【感想・ネタバレ】窓の魚(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

温泉宿で一夜を過ごす、2組の恋人たち。静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、無関心なトウヤマ。裸の体で、秘密の心を抱える彼らはそれぞれに深刻な欠落を隠し合っていた。決して交わることなく、お互いを求め合う4人。そして翌朝、宿には一体の死体が残される――恋という得体の知れない感情を、これまでにないほど奥深く、冷静な筆致でとらえた、新たな恋愛小説の臨界点。(解説・中村文則)

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Posted by ブクログ

西さんの中ではかなり純文学よりな一冊だと思う。派手な何かが起きるわけじゃなく(起きるっちゃ起きるのだけど)、静かに温泉旅館での一泊二日が過ぎていく。その間の登場人物それぞれの心の動きと独白をかなり濃密に描写した物語は、ボタンのかけ違いのよう。修復しようにも歩み寄らないと実現できない。修復不可能なまま、凸凹な四人の現在地を炙り出している。

チューニングをミスした楽器が奏でる不協和音を聞いているような不穏な読み心地なんだけど、うわー、人生ってこんなことあるよなーって共感してしまう場面が幾つももあった。

物語は章ごとにナツ、トウヤマ、ハルナ、アキオの一人称独白で展開されるのだけれど、その書き分けがすごい。文体が微妙に全部違っていて、本当にキャラクターそれぞれが綴っているようで、明るくない話なのだけれど心情描写が生きいきとしている。同じ一泊二日が描かれているから「あの時、こいつこんなこと思っていたんだ!」って答え合わせになっているのも面白い。

実は読んだのは二回目。最後のアキオパートのあるシーンがとても印象に残っていて、そこに辿り着いた時、ああ!これこれ!ってなった。褒められるシーンじゃないんだけれど、ある種の鮮やかさがあって爽快。芥川龍之介『蜜柑』や梶井基次郎『檸檬』のような、どんよりした世界から解放される感覚で脳が痺れた。

あらすじ。
温泉宿で一夜を過ごす、2組の恋人たち。静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、無関心なトウヤマ。それぞれ過去に引っ張られ、深刻な欠落を隠し合っている彼らは決して交わることない。食事をし、温泉に入ってもどこか満たされないまま夜は更けていく。そして翌朝、宿には一体の死体が残される──。

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2025年12月03日

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ネタバレ

文章が綺麗。読者の文学力とも呼べるような想像力を持って、より深みの出る作品だと思った。

ハルナ、ナツ、アキオ、トウヤマという春夏秋冬に関する名前のついた2組のカップルが軸に物語が進む。
もう一つ重要なピースである牡丹の女。牡丹の開花期は春である。

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2025年02月16日

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ネタバレ

作者が西さんで、裏表紙のあらすじにひかれて手に取った。
日を空けて少しずつ読んだのだが、これは何度も読み返しても違った味がするやつだと思った。

登場人物それぞれが恋をしていたのかは分からない。し、誰にも共感はできなかった。これが恋愛感情なのだとしたら本当に暗の部分を書かれていたのだと思う。
しかし情景描写はリアルなので神様視点でこの物語の中に没入できた。

謎は謎のままなのでスッキリとはいかないが、解説の中村さんも書かれてたように余韻に十分浸れる作品だと思いました。

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2023年06月28日

Posted by ブクログ

初めて読んだのはまだ制服着てた記憶があるから、たぶん中学生か高校生のとき。
やっと登場人物と同じくらいの年齢になって読んでみる20代後半になってみないとわからない価値観とか感受性とか羨望とか審美とかを携さえて読んだこの短編はもう溜息つきたくなるくらい綺麗だった。
綺麗とか怖いとかって気持ちは便利な形容詞って機能で表現してしまえるからこそぼやけてしまうこともあるけど、表情・空気・景色・温度・記憶・五感にまつわるありったけの表現を動員して非現実的な雰囲気を生々しく描ける西加奈子さんの表現力はもう読み切ったら頭の中全部持っていかれるくらい世界に没頭させてくれる興奮剤でもあるし鎮静剤みたいな力を持ってる。

