西加奈子のレビュー一覧

  • きいろいゾウ
    ファンタスティックなラブストーリー。
    ツマとムコのような相手に出会えたなら幸せだろうなー。
    自分がいまここで生きていることやこの世界が、愛おしくなる、そんな作品です。
  • うつくしい人
    本当は”ああいうじぶん“になりたかったのに。
    目の前にいる心の底ではなりたかったひとと、そうなってしまったら崩れてしまうじぶんとの葛藤。なりたかったひとを背伸びしてけなして、かろうじてじぶんを保つ。
    自分で不幸になれるひとは、自分で幸福にもなれると思うんです。まさに、とこころに刺さった。
  • おまじない
    「あねご」
    誰かに認められたい。誰かに”この自分“を認められたい。
    誰かにあなたは居てもいいんだよ。って言ってもらいたいから、苦しくてもこの自分を演じるけど。そんな自分を否定したくなる瞬間もある。
    枠にはまった自分を、たまには肯定してもいい。と思える話。
  • くもをさがす

    憧れる登場人物ばかりでした!

    (今はまだ)がんサバイバーではない私にも、置き換えられる感情やケースがあり、涙ぐみながら読むページもあれば、かっこよさで鳥肌が立つページもあり、かと思えば口角が自然と上がっているようなページもあり、読み終えた今、感情を整理することと、インプットしておきたいことで溢れています。
    とても愛と情を感じまし...続きを読む
  • ご本、出しときますね?
    オードリー若林さんと作家さんの対談のような感じで進むテレビ番組の書籍化。 作家さんってなかなか面白い人がたくさんいるものだなと感じられるし、心の中はちょっと黒い人が多いのかなと。 そして、意外と作家さん同士って交流あるものなんだなと。
  • おまじない
    大好きな西さんの本を久しぶりに読みました。
    どれもとても良かったけど、孫係に感情移入しすぎてまじでそれ、と思いすぎました。
    こんな老夫婦になりたいです。
    西さんの言葉はいつも私を安心させてくれます。
    私はいい子だと思ます。ありがとうございます。
  • 円卓
    「漁港の肉子ちゃん」で、独特の言葉のリズム感を持って大変面白いと感じ、筆者の本を幾つか読んでいる。この作品は、そのリズム感が更に強い。リズムの中に心象風景や状況が織り込まれていて、とても気持ち良く読める。ラストがとても斬新で、象徴的だった。良い読後感。
  • 窓の魚(新潮文庫)
    初めて読んだのはまだ制服着てた記憶があるから、たぶん中学生か高校生のとき。
    やっと登場人物と同じくらいの年齢になって読んでみる20代後半になってみないとわからない価値観とか感受性とか羨望とか審美とかを携さえて読んだこの短編はもう溜息つきたくなるくらい綺麗だった。
    綺麗とか怖いとかって気持ちは便利な形...続きを読む
  • 字のないはがき
    戦時中の家族のお話。絵本なので短いけれど全員に感情移入できる。クレヨンで描かれている西加奈子さんの絵に迫力があり、当時の人たちの心を表しているようだった。
  • 夜が明ける
    貧困、虐待、母子家庭、ネグレスト…でも若さで「あんべたくまぁ!」と吹き飛ばす力があったのに、社会に出てからのパワハラ、血を吐くまでの労働、居場所を失う役者。ほんとに読んでて苦しくなった。
    でも夜が明けるんだと読み続けた。果たして…。

    ご多分に漏れず、アキ・マケライネンを検索してしまった。
    居なかっ...続きを読む
  • 円卓
    現時点で僕が読んだ西加奈子さんの作品の最高傑作は「サラバ!」で次点は「漁港の肉子ちゃん」ですが、読書が苦手な人でもサクッと読めてかつ西加奈子さん独特の世界観も楽しめるという観点で言えば、この「円卓」も西加奈子さんを代表する名作だと思います!

    帯によると、「世間の当然に立ち止まり、悩み考え成長する物...続きを読む
  • 円卓
    ちゃぶ台、的な意味での円卓。ナイツオブラウンド要素は一切ない(それを期待して手に取ったのは秘密である)。孤独に憧れる変わった小学三年生琴子とその家族(しかも大家族)と琴子を見守るクラスメートの話。

    悪気は決してないゆえに危なっかしい発言をする琴子。時には相手を傷つけてしまうのではないかと思われるこ...続きを読む
  • 窓の魚(新潮文庫)
    宿での同じ時間を、登場人物それぞれの視点から語っていく形式。同じ出来事なのに人間ごとに全く異なる感じ方をするものだな、と思い知らされました。
    登場人物はどこか少しずつ狂っていて、お互いに奇妙な感情によってつながっており、孤独でもある。あらすじには「恋」と書いてありますが違和感を覚えます。ただ「恋は下...続きを読む
  • サラバ! 上
    主人公は自分のことのように感じられた。

    自分はこの本に出会えてよかった。
    きっと自分の人生にとって、大きな糧になると思えた。

    自分は主人公と同じように、幼少のころから中学高校と、周りからたくさん愛されていたことに気付けた。
    きっと自分にも主人公と同じように、信じられるものを見つけられる日が来るだ...続きを読む
  • サラバ! 上
    すごく良かったです。
    上中下と3巻のものを読んだんですが、正直中巻の途中までは中々読み進めるのがしんどくて、実際上巻の途中で何度も置いてしまいました笑
    ただ下巻から西さんの本領というか「らしさ」がすごく出てきて一気に読み終えました。
    自分にしては珍しくもう一度下巻を読み直そうかなと思う作品でした。人...続きを読む
  • ご本、出しときますね?
    同名のテレビ番組の書籍版。対談番組なので普通の対談本として読める。内容は若林×小説家2人の対談。読んだことない人も多かったけどどの人も面白くてみんな読んでみたくなったし、小説家の皆さんのとがり方は自分とは違くて自分はやっぱ作家ではないな、とも思った。
  • 舞台
    恥をかいてもいいじゃないかと、あらためて私は
    感じました。この作品の主人公葉太は、恥をかくことを嫌っている。だからこそ恥をかいた時、わざと
    無かったように演じることで、自分の体面を守っている。そんな葉太は、死んだ父のお金で、ニューヨークに行った。初日にいきなり、パスポート、財布、スーツケースの鍵が入...続きを読む
  • ご本、出しときますね?
    面白すぎてあっという間に完読。
    物書きの皆さんは日々何を考えてるんだろうって気になって仕方なかったので、得にしかならない!と鼻息荒めで読んだ。
    勉強になったのは、森鴎外の行き着いた哲学が
    【諦め】ということ。
    対談されていた作家さんの本や、処方された本など読みたい本が増えたので何を読んだらいいかわか...続きを読む
  • 舞台
    刺さりすぎると読むのが苦しい。
    誰も見ていないのに舞台から降りられない、自分の自意識の過剰さを言語化されて苦しい。
    朝井リョウの「何者」を思い出した。

    曖昧な「正解」を求めていて、それを探し続けた結果「ありのまま」なんてなくなった。
    でも、それでいいんだよね、
  • 舞台
    誰もが抱える自分の中のゆるせないところや、恥ずかしいところ、どうしようもないところを、こんなにひけらかして、皆あるよね、こういうところ。っていってくれて嬉しい。生きていることの良さ悪さっていうか、あんなこと、そんなこと、明るいも暗いも、を経験すること、それが生きるってことなんだなぁと思いました。まる...続きを読む