西加奈子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「くもをさがす」とは、読むまでは「雲を探す」と思っていた。つまり、レントゲンに影の様に写る癌の比喩なのだ。違っていた。そんな内向きのエッセイではなかった。
2020年、コロナが猛威を振るうカナダの地で、夫と5歳の息子と子猫と暮らしていた43歳の西加奈子に、思いもかけない「乳がん」の診断が下る。
私自身、治療中もずっと書いていた。小説、エッセイ、日記。書くことで頭の中を整理出来たし、書くことで自分がこんなことを思っていたんだと、思いがけない発見をすることがあった。書いている間、自分が治療中であることを忘れる瞬間もあった(不思議なことに、がんに罹患した女性の小説を書いていてもだ)。それが救いで -
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おそらく乳がん治療中に書いたと思われる短編集。
私に会いたい
とりあえず私は、モトが結論として導き出した解釈、
「ドッペルゲンガーはその人の命を奪うための使者ではなく、その人からむしろ死を遠ざけるための使者なのかもしれない。」
「死というのは、それ自体が死なのではなく、死を想起させる何かなのではないかな。死であると同時に死への警告なんだ。」
「人が死にたいと願う時、死は近づいてくるけれど、むしろ遠ざけるために近づいてくるんだよ。死を意識させ、そして気配だけを残して去ってゆく。その人を生かすために。その人が何より生きるために。」
この解釈たちがとても好きだと思った。
汚い絨毯を「ちゃんとボ -
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しばらく前に購入していたけど読むタイミングがなく、産休中の数日で一気に読み終えた。
ノンフィクションということでバンクーバーでの乳癌の治療生活について自身の体験が語られた作品。
個人的には現地での会話はもちろんほとんどが英語でなされてるんだろうが、西さんの頭の中では関西弁で再現されるものなんだということがシンプルに面白く、テーマは重いけど読みやすくしてくれた。
書かれていることはほんの一部に過ぎないのだろうが、西さんのしんどい、つらい、怖いの気持ちが素直に表現されていて、感情移入するというよりはへぇ、そうなんだ、大変だなぁ、という気持ちがメインだった。それがよかった。たぶん西さんは可哀想だと -
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読んでいたら、すごく痛かった。
誰かを大切にするとか愛するとか、そういうことは誰にでもできて、誰を愛する権利もあるけれど、そこに常識が入ってくると、無理な恋や愛もあるのだ。
その人の存在自体に惹かれ、作り出したものを得たいと思う気持ちや、異常なまでの依存心など。すごく苦しくなった。自分は、人を傷つけたりしないまでも、愛する気持ちは高い方だと思う。嫌われるのは嫌だし。自分のことを見つけてくれる人にいつか出会えるはずで、それが早いか遅いか、いなかったか、の違いであって、ありのままに生きていけばいい。愛されなくても、自分が自分を愛していけばいい。ただそれだけ。 -
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一万円選書(2026.5)
カナダにおける西さんの乳がん闘病記。
具合が悪くなってもすぐに医療機関で診てもらうことができないことや、がんでもすぐに診てもらえないために進行してしまうことがあるということにまず驚いた。
日本では当たり前なことが当たり前でない世界があることはわかっていたが、それがカナダということに衝撃を受けた。
そして医療費が無料ということにもびっくり。
異国の地で友人たちに支えてもらいながら、時にユーモアを混ぜつつ綴られる闘病記は全てが書かれていないそうで、それがちょっとした違和感の正体なのかなと。
5章の『日本、私の自由は』は、海外生活を経験した西さんだからこそ感じる日 -
Posted by ブクログ
コロナ禍、西さんがカナダのバンクーバーで乳がんの治療・手術をした際の記録。
体調も良くない中で、現地の医療関係者のイージーなケアレスミスに翻弄される西さんに、何とも言えないしんどさを感じてしまった。私は幸運にも海外で医療処置を受けたことはないが(差し歯が取れた以外は)、20年ほどヨーロッパ人と働いていて、イージーなミスや適当な対応に翻弄されて苦労する経験はしばしばしているので、状況が想像できて…
でも、「やっぱり海外で病気になるのは恐ろしいな」という気持ちと同時に、西さんが受ける周囲の友達からのサポートが心強くて、周囲の人たちとの関係性あってこそ・西さんの人徳あってこそだけれど、家族でなくても