「窓の魚」で描かれる生と死、美と醜、高慢と偏見、静と動、性と愛と憎悪すべてが、ガラスケースにしまって照明当てて少し離れて座って何時間でも眺めてたくなるくらい繊細で綺麗なものに見える。

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2023年02月26日

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同じ時間を4人の視点から繰り返し語り、丁寧に詳らかにしていく作品。
お互いがお互いに対して思っていること、その場の状況の理解が、こんなにもズレているものなのかと情けなくもなる。それでも一体であり続ける4人。ずっとこんな感じなんだろうな、きっと4人だけではなくて、人と生活を共にするというのは、こうした見えないズレが無数にあって、それでもなんとか形が維持されていくものなんだろうなと思う。

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2025年09月15日

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ナツ、トウヤマ、ハルナ、アキオ。
この中で1番心情理解できたのはハルナかな。
それぞれの関係性と物語の結末の意味が理解できなくて、どこにフォーカスして読んだらいいか難しかった。亡くなった女の人は誰だったんだろうってページを進めていったけど、結局この人って分かる明確なものが無い。そこが面白い。読み返してまた分かることもあってこれぞ小説の面白さっていう感じがした。

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2025年07月21日

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ネタバレ

読み終えたのが夕方雨が降ってきたのもあり 暗い余韻にどっぷりと浸かった
結末がはっきりと描かれていないのでそれぞれの関係性や、池に浮かんだ女性も誰なのかとずっと考えてしまう でもこの感じ、、好き(*^^*)

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2025年03月08日

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4.0/5.0

それぞれが秘密の感情を抱える4人の旅行記。同じ事柄が違う視点で語られ、不穏な事件が起こる。
人が持つ感情や、些細な変化みたいなものの描き方がすごく巧みだと感じた。

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2025年03月06日

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全体の話の面白さというより、文章の美しさが魅力タイプの小説だと思う。事件があって推理小説っぽくなるのかなとも思ったが、あくまで恋愛?小説として書かれていた。内容を全て理解できているとは思わないが、読んだ後不思議な気分になる本。そしてそれは不快な気分ではない。

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2024年12月28日

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ネタバレ

昔読もうとしたときに、よくわからず途中で読むのを辞めてしまい長らく積読状態だった。
今は逆に淡々と進む物語が心地よく感じて、感じ方は変わるものだなと思った。

2組のカップルの温泉旅行の様子が4人それぞれの視点から語られる物語。
温泉宿に向かうバスからその日の夜までの出来事が視点を変えて4回語られる
途中に挟まれる別の旅行客のエピソードで、翌朝事件が起こったことが明かされる。
主要人物4人の語りから事件の真相が明かされるかと思ったが、最後まではっきりとした描写はなかった。
なぜ事件が起きたのか、ナツとトウヤマの関係は、トウヤマと牡丹の女性の関係は、、なんとなくわかるようでわからないままのことが多く、不思議な読後感だった。

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2024年12月01日

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薄い本なので2日で読み終わりました。丸1日時間があれば1日で読み終わるかと思います。

結末を丸投げされるタイプの本や映画やドラマは苦手なんですが、この本は考えながら読み進めるも新しい展開が起こったりで考えっぱなしで手が止まりませんでした。とてもワクワクしました。

皆さん仰ってるように読み終わった方の色んな考察を聞きたい!!!私的にはトウヤマはクズ男なキャラクターですが、でもある意味1番人間味が強いというか1番人間らしい普通の人な気がします。

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2024年07月09日

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自分のことは自分しかしらないー

あの時の表情、態度、言葉。
相手からは自分の本性なんて見えないんだ。

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2024年06月11日

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ネタバレ

私の家、まだ読んでない所謂積ん読本を1ヵ所にまとめていて新しいのを読むときはその中から適当に選んでる。そんで文庫本はすぐブックカバーに入れる。ボーッとしてる時はあらすじを読まないで本を決めてる。
この本はボーッとしてる時に選んだらしく、「恋愛小説だ~」と思って読み進めていたら死体が出てきて、「ミ、ミステリーだーーーー!!」と大喜びしてしまった。読み終わってブックカバー取ったら後ろのとこにちゃんと死体のこと書いてた。うふふ。

