西加奈子のレビュー一覧

  • うつくしい人

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    前半、読むのがとてもしんどかった。自分と重なるところがあったからだろうか、一回読むのをやめるほど。でも、解きほぐされていく百合の姿が見たくて、読み終えた。
    自分の内なる声に耳を澄ましてあげたい。何かに縛られて苦しむこともあるが、そのままの自分を信じてあげたらそれでいいのだ。私も旅に出て、誰かと出会い、何か置いていきたい。
    心が「きゅうきゅう」する、という表現はすごい。

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    2025年04月30日
  • サラバ! 中

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    先が読めない展開がテンポよく続き面白い!

    歩の事なかれ主義に何度もイライラした。だけど、母と姉の我の強さなど、家庭環境が影響していると思うと憎みきれない。そう考えると、私が本当に苦手なのは親であることより、女であることを優先する母かもしれない。

    姉が巻貝になっていたのが1番笑った。姉は悪い人ではないけど生きずらくて可哀想。自分らしい生き方を見つけられるといいな。

    今回の方が上巻より圷家の人達に感情移入できたので、益々楽しむことができた。下巻がどんなラストになるか全く読めない。続きに期待!

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    2025年04月30日
  • 私の身体を生きる

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    ネタバレ

    自分の身体、この女の身体について色々考えたりすることが最近多くてなんかつらくて手に取った。女性たちが自分たちの身体のことや性のことを話すときなぜだか安心する。わたしもそう思っていると、同じように考えている人がいるというのはそういう安心材料になるんだと思う。どの書き手も性被害を受けている人が多くて本当に社会はクソだ…… 碌でもない人ばかりで、そのせいで自分の体を大切にできない女性がいたりするんだと知った。
    わたしはもうずっと女しか子どもを産めないことが本当に許せないので、藤野可織さんの妊娠についてのエッセイは本当に本当にめちゃくちゃ凄いな〜と思った。妊娠出産の機能を持つのが女性だけである時点で

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    2025年04月30日
  • うつくしい人

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    本の表紙に惹かれて購入。一気読みでした。作中の百合の考え方ほど強くは思っていないが、生活してくにおいて少なからず一回は考えたことがある内容で、共感できたりできなかったりした。静かな話という印象だった。百合があの二人と出会えてよかった。

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    2025年04月26日
  • うつくしい人

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    1人の女性が心の毒を少しずつ、穏やかな島の空気に流して行く物語。登場人物がみんな魅力的で、百合の些細な心情描写がとてもリアルな作品だった。西加奈子らしい一冊。

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    2025年04月21日
  • おまじない

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    ネタバレ

    女性が主人公の短編が8作品。どれも読んでいてつらいテーマだと感じたが、現実的だった。どの主人公にも共感できる部分がある。同じ経験をしたわけでもないのに「わかる」と思わせる力があるのは、人間のよくある心の動きを描いているということなのかもしれない。
    心にグッと爪痕を残したのは『あねご』だった。女性の親族の間で受け継がれる呪いのようなものが、最後の『ドラゴン・スープレックス』で祝福に代わっていた。しがらみも少しだけ愛せるような、不思議な気持ちで本を閉じた。

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    2025年04月19日
  • i

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    西さんの小説!って感じ。本当は抱かなくて良いはずの罪の意識と、それによる傲慢な自意識と、根底にある優しさと聡明さの間で苦しむアイちゃん。この経験や感情を追体験させてくれてありがとう、と感じる小説だった。悩み苦しんだ末に行き着くテーマがあまりにシンプルで少し拍子抜けしたけど、そのシンプルさが、人がただ生きることを肯定してくれる気がした。

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    2025年04月19日
  • さくら

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    とても時間かかって読んだ。
    この世界から離れたくない気持ち。久しぶり。

    「さくら」という犬と共に暮らす家族、長谷川一家のの話。

    苦しいような、心がどこまでも入り込んでいくような。涙は出ないけど、心が泣いている感覚に陥った。
    ちょうど、今日は雨が降っていて、それが心地よかった。この本を読んだ後の感覚が好きで何度でも西加奈子さんの本を読みたいと思ってしまう。


    薫、一、ミキ、お父さん、お母さん。湯川さん、矢島さん、フェラーリ、サキコさん。

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    2025年04月18日
  • GOAT

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    どこから読んでも 外れず、そりゃそうだ。これだけの書き手が揃っているのだから。初めての安壇美緒さんも良かったし 牛田家とわたし も好き。島本理生さんも西加奈子さんも…あ〜いいわぁ〜。ちょっとずつ時間をかけて 読むのがオススメかな。1周回っても迂回しても ずっと楽しめる。お得感 たっぷり!次が楽しみ〜!

