西加奈子のレビュー一覧

  • きりこについて

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    ネタバレ

    面白かったです。ラムセス2世の視点から見た人間社会の物悲しさのようなものが、軽やかに描写された作品でした。猫の世界が、本当にこの本のような世界であったら良いなと思いました。

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    2024年11月23日
  • ふくわらい

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    ネタバレ

    登場人物が変人だらけ。話の展開もこれまで見たこともないような内容で先が全く読めなかった。
    グロい内容や下ネタもバンバン出てくるし爽やかな一冊とはとても言えないけど、だからこそキャラクター達が終盤に見せる表情に純粋さを感じた。

    定は無感情で淡々としているキャラクターなんだろうと思っていた。
    でも本当は父親が死んだ時の心の揺らぎを抑え込んでおり蓋を開ける場所を探していたのかなと感じた。読者視点で一定の距離感で眺めていた主人公だが嘔吐したあたりから一気に人間味が増してぐっと感情移入できた。

    福笑いで使う顔のパーツについてもここに結びついていたのかと驚いた。

    個人的な話になるが、私は今好きな事を

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    2024年11月22日
  • わたしに会いたい

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    受容と、それでもわたしはわたしでありたい
    そんな叫びの本
    マインドフルネスとかカッコいい言葉でも表現できるんだろうけど、それよりもっと人が持っているレジリエンスに肉薄した1冊
    「この本読んでるんですよ」と人に言うための本ではなく、脈打つ動脈のような自分のための本

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    2024年11月03日
  • きいろいゾウ

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    登場人物みんながあらゆる形の愛を持っていて、あらゆるやり方で大好きな人を愛してる。それがほんまにあったかくて大好きな本。

    これが愛、愛といえばこれなんてことは無くて、他人から見れば愛がないように見える二人にもそこにはその人なりの、その二人なりの愛があるわけで。自分が彼女にあげられる愛はなんやろなぁ、彼女がくれる愛はどんな形なんやろなぁなんて考えさせられる。
    孤独で辛くなった時に助けてくれる僕の宝物。

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    2024年11月02日
  • 字のないはがき

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    小学校4年生くらいから大人まで
    向田邦子さんのエッセイ集『眠る盃』にあるエッセイを 角田光代さんが子供にも理解しやすいように書き直したもので、西加奈子さんがクレヨンで絵を描いていらっしゃいます。どちらも感情に流されることなく 真実だけを書いてあり まっすぐに心に届きました。

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    2024年10月07日
  • 通天閣

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    私も生まれ育ちは大阪ですが、『通天閣』のあるミナミとは縁がなかったために、すこし怖い印象だった新世界。そこで生きる何者でもない、むしろ底辺と蔑まれそうな人々が生きていることが克明に描かれているお話です。
    決してきらきら輝くような人生でなくても、価値がなくても、「誰もが生きてていいんや」と、読み終わった後にじんわりと感動しました。

    東京タワーやスカイツリー、あべのハルカスにはもうとっくに登ったことがあるというのに、大阪出身のくせして通天閣にはまだ登ったことがなかったので、今度登ってみたいと思います。

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    2024年10月05日
  • おまじない

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    8個の短編集。どの話も「おまじない」の言葉をもたらす人たちがいわゆる「おじさん」と呼ばれる人たちであるのがとても面白かった。

    孫係の内面まで理想形にしようとするから苦しくなる。妻でなく「妻係」、良き隣人ではなく「隣人係」。当番だと思えばいいのだ。立派な人間になろうとしなくていい。肩の力を抜いて、表面だけ、「係の者」として生きて行こうと思うというのがとても心に刺さった。

    さらっと読めるのに考えるポイントが多くすごく深い本。個人的には孫係の他にあねごも好きだった。

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    2024年09月18日
  • こうふく あかの

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    ダヴィンチで新日の語りを読んでいて好きなのは知っている。目に浮かぶ描写に解説に本当に好きなんだな、あと同時進行でみどりを描いてることも、両方がより引き立つ結果になったんだなぁと思った。アムンゼンが誰かは最初で予想しようとしたが結果ラストまで分からず、声が出たから、国子の子供かい、途中で両親は離婚とあるのでそうなんだね、あの男は自分を演じた小心者の釜瓦なんだ。サラバも長編だが読み応えある

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    2024年09月17日
  • 白いしるし(新潮文庫)

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    主人公が惹かれていく描写が良かった。
    こんなふうに他人を好きになってみたいと思ったし、なんだか自分には刺さる作品だった。

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    2025年09月24日
  • 舞台

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    強烈な自意識と恥を内側から描いた作品。
    相手の感情や期待をオートマティックに感じ取り、多かれ少なかれ応えて(演じて)生きている。
    私たちは外側から見る目を磨かざるを得ない。演じる力は生存戦略。
    その高すぎるアンテナは亡霊をみせる。
    心の襞は豊かさであり、生きづらさそのもの。
    狂気のふちで、父に対するわだかまりが解けていく描写は秀逸。