耳を舐める描写が好きすぎたな。
アキオが一番気持ち悪いかな~と思ったけど全員いい感じに気持ち悪くておもろい。
でもナツはクスリ飲まされてたからあんな感じだったわけだよね……?優柔不断というか意思がないというか自分がないというか……そういう人間だからクスリ飲まされてることも分からないのか?
だってハルナはそのクスリを少し飲んで、その効果に怖くなってすぐに飲むのをやめたわけだし。ハルナの強気な感じは好きだけど、クスリだとか買い物依存症っぽい感じは怖いな。美に対する執着はまあ、分からんでもない。
トウヤマはこえーよ。なんかシンプルに怖い。
でもアキオも怖かったからなぁ。

おもしろかった!みんなのその後が気になるけど。
でもまあ、どうにもならんのやろうな。トウヤマは変わるんかな。でもハルナはきっとトウヤマを捨てるし。そうするとトウヤマも追わないだろうし。
アキオとナツはどうなるんだろう。ナツに思いっきりアキオをぶん殴ってほしいが、あそこはずるずる続いていくのかな。別れてくれ~~~!!

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2024年06月10日

Posted by ブクログ

4人それぞれのコンプレックスや特異性が、多様な視点から描かれており、もう一度すぐ読み返すとより深く理解できる作品でした。みんなの不思議な言動も、当事者の章を読むと腑に落ち、少し同情の気持ちも湧いてきます。自分だけでなくみんな何かしら抱えて生きているものだから、一生懸命生きようと思います。

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

西加奈子には珍しいようなミステリー的要素もある一冊。しかし全体的に抽象的、比喩的な表現が多く、ミステリーとして読むと、謎が明らかにならない消化不良感がもやもやするかもしれません。
自分にないものを持っている他者への嫉妬や、自分よりも弱く醜い存在への歪んだ愛情など、登場人物全員がそれぞれに脆弱性が秘めていて、不安定な危うさが美しい作品でした。

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2024年03月25日

Posted by ブクログ

気がつくと、ひんやりと冷たくておどろおどろしい
世界観にどっぷり浸り、一気に読み終えました。
西加奈子さんの本は何冊か読みましたが、今までの読んだエネルギッシュな世界観とは全然違う。こういう静かに真綿で締め付けられるような怖さの内容も書かれるのか!と少し驚きました。

もう一度読み返して、丁寧に紐解いて、それぞれのキャラクターの感情を味わいたいです。

好きです。

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2024年03月23日

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初の西加奈子、とても好みだった 旅先の描写はもちろん人に対して不安定に抱く暴力的な衝動の捉え方がうますぎる

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2024年01月17日

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妖艶で幻想的でいて、静かに黒い不気味さも含む。
彼らの欠陥とズレが、各々の視点を追うごとに明確になっていき、ゾクゾクする。
いくつかの謎に思い巡らせ、雰囲気も相まって余韻がずっと続いています。

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2023年07月20日

Posted by ブクログ

窓の魚

サラバ!が面白かったのでまた西加奈子を手に取ってみる。今回はサラバ!と比べるとだいぶ難解というか、あまり説明的でないタイプの小説であった。しかしながら、人にはそれぞれ暗部があり、それらを丁寧すぎるくらい、いやグロテスクに描いている。そして、温泉旅館にきた4名の主観と、女性の水死体が出た旅館に居合わせた老夫婦や、女将等の1人称で描かれているため、事実はわからない。一般的な三人称の小説とは異なり、それぞれの欠落感や蟠り、内面が表出しているのか否かは、最後まで描かれないのである。そう言う意味で、人々を解釈を寄せ合うには面白い小説なのかもしれないが、私が現在解釈と言えるものを持ち合わせていないのが正直なところである。

