西加奈子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ登場人物が変人だらけ。話の展開もこれまで見たこともないような内容で先が全く読めなかった。
グロい内容や下ネタもバンバン出てくるし爽やかな一冊とはとても言えないけど、だからこそキャラクター達が終盤に見せる表情に純粋さを感じた。
定は無感情で淡々としているキャラクターなんだろうと思っていた。
でも本当は父親が死んだ時の心の揺らぎを抑え込んでおり蓋を開ける場所を探していたのかなと感じた。読者視点で一定の距離感で眺めていた主人公だが嘔吐したあたりから一気に人間味が増してぐっと感情移入できた。
福笑いで使う顔のパーツについてもここに結びついていたのかと驚いた。
個人的な話になるが、私は今好きな事を -
Posted by ブクログ
西加奈子さんの短編集。フェミニズム的なものをはじめとした社会構造による生きづらさに切り込みつつも、緩やかで現実的な折り合い、落としどころ、救いがあって良い読後感だった。
各話、周りが変わったかというとそうでもないんだけど、でも周りを見る自分自身の眼差しが変わることで、世界の見え方や自分自身への認識が変わってくるような終わり方でよかったです。
長濱ねるさんとの対談もすごく素敵だったなあ。
長濱さん(20代)の「未来のことをすごく考えるんです。いまはまだ生きづらいけど、未来はきっと素晴らしいはずだって。」という言葉に40代の西さんが「ぜっったい素晴らしいよ、わたしが保証するし、保証したからにはそ -
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Posted by ブクログ
きりこはぶすで、パパとママはそんなきりこが大好きで、ラムセス2世は賢い猫で、すずこちゃんは美人で、ゆうだいくんはゲイで、元田さんは新興宗教の狂信者で、ちせちゃんはセックスが大好きで、さえちゃんはうつ病になった。ただそれだけ。どうってことない。とにかく、『世界は、肉球より、まるい!』
「きりこは、きりことして生まれて、好きな服を着て、自分のことが、自分の体が、顔が、大好きだった。誰がそれを、そのことを、間違ってる、おかしいと、言うことが出来るのだろうか。」
きりこはじぶんの可愛いを人に押し付けたりしなかった。あとから、人の可愛いをじぶんに押し付けないつよさも手にいれた。きりこの、すべてが、き -
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