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    2024年09月14日
  • おまじない

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    西加奈子さんの短編集。フェミニズム的なものをはじめとした社会構造による生きづらさに切り込みつつも、緩やかで現実的な折り合い、落としどころ、救いがあって良い読後感だった。
    各話、周りが変わったかというとそうでもないんだけど、でも周りを見る自分自身の眼差しが変わることで、世界の見え方や自分自身への認識が変わってくるような終わり方でよかったです。

    長濱ねるさんとの対談もすごく素敵だったなあ。
    長濱さん(20代)の「未来のことをすごく考えるんです。いまはまだ生きづらいけど、未来はきっと素晴らしいはずだって。」という言葉に40代の西さんが「ぜっったい素晴らしいよ、わたしが保証するし、保証したからにはそ

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    2024年09月05日
  • ふる

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    ネタバレ

    とくに全ての女性に読んでほしい一冊。通常グロテスクとされる「性器」をとおしてこんなにも心があったかくなるような物語があるんだな、と思った。
    「ふる」というタイトルがつけられた理由は最後の最後でわかります

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    2024年08月25日
  • 通天閣

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    良かった。
    自分が大学生の時読んだが、全然内容を覚えていなかったので20年近くたった今、再度読んでみた。
    たぶん当初読んだ時よりも感動した。
    社会人になって、色んな人や世界を見てからの方が沁みる物語だと思った。

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    2024年08月14日
  • ふくわらい

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    西加奈子さんの頭の中はほんとーにどうなっているのだろう?毎作品同じことを思う。命、身体が生々しく飛び出し引き込まれていく。西加奈子さんの紡ぎ出す言葉の世界は最高だ。

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    2024年07月31日
  • わたしの名店

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    読んで、めちゃくちゃ敷居が高いけど、銀座の久兵衛で江戸前鮨を食べてみたくなった。
    もうカウンターで食べても許される歳ではある(笑)

    佐賀には行ったことがないけれど、あの餃子食べてみたい!ゴローさんも食べたかな。

    澤村伊智さんが、コロナが明けたら真っ先に行きたいと言っていたお店、イラストの下に小さく閉店文字があって切なくなった。

    藤岡陽子さんのおばあちゃんとお姑さんの、キッチンゴンに出前を頼む時の言葉には、昼休みなのに涙がじんわり出てしまったよ。

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    2024年07月23日
  • わたしの名店

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    色んなエピソードと共に語られるそれぞれのわたしにとっての名店。読んでるだけでお腹が空いちゃう一編から、切なくて目頭が熱くなる一編、一緒に居心地の良い空間でくつろいでいる気持ちになれる一編…このページ数でここまで心を揺さぶってくるのはきっとわたしにも素敵なお店と出会った経験があるから。わたしにとってのいちばんの名店探しの旅はまだ続きそうです。

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    2024年07月04日
  • きりこについて

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    きりこはぶすで、パパとママはそんなきりこが大好きで、ラムセス2世は賢い猫で、すずこちゃんは美人で、ゆうだいくんはゲイで、元田さんは新興宗教の狂信者で、ちせちゃんはセックスが大好きで、さえちゃんはうつ病になった。ただそれだけ。どうってことない。とにかく、『世界は、肉球より、まるい!』

    「きりこは、きりことして生まれて、好きな服を着て、自分のことが、自分の体が、顔が、大好きだった。誰がそれを、そのことを、間違ってる、おかしいと、言うことが出来るのだろうか。」

    きりこはじぶんの可愛いを人に押し付けたりしなかった。あとから、人の可愛いをじぶんに押し付けないつよさも手にいれた。きりこの、すべてが、き

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    2024年07月03日
  • ふくわらい

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    簡単に言うとクールな人が、いろんな人との関わりを通して心を豊かにしていく、というありふれた話、、、なのですがその設定や登場人物がとにかく特異で超現実的。そんな描写いるか!?と思うこともありましたが、この設定で、みんな個性的すぎる人ばかりだからこそ、他の物語にはない心がほっとする読後感がありました。定の成長?発達?がなんだかとてもうれしかったです。

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    2024年07月02日
  • きりこについて

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    見た目も中身もどちらもひっくるめて自分なんだときりこが気づき、認める話
    本質はその人の在り方次第ということだけど、よくある中身だけが大事なんだっていう話し方になっていないのが良かった
    今の自分には結構刺さったかも

    ちせちゃんのあけすけに見えて、自分の軸を持っているところが好きだった

    話しぶりが軽妙なのであまり重みを感じずに読み進められる

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    2024年06月23日
  • ご本、出しときますね?

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    出てくる作家さんが、すごく豪華!
    性格の悪さもさらしていて、楽しかった。
    最後の光浦靖子と尾崎世界観との鼎談が一番笑った。

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    2024年06月18日