted by ブクログ
ある王女を中心に、周りの人たちが王女に託す”夢”の話でした。王女は周りの夢の上に立ち、希望になり、進むことしか許されませんでした。王女自身は光となって進んでいますが、周りの人は倒れていく。。まさに俺を置いて先に行け状態。。やりきれなさと、夢を叶えた達成感が混ざり合う複雑なラストでした。これぞ多崎さんの話だな〜〜と充実感もありました笑
Posted by ブクログ
二人の王子の物語をもって暗黒の歴史が終焉し、新しい時代が始まった。
タイトルの「夢の上」の意味も判明して、余韻を感じるラストだった。
ただ構成の都合とはいえ、同じ流れを何度も読むことになるので、ストーリーのスピード感を求める人には読みづらいかもしれない。
Posted by ブクログ
人は夢をみる。未来を想う。もがき、苦しむ。それでも
歩いていこう。ーーー
物語の裏の裏、人と人の繋がりの裏。王が歩きだした夢の先が、夢から覚めた瞬間なのだなあ。王になるまでの物語で、きっここの先物語にしたら蛇足になるのかもしれないけど、この先の王とキャラクターたちの歩みも読んでみたいと思った。
Posted by ブクログ
最初の方、なんのこっちゃと思ってたことがだんだん明かされていくこの感じがたまらない。
間空いて読んでしまったので、また1巻から読み返したいくらい全部が繋がってる。そしてどれもあったかいのに切ない…。
なにより、ケナファ大将軍かっこよすぎるー!!!がっくり。
Posted by ブクログ
ようやく、長い物語が終了し、最初と最後で語っているのが誰なのか
『夢』を売っていたのが誰かのか、その謎が明かされます。
そして3巻全部をこうしてみてみれば、王座に座った人物が
うっすらと見えてきています。
芸が細かい…。
目指す所はただひとつだった、双方。
己の目指す所にひたむきに走った彼ら。
容赦なく、と言っていいのでしょうか?
己の『力』全てを出し切っています。
しかし、全体で見てもすごいです。
誰がどの時間、どこで何をして、どう発言したか。
記憶が刺激される、というのはもちろんの事
だからあそこに繋がるのか、という…一種パズル?w
しかも、まさかあそこにいた『彼』が、だなんて。
ちょっと、彼と彼女がこれから先どうするのか
どうなるのか…気になります。
Posted by ブクログ
素晴らしかった。
ひとつの出来事をいくつもの視点で読み進めていくんだけど、誰視点の物語かによってひとつの事象がいろんな側面を持って迫ってくる話。
本当の王とは誰(どちら)だったのか?ということは言えなくて、ツェドカとアライス二人がいたからこそ世界を変えられたのだということだと思う。
いろんな犠牲を払って、それぞれの想いが夢の上に・・・
Posted by ブクログ
夢売りの正体、夜の王の正体、夢の上というタイトルの意味、全てにけりをつけて素晴らしい着地点の良い物語を読ませてもらった。この三部作をファンタジーというだけで読まない人は後悔するに違いないと思うし、読んで面白さのわからない人とは友達になれないと思う。
Posted by ブクログ
夢を見ていたのは彼女だったの!! 本当の立役者は彼!!と驚きの展開でした。同じ場面を違う人の視点で見ているから、最初に読んだ場面より、すでに知っている別視点のシーンは物足りない感があったけど、並列した話が一つの本当の最後にまとまって、やっと胸をなでおろしました。
Posted by ブクログ
【収録作品】光輝晶/闇輝晶
夢を託せる者の幸せ、託された者の覚悟。三作六つの物語は、同じできごとを複数の関係者の視点から描いたもの。同じ場面が繰り返し描かれるが、そこにいた一人一人の思いがそれぞれの物語の中で語られることで、夢が「彼女」に託されていく重さが感じられる。