【感想・ネタバレ】窓の魚(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

温泉宿で一夜を過ごす、2組の恋人たち。静かなナツ、優しいアキオ、可愛いハルナ、無関心なトウヤマ。裸の体で、秘密の心を抱える彼らはそれぞれに深刻な欠落を隠し合っていた。決して交わることなく、お互いを求め合う4人。そして翌朝、宿には一体の死体が残される――恋という得体の知れない感情を、これまでにないほど奥深く、冷静な筆致でとらえた、新たな恋愛小説の臨界点。(解説・中村文則)

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

文章が綺麗。読者の文学力とも呼べるような想像力を持って、より深みの出る作品だと思った。

ハルナ、ナツ、アキオ、トウヤマという春夏秋冬に関する名前のついた2組のカップルが軸に物語が進む。
もう一つ重要なピースである牡丹の女。牡丹の開花期は春である。

0
2025年02月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

作者が西さんで、裏表紙のあらすじにひかれて手に取った。
日を空けて少しずつ読んだのだが、これは何度も読み返しても違った味がするやつだと思った。

登場人物それぞれが恋をしていたのかは分からない。し、誰にも共感はできなかった。これが恋愛感情なのだとしたら本当に暗の部分を書かれていたのだと思う。
しかし情景描写はリアルなので神様視点でこの物語の中に没入できた。

謎は謎のままなのでスッキリとはいかないが、解説の中村さんも書かれてたように余韻に十分浸れる作品だと思いました。

0
2023年06月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読み終えたのが夕方雨が降ってきたのもあり 暗い余韻にどっぷりと浸かった
結末がはっきりと描かれていないのでそれぞれの関係性や、池に浮かんだ女性も誰なのかとずっと考えてしまう でもこの感じ、、好き(*^^*)

0
2025年03月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

昔読もうとしたときに、よくわからず途中で読むのを辞めてしまい長らく積読状態だった。
今は逆に淡々と進む物語が心地よく感じて、感じ方は変わるものだなと思った。

2組のカップルの温泉旅行の様子が4人それぞれの視点から語られる物語。
温泉宿に向かうバスからその日の夜までの出来事が視点を変えて4回語られる
途中に挟まれる別の旅行客のエピソードで、翌朝事件が起こったことが明かされる。
主要人物4人の語りから事件の真相が明かされるかと思ったが、最後まではっきりとした描写はなかった。
なぜ事件が起きたのか、ナツとトウヤマの関係は、トウヤマと牡丹の女性の関係は、、なんとなくわかるようでわからないままのことが多く、不思議な読後感だった。

0
2024年12月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

私の家、まだ読んでない所謂積ん読本を1ヵ所にまとめていて新しいのを読むときはその中から適当に選んでる。そんで文庫本はすぐブックカバーに入れる。ボーッとしてる時はあらすじを読まないで本を決めてる。
この本はボーッとしてる時に選んだらしく、「恋愛小説だ~」と思って読み進めていたら死体が出てきて、「ミ、ミステリーだーーーー!!」と大喜びしてしまった。読み終わってブックカバー取ったら後ろのとこにちゃんと死体のこと書いてた。うふふ。

耳を舐める描写が好きすぎたな。
アキオが一番気持ち悪いかな~と思ったけど全員いい感じに気持ち悪くておもろい。
でもナツはクスリ飲まされてたからあんな感じだったわけだよね……?優柔不断というか意思がないというか自分がないというか……そういう人間だからクスリ飲まされてることも分からないのか?
だってハルナはそのクスリを少し飲んで、その効果に怖くなってすぐに飲むのをやめたわけだし。ハルナの強気な感じは好きだけど、クスリだとか買い物依存症っぽい感じは怖いな。美に対する執着はまあ、分からんでもない。
トウヤマはこえーよ。なんかシンプルに怖い。
でもアキオも怖かったからなぁ。

おもしろかった!みんなのその後が気になるけど。
でもまあ、どうにもならんのやろうな。トウヤマは変わるんかな。でもハルナはきっとトウヤマを捨てるし。そうするとトウヤマも追わないだろうし。
アキオとナツはどうなるんだろう。ナツに思いっきりアキオをぶん殴ってほしいが、あそこはずるずる続いていくのかな。別れてくれ~~~!!

0
2024年06月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アキオが抱えてる闇が深過ぎた。自分より弱っていて死んでいきそうな生き物に喜びを見出すところとか、ナツに覚醒剤を勝手に飲ませてるところとかが最後一気に明らかになって怖かった。ナツに対してみんなが抱いてる感想(喋らずぼーっとしていて生命力がなさそうなところ)って薬のせいなのか、薬を飲む前からそうなのかが気になった。結局旅館で死んでた人はトウヤマに電話をかけてきた人ってことなのかな…?

0
2025年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

男女4人の旅行での夜、翌日旅館での女の死が、ナツ、トウヤマ、ハルナ、アキオと旅館の客や従業員の目線で語られる。
ナツとアキオ、トウヤマとハルナが恋人。
・ナツ:煙草を吸う男と温泉にいたような気がする。→トウヤマと思われる。
・トウヤマ:祖母が好き。ある女から電話がかかってくる。→ハルナのキャバ嬢の同僚?でも娘に渡す金がどこから出てるか分からないハルナの母の方が面白い。と思う。
・ハルナ:買い物依存。母からお金をもらい、整形もしている。アキオに幻覚剤を売り金を得る。
・アキオ:昔から体が弱く、セックスもできない。飼い犬など自分より弱い生き物に愛情を感じる。だからナツに幻覚剤を飲ませる。前の彼女はハルナ。最後にトウヤマと電話していた女と会う。→これが死者と思われる。

他の西さんの小説より純文学より。芥川賞を狙わされて?の作風なのか。解説は中村文則さん。

0
2025年06月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

不思議な読後感。一気読みした方が楽しめたかも。

自分より弱い存在を求めるアキオの気持ちが分かるような気がした。男らしさを持たない男性の肩身の狭さも分かるような気がする。女性よりもそういう男性の方が生きづらい社会だろうなぁ。

ハルナとトウヤマは少し前向きな未来が見えるが、アキオとナツはどうなってしまうんだろう?

0
2025年04月08日

「小説」ランキング