西加奈子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ西加奈子版「夫婦善哉」という惹句の表題作…なるほど、そういうことな、と読んでみて納得。
面白いという感想を持つ小説ではない、純文学っぽいかなと思いつつ、無頼を装う部分もあるなぁとも思う。平たく言ってしまえば、大阪ミナミでもガラ悪い地域でキャバレーの呼び込みをする中年男とスナックのチーママをする中年女の冴えない恋愛物語。有り金全部呑んで食って、ただそれだけの筋だけ追えば醜い話でもある。なのに何かが尊い、こんな人生絶対イヤやけど、最悪かと言われたら最も悪くはない、最低とは思うが…。
後半収録のもう1作は、表題作にも出てくるおかまバーのママの物語。こっちの方は短編小説らしいしっかりした筋書きを持 -
Posted by ブクログ
ネタバレ美しく生まれなかった人や偏見を持たれてる人への愛に溢れる応援歌のような本でした。
コンプレックスに悩む主人公が、真面目に一人称で語り続けるような話だと読まされる方は逃げ場がなくて息苦しく感じてしまうのですが、一見三人称に思われる冷めた視点の文章とユーモラスな人物描写で、うまく緩和されてるのがいいなと思いました。
なので(明るい内容じゃないところでも)最初から最後までおかしみを感じさせる文章で読ませてくれるのがいいです。
何より西加奈子さんの前向きな人生観をところどころで味わうことが出来るのもこの作品の魅力の一つ。
前向きと云っても、歯をくいしばって頑張るでもなく、誰かの価値観を受け入れ -
Posted by ブクログ
最初の1ページ目から語り手に、
「ぶすである」ことを疑うの余地すらないゆるぎない真実として語られてしまう、
きりこを主人公に、200ページあまりを使って、
人間の外側と内側をわからせてくれる小説です。
相棒のような愛猫、ラムセス二世に助けを借りながら、
きりこの人生、そして他の登場人物たちの人生は、
多くの人の人生のように難路を進んでいく。
しかし、読み終えたときには、
みんながその難路を自分なりに懸命に足を踏みしめて
進んできた足跡を見渡せるようになっていました。
読書中に立ち止まって考えたのは、
現実逃避っておもいのほか大切なのかもしれない、
肯定するべきものなのかもしれない、というこ -
Posted by ブクログ
ネタバレむ。むむむむむ。むむう。なんか、いい。なんかしらんけど、ええなあ。って感じの本でした。不思議な本だな、って。なんかしらんけど、ええなあ。そんな表現が、いっちゃん、しっくりきましたね。自分の中では。うむ。この本、好きです。
この認識が正しいのかどうかは謎ですが、「うーん、、、ハードボイルド」って、思いました。一読して。こんな感じは、なんだか、自分の中では、ハードボイルドなんだな、って感じ。西 加奈子さん、こんな話も書くんだなあ、ってのが、なんか、驚き。
関西弁が。というか、大阪弁?が、抜群に良いですね。僕が住んでるのは京都なんで、大阪とはちょっと、言葉が違うのかもしれませんが、この物語で語ら
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