西加奈子のレビュー一覧

  • 私の身体を生きる

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    性というか性別(性自認や対象)というか、性欲というか性癖とか、性体験とか。

    「性」のことはご法度的で親子、恋人、親友でも避けたりするわけで、孤独な世界だと思ってきたけれど。それが女性作家が17人も語るわけで下品上等、生々しくて面白い。
    面白い、と言ってる事を下品と言う人もいると思いますが、多様性?とあえて言葉にすれば線引きしないでよ、と。

    面白いというのは具体的に変えれば興味深い、が適切か。いやらしい意味でなく、前述のようにご法度な他者の世界に興味があるわたしは、作家がこうもあけすけにエッセイとして実体験や思想を語ってくれてありがたく。
    本として残るので結構なカミングアウトもあったりするわけですが、それはどういう心境なのだろうか、とも思ったり。
    他にもこの手の本はあるのかな?と探したくなったほど。
    男性作家版も出して欲しい所存です。

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    2026年06月07日
  • うつくしい人

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    人間は1人では生きられない、て、誰がいうたのかほとんど名言、格言、みたいになっているけれど、それ最初に言うた人、その人も、きっときゅうきゅうに苦しい時に思いがけないやり方で、「誰か」に助けてもらったのでしょう。
    ー本文ではなく後書きから、

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    2026年06月07日
  • GOAT

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    亡くなった祖父はずっと文芸誌を読んでおり、ずっと憧れがありましたがなかなかハードルが高く、手を出せずにいました。そんなときに出会ったのがGOAT。どんな世代の人でも楽しめる、新しい文芸誌だと思います。色んな人の色んな文章が楽しめますし、編集者たちの文学に対する愛と情熱を感じることができました。そして何より安い!このご時世にこのお値段で楽しめるのは大きいです。今後も購読します。

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    2026年06月06日
  • サラバ! 下

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    自分の信じるものをみつけなさい。
    人生の永遠の課題のようだ。姉の貴子と歩がそれを探し求める姿が一皮も二皮もむけていくようでまぶしかった。

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    2026年06月06日
  • きりこについて

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    思春期の頃に読んでたらすごく助けられただろうなと思う。これに気づいて理解してもありのままの自分でいることの難しさや、自分を見失ってしまうことが続いて。生きるってしんどいなとかれこれ10年くらいは思い続けているようなきがする。
     ラムセス2世、猫の登場によって猫の客観的視点から人間界をのぞいている構成も面白かった。
    猫は人間よりもIQが高く、最高値が800はあるって驚いて信じかけたけど本当かな?笑

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    2026年06月06日
  • きいろいゾウ

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    なんか、読んでいて幸せな気持ちになった。
    いろいろ、欲はあるけど普通が幸せなんだなと。
    つよしよわしの漫才が面白くなかったけど、それは恥ずかしい事じゃない。大人になると恥ずかしいことがたくさん起こるでも、それは恥ずかしいこととは全然違う という言葉がすき

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    2026年06月03日
  • おまじない

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    ネタバレ

    対談の中にも書いてあったように、自分の読むタイミング?時期?で感想や受ける印象が変わる本だな、と思いました。
    皆さんも言うように私も「孫係」が今は一番理解できると言うか、しっくりきました。私もそうやって、処世術じゃないけど、生きてきたなぁと思いましたね。でも、その良き理解者が孫と祖父っていうのは面白かったです。
    あとは「ドラゴン・スープレックス」のおっさんの言葉も分かってはいるけど、改めて人に言われると救われる時があるなぁ、と。
    この本が好きだと言う人が多いのは分かる気がします。

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    2026年06月02日
  • サラバ! 下

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    生きるって大変だ
    知らない間にグラグラと足元が壊れたり、なにかをきっかけにこれまでのパーツがパズルみたいにはまったり。

    何もかもスムーズな普通の人生なんて無いんだって身をもってわかるようになった今、たまたまこの本に出会ったけど、無敵だった頃の私が読んでたら全然違う印象を抱いていそう。
    もっと早く読んでいろんな味わい方をしたかった〜!
    自分の人生にもっと深みが出たらまた読み直そうっと。楽しみだな

    =========

    作中に何度も出てきたニーナシモンの feeling good、めちゃくちゃ良かった
    この小説にぴったりだ

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    2026年06月02日
  • 私の身体を生きる

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    いつも読んでる大好きな作家さんたちの身体にまつわるエッセイ。作家さんたちにも過去や苦しみや葛藤があると知ってしまった。