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2023年03月21日

Posted by ブクログ

今年100冊目の読書は、この本になりました。
直木賞作家で、なんとぼくと同い年の西加奈子さん。
すごいひと、いるじゃないかと気持ちが引き締まります。

男女四人が宿泊した旅館。
あくる日、ひとりの死体が池に浮かぶ。
いったい、誰が、どうしたのか。
そのような謎が大きくひとつありながら、
四人それぞれの、一人称で語られる四つの章で見られる細部から、
同じストーリーでも、いや、同じ日を過ごした四人でも、
そこで考えていること、感じていること、
話の中身や表情などの受けとめ方なども異なっている、ズレがあることで、
それぞれの人生を感じることができて、
それぞれの人としての重みを感じることができるようになっている。
そこには、たとえば交差点で行き交う人みんなに人生があってドラマがある、
というようなことの具体的な表出があります。

誰かひとりが死んだのだが、
いったい誰が死んで誰が殺したのか、
そもそも他殺なのか自殺なのか。
そこのところについていろいろと多方向へ読者の想像力をかきたてます。
これだけ殺意の契機や自殺の衝動の契機になりそうなものが日常には潜んでいるのかな、
と思わせられるつくりにもなっている。

日常の薄皮一枚の裏には危うさがひそんでいて、
みんなそうなんだよ、っていう感覚を感じる。
当時30歳くらいの西加奈子さんは最初にそういうことを描こうと思って、
これだけの物語を紡いだのだろうか。
だとすると、その企みも構築力も発想もすばらしい。

というか、そんなにみんな自分や他人に「死」を重ねあわせて見てるのか。
あまり意識的に把握できないか、つかんでは逃げていくタイプの感情として
「死」を重ねるものがあるのかなあなんて客観的に考えてみる。
自分はどうだろう、たしかに日によっては「死」を多く日常に重ねて見る日もある…。

にくたらしいことを言う友人にむかって胸の内で「こいつ、死ね!」と思うときもあれば、
もっと軽く、熱い風呂にはいったときに「あっつ!!死ぬ!!」とやるときもある。
それだけ、「死」のイメージというか言葉というかは身近で、
へんな言い方だけれどカジュアルなものなのかもしれない。

それだけ「死」に捉われているのは、
死の強迫観念なのかもしれない。
自分が死んだり近しい人が死ぬのが怖いし、
どれだけ苦しくて痛いのかもわからないし、ましてや最期だし。
「死」になれようとするから、
つまり「死ならし」のために日常の裏にいっぱい「死」への契機があるのかもしれない。

そんなところにまで考えが及んでいくような小説でした。
全章に通して出てくる、すなわち串刺しになっている味付けの猫の鳴き声の伏線などが、
不思議な感じで意味合いとしてわからないからぱーっと解放されるような感覚があって、
そういうのはわりと好きです。
ぼくがそういうのを書くとしたら、意味はあるんだけれど、
書き終わって時間が経つと忘れてしまう類のネタだと思う。

まあ、ぼくはいいです。

そういうわけで、年100冊の読書目標を達成しました。
ぼくの今の環境で100冊くらい読むと、ちょっと読み散らかすみたいな感覚もあります。
もうちょっと穏やかに暮せていたらそういうこともないのですけども。
また、フルタイムで働きだしたりしたら、もっと読めなくなるでしょう。
それでも、限界突破じゃないけれど、ぼくの読書に使う能力が伸びたとは思います。

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2025年07月04日

Posted by ブクログ

最初は何が言いたいの?という感じだったが1つ1つの物語に向かうたびに引き込まれていった。
登場人物4人ともなんとなくフィクションの中でしかいなそうなキャラだが、最後の方には親近感が湧いてきた。不思議な後味の作品。

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2025年10月25日

Posted by ブクログ

2.8
作風が面白くて一人一人の視点から読み進めることで新たな発見がある。4人の人間らしい感情が良かった。

セックスについて「欲望の結果」ではなく「自分が女であることを認めて欲しいという声高な請求」。セックスは性交ではなく自意識の駆け引き。という文に物凄く共感した。
女性は刺さる人多そうなので是非呼んで欲しい。

