西加奈子のレビュー一覧

  • ふる

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    風船に書かれた文字や、壁にかかるふざけた社訓の言葉を巧みに操るのは西加奈子ワールドそのもの。
    西さんが見てる世界では言葉達が意思を持って動き回っているのだろう。

    本書では空から落ちてきたような言葉がたくさん出てくる。
    空から落ちて、わたしたちに降りかかるもの。
    全人類に共通で降りかかるもの。私たちが生まれた時に頂いたものがわかる。

    本の最後、スピードをぐんぐん上げて物語のラストを飾る演出の切れ味は「i 」や「夜が明ける」と似ている。

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    2023年05月05日
  • 窓の魚(新潮文庫)

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    窓の魚

    サラバ!が面白かったのでまた西加奈子を手に取ってみる。今回はサラバ!と比べるとだいぶ難解というか、あまり説明的でないタイプの小説であった。しかしながら、人にはそれぞれ暗部があり、それらを丁寧すぎるくらい、いやグロテスクに描いている。そして、温泉旅館にきた4名の主観と、女性の水死体が出た旅館に居合わせた老夫婦や、女将等の1人称で描かれているため、事実はわからない。一般的な三人称の小説とは異なり、それぞれの欠落感や蟠り、内面が表出しているのか否かは、最後まで描かれないのである。そう言う意味で、人々を解釈を寄せ合うには面白い小説なのかもしれないが、私が現在解釈と言えるものを持ち合わせていな

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    2023年03月21日
  • しずく

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    短編集。話数は6。共通のテーマ「女性2人」。全話愉しく読めた(テーマの縛りがあってひとつもハズレ話がないのはかなり嬉しい)。

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    2023年01月14日
  • こどものころにみた夢

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    怖い夢、儚い夢、おもらしの夢…? 角田光代、石田衣良、島本理生、市川拓司、長野まゆみといった豪華作家らが美しい絵と共に綴る「夢物語」。『小説現代』連載に書き下ろしを加えて書籍化。

    実際に読んだのは文庫本ではなく古いほう。

    石田衣良や穂村弘のお話が印象的でした。そんな私は永遠の肛門期…。

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    2023年01月13日
  • しずく

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    6編の「女ふたり」の短編集。
    どの物語も読んだ後にぎゅっと愛おしさが湧いた。
    今は「木蓮」と「シャワーキャップ」が好き。
    読む人生の時期によって、心を掴まれる作品が変わりそう。
    仲の良い友達に贈りたくなった一冊。

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    2023年01月13日
  • こうふく みどりの

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    不思議な満ち足りた幸福感に溢れている作品だなとかんじた。恋愛の描写に長けていて時折挟んであるサイドストーリーに興味をそそられた。無償の愛とはこのようなものなのだなと感じた。

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    2022年12月17日
  • 通天閣

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    2人の登場人物の視点から、交互に物語が展開していく。最近の小説に多用されているパターン。
    40歳台独身で工場勤務の男性と、20歳代で恋人と遠距離恋愛をする女性。
    自分が大阪で生まれ育ったので、登場する大阪弁が親しみを産み、楽しく読み進めることができた。
    自分のことで精いっぱいで、思い通りにいかず、満たされることのない数々の人生を描いていて、自分に重なるところがあって興味深かった。

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    2022年12月16日
  • 通天閣

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    どうしようもない人達だなと穿った見方をしそうになるが、それぞれの人生であり他人がどうこうつけ入る必要なんてないなと思わされた。特にジジイの存在が良いなと思った。

    通天閣にしか醸し出せないあのチープさというか生々しさがあいまってよかった。

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    2022年12月12日
  • サラバ 上・中・下巻 合本版

    ネタバレ 購入済み

    感想

    自分の信じるものを他人に決めさせてはいけない。
    働き始めて、働くことも遊ぶことともただ生活をすることもあるべき姿におさまるために「すべきこと」として苦しくなっている今、この本を読み終わってもまだ苦しいままだった。なんだよ、結局「良い道」を歩いていくのか。とも思うし、なんだかんだ救われないまま終わるんじゃなくて前を向いてくれてよかったとも思う。
    事実の羅列形式の文章に何回か挫けそうになったけど、ただの事実、つまり、けっして「あるべき姿」じゃない日々の積み重ねにも意味を見出すことができれば、もっと楽になるのかもしれない。いや、楽になりたいと思うことも「あるべき姿」を目指している…?