    「誰かから指弾される前に、違う、お前は違うと「私の中の世間」が言ってくる。」

    ☁️ 世の中には女性であることで苦しんでる人がいないわけないのに、言語化されてしまうと本当にいると見えてしまう、なんて、自分勝手さに嫌になりながら読み進めました。

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    2026年06月02日
  • サラバ! 中

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    書き手が違えば鬱小説になってもおかしくないくらい、割と重いエピソードが続くんだけど、飄々と淡々と書かれていて全く悲壮感は無い。
    それが主人公らしさ(昔から大人にならざるを得なかったとか、物事を等間隔で見た文章を書くらしいアーヴィングが好きだとか)が出てて良いと思った。
    出てくるキャラが全員かなり現実味もあり人間臭いので、この人ムカつくなとか、友達になりたいなとか思ってしまう。
    小説の中の出来事って感じではなく、親しい知り合いから半生を聞かされている気分。めっちゃ面白い

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    2026年05月31日
  • ふくわらい

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    サラバ!と同じ種類の面白さ!
    定をはじめ登場人物がみんな魅力的☺️
    外道のところとバイソンがカルピス出してくれるところと、定と小暮さんが友だちになるところと、他にも好きなところがたくさんー!

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    2026年05月31日
  • 円卓

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    ちびまる子ちゃんの平成版だと思いながら、ほのぼのと読み進めていたら、後半から泣けてきた。
    西加奈子さんすごいなぁ。優しいなぁ。
    読みやすい文章で色や景色がありありと浮かんでくる。たくさんの登場人物各々の個性が全て優しく受け入れられている世界がそこにある。

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    2026年05月30日
  • GOAT

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    他の本も読みながらだからなかなか終わらなかった。
    冒頭惹かれないものは3話ぐらい読まないまま。
    全てを隅々まで読むとなると相当時間がかかりそう。

    こんな充実した読み切りの文芸誌を出してくれるだけで星5つつけたいところ。
    紙の色について読み難いという声もあるみたいだけど個人的には可愛くて好き。
    星4にしたのは、愛というテーマがほぼ全て歪んだ愛だったこと。
    熟練の作家は素直な愛を書けなくなるって本当なんだな。

    個人的に好みだったのは…

    麻布競馬場 違う海にいる
    冲方丁 終末の愛
    かな。
    なんか読みやすくてわかりやすいから楽だった。

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    2026年05月30日
  • サラバ! 上

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    フィクションには思えない!エッセイを読んでるような感覚。スイスイ読めて1日で完読。めちゃくちゃ面白いかも

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    2026年05月29日
  • 夜が明ける(新潮文庫)

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    読んでいて少し苦しくなるような内容。
    外国人俳優にそっくりな「アキ」と「俺」の物語。
    劇団の世界やADの仕事はイメージもできないけど、どんどん苦しくなる様子や周囲の環境、家庭の状況など、中々抜け出せない描写がリアルだった。
    助けを求められるように、助けを受け取れる人になりたいと思った。

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    2026年05月29日
  • わたしに会いたい

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    おそらく乳がん治療中に書いたと思われる短編集。

    私に会いたい
    とりあえず私は、モトが結論として導き出した解釈、
    「ドッペルゲンガーはその人の命を奪うための使者ではなく、その人からむしろ死を遠ざけるための使者なのかもしれない。」
    「死というのは、それ自体が死なのではなく、死を想起させる何かなのではないかな。死であると同時に死への警告なんだ。」
    「人が死にたいと願う時、死は近づいてくるけれど、むしろ遠ざけるために近づいてくるんだよ。死を意識させ、そして気配だけを残して去ってゆく。その人を生かすために。その人が何より生きるために。」

    この解釈たちがとても好きだと思った。

    汚い絨毯を「ちゃんとボロボロ」だから好きだという彼らは、(少なくともモトは、)モトの部屋でしか存在してないような月日を長いこと過ごしていたようだが、確実に年を重ね自己が存在しているということの証明をボロボロの絨毯を持って拠り所としている。
    生きづらさというような言葉でまとめるのは憚られるが、第三者から見たらそう見えるこの2人の非社会的な日々の暮らしの中で、あらゆる人から傷つけられてきた中で、彼らは誰かを恨んだり悪意を持ったりというような負の感情を耕すのではなく、「わたし」と向き合い、生きること、死ぬこと、に向き合い、なんとも希望をもった結論に至っている人としての強さ、内に光る輝きに感動する。

