西加奈子のレビュー一覧

  • 円卓

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    物語に流れるわちゃわちゃした賑やかな雰囲気も、個性的な登場人物たちも、子どもならではの感性もどれも好きでした。

    「孤独」に憧れる小学3年生のこっこちゃん。
    同級生のぽっさん。
    家庭科部の部長に、精巧な刺繍をする姉・朋美。

    姉たちが、こっこちゃんが可愛くて可愛くてたまらないのがよくわかる。
    世の中のことを分からないなりに分かろうと考える、こっこちやんとぽっさんもいい。

    小学生ならではの、今思うと「何で?」って思うしょーもないことに憧れたり、色々不思議に思う気持ちが想像できてしまう。
    子どもがもつ豊かで奇抜な想像力や妙なあこがれが、楽しい!
    あぁ、もう愛しいなぁ。
    この頃の感性って独特で、尊

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    2025年03月29日
  • サラバ! 上

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    僕の幼少期を客観的に淡々と説明している様子が面白かったです。
    家族みんなのキャラが濃い!
    そんな中で唯一普通っぽい僕の生き抜く術が妙に納得で、分かる〜と共感しました。

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    2025年03月28日
  • わたしに会いたい

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    ネタバレ

    2作目「あなたの中から」
    1人の女性の半生を淡々と綴ってる作品なんだけど、なぜか本当に涙が出そうになった。
    女として消費され続け、自分の価値を自分で認められなかった人が、病気を通じて自分の価値を見つめ直す話。
    がん細胞の目線から話が展開するのがユニークだし、希望の見えるラストだったので読後がとても清々しかった。

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    2025年03月25日
  • サラバ! 中

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    小学校高学年~26歳

    思春期の気持ち悪さや痛さがよく描写されていた
    周りから逸脱することは怖いくせに同じであることは許さない気持ち、自分は普通ではないと信じてるくせに圧倒的にはなれないと卑下する気持ち、須玖みたいな人になりたいけどそう思っている時点で自分はなれないだろうなと思った

    物語の着地が気になる

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    2025年03月24日
  • サラバ! 上

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    圷歩の出生~小学校時代まで
    一貫して歩の一人称視点で描かれる

    西加奈子さんのプロフィールを見るに半自伝的な小説なのかな
    大人に褒められるために良い子を演じること、打算的な考えで負い目を感じて親友と疎遠気味になったこと、見覚えがある感情だった
    子供にとってのガソリンは注目をされること、まだ世界が自分中心の時期に無償の愛を注ぎたい
    歩に自己投影できる部分があった、大人にいい顔して、それで自分は周りと比べて大人だと思ってる、でも大人な行動を取るのが怖いずるい奴、以降の展開が楽しみ

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    2025年03月23日
  • うつくしい人

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    読み始めは結構重たく、正直辛かったが読み終えると主人公と共に気持ちがスッキリ前向きになりました。何か自分が停滞気味になったり、落ち込んだ時は旅に出るようにこの本をまた手に取ろうと思います。

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    2025年03月22日
  • ご本、出しときますね?

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    オードリーの若林と作家たちが対談し、”自分のルール”についてをメインに小説を書くにあたってのモチベーションや作品の映像化の話、小説には関係ない話まで色々と語る番組の書籍化。各回の最後にはオススメの本が紹介されています。それぞれのこだわりや持ち味が出ていて面白かったです。テレビで実際に話しているのを見たかったかな。

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    2025年03月21日
  • 地下の鳩

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    表題の「地下の鳩」は、過食の描写が面白い。破滅と創造との両極へ同時に向かうような心理が見え隠れする。もう一篇の「タイムカプセル」は、スピンオフ。オカマ文学として素晴らしい。連関してもいるし、独立してもいるが、通奏低音である大阪の夜の街の闇と光に圧倒された。

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    2025年03月19日
  • あおい

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    物凄く思春期というか、その年代がすごく詰まった小説。言葉や文章の表現がとても面白くて、話の内容よりもそっちに驚かされた印象。P7の「ハチミツみたいにとろりとした木陰」から掴まされて、今読み返してもよく分からないというか想像出来ない。でもその中でも自分が理解出来る文章を見つけると、自分にはない表現を貰えるのでとても面白かった。
    飾らない素直な主人公さっちゃんは魅力的で、色々と気付いたり本音を言うシーンが好き。最初はちょっとよく分からない子だと思ったけど、読んでいくうちに徐々に気になる子になっていった。自分が10代の時に出会いたかった1冊。

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    2025年03月19日
  • きりこについて

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    西加奈子さんの作品は大変好きです
    内面を見つめると言う深いお話
    自分と向き合えないまま諦めてしまう人生は本当に多く、その分周りの人達のことも理解できなくなってしまうんやな。
    今回はそばで支えてくれたラムセス2世や、賛同して、仲間になった人たち、感動しました。
    いつも最後泣いてしまいます。
    猫さまです。

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    2025年03月18日
  • おまじない

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    生きていく上で数多に散りばめられた決断には、悩みがつきもので。最後に決めるのは自分自身と分かりつつも、うまく筋道を立てられないのが人間というもの。

