西加奈子のレビュー一覧
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”春には綺麗なピンク色をしていた桜の木が、街灯に淡く照らされている。青々とした葉しか残っていないのに、それは十分、春の名残を体にたたえていた。時折風が吹いたが、私の頬が怒ったように震えたのに、枝は揺れなかった。少しも。”
強く綺麗な女性、”夏目”が恋愛に踠き、傷つきながら乗り越える(受け入れる)様...続きを読むPosted by ブクログ -
小学3年のこっこと家族、友達の物語。
こっこをはじめ、恐ろしい程個性的な面々。読みながら肩を揺らして笑いました。
でも、こっこが悩みながら成長していく後半は少しの切なさもあり。
登場人物が発する大阪弁のように、サクサク読めました。
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自分が少年の頃に、似たような感情を母や姉に持っていた記憶が思い返された。ヤコブに対する想いに関しても似たような経験があり、理解できる感情だと思う。そして何より今自分が異国の地で暮らしているので、その点での共感も多かった。続きを読むことが楽しみ。Posted by ブクログ
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あかん…!
読みながら、自分のことかと思って共感性羞恥心が刺激されすぎた…
初めてニューヨークを訪れた生粋の日本人なのにニューヨーカーを気取るところ、
旅先で起きたトラブルを武勇伝をとして語るところ
(しかも起きた直後にどう話そうかもう考えているところ)
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複数視点の物語としては最小の二人という設定。その人生が微妙に交錯するのかしないのか、というところに物語の肝があるのだが、個人的には夢の描写が、心模様を微妙に反映していて、上手いなあと思った。Posted by ブクログ
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猫の名前が面白くて好き。カルメンを声出していつのまにうたってしまうところも可愛くて好き。ちょっと難しかったけどふわふわしていた気がする。何個か心に留まった言葉多かったな。会話を録音して聞き返すやつ私もやってるから何だか同じで嬉しくなった。Posted by ブクログ
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妖艶で幻想的でいて、静かに黒い不気味さも含む。
彼らの欠陥とズレが、各々の視点を追うごとに明確になっていき、ゾクゾクする。
いくつかの謎に思い巡らせ、雰囲気も相まって余韻がずっと続いています。Posted by ブクログ -
ただ事実を述べているだけなのに、とても伝わる。
絵も、ただ私の見ていたものを描いているようで、心を掴む。
戦争ものはどうしても苦手な作品が多いけど、詳細に鮮明に描写しなくても伝わるものは多くある。Posted by ブクログ