西加奈子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレまだ、治療中だった私は、「そんなん、ただ生きてるだけでええんちゃうん?」そう言ったが、
「なんか、目標が欲しいねん。生きる目標が。」と、コニーは言った。
「出来ひんかったことが、少しづつできるようになるのが嬉しいねん。」
そしてもう一つ、彼女が始めたことがあった。書くことだ。
「小説を書きたいと思ってるんやけど、今はどうしていいか分からんから、とにかく毎日何かを書くことを自分に課してるねん。」
それは、すごくいいと思う、思わず私は言った。
私自身、治療中もずっと書いていた。小説、エッセイ、日記。書くことで頭の中を整理出来ていたし、書くことで自分がこんなことを思っていたんだと、思いが -
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Posted by ブクログ
表紙が愛猫の後ろ姿とそっくりだったのでお迎えしました。とにかくエネルギーに満ちた人たちが出てきて、『あぁ、なんかいいなぁ』と思いながらお昼ご飯を食べるのも忘れて休憩中に読み耽りました。
愛とか恋とか難しいことはよくわからないけれど、好きな人との電話とか意味のない会話とか深夜に延々とおしゃべりするの楽しいよなぁと思ったし、胸がじゅわっと温まる一冊。
いろんな形の恋愛があるけれど、どれも美しい。
そんな小説で、
恋が叶うとか、愛が伝わるとかは二の次、みたいな。
やりたいことをやって、恋して、仕事して…たまに休んで…また走る。そんな当たり前の日常の風景が美しい文章になっていてすらすらと読めまし -
Posted by ブクログ
こういう小説だと思わず手に取ったのですが、まるで今のTV業界を予言していたかのような内容でした。
ネット社会になる前の、誰も声を上げられなかったTV業界の闇が、ここまで生々しく描かれているとは。
ページをめくりながら、ふと昔の知り合いを思い出しました。前職は芸能人のマネージャーをしていた男。彼が語っていた話が、この小説と重なるのです。
小説ではAD、彼はマネージャー。立場は違えど、下っ端には人権がない世界。生き延びる道は「上に上がるか、辞めるか」しかない。理不尽を飲み込みながら、心も体もすり減らし戦い続けなければならない世界でした。
そんな話を読むと、私は自分の「根性のなさ」を突きつけられ -
Posted by ブクログ
ハンサムで人気者の長男、恐ろしいほど美人だがワイルドすぎる妹に挟まれた薫と両親の幸福な生活はあまりにも順調に過ぎていくが一つの事故が彼らの暮らしを奈落に落とし込む。
それは誰の人生にも起こりうる事なのだが人はそこでうずくまってしまって前に進めなくなってしまうかもしれない。あるいは強く立ち上がって人生を取り戻すかもしれない。
愛犬「サクラ」はそんな一家の運命、生活を静かに冷静に見守っている。
著者が書きたかったことは主張したかった事は何なのだろう?
私には彼ら長谷川一家の人生が人々の中に包括されているすべてが現れた物なのかもしれないと思うのだが答え合わせができない。
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