    過去が、家族が、プライドが、時間が、その思考を邪魔してくる。赴くままに委ねる勇気さえない。
    不安で堪らない、こうあるべきという常識、踏み外せない道筋。いつまでもそこに佇んでいる自分。


    正解なんてない人生の一コマを、どう進んでいくか、その答えはもちろん誰にも分からないし、邪魔なんてされたくない。

    このモヤモヤから脱却するには、自分を納得させるしかない。その材料として、過去や家族やプライドや時間を思いっきり使えばいい。


    世界でたったひとり取

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    2025年03月18日
  • 円卓

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    著者の描く女の子はいい意味で個性的で暴走的
    こどもたちが感じる小さな世界を
    私たち大人にも思い出させてくれる物語。

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    2025年03月16日
  • きいろいゾウ

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    ネタバレ

    前半はまったり仲良い夫婦とその周りの人達。幸せだけど、お互いいつか相手がどこかへいってしまいそうで、怖い。
    後半冬からムコさんに手紙が届き、昔の恋人からでその人を忘れようとムコさんは背中にカラフルな鳥の刺青を入れていた。
    昔の恋人は結婚していて、障がいのある子が生まれた。死んだ。そのじょせいのこころをとりもどしたいとムコさんは夫に呼ばれた。背中を見せて、ツマを愛してますと言った。夫は君から逃げていたと泣いた。
    墓に花をやるのはアレチさんだった。昔戦争で死んだ女の子のもの。
    終盤、満月の光に覆われて音を立てて、これまでの台詞が繰り返されるのが読み手を誘う。
    ツマ。あまり驚くことがあってはいけない

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    2025年03月11日
  • 窓の魚(新潮文庫)

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    ネタバレ

    読み終えたのが夕方雨が降ってきたのもあり 暗い余韻にどっぷりと浸かった
    結末がはっきりと描かれていないのでそれぞれの関係性や、池に浮かんだ女性も誰なのかとずっと考えてしまう でもこの感じ、、好き(*^^*)

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    2025年03月08日
  • 窓の魚(新潮文庫)

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    4.0/5.0

    それぞれが秘密の感情を抱える4人の旅行記。同じ事柄が違う視点で語られ、不穏な事件が起こる。
    人が持つ感情や、些細な変化みたいなものの描き方がすごく巧みだと感じた。

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    2025年03月06日
  • GOAT

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    寝る前に、ちょっとずつちょっとずつ読んだ。

    偶然目にして、なんかすごく惹かれて。
    「愛」をテーマにしてるなんて素敵だな。
    エッセイとかインタビューなんかで構成されてるんだけど、それがまた良い。
    あーこの人の言葉好きだなって、未読の小説家との出会いもあったり。

    文芸誌ってほぼ手に取らないんだけど
    好印象。


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    2025年03月05日
  • うつくしい人

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    ネタバレ

    百合は、常に他人の評価を軸に生きている。
    他人の苛立ちや不快感を敏感に感じてしまう。
    だから、学生時代から人から変に思われるような行動はとらないし、人から羨ましがられるような彼氏を作る。
    しかし、そのせいで本当の「自分」がわからない。

    百合がこんなにも他人の評価を気にする原因となったのは、「引きこもり」の姉の存在があった。
    容姿も可愛く少女趣味で、いつも正しい姉はかつて人気者でみんなの憧れの的だったのだが、思春期になると相手にされなくなり、それでも「自分」を曲げなかったため社会に適合できなくなってしまったのだ。

    ある日会社で小さなトラブルを起こしたことを気に病み、即座に仕事を辞め旅に出たが

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    2025年03月03日
  • しずく

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    6つの話からなる短篇集 どの話も良かった。どれも人間のちょっと嫌なところが垣間見える。あと、人との心がちょっと繋がる瞬間だったり、離れる瞬間だったり。さいごのシャワーキャップが特に好きだった

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    2025年02月26日
  • GOAT

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    小説と小説にまつわるインタビューやエッセーで構成されている文芸誌。純文学も一般小説も同列に掲載していて、小説が好きな人はジャンルの幅を広げられるし、これから小説を読もうとする人にとっては好みの作家や作風を知るきっかけになると思う。創刊号の今回は、「愛」をテーマにした作品を掲載している。こういうテーマで様々なジャンルの小説を横串を通す試みは新しいと思うし、こんな作風の作家がいるんだという発見にもなるし、とても面白かった。次号がちゃんと出ることを期待する。

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    2025年02月24日
  • 円卓

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    西加奈子さんの文章は音が聞こえてくる。この作品は特にそれが顕著だった。
    こっこの成長や葛藤はきっと誰しも子どもの頃に感じていたことで、それを大人の言葉で緻密に描かれるのでたまらなくなる。分かった、は成長だし、成長は少し寂しい。
    個人的にはぽっさんが愛おしくて、彼らが「ししゅんき」を迎えるさまを想像して親のような気持ちになった。

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    2025年02月23日