西加奈子のレビュー一覧

  • きいろいゾウ
    最初の一文から、すでに「きいろいゾウ」の世界観に惹き込まれる感じ。みるみるうちにハマってしまった。ツマとムコさんの日常、それぞれの秘密、すれ違い。さらっと読めてしまう文章の割に、綺麗で、寂しくて、心に響く不思議な物語だった。
  • i

    言葉がとても確信的で強い。そのことが「小説」という表現方法にとって良いことかどうか解らないけれど、作者にとって必然だったことは、それこそとても強く伝わってきた。

    直木賞を受賞した「サラバ!」同様、この作者の描く友情の在り方がとても好きだ。
  • 字のないはがき
    戦時中の向田邦子さん家族を描いた絵本。
    向田さんの一番小さい妹も疎開することになり、お父さんは「元気な日はマルを書いて、毎日1枚ずつポストに入れなさい」と葉書を渡します。 この時期になると、手に取る一冊です。
  • サラバ! 中
    この本、今の日本で問題になってること考える上でめちゃくちゃ重要な話題取り扱ってるよ(宗教と、それに対する批判)
    やっぱオウムの問題から宗教に対する嫌悪感って蔓延ってるんだろう
    苦しさをから救われたいために縋っているだけなのに。
    宗教を考える、学ぶ前に信仰と、縋るっていう行為について考えねば
  • サムのこと 猿に会う
    おもしろかった!サラバより好きかも。
    この人の文章は純文学だよなあと思う。なんとも味わいがある。

    サムのこともおもしろいが、猿に会うが好き。
    二十代のイケてない女性3人組。3人ともなんとも愛らしい。支えあっているというか慰めあっている3人。やさしい空気がたまらない。
    実写化してもおもしろそうと思っ...続きを読む
  • 舞台
    西加奈子さんの作品を読んだことがなく、初めてこの本で触れました。めちゃめちゃ好みな作品で感動しました…笑
    主人公は28歳(くらい?)で、太宰治の小説が大好きな社会人なんですよね…笑
    ここがこの作品の肝だなと思っていて、主人公の考えが絶妙にダサいんですよね…。それに本人も薄々気付いていて、でも周りに対...続きを読む
  • サラバ! 中
    どんどん引き込まれる。上で描かれた非日常に比べて中はどこにでもいそうな思春期の男の子の話になり、それが一層この家族の異様さを際立たせているように感じた。下ではどうなっていくのだろう?はやく読みたい!
  • しずく
    西加奈子の短編集
    ランドセル・灰皿・木蓮・影・しずく・シャワーキャップ
    少し前に読んだ作品なので、短編集はいつも中身を忘れてしまうけど、タイトルだけで思い出せるような強烈な作品ばかりだった。
    面倒くさがりな自分がもう一度読みたいと思える稀有な短編集。
    この人はやっぱりセンスの塊だ
  • しずく
    女ふたりが出てくる短編集。西加奈子の描く母娘はあったかくて泣けるので、最後に「シャワーキャップ」を持ってきてあるのも納得。表題作「しずく」とともに、胸がじわっとあたたかくなるような幸せな読後感がある。「影」は周囲からの見られ方と本当の自分自身とのギャップに悩む一番西加奈子らしい話だなって思った。ちょ...続きを読む
  • 窓の魚(新潮文庫)
    登場人物みんな不安定で、文章も抽象的なんだけど、その不安定さが絶妙なバランスで胸に残る。
    相対的にはハルナ・トウヤマのほうがナツ・アキオよりもまとも
    猫は死の象徴で、4人とも声は聞くが姿を見たのはあの女性だけ。
    窓の魚は、内風呂の鯉、内に捉われた存在で外の人を視認はできても触れてまじあうことはできな...続きを読む
  • サラバ 上・中・下巻 合本版

    ひとつになる瞬間

    僕は「サラバ」を読んで、生きる希望を見出し、今この瞬間を生きようと、自分という存在を認め、愛し、一歩踏み出そうと思えました。
  • 字のないはがき
    字のないはがきの話は以前読んだことがありましたが今回もなみだが出てきましたね。向田邦子さんが亡くなって、もう40年以上も経つのですね。森繁久彌さんや黒柳徹子さんとのかかわりはテレビや書物でいろんなことを見聞きしましたが、懐かしく思い出しました。
  • i

    読むタイミングによって印象がとても変わりそう。自分自身、恵まれていることに罪悪感を持っていた時に出会ったから、とても響いた。

    2023/10
    改めて読んでも響く。
  • しずく
    とてもいいです。

    生きていくと、辛いこともあるよね。
    でもなんとかなるさ。

    それでもいろんなことあるよね。

    奥が深くて一言では言えないけれど、西さんの小説にはいつも驚かされます。
    もっといろいろ読んでみたいです(サラバ!も買いました。近いうちに。。。)。

    同時に読もうと思って買っていた、映画...続きを読む
  • サムのこと 猿に会う
    『猿に会う』野暮ったい3人娘の話がめちゃくちゃ気に入りました。10代の田舎娘のような子達だけど、全員20代半ばっていうのが、ゆるやかな闇が差し迫ってる感じで渋い。。社会の隅っこをお互い励まし合いながらささやかに生きているんだけど、美しい人や圧倒的な存在感を放つ人には、それだけで根拠なく影響を受けてし...続きを読む
  • 字のないはがき
    原作・向田邦子さん、文・角田光代さん、絵・西加奈子さんという豪華な顔ぶれの絵本が出たと知ったときから手に取りたかった一冊。
    ストーリーは知っていましたが、どんな絵になるのか、装丁になるのか興味しんしんでした。
    西さんの絵が温かみがあってしみじみ佳いです。

    厳しくて怖いお父さんが、小さなかぼちゃを取...続きを読む
  • ふる
    忘れんといてな。

    今読んでよかった。もっと積極的に生きようと思った。周りの人に与えられたもの、人は影響しあって生きていくこと、忘れたくない。

    私の一方的な決めつけは嫌ですか、でもあなたのことが好きです。私たち同じ女じゃないですか。
  • サムのこと 猿に会う
    いろいろな人間関係が描かれていて、面白かったです! 少しミステリーの要素もあるので、好きな方にはおすすめです!
  • 字のないはがき
    戦争時代の向田さん家族の話。普段、家族の前では弱いところを見せないお父さんが妹の無事をとても心配されていて「おうおう」と泣かれた場面に、読んでいる私も涙が出ました。戦争が終わってからその葉書の事は思い出される事はなかったのですね。思い出したくない辛い日々だったのだと思います。戦争は嫌ですね。
  • ご本、出しときますね?
    読んだことのない作家も出てくるけど、それでも面白い。もちろん読んだことのある作家ならなおさら。コンビニ人間の村田沙耶香さんって変わった人。ある意味コンビニ人間の主人公みたい。