西加奈子のレビュー一覧

  • 円卓

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    ネタバレ

    琴子は、相手がどう感じるかを考えるより先に、自分が感じたことをそのまま言葉にする。これが小学生の普通なのか、と穿った目で見ている部分もあった(自分と違うところを持った人のことをいいなぁって思う感覚は痛いほどわかってしまうのだけれど)。でも、読み進めながら、琴子は特別に無神経なのではなく、自分の感じたことを強く信じてきた子なのだと思った。

    妹か弟ができることが知らされたとき琴子が「なぜ自分も喜ばなければならないのか」と感じていたことを、自分が中学生のときに妹が生まれたことを思い出しながら読んだ。当時の感情は今でも言語化できない。なぜか涙だけただ流れていたのは思い出せる。

    鼠男との出来事のあとウサギを自分の顔に乗せる場面は、鼠男があのとき何を言いたかったのか、怖かった気持ちを整理するより先に、イマジンしようとしたのかな。誰にも言えなくてつらかっただろうな、抱きしめてあげたくなった。

    三つ子の姉に大切な自由帳を盗られていたこと、鼠男との出来事を誰にも話せなかったことも含めて、琴子はそれまで憧れていた「孤独」を、本当の意味で体験したのかな。自分の中にある気持ちを周囲の誰にも共有してもらえないときに感じる孤独は、本当に寂しいものだったんだろうと思う。言葉に重力を感じる感覚があってよかった。

    まっすぐな琴子だからこそ、これからも自分の感覚を頼りに、人との関わりを諦める感覚を知らないまま生きていってほしいな、と思う。

    0
    2026年08月21日
  • i

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    この世界に生まれてよかった〜と
    心から思える圧巻の最高傑作でした!!

    本当に素晴らしかった…!!
    読み終わったとき…
    深い感動が胸に押し寄せて
    しばらく言葉が出ないほどでした

    シリアで生まれ
    アメリカ人の父と日本人の母に養子として
    引き取られた主人公・アイ

    何不自由なく愛されて育ちながらも
    成長するにつれて
    「なぜ自分だけが恵まれた環境で生きているのか」という罪悪感と自問自答を
    抱えるようになります…

    世界中で起きる不条理な事件や事故に苦悩し
    「自分」という存在の全否定と
    肯定を繰り返しながらも
    世界と自分を愛そうとする魂の軌跡を描いた物語

    アイが葛藤の末に辿り着く光には
    涙が溢れて止まりませんでした

    カラフルで力強いアートのような表紙も
    人間の生きるエネルギーと
    美しさが感じられてとっても素敵♡

    記憶消して もう一度感動を味わいたいです!!

    0
    2026年08月21日
  • サラバ! 下

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    手元に置いておきたい小説。生きる意味とか考えるの好きだ。何かを信じることは生きる糧になる。信じるってのは愛とかそういうこと。

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    2026年08月20日
  • 白いしるし(新潮文庫)

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    登場人物たちの異常なまでの恋愛感情が重くて苦しかった。だからこそラストシーンの爽快感が良かった。ハイエースが加速するのと同じように読むスピードも加速してた気がする。恋愛って本当に人を狂わせると思った。

    0
    2026年08月20日
  • GOAT

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    本好き界隈で評判の文芸誌・GOAT。

    私もこの度、文芸誌デビューを果たしました。
    コングラッチュレーション自分!

    これまでに刊行されたのは『愛』『悪』『美』『食』の4冊。

    A5版で厚みは約2.5㎝。
    手に取るとずしりとした存在感があるのに価格は税込510円。
    大人買いしても2040円という良心的な設定が嬉しい。

    私を読書沼へ突き落とした小池真理子さんと東出昌大さんの対談が良かった。
    小池さんの結婚観には私も共感する。

    「愛」をテーマにした本作は、さまざまな愛の形に翻弄された。

    活字中毒にはたまらない文芸誌の誕生に、拍手喝采。

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    2026年08月19日
  • 円卓

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    西さんは文体の魔術師ですね!(°▽°)
    特に前半めちゃくちゃ笑いました(°▽°)
    モヤモヤすることもあったけどこっこタフだから大丈夫だと思いたい(°▽°)
    ぽっさん、こっこを頼んだぞー(°▽°)

    映画も観ました(°▽°)
    面白かった!愛菜さんさすが(°▽°)
    ぽっさん役の子もよかった(°▽°)
    結末知ってるのにラストで泣いちゃったよ(°▽°)
    モヤモヤもスッキリした!(°▽°)

