西加奈子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めて読んだのはまだ制服着てた記憶があるから、たぶん中学生か高校生のとき。
やっと登場人物と同じくらいの年齢になって読んでみる20代後半になってみないとわからない価値観とか感受性とか羨望とか審美とかを携さえて読んだこの短編はもう溜息つきたくなるくらい綺麗だった。
綺麗とか怖いとかって気持ちは便利な形容詞って機能で表現してしまえるからこそぼやけてしまうこともあるけど、表情・空気・景色・温度・記憶・五感にまつわるありったけの表現を動員して非現実的な雰囲気を生々しく描ける西加奈子さんの表現力はもう読み切ったら頭の中全部持っていかれるくらい世界に没頭させてくれる興奮剤でもあるし鎮静剤みたいな力を持って -
Posted by ブクログ
ネタバレ以前窓の魚を読んで、別の作品を読んでみたいと思いなんとなく手に取りました。窓の魚を読んだ後にいろいろ調べたんですけど、窓の魚の方がこの作者にとっては珍しい作風だったようで、同じような雰囲気ではないことを覚悟して読みました。確かに窓の魚みたいに謎が多く残る感じではなかったのですが、人間の感情のえげつない部分を切り取るような核は同じように感じました。
抜粋したい文章がありすぎてきりがありません。一例に過ぎないんのですが、「くっ。というくぐもった声がしたから、父さんが笑っているのかと思ったけど、そちらから流れてくる風がほんのちょっぴり震えていたから、僕は目をつむったままでいた。」とか。つまり父親が -
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Posted by ブクログ
おもしろかった!サラバより好きかも。
この人の文章は純文学だよなあと思う。なんとも味わいがある。
サムのこともおもしろいが、猿に会うが好き。
二十代のイケてない女性3人組。3人ともなんとも愛らしい。支えあっているというか慰めあっている3人。やさしい空気がたまらない。
実写化してもおもしろそうと思ったら既になっているらしい。乃木坂が主演をつとめているとのこと。
いやいやそれは違うねんな。大阪に住んでいる3人組やし女芸人で作ったほうが原作に近くておもしろいて。
こういうモヤモヤって無くならないのやろなあ。
続編を読みたいけれども、作者の中では完結しているのかな。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ原作・向田邦子さん、文・角田光代さん、絵・西加奈子さんという豪華な顔ぶれの絵本が出たと知ったときから手に取りたかった一冊。
ストーリーは知っていましたが、どんな絵になるのか、装丁になるのか興味しんしんでした。
西さんの絵が温かみがあってしみじみ佳いです。
厳しくて怖いお父さんが、小さなかぼちゃを取ってしまったらいつもは怒るお父さんが、小さくなった小さな妹をだきしめて、おおんおおんと泣くシーンは何度読んでも涙が出ます。
悲しみややりきれなさ、戦争に対する理不尽さも込められた泣き声なのではないでしょうか。
読後、表紙の可憐なたんぽぽにまた涙が誘われてしまいます。
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