西加奈子のレビュー一覧

  • ご本、出しときますね?

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    読書芸人の若林が小説家と対談する番組の書籍化らしい。
    常々小説大好きな人の気持ちを知りたいと思っていたが、この対談で多くの気づきを得られた。
    自分自身は現実的なビジネス書や、心理学、脳生理学などの役に立つ本を好んでいたので、なにゆえ個人の脳内で創作されたフィクションが好まれるのか不思議であった。
    本書や小説家(書くほう)の視点の言葉が多いが、彼らは読書家でもあるので示唆に富む会話が飛び交っている。

    ・「弱者」って言葉を言い換えると「大多数」のこと
    ・登場人物が自分の身代わりになってくれるような気がした

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    2023年10月05日
  • 円卓

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    ネタバレ

    期せずしてまた小学校時代の話を読む。

    自意識が肥大していくにつれて増す、風船にかかるような浮力と、思慮深くなるにつれて増す重力は自我を持ち始めた小さな身体に同時にかかってくる。

    その時の羞恥心や混乱を思い出した。自分が10代の前半の時であればこの本を貪るように読んだだろうな。

    好きな場面もいくつかあった。
    【仲良し同士で色とりどりの靴下を片方ずつ履く】という中学校の流行に対して、福禄寿に憧れる思慮深い友人が言う。
    「「の、ノボセイ行ってな、い、いきって、派手な靴下とか、や、やかましいゴムとか、に、手を出すのんは、や、やめとけよ。お、大人になってな、し、写真み、見たらな、絶対に、ここ、後悔

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    2023年09月18日
  • 通天閣

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    ネタバレ

    輝いていない人々に、夢も希望もない淡々とした日常がなぜこんなに面白いのか。すごくリアルですべて実在する人物のようだった。
    太字で書かれた夢の話が、絶妙に本人の状況や不安を言い当てていて、怖くて面白い。
    だんだん明かされていく主人公二人の人生が、実は過去に同じ日々を共有していたのがたまらなかった。近くにいるのにお互いがお互いを気づくことはなく、でもあの瞬間は確実に影響を与え合った。
    この自殺未遂事件が起きて、特に何かが前進したり解決するわけではない。でも日々がそうやって続いていくリアルを書いていて、男は自転車泥棒ということになってしまったし、たぶん店員の女とも何もない。でもそういう人生もある。孤

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    2023年09月06日
  • あおい

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    読み始めたときは、独特の文章に馴染めなかったけど、
    読み進めるとすぐに、どっぷり世界観にハマってしまいました。めちゃくちゃ好きだ。
    レトロな緑や紫のフィルターのかかったような色彩の
    世界で、同世代の私は、ちょっと古着が流行った学生時代を思い出して懐かしかった。
    なんだかとてもリアルで息をしているような小説でした。とにかく好きです。

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    2023年08月22日
  • 炎上する君

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    この作風の西さんもっと読みたい!!
    表題作の「炎上する君」女たちのエネルギー、すり減り方がよかった!!「ある風船の落下」憂鬱さとユーモアのバランスが好き。

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    2023年08月20日
  • 通天閣

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    複数視点の物語としては最小の二人という設定。その人生が微妙に交錯するのかしないのか、というところに物語の肝があるのだが、個人的には夢の描写が、心模様を微妙に反映していて、上手いなあと思った。

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    2023年07月23日
  • ふる

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    猫の名前が面白くて好き。カルメンを声出していつのまにうたってしまうところも可愛くて好き。ちょっと難しかったけどふわふわしていた気がする。何個か心に留まった言葉多かったな。会話を録音して聞き返すやつ私もやってるから何だか同じで嬉しくなった。

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    2023年07月21日
  • 窓の魚(新潮文庫)

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    妖艶で幻想的でいて、静かに黒い不気味さも含む。
    彼らの欠陥とズレが、各々の視点を追うごとに明確になっていき、ゾクゾクする。
    いくつかの謎に思い巡らせ、雰囲気も相まって余韻がずっと続いています。

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    2023年07月20日
  • しずく

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    西加奈子
    短編集


    共通テーマは「女性2人」





    義理の母にオススメされて読んでみた本書。
    西加奈子先生の短編が6作品も収録されているなんて…贅沢である。

    6つの作品に女性が主人公ででてくるが、女性作家さんならではの
    女性の心情の描き方はアッパレである。

    私のオススメは、「木蓮」「シャワーキャップ」でした

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    2023年07月15日
  • ふくわらい

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    平和そうなタイトルと壮絶な内容のギャップが素晴らしい。どうすればこんな発想が出来るのか?西加奈子の頭を割って見てみたいと思わせる変態小説。