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    2026年08月19日
  • くもをさがす

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    コロナ禍のカナダで乳がんの闘病生活を記したノンフィクション。カナダの医療制度、コロナ禍&子育てしながらの闘病、日本とカナダの文化の違いなど、非常に興味深くあっという間に読んでしまった。精神的に参っている中で、医療機関の連携がうまくいっていなかったり、自分で注射を打たなければならなかったり、もし自分だったらすごく深刻になってしまうだろうなと思う(実際西さんも深刻になってたくさん泣いたはず)。でも、カナダ人の話す言葉が大阪弁に翻訳されているのがとてもよかった。坊主頭も、乳首のない縦に手術痕の入ったおっぱいもとてもかっこいい。

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    2026年08月16日
  • GOAT

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    発売当初に買って積読してました。
    510円でこんなにたくさんの作家さんの文章が読めてサイコー。

    特に好きな話
    嘔吐/尾川哲
    牛田家とわたし/嶋津輝

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    2026年08月16日
  • 白いしるし(新潮文庫)

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    ネタバレ

    究極に惹きつけられる人との恋愛ってどうしてうまくいかないんだろう。
    夏目も瀬田くんも不器用ながら、美しかった。

    0
    2026年08月15日
  • 地下の鳩

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    過去を抱えながら、苦しい事ばかりではなく明るく日々生きているチーママ達を愛おしく感じたが、なぜか悲しい気持ちが最後残ってしまいました。

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    2026年08月14日
  • 夜が明ける(新潮文庫)

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    テレビ業界での激務で心身ともに擦り減っていく様子が、どうすることもでぎず、受け入れるしかない現実として淡々と描かれていて、助けてあげたいけれど手を差し伸べられない、そんなやり切れない気持ちで読み進めていました。でも最後の後輩ADが主人公にかけた嘘偽りない直球のメッセージで、現実を直視する姿勢と向き合う強さを与えてくれて、救われたような気持ちになった。そして私がこの物語から学んだことは、本当の強さとは弱みを見せられることなのかもしれないということ。世の中には自分と向き合い、解決法を見出し、恐怖を乗り越えられる人間もいるかもしれないけれど、恐怖を引き入れて、周囲との協調、協働を求めることも強さであり、正しい生き方のひとつであると感じた。

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    2026年08月13日
  • 白いしるし(新潮文庫)

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    32歳主人公夏目は、穏やかな凪の海みたいな恋愛をしたいと思っていたが、
    彼のすることなすことすべてが琴線に触れる、ヒリついた恋をする。
    とても正直な恋愛小説。

    前半の夏目の想いが後半も続いていくのかと思いきや、友人の瀬田が女性を殴ったという所からのスピード感は半端なかった。グイグイ引っ張られていった。

    ところどころ訳の分からないとこもあったけど、
    腕を折ってしまおうか、とか、裸で白の絵の具を塗って壁に激突するとか、

    読み終わったあとに、それは彼がそこにあったという徴(しるし)を、体に焼き付けるという意味だったんだと腑に落ちた。

    夏目も殴られてた塚本さんも、
    自分をはるかに超えるような、深みをさらに潜るような恋、
    相手が自分では触れられない場所に触れてしまった、そんな恋をしてたんだと思う。

    でも、足の指の爪を自分の歯で噛みちぎり、化け物のような自分を誰かに見てほしい、は突飛過ぎて意味わからなかった。

    大阪弁が特徴的なんで、読みにくさもあるかもしれない。
    でも私の今の歳で読んでよかったと思える小説だった。

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    2026年08月12日
  • 白いしるし(新潮文庫)

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    焦がれるような恋をしたことがないのでわからなかったが、それだけ人との関係を人生に組み込めるってすごい。

    登場人物のキャラクターがはっきりしているから、読み進めやすい。

    表紙のねこ。
    白いしるし。

    そうくるか〜〜

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    2026年08月12日
  • くもをさがす

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    海外でガンの闘病生活、日帰り手術、言葉や習慣の違いでただでさえ不安になりそうなのに
    いろんな葛藤を抱えながらも明るく乗り越えて
    出逢いに感謝していて西加奈子さんの人柄が出ていて大好きになりました。辛いことがあっても笑いに変えられるような人間になりたい!

