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2015年本屋大賞2位!作家10周年作品。
両親の離婚、そして帰国。母の実家のそばに住む母子三人は、次第にバラバラになっていった。
母は頻繁に恋人をつくり、サッカーに興じる歩は高校で同級生の須玖に影響を受けていく。姉は、近所に住む矢田のおばちゃんが宗教団体の教祖のように祀り上げられていくなか、次第にそこに出入りするようになった。
そして、阪神淡路大震災が起こった。それは歩の生活にも暗い影を落とし、逃げるように東京へ向かう。脳が蕩けるような学生生活を経て、歩はライターになった。だが、その先で、ある取材を依頼される。そこには変わり果てた姉が絡んでいた。
(底本 2017年10月発行作品)
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Posted by ブクログ
やあ、面白い小説だった。上中下3巻があっという間に読めてしまう……といいつつ進むのがもったいなくて故意に時間をかけて読みもした。
主人公の歩の前半生(30歳くらいまで)がヤコブや須玖といった親友・ソウルメイトをの結びつきがあるし、高身長のイケメンだしで順風満帆でそのまま痛快に人生を生きていくのかと思いきや、30歳過ぎからどん底に落ち込んだのが衝撃。
しかもそれは、家族や人々の間でうまいこと立ち回ってきたがゆえ、うまいこと立ち回ろうとするがために自分の芯をなくしてしまっていたというわけ。歩が幼い頃から自己顕示欲が強い面倒な存在だと思っていた姉が、それらの言動は実は自分の芯を求めるための遍歴であり30歳を過ぎてすっかり落ち着いたのと正反対であるかのように。
歩が自分に芯がないことを指摘され懊悩するあたりは、これまでの軽快・軽妙なストーリーから一転しなかなか読むのも苦しかった。なぜなら、芯がないとは不甲斐ない自分に向けられた言葉のように響いたから。
それにしても、歩がイランで生まれ幼少期をカイロで過ごしたというのは著者と同じで、ということはこれは自身の体験がかなり反映された作品なんだろうか。だとしたら、著者は女性なのになぜ歩という男性を主人公に据えたのだろうか。でもこういう物語は男子が主人公……というか思い悩んだ末に光が差し始めるという役回りに合うような気がしてしまう。
Posted by ブクログ
この巻良かった。宗教について不思議に思っていたことの答えが分かった気がする。
自分で自分が信じるものを見つける。
これだと思う。みんな多くの人がその時代、その時代、不安で厳しい生活しかない世界だった。だから、外にすがれるもの、心の拠り所となるものが欲しかったし、必要だったんだ。あとは、今現代より見えないものを信じる気持ちが今よりはるかに純粋だったとも思うし、大きくなってからも親への従順さとかも違っただろうし。そして、自分が信じたものが間違いだったなんて、そうそう信じられないし、自分の信念みたいになってからはそれを手放すのはかなり難しいからね。他人に無理強いさせなかったとしても、ある意味心を囚われると枠外のことやものは見えなくなるし、受け入れ難くなる。
では、宗教とこだわり、との違いはなんだろうか。
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