西加奈子のレビュー一覧
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常に周りの目が気になって、素直になれなかったり、思い詰めてしまうことはすごく良くわかる。特に1人の時はそうで、頭の中でぐるぐる考えて、マイナスから抜け出せなくなって、気づいたら暗闇の中から抜け出せなくなってる。
なんでこんな性格なんだろう、なんでこんなに生きづらいんだろうって、何も気にせず生きてそうな人を横目に、自分のことが好きじゃなくなって、他人をただ羨ましがってしまう時がある。
でも、この小説を読んで、そういう自分みたいな人間を客観的に見ると、案外、なんだか愛おしいのかもとも思った。
繊細で、周りを気遣えて、人をよく見てる。愛される箇所がたくさんある。
「私が誰かを美しいと思う時、私も誰 -
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満場一致 うちの家族は妻も母も父も姉も弟もみなよく本を読む。実家に帰った時に面白い本を言い合ったが、この本もみんな読んでいた。でも、家族の個性は小説の登場人物の個性ほどではない。あまりにかけ離れた世界でもないけど、すぐそこにはない世界。内面の世界は小説と現実がうまく重なっていると思った。外国に住んだことはないが、旅先でも誰かと友だちになって別れ際に「サラバ」と話してみたい。あと、表装が好きだ。タイル状の模様、Sybillaのような色調が世界観にマッチしている。
「僕はこの世界に、左足から登場した。」
主人公はイランのテヘランの病院で生まれ、破天荒な姉や幸せを願う母、朴訥な父と共に暮らす。イラ -
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この先が気になる
上巻でやめるつもりだったが、その巻末がとんでもない最後で
先が気になる。家族がうまくいってないことはわかるが、
うまくいっているところもあって、よくないところも
他人事と思って面白くその推移を見ていた。
海外勤務の親の子供たちの様子、それもこの家族に
特有のことも多い。異国の様子が興味深いし、
人と人の結びつきや、成長や変化の様子が
興味深かった。宗教もだんだんといろいろに
その姿を現してきた。これからどうなるのだろうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「うるさいぼけ。」
乱暴な言葉が口グセのこっこ(琴子)は小学3年生。
でも、3つ子の姉たちや、両親、祖父母、担任などからはとても愛され、理解もされている。
いつも一緒に遊ぶのは、向かいの棟に住んでいる、ぼっさん。
こっこが少し変わっているのは、カッコイイと感じるもの。
・ぼっさんの吃音の喋り方
・香田めぐみが付けてきた眼帯
・その眼帯のめぐみが「体育を見学する」こと
・学級会の途中でパニックで倒れた朴君のその「パニック」などなど•••。
カッコイイから、憧れるから、こっこは、眼帯や吃音やパニックをマネしてみたくなる。
でも、「マネされる側の気持ち」を本人たちの口から直接聞くことに -
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『第1回親子で読んでほしい絵本大賞、大賞受賞作』
この絵本は、向田邦子さんの、「字のない葉書」(『眠る盃』所収、1979年、講談社)を原作としており、文を書かれた角田光代さんも語っているように、原作が戦争時代の向田さんの家族との思い出を綴ったエッセイということは、日常生活で起こった現実の話ということになる。
また、原作があるものを絵本にした意義として、普段活字をあまり読まない方や、まだ読むことに慣れていない方といった、より広い層の人達に手に取っていただけることと、絵本の利点の一つである、無駄のない必要最小限かつ明瞭な文体と、それを補填してくれる絵が合わさることで、絵本ならではのジワジワ -
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ドッペルゲンガー
ホラ-絡みで語られることが多いドッペルゲンガーを成長記録の中にたくまずに入り込ませている技法がとても優れている。テーマから想定される、おどろおどろしい語り口ではなく、平易で日常会話的な語り口なのでとても読みやすい。
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