西加奈子のレビュー一覧

  • さくら
    しばらく家を出て行って行方不明になっていた父から「家に帰る」との手紙が来た。大阪の実家に帰ると、花の種をまく母、ペディキュアを塗る妹のミキ、そして愛想のない雑種犬のサクラが相変わらすと行った状態で待っていた。下町から新興住宅地の家に引っ越し、父が出ていくまでの家族5人と1匹の経緯を綴る。

    早々に話...続きを読む
  • ご本、出しときますね?
    読書芸人の若林が小説家と対談する番組の書籍化らしい。
    常々小説大好きな人の気持ちを知りたいと思っていたが、この対談で多くの気づきを得られた。
    自分自身は現実的なビジネス書や、心理学、脳生理学などの役に立つ本を好んでいたので、なにゆえ個人の脳内で創作されたフィクションが好まれるのか不思議であった。
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  • 舞台
    人はみんなになりたい自分を考えて、演じているということを考えさせられ、納得した。主人公がだんだん周りの目を気にせず、開放的になり、成長していくのを見て、自分も人の目を気にしてもしょうがないという気分になった。
  • きりこについて
    初めての西加奈子さん。
    ぶすの基準って誰が作ったの。今生きる世界をそのままに受け入れて、考える前に感情のままに生きてた子供の頃がなんて貴重な日々だったのだろう。何にも染まらない酔っ払っていた日々。少しずつ家庭から学校という社会に、外に外に出ていけば行くほど、複雑になっていく。きりこ心が透明でまっすぐ...続きを読む
  • きりこについて
    西 加奈子さんはやっぱ裏切らないな〜
    今回も加奈子節満載の面白くて良いお話でした。
    きりこ、私もきりこが大好きよ〜ᐠ( ¨̮ )ᐟ♡‪ ̖́-♡‪ ̖́-
  • 白いしるし(新潮文庫)
    鼻を折られた塚本美登利とたんこぶの夏目が二人きりで話し合う病室。
    そこにこの物語の全てがある。
    一途さ。男には書けない
  • 円卓
    期せずしてまた小学校時代の話を読む。

    自意識が肥大していくにつれて増す、風船にかかるような浮力と、思慮深くなるにつれて増す重力は自我を持ち始めた小さな身体に同時にかかってくる。

    その時の羞恥心や混乱を思い出した。自分が10代の前半の時であればこの本を貪るように読んだだろうな。

    好きな場面もいく...続きを読む
  • サラバ! 下
    生きていたら挫折する時があるかもしれない。上手くいかず回り道もあるかもしれない。けどそんな経験が今の自分を作っている。人生に遅いはない。人はいつでも変わる事が出来る。
    そんな人生においての強いメッセージを教えてくれる本。
  • 舞台
    主人公の葉太の「平然を装いたい」「間抜けなミスを怖れる」感情は極端にも思えましたが自分にも存在するなと感じました。全ての人が自分を演じながら日々生きている、というのは事実そうだと思いますし「自分が一番ラクで居られる演技」が自然体に一番近いのかな、と本を読んで思いました。
  • くもをさがす
    空の雲かと思ったら違っていた。蜘蛛は、亡くなった祖母のイメージで、良い存在。それより、筆者の、壮絶な乳ガン体験が、「これって、現実に起こったことなの?」と、驚かされる。明るく、タフな考えの持ち主だなと思う。誰にでも起こりうる事だが、私なら、海外でサバイバルできないと思う。作者の覚悟が伝わる文章。面白...続きを読む
  • きいろいゾウ
    まとまった感想が出てこないので羅列。

    小説って何?って聞かれたらこれを読んでもらうことにした。
    日常的な中でもドキドキするし、ほのぼのするし、色々想像するし、事実もあれば信じられないこともある。
    絵はない。声はない。リズムもない。文字しかない。

    愛している、それだけでいいんだな。
    失うのが怖いも...続きを読む
  • 通天閣
    輝いていない人々に、夢も希望もない淡々とした日常がなぜこんなに面白いのか。すごくリアルですべて実在する人物のようだった。
    太字で書かれた夢の話が、絶妙に本人の状況や不安を言い当てていて、怖くて面白い。
    だんだん明かされていく主人公二人の人生が、実は過去に同じ日々を共有していたのがたまらなかった。近く...続きを読む
  • 円卓
    ストーリーはあまり面白くなかった。
    自分自身まだ若いからだと思う。
    三つ子ほど若い時に読みたかった。
    子育てが終わったらまた違う感想になるんだろうなぁ。
    こっことぽっさんが愛おしく可愛らしく映る日がくるのかなー
    オチもよくわからんし、鼠男のくだりとかいらん気がした。が、歳をとった自分はどう思うのだろ...続きを読む
  • きりこについて
    率直に感じたことは、ルッキズムの考え方について。
    読んでいくと頭の中で西加奈子さんの声で再生される感覚があり、優しい表現の中にも芯があって力強い世の中への訴えを感じた。
  • サラバ! 下
    とても壮大な物語だった。
    上巻で歩では小学生だったのがこの物語が終わる頃には37歳、1人の男の人生を追体験したような気持ちになる。そのため読後はかなり疲労感があった。でもこれは悪い意味ではない。
    この作品を通して人との関わり方、家族、宗教、世界的情勢、本当にたくさんの学びがあったと思う。
    そしてなり...続きを読む
  • サラバ! 上
    圷歩少年とその家族の物語(上巻のみ既読)。

    独特の家族の中に愛情があるが、だんだん壊れていくところに心が痛かった。

    都合が悪い状況では徹底的に存在を消す歩の気持ちに共感した。

    エジプトという見知らぬ土地でヤコブという親友を得ていくさまはテンポが良かった。お金があり豪邸に住みながらも、貧乏なヤコ...続きを読む
  • あおい
    読み始めたときは、独特の文章に馴染めなかったけど、
    読み進めるとすぐに、どっぷり世界観にハマってしまいました。めちゃくちゃ好きだ。
    レトロな緑や紫のフィルターのかかったような色彩の
    世界で、同世代の私は、ちょっと古着が流行った学生時代を思い出して懐かしかった。
    なんだかとてもリアルで息をしているよう...続きを読む
  • さくら
    西加奈子の2作目?かな。
    神様が悪いのではなく、俺らがいろんな変化球を投げていた、神様はきちんと受け止めてくれていた。
    その感情の起伏、成長がなんとも言えなかった。
    1番の人気者のお兄ちゃんが人生をリタイアしてしまったことの辛さ、兄を愛してしまったがゆえに、兄を追い詰めてしまった妹、悔やんでも悔やみ...続きを読む
  • 舞台
    物語自体は、自分の経験や体験からは共感するものが少なく、派手な展開も少ないので、読み終わったときはフワっとしていました。巻末対談を読んで、ジワジワと、自分に浸透してくるものがありました。また1つ心持ちが分厚い何かで安定したような感じになったなと思います。
  • 炎上する君
    この作風の西さんもっと読みたい!!
    表題作の「炎上する君」女たちのエネルギー、すり減り方がよかった!!「ある風船の落下」憂鬱さとユーモアのバランスが好き。