舞台

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660円 (税込)

3pt

29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文に。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に……。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とは――。


太宰治『人間失格』を愛する29歳の葉太。初めての海外、ガイドブックを丸暗記してニューヨーク旅行に臨むが、初日の盗難で無一文になる。間抜けと哀れまれることに耐えられずあくまでも平然と振る舞おうとしたことで、旅は一日4ドルの極限生活に--。命がけで「自分」を獲得してゆく青年の格闘が胸を打つ傑作長編!

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舞台 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2024年01月20日

    最近考えていることとドンピシャだったので、ドキドキしながら読んだ。自分を「演じる」こと、悟られないようにすること、それを指摘された時の恥ずかしさ。共感できる部分がたくさんあって、小さい頃から今まで、いろんな場面で演じてきた自分を思い出した。「演じる」ことは自分が生きやすくするためでもあるけど、優しさ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年08月28日

    こんなに極端ではないにしても、自分が重なりすぎて正直読み進めるのを躊躇した。演じるのは後からすごく辛くなるんだけど、演じてる最中には演じてるって気づいてなくて止められない。

    文庫版の最後の対談がささる。普段たぶん多くの人が考えてることなんだろうけど、文字にされて読んでみると改めて認識できる。

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    Posted by ブクログ 2023年06月28日

    葉太の初日で全てを盗まれたニューヨーク旅行を通じて、葉太自身の心情やその変化が描かれている。

    なかなか人には見せられない嫌らしいところが鮮やかに描かれている。

    自分も葉太のような外面を気にしたり、他者を蔑む側面があったな、と感じた。

    この小説は、それでも自分を愛していいよと言ってくれている気が...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年11月03日

    刺さりすぎると読むのが苦しい。
    誰も見ていないのに舞台から降りられない、自分の自意識の過剰さを言語化されて苦しい。
    朝井リョウの「何者」を思い出した。

    曖昧な「正解」を求めていて、それを探し続けた結果「ありのまま」なんてなくなった。
    でも、それでいいんだよね、

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    Posted by ブクログ 2022年10月28日

    誰もが抱える自分の中のゆるせないところや、恥ずかしいところ、どうしようもないところを、こんなにひけらかして、皆あるよね、こういうところ。っていってくれて嬉しい。生きていることの良さ悪さっていうか、あんなこと、そんなこと、明るいも暗いも、を経験すること、それが生きるってことなんだなぁと思いました。まる...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年06月05日

    西加奈子さんの作品を読んだことがなく、初めてこの本で触れました。めちゃめちゃ好みな作品で感動しました…笑
    主人公は28歳(くらい?)で、太宰治の小説が大好きな社会人なんですよね…笑
    ここがこの作品の肝だなと思っていて、主人公の考えが絶妙にダサいんですよね…。それに本人も薄々気付いていて、でも周りに対...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2023年10月02日

    人はみんなになりたい自分を考えて、演じているということを考えさせられ、納得した。主人公がだんだん周りの目を気にせず、開放的になり、成長していくのを見て、自分も人の目を気にしてもしょうがないという気分になった。

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    Posted by ブクログ 2023年09月10日

    主人公の葉太の「平然を装いたい」「間抜けなミスを怖れる」感情は極端にも思えましたが自分にも存在するなと感じました。全ての人が自分を演じながら日々生きている、というのは事実そうだと思いますし「自分が一番ラクで居られる演技」が自然体に一番近いのかな、と本を読んで思いました。

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    Posted by ブクログ 2023年08月21日

    物語自体は、自分の経験や体験からは共感するものが少なく、派手な展開も少ないので、読み終わったときはフワっとしていました。巻末対談を読んで、ジワジワと、自分に浸透してくるものがありました。また1つ心持ちが分厚い何かで安定したような感じになったなと思います。

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    Posted by ブクログ 2023年08月01日

    あかん…!
    読みながら、自分のことかと思って共感性羞恥心が刺激されすぎた…
    初めてニューヨークを訪れた生粋の日本人なのにニューヨーカーを気取るところ、
    旅先で起きたトラブルを武勇伝をとして語るところ
    (しかも起きた直後にどう話そうかもう考えているところ)


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