ただ、ミステリー小説が読みたい時に読む本ではなかった。

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2025年10月16日

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人間は中身がいちばん恐ろしい。
腹の中で考えている本音の部分が少しずつ明らかになって、「君が1番サイコじゃないか!」となった。
大きなどんでん返しがある訳ではないけれど、私はこの終わり方に大変満足。
川の錦鯉がゆらゆらと水中を漂っているような
そんな雰囲気ある作品だった。

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2025年09月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アキオが抱えてる闇が深過ぎた。自分より弱っていて死んでいきそうな生き物に喜びを見出すところとか、ナツに覚醒剤を勝手に飲ませてるところとかが最後一気に明らかになって怖かった。ナツに対してみんなが抱いてる感想(喋らずぼーっとしていて生命力がなさそうなところ)って薬のせいなのか、薬を飲む前からそうなのかが気になった。結局旅館で死んでた人はトウヤマに電話をかけてきた人ってことなのかな…?

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2025年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

男女4人の旅行での夜、翌日旅館での女の死が、ナツ、トウヤマ、ハルナ、アキオと旅館の客や従業員の目線で語られる。
ナツとアキオ、トウヤマとハルナが恋人。
・ナツ:煙草を吸う男と温泉にいたような気がする。→トウヤマと思われる。
・トウヤマ:祖母が好き。ある女から電話がかかってくる。→ハルナのキャバ嬢の同僚?でも娘に渡す金がどこから出てるか分からないハルナの母の方が面白い。と思う。
・ハルナ:買い物依存。母からお金をもらい、整形もしている。アキオに幻覚剤を売り金を得る。
・アキオ:昔から体が弱く、セックスもできない。飼い犬など自分より弱い生き物に愛情を感じる。だからナツに幻覚剤を飲ませる。前の彼女はハルナ。最後にトウヤマと電話していた女と会う。→これが死者と思われる。

他の西さんの小説より純文学より。芥川賞を狙わされて?の作風なのか。解説は中村文則さん。

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2025年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不思議な読後感。一気読みした方が楽しめたかも。

自分より弱い存在を求めるアキオの気持ちが分かるような気がした。男らしさを持たない男性の肩身の狭さも分かるような気がする。女性よりもそういう男性の方が生きづらい社会だろうなぁ。

ハルナとトウヤマは少し前向きな未来が見えるが、アキオとナツはどうなってしまうんだろう?

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2025年04月08日

Posted by ブクログ

アキオ、ナツ、トウヤマ、ハルナのダブルデート。
春夏秋冬にちなんでいるネーミング。
宿泊先の旅館での1日をそれぞれの視点で流れていく。
捉え所のない4人がとても不思議な感じ。
鯉、猫、犬、ビールも登場して、変なテンポで話が進む。ミステリーかな?とも思ったが、これは違う。

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2024年07月27日

Posted by ブクログ

3.2点

前半は抽象的で意味が読み取りにくい文章が続き、読むのをやめようと思った程だったが、我慢して読み進めていると中盤から文章がドライブしてきて流れに乗って読み終えることができた。

4人の登場人物の心情をそれぞれの視点から、且つ抽象度の高い共通項を使って書かれているので仕方ない点もあるとは思うが、なんとも乗り切れない前半が勿体なく感じた。

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2023年12月27日

Posted by ブクログ

とても久しぶりに本を読むので、西加奈子のあっけらかんとした文章をと思ったら、到底あっけらかんとは出来ない一晩の物語だった。この本では「ナーゴ」と鳴く猫より「ニャア」と鳴く猫の方が不吉。

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2023年10月09日

Posted by ブクログ

2組の恋人ーナツ、アキオ、ハルナ、トウヤマが温泉へ一泊旅行に出かける。翌朝、一体の死体が残される。それぞれ立場から話は進み、間に四人以外の人間から事件について語られる。それぞれが何かしら暗部を持ち、他人と関わろうとするのだけど、透明なガラスか何かに遮られているようなもどかしさ。読んだ後に、作品を思い返していると、いろんな感覚が押し寄せてくるような不思議な作品でした。

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2023年02月16日

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