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    2023年07月07日
  • 字のないはがき

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    ただ事実を述べているだけなのに、とても伝わる。
    絵も、ただ私の見ていたものを描いているようで、心を掴む。
    戦争ものはどうしても苦手な作品が多いけど、詳細に鮮明に描写しなくても伝わるものは多くある。

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    2023年07月05日
  • ふる

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    「生きる」ということについて、考えさせれらる本。

    私も「今、この瞬間」を忘れたくないと何度も思ったことがある。それで実際に記録をしたりはしていないけれど、自分の人生を歩む中で、一瞬で過ぎ去る「今」が、今の私を作り出している。だから1秒でも無駄にしたくないし、「生きている実感をするために」その積み重ねを覚えておきたいと何度も思ったことがある。

    でも、私たちは必ず忘れる。
    いろんな人に出会って、忘れて、忘れられ、傷ついて傷つきあう。
    それはみんなそうで、それが「生きる」ということなのだ と、この本が教えてくれたと思う。

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    2023年06月29日
  • ふくわらい

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    バイソン!さよなら息子!
    先っちょだけしかわかってない、人生のバックグラウンド。
    父親の肉を食べる。

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    2023年06月24日
  • ご本、出しときますね?

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    3.7面白かった。二人づつなのが良。ラジオとかで続いてくれないかな。その方が出てくれる作家さん増えそうだし。

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    2023年06月20日
  • あおい

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    西加奈子さんの本は、惹きつける力がすごい
    読み始めて直ぐ、捲る手が止まらなくなる。妙にリアルで、真っ直ぐで少し生々しい
    キャラクターを表す時の比喩が面白いなぁと思った
    表題作含む3作全て、もう終わりか…となんだか寂しい思いにさせる
    もっとこの人たちの人生を読みたいって思う

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    2023年05月26日
  • ふる

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    風船に書かれた文字や、壁にかかるふざけた社訓の言葉を巧みに操るのは西加奈子ワールドそのもの。
    西さんが見てる世界では言葉達が意思を持って動き回っているのだろう。

    本書では空から落ちてきたような言葉がたくさん出てくる。
    空から落ちて、わたしたちに降りかかるもの。
    全人類に共通で降りかかるもの。私たちが生まれた時に頂いたものがわかる。

    本の最後、スピードをぐんぐん上げて物語のラストを飾る演出の切れ味は「i 」や「夜が明ける」と似ている。

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    2023年05月05日
  • 窓の魚(新潮文庫)

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    窓の魚

    サラバ!が面白かったのでまた西加奈子を手に取ってみる。今回はサラバ!と比べるとだいぶ難解というか、あまり説明的でないタイプの小説であった。しかしながら、人にはそれぞれ暗部があり、それらを丁寧すぎるくらい、いやグロテスクに描いている。そして、温泉旅館にきた4名の主観と、女性の水死体が出た旅館に居合わせた老夫婦や、女将等の1人称で描かれているため、事実はわからない。一般的な三人称の小説とは異なり、それぞれの欠落感や蟠り、内面が表出しているのか否かは、最後まで描かれないのである。そう言う意味で、人々を解釈を寄せ合うには面白い小説なのかもしれないが、私が現在解釈と言えるものを持ち合わせていな

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    2023年03月21日
  • しずく

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    短編集。話数は6。共通のテーマ「女性2人」。全話愉しく読めた(テーマの縛りがあってひとつもハズレ話がないのはかなり嬉しい)。

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    2023年01月14日
  • こどものころにみた夢

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    怖い夢、儚い夢、おもらしの夢…? 角田光代、石田衣良、島本理生、市川拓司、長野まゆみといった豪華作家らが美しい絵と共に綴る「夢物語」。『小説現代』連載に書き下ろしを加えて書籍化。

    実際に読んだのは文庫本ではなく古いほう。

    石田衣良や穂村弘のお話が印象的でした。そんな私は永遠の肛門期…。

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    2023年01月13日
  • しずく

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    6編の「女ふたり」の短編集。
    どの物語も読んだ後にぎゅっと愛おしさが湧いた。
    今は「木蓮」と「シャワーキャップ」が好き。
    読む人生の時期によって、心を掴まれる作品が変わりそう。
    仲の良い友達に贈りたくなった一冊。

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    2023年01月13日