西加奈子のレビュー一覧

  • サムのこと 猿に会う

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    「泣く女」がドストライク! 過去の友人のことを思い出しながら読んでいた。季節が移ろうにつれ、人間関係も移ろっていったことを...。
    どの作品も友がテーマだが、日常の中の非日常で起こることに著者独特の雰囲気を纏わせた素敵な作品でした。

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    2021年03月11日
  • あおい

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    西加奈子さんの作品を読むのはこれが初めて。時を経てデビュー作から手にした。選ばれている言葉がとても素直で、饒舌。そんなこと話す?!というような読んでいてハラハラするというかドキドキするというかそんな感覚に陥った。きっと私の中にある隠したい何かを通りすがりで撫でていかれてような感覚だったように思う。それでいて文章は不思議と優しくて、それを許されているように思えて読後感はスッキリ。性描写もなかなか強烈だったけど、いやらし過ぎなく面白みがあってクスッと笑えて面白い。西加奈子ブームが来そうである。そして、誰かと恋の話をしたくなる(笑)

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    2021年01月27日
  • こうふく みどりの

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    大阪の人柄がすごい出て、おもしろかった。
    緑と並走して出てくる棟田さんは悲しい愛だなと感じた。でも最後は報われてよかった。

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    2021年01月27日
  • 地下の鳩

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    ネタバレ

    西加奈子版「夫婦善哉」という惹句の表題作…なるほど、そういうことな、と読んでみて納得。

    面白いという感想を持つ小説ではない、純文学っぽいかなと思いつつ、無頼を装う部分もあるなぁとも思う。平たく言ってしまえば、大阪ミナミでもガラ悪い地域でキャバレーの呼び込みをする中年男とスナックのチーママをする中年女の冴えない恋愛物語。有り金全部呑んで食って、ただそれだけの筋だけ追えば醜い話でもある。なのに何かが尊い、こんな人生絶対イヤやけど、最悪かと言われたら最も悪くはない、最低とは思うが…。

    後半収録のもう1作は、表題作にも出てくるおかまバーのママの物語。こっちの方は短編小説らしいしっかりした筋書きを持

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    2021年01月25日
  • 字のないはがき

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    ネタバレ

    小学生以上向け。
    淡々と進む文とベタ塗りのクレヨン絵で想像力がかきたてられる。シンプルがゆえに戦争の辛さがストレートに伝わる。最後は光ある未来が見えて良かった。

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    2021年01月19日
  • サムのこと 猿に会う

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    3作品が収録された西さんの短編集。
    西さんの長編小説は主人公の人生を色濃く描かれていて、読むことにエネルギーを要するものが多い。対して短編は、サラッと読めるが自分にそっと寄り添ってくれるようなメッセージが込められているものが多いと思う。
    サムのことは、登場人物みんなが個性爆発していて、西さんらしさを発揮していた。1人の死が物語の中心にあるけど、暗いというよりは柔らかくて暖かい雰囲気のお話だと思った。

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    2021年01月11日
  • ふる

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    「i」の前兆とでもいうべき、いのちの物語序章。

    たくさんの人たちとのふれあいを経て、わたしたちは大人になる。空気を読み、それは感情よりも速いスピードでわたしの対応を決定してしまう。あとにのこるのは、わたしはいい子でいられたかなという自問自答ループしかない。その無に抗う方法が、花しすにとっては録音だったのだろう。

    いまここを生きよう、いのちを祝福しよう、というメッセージが必死に紡がれていた。

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    2020年11月18日
  • 字のないはがき

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    クレヨンで描いているのか、独特の掠れと温かみのある絵がいい。
    物と足で表される家族の動向。
    切り取られた先の現実を、想像せずにはいられない。
    見えにくいけれど、たしかに存在する父の愛が切ない。

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    2020年08月21日
  • きりこについて

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    ネタバレ

    美しく生まれなかった人や偏見を持たれてる人への愛に溢れる応援歌のような本でした。

    コンプレックスに悩む主人公が、真面目に一人称で語り続けるような話だと読まされる方は逃げ場がなくて息苦しく感じてしまうのですが、一見三人称に思われる冷めた視点の文章とユーモラスな人物描写で、うまく緩和されてるのがいいなと思いました。

    なので(明るい内容じゃないところでも)最初から最後までおかしみを感じさせる文章で読ませてくれるのがいいです。

    何より西加奈子さんの前向きな人生観をところどころで味わうことが出来るのもこの作品の魅力の一つ。

    前向きと云っても、歯をくいしばって頑張るでもなく、誰かの価値観を受け入れ

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    2024年06月01日
  • きりこについて

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    最初の1ページ目から語り手に、
    「ぶすである」ことを疑うの余地すらないゆるぎない真実として語られてしまう、
    きりこを主人公に、200ページあまりを使って、
    人間の外側と内側をわからせてくれる小説です。