    いろんなことが想起させられた。
    最近みた名無しという映画で、細かな設定は置いておいて、主人公の少年がビルから飛び降りて死のうとするのだが、それを助けようとした警察官がビルから落ちて死んでしまう。少年はずっと死にたいと思ってるような子だったから、私はこの後飛び降りればいいじゃん、と思うのだが、彼はその警察官の姿を見て、彼を殺してしまった事実に怯え、自分は死ぬことができない。
    死にたいという気持ちと、本当の死は、仲良く手を繋いでいるようなものではないと、思う。人は死にたい気持ちと手を繋ぐことはあっても、実際の死との間には深い深い溝がある。死へ気持ちよく引っ張ってくれるようなことは決してない。
    それが人間というものだと思う。

    西さんはくもをさがすの4章、手術のシーンでこの「私」(鉤括弧)というものを登場させている。
    西さん自身の気持ちはこの時「私」目線であり、手術台にいる私を俯瞰して見ている。
    それがこの短編と逆の立ち位置であることが興味深い。

    「私」がある種防御反応のようなものだと仮定する。それが病的になった場合、医学的にも解離性同一性障害という疾患が存在する。
    強い心的ストレスを感じた時に現れる「私」。西さんは手術台に登ったあとのある瞬間に、私と「私」が一つになる瞬間を実感し、手術に向かう覚悟ができたような描写がなされている。
    物語では、「私」から見つめられる側の私の目線で書かれていることがおもしろく、西さんの中では私が「私」に救われる感覚があったのではないかと妄想させられる。

    あなたの中から
    出だし何かと思ったら癌細胞目線で書かれている作品。
    女であることにこだわる「あなた」が乳癌になり、化学療法をするなかで女らしさは失われていき、「死にかけた自分」となる。
    ただ生きていくため、死なないため、死と引き換えに行う化学療法の中であなたは女らしさを失った自分の自分と向き合うことになる。
    彼女がその後乳房切除を受け入れるのかどうかが気になる。

    VIO
    Violence and injuries oppositeっていうのがオチ。

    あらわ
    おもろすぎた。露ちゃん、ずれてるけど、妙に納得させられるところもある。たしかに乳首は男性にも女性にもあるのになんで女性だけ見せちゃいけないんだろね。
    乳首が大事だって外科医にいわれて、それをホルマリン漬けにして持って帰る発想はおもしろすぎて、笑ってしまった。
    めっちゃ明るいなぁ。

    掌
    私も性的なことに関して女性が前のめりなのは恥ずかしいことだという先入観が自然と植え付けられているタイプの人間なので、こういう本を読んでるだけで自分が恥ずかしい人間のように感じるような気持ちもある。
    これを敢えて独特な切り口で正面から見せつけてきた西さんに対して、敢えて向き合おうとする。
    とりあえず西さんの表現はとても開放的であっけらかんとしていて、包容力を感じる。

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    2026年06月02日
  • さくら

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    世の中にはいろんな人がいて、いろんな生き方を選択してる人がいる。他人から羨望の眼差しで見られる人生もあれば、哀れに思われる人生もあり、、そして何かがきっかけでころっと自分の立場、立ち位置が変わることもある。
    苦しい場面もあったけど、さくらに癒された。考えさせられる作品。2回目に読んだ時の方が心に残った。

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    2026年05月24日
  • きいろいゾウ

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    不思議な世界観でありながらも西加奈子作品らしい近さを感じる作品だった。各人の心情により近く胸が詰まる場面も多々あったが、ラストが本当に良かった。

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    2026年05月23日
  • おまじない

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    自分らしく生きることは難しい。そんな時に誰かのふとした言葉が重なり強く残る。
    「孫係」が良かった。正直なことと優しいことは別。人を傷つけない思いやりの心。おじいちゃまとおばあちゃまの関係が素敵だった。悪態をつける相手がいるってことは心強い。

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    2026年05月23日
  • きりこについて

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    親からたくさん愛され、「可愛い」と言われながら育ってきたきりこ。しかし周囲との比較や他人の言葉によって、自分の見え方に悩み、少しずつ孤立していってしまう姿がとても苦しかった。それでも、さまざまな出会いや言葉を通して、「どんな姿でも自分は自分なんだ」という大切なことに気づいていく過程が印象的だった。

    きりこに寄り添い続けるラムセス2世の存在も温かく、本作全体から「人はもっと自由に、自分らしく生きていい」というメッセージを感じた。優しく背中を押してくれるような作品だった。

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    2026年05月23日