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    2025年04月17日
  • 白いしるし(新潮文庫)

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    ネタバレ

    全身全力で恋している瞬間。
    この本の内容の7割は引き込まれてしまった、落ちてしまった感情全てを言語化したもの。
    ボロボロでぐちゃぐちゃになるような恋をしたことある人間なら知っているような感覚をここまで綺麗に言語化されていてびっくりした。
    夏目だけでなく、まじまも瀬田を終わらない恋をしている。
    くっついてしまっていて、離れるというより剥がす、剥がれる感じという表現がすごくよかった。

    解説の「女の体は、失恋を失敗としない。恋から逃れよとする意気地なさが、最大の敗北なのだろう。」という一文がこの本に共感したアラサーを救うだろう。
    男修行、まさにという単語だよな。

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    2025年04月17日
  • わたしに会いたい

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    私もわたしに会いにいかなきゃと思った。
    西さんありがとう!
    ママと戦うが1番好き。
    逞しくわたしで生きないとすぐ何かに縛られる。センター試験の日が狙いという日本の闇、最低。日本は安全じゃない。恥ずかしい。

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    2025年04月16日
  • 白いしるし(新潮文庫)

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    どれだけこの人が好きか、どこが好きかどんなふうに好きか
    表す言葉がドバドバ溢れていて
    溺れて圧倒された

    誰でも外からは見えないけど、内側に異質な変態な部分があるんかも
    ボロボロになるくらい人のことすきになりたい!

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    2025年04月15日
  • GOAT

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    とにかく作家さん達が豪華!!!
    どの短編も面白く読んだけれど、特に短歌を詠む企画が最高だった。高瀬隼子さんファンは必読。

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    2025年04月15日
  • ご本、出しときますね?

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    番組Pの佐久間宣之の『おわりに』が印象的だった。作家さん達の考え方の違いが面白く、文字だけで伝わる人柄みたいなものに押されて何冊か本をポチった。

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    2025年04月12日
  • 白いしるし(新潮文庫)

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    すごいものを読んだ。
    自分を変えてしまうほどの恋に私は出会った事があっただろうか。
    いやあったな。こんなふうに誰かを想うことが薔薇の花にある棘のように脆くて、痛々しくて見ていられないものなのだと知った。
    自分を変えてしまうほどの恋が自分にくれるものはなんだろうか。
    切実さ。その一言に尽きるような気がする。
    誰かに溺れることで、自分を知る。自分という人間のおよその小ささとその小ささでは図り知ることのできないその人。
    どちらも交わることがないと分かりきっているからこその愛おしさ。社会から離れた空間にいる心地良さ。
    すべてそのときの恋心からくるものだというのだから、面白い。

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    2025年04月08日
  • うつくしい人

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    4.2/5.0

    物凄く温かい物語だった。
    完璧な姉を疎ましく思い、常に人の目を気にして生きてきた主人公の過去が、短い一人旅に集約されていき、人と触れ合うことで徐々に心が解けていくヒューマニズム溢れる小説。
    AIの発達等で人間の存在意義みたいな価値観が揺らぎつつある今の時代にこそ、何度も読みたい人間らしさに溢れた物語。

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    2025年04月03日
  • i

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    途中までは第三者として割と冷静に、他人事として読んでいましたが最後の6ページほどで心乱されて涙ぐみながら読み終えました。親の愛を疑ったことがある方、何か生きにくさを感じてる方は読んでいて共感してしまい、苦しいと思います。


    あらすじ

    アメリカ人の父ダニエルと日本人の母綾子の元に養子としてやってきたシリア人のアイ、幼い頃から両親と血のつながりがないことで悩みつつも育つ。自分だけがシリアの内戦や他の様々な死戦を免れてしまったことにも苦しみながら日本で生きていくアイの成長物語。


    あらすじと書くと難しいです。成長物語が1番しっくりはきますが、アイの悩みが重く、そして苦しい。繊細で賢いため、常人

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    2025年04月02日
  • あおい

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    出てくるキャラクター一人一人、みんな素直に生きているところが共通していると思った。
    ただ、どんなに気が合っても、いざ一緒に生きるとなるとお互い似通いすぎるので関係を保つのが難しく感じることがあるかもしれない。
    その上素直に真剣に生きてるから、どちらかが先に辛くなるのかなとも思った。

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    2025年04月01日
  • きいろいゾウ

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    忙しない毎日に疲れ、満たされない寂しさを感じていた今日この頃、たまたまこの本に出会いました。
    ゆっくりゆっくり季節が移りかわりながら、毎日の朝ごはん、日常が奏でる音、におい、ぬくもり、なにかを愛する気持ち…小さくてシンプルで、それでいて私の目の前にもあるはずの幸せに浸りました

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    2025年04月01日
  • 夜が明ける(新潮文庫)

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    一見、救いようのない人生。でも本人はたくさんの問題を抱えながらでも一生懸命に生きていて周りの人に少なからず影響を与え、主人公の心をも変えている。必要のない人なんていないと言うことを教えてもらい、心から救われた物語。

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    2025年08月15日