    相棒のような愛猫、ラムセス二世に助けを借りながら、
    きりこの人生、そして他の登場人物たちの人生は、
    多くの人の人生のように難路を進んでいく。
    しかし、読み終えたときには、
    みんながその難路を自分なりに懸命に足を踏みしめて
    進んできた足跡を見渡せるようになっていました。

    読書中に立ち止まって考えたのは、
    現実逃避っておもいのほか大切なのかもしれない、
    肯定するべきものなのかもしれない、というこ

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    2025年07月25日
  • 地下の鳩

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    ネタバレ

    む。むむむむむ。むむう。なんか、いい。なんかしらんけど、ええなあ。って感じの本でした。不思議な本だな、って。なんかしらんけど、ええなあ。そんな表現が、いっちゃん、しっくりきましたね。自分の中では。うむ。この本、好きです。

    この認識が正しいのかどうかは謎ですが、「うーん、、、ハードボイルド」って、思いました。一読して。こんな感じは、なんだか、自分の中では、ハードボイルドなんだな、って感じ。西 加奈子さん、こんな話も書くんだなあ、ってのが、なんか、驚き。

    関西弁が。というか、大阪弁?が、抜群に良いですね。僕が住んでるのは京都なんで、大阪とはちょっと、言葉が違うのかもしれませんが、この物語で語ら

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    2020年07月27日
  • サムのこと 猿に会う

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    忘れていたけど、雨が跳ね上がる瞬間、ラムネな前歯、そして津軽海峡冬景色。
    ふと思い出して切れ端を握る。
    押しつけのない距離感に、こういう人間関係忘れてるなあと、あの無駄にキラキラでダラダラで、ワクワクしかなかった頃を思い出す目線はとてもまぶしい。

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    2020年07月27日
  • サムのこと 猿に会う

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    サムのこと、猿に会う、泣く女の短編。三作品とも関西人が主人公なので、関西弁がすぅーっと入ってくる。心にしみます。いろんな事があっても 日常は変わらずやってくる。本当にその通り

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    2020年07月09日
  • あおい

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    西さんのデビュー作。
    主人公の「あたし」は理由が明確な場合だけでなく自分でもよく分からない場合でも、とにかくその時の感情のままに行動する。その表現の素直さは読者の共感など関係なく鮮烈なインパクトがあります。
    もし周りにこんな人達がいたら自分には扱いきれないだろうけど。

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    2020年05月26日
  • サムのこと 猿に会う

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    「人生の踊り場のようなふとした隙間に訪れる、"何かが動く"瞬間を捉えた初期3作」
    もちろんℹ︎も良かったけれど、本作にはわたしの好きな西さんが詰まっていた。日常の中の小さくて細やかで、流れていってしまいそうな感情の動きを捉え、描く、本当に素晴らしい作家さんだと思う。

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    2020年04月30日
  • 字のないはがき

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    テレビ番組「王様のブランチ」で紹介されているのを見て興味があったので購入。エッセイストの故・向田邦子さんの作品「字のない葉書」が原作で、角田光代さんが「文」を西加奈子さんが「絵」を担当ぢた、直木賞獲得の3者による珠玉の絵本。西さんのクレヨンで書かれた人間味豊かな「絵」に、ボクサーの減量のように削ぎ落とした角田さんの「文」が乗る。短い30ページの中に「魂」と呼べる熱いものを感じれる感動の絵本。

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    2020年03月30日
  • サムのこと 猿に会う

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    やっぱり西加奈子さんのこういう微笑ましい話 
    大好きだなー 
    クスッと笑えて暖かくて優しい気分になる 
    また他のも読み返したいなー 

    友達っていいなー 
    人間っていいなー

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    2020年03月21日
  • 字のないはがき

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    幼い子供たちも否応なく巻き込まれた戦争。戦争自体はなかなか私達には想像ができないけれど、親子、兄弟の情愛という普遍的な切り口で語られる物語は、不思議なほどすっとしみ込んでくる。

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    2019年11月04日
  • 字のないはがき

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    原作は、向田邦子さん戦争時代の家族との思い出
    文 角田光代
    絵 西加奈子
    下の小さな妹が疎開した時のおはなし
    字の書けないまだ小さな妹にお父さんは沢山のはがきを持たせ「元気な日はこのはがきにまるを書いてポストに入れなさい」と渡します
    疎開して妹からはがきが届きますが…

    いつも厳しく怖いお父さんの涙

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    2019年08月29日
  • 地下の鳩

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    中編2本
    大阪繁華街に住む人のお話
    1本目と2本目で同じ出来事がでてくる
    それが別な人の視点で書かれている
    2本目の話で出来事の原因がわかったり
    それなりにどっちの話も楽しめました
    こういうのはその後のストーリーも
    書けそうなので続きが出たらまた読んじゃうと思います

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    2019年08月27日