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    2026年08月10日
  • i

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    自分が恵まれすぎていることへの窮屈さ、被害者達の近くにいるだけで寄り添えていると勘違いしてしまう傲慢さ、キャラクターを主張することを奨励されるほど従うことに楽さを覚えること、自分の醜さから目を背けたくて世間との対峙を避け内向に向かってしまうことなど、アイに共感できる点が沢山あった。
    でも、アイは自分に正直で嘘をつかないからこそ、真摯に向き合っているからこそ、それを理解してくれる人たちが周りにいて、答えをゆっくり待ってくれているのだと思った。

    苦しみの中にいる人たちを思うこと、それは決して間違いではないし、それを大きく行動に移さなくてもいい。けど思い続け、何かの形にする・意思表示をすることが何かにつながるかも知れない。普段の会話では世界各国の戦争や死者などの話題にはならないし、なんとなくそういった遠くのネガティブな話題をわざわざ出してくることへの抵抗感はある。本最後の対談で西さんが「そういう話を日常に出してもいいんじゃないか」と言っていたが、自分が知らないのもあるけどそれはあまり共感できない(でもインドネシア人がよくインスタなどで各国のテロなどをストーリーに上げていて、こういうことかと思ったのとなぜ日本人とここに差が生まれるのだろうと思った)。ただ、これを機にもう少しだけ世界の出来事に関心を向けたいと思ったし、そんな死者数みたいな大きなことでなくても、自分の周りの苦しみを思い、それに対する自分の悲しみやその人がそこにいることの賛辞を送りたいと思った。
    また周りは苦労しているのに、自分がこんな些細なことで苦しんでいるのは恥ずかしい、こんなことで文句を垂れるのは間違っているんじゃないかと思うことが多かった。しかしこの話では、誰かを思いやる気持ちと自分の幸せを願う気持ちは矛盾しない、と伝えてくれて、救われると同時に、今自分がここに「いる」ことを抱きしめたくなった。相手や自分が自分を信じられない・嫌いになることもあるかもしれないけど、確かに自分がここに存在するということは揺るぎない事実。それはわかっているはずなのに、日常での嫌なことがあると自分の存在意義までも否定したくなってしまう。今改めて自分がここにいることを再確認すると、自分はどう思うか、何がしたいかなど、自分を一人の人間として認め愛したくなる。

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    2026年08月09日
  • あおい

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    通り過ぎちゃう感情をひとつひとつ書いてくれてる。出てくる人物、皆ちゃらんぽらんと思われそうだけど、真剣に生きてると思う。勉強よりも大事なことと思う。今の世界、感じる余白が少ないんじゃないか?
    なにがともあれ西加奈子と同じ時代に生まれてよかった〜!

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    2026年08月07日
  • 夜が明ける(新潮文庫)

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    2026/8/2
    夜は本当に明けるのか。
    ラストが胸に刺さる。

    とにかくしんどくて、辛くて、重い作品だった。
    主人公にとって、森の眩しい真っ当さが、憎く思えた気持ちもわかる。
    でも、主人公とアキとの友情、そして森の正しさだけが救いだった。
    自己責任だなんて思わず、助けを求めていいんだ。
    助けを求められたら、自分にできることをしてあげればいいんだ。
    そんなシンプルなことのはずなのに、今、それが難しいのはどうしてなんだろう。

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    2026年08月06日
  • こうふく あかの

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    ネタバレ

    西加奈子さんの他の作品に比べると面白さはなかったがそれでも面白かった。
    父親が、妻が身ごもった血のつながらない子供の存在に戸惑いを感じながらも最終的に愛情を注いで育てたことがわかって、良い終わり方だと思った。
    妻の膣を通して自分と生まれてきた赤ん坊の絆を感じる父親の感性も面白いと思った。

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    2026年08月04日
  • サラバ! 下

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    中巻を読んだ勢いでそのまま読み、3巻合わせて3日で読破した。
    中巻の感想でサラバ要素が薄まっている懸念を書いたが、最後でしっかり回収されてよかった。
    まさか貴子があんなに人が変わるとは!!!

    大変ボリューミーな作品であり、上中巻を読んでる時は先の読めない焦ったさもあったが、最後は鮮やかに締めくくられてよかった。下巻だけ星の数が多いのも納得。


    読後に色々調べての追記:
    東野圭吾の選評が面白い。
    確かに、手紙の差出人の件は私も引っかかった。

    イランで始まることと、筆者紹介を見て(テヘラン生まれ)私小説か?と思ったが、主人公が男なので違うかと思った。
    しかし、宮城谷昌光の選評を読んだり、作者のWikipediaで経歴を調べると、居住地が結構被ってて、自叙伝なのかなと思うようになった。

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    2026年08月04日
  • サラバ! 中

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    中巻はほぼ日本での出来事だったから、読んでてのワクワク感は上に劣るかも。
    でも、歩の思春期など、1番変化する時期をうまく切り取って描いているなと感じた。
    タイトルにもなっている「サラバ!」の要素が薄まっているというか、確実に無くなりかけてるけど、下巻で回収されるのだろうか?
    チャトラの肛門様、という意味だったのは面白かった。

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    2026年08月04日