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    2022年11月08日
  • 字のないはがき

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    ネタバレ

    故・向田邦子さんのエッセイを、角田光代さんと西加奈子さんの二人が現代に甦らせた一冊。

    西加奈子さんの描く絵は生き生きとしていて、いつも見る者に訴えかけるパワーがある。特に西さんの創る力強い色彩に今回も惹きつけられた。

    家族全員が大切に育んだ"ちいさないもうと"への慈しみが愛おしい。
    玄関に並ぶ家族全員のぞうり。言葉はなくても家族みんなの気持ちを、ぞうりの並び方が代弁していてとても印象的だった。さすが西さん、上手い。

    いつもは厳しいお父さんの「げんきな日には、はがきにまるをかいて、まいにちいちまいずつポストにいれなさい」に感心した。お父さん賢い。
    けれど赤い大きな&qu

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    2022年11月03日
  • 字のないはがき

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    向田邦子さん原作、角田光代さん文、西加奈子さん絵という豪華メンバーによる絵本。 未来ある子どもたちに、戦争によって怖くて寂しく辛い思いをさせてはいけない。何気ない日常が続くように、私たち大人は真剣に考えないと…こんな状況だからこそ。

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    2022年10月22日
  • サムのこと 猿に会う

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    なんとなく端っこのほうにいるけどそれを気にしていない人たちが出てきて、こんなんでもいいよなあ、と思えた。西さんが書くキャラクターやっぱり好きだなあ。とても近くにいるようでいない、絶妙な感じが心地よい。

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    2022年10月20日
  • ご本、出しときますね?

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    西加奈子、朝井リョウ、長嶋有…。小説家は普段何を考え、どうやって作品を生み出しているのか。無類の本好き芸人・オードリー若林正恭と作家たちが“自分のルール”を語りつくす。BSジャパンの同名番組を書籍化。

    作家が何を考えているかがうかがえて面白い。

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    2022年10月14日
  • ご本、出しときますね?

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    これ、とても良かったです。
    私がまた読書にはまるきっかけになりました。
    いろいろな作家さんの人柄がわかり、作品に興味を持てます。

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    2022年10月13日
  • サムのこと 猿に会う

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    「あおい」に収録されていた「サムのこと」は、6月に読んだので、「猿に会う」から読んだ。

    少し期間が空いていたので、西さんの本を読むのが久しぶりに感じた。ほっと息つけるような暖かさとユニークな目の付け所に、やっぱり良いなぁ、と思った。

    「猿に会う」のぼんやりした主人公まこ、細い目を気にしているしっかり者のきよちゃん、きよちゃんに憧れる出っ歯のさつきちゃん。
    定職につかない26歳、四捨五入したら30歳の3人の柔らかい大阪弁に癒される。

    主人公のまこが、自分の耳が大きいことに気付いてからが、愛おしい。
    私は立ち耳のひとにぐっとくる節がある。
    以前西さんのエッセイで、立ち耳だと帽子が被りづらくて

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    2022年09月03日
  • こうふく あかの

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    西加奈子さんの作品を立て続けに4冊読んだ。一人の作者に傾倒することはよくあるが、いつもとは違う惹かれ方と感じる。エロスやグロテスクな表現がオヴラートを介さずにストレートだからすんなり入ってくるのだろうか?こうふくのみどりのに続き2つの物語が交互に描かれているが違和感がなく、ラストの着地もgood!

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    2022年08月11日
  • こうふく みどりの

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    中学2年の緑という女の子が大阪の下町でスローテンポで淡々と進むストーリーと思いきや、いきなりカットインしてくる第3者の回帰話…疑問に思うが違和感なく最後まで読み、あとがきを読んであぁそういう物語を描きたかったんだなぁと感じました。西加奈子さんの表現力はどの作品を読んでも素晴らしく、言葉で表すのは難しいですが、自然を擬人化するときの言葉選びが秀逸だと感じます。

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    2022年08月11日
  • しずく

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    西加奈子さんの表現は情景が浮かびいつのまにか物語に引き込む力があります。6つの物語の主人公は女性ですが、男性が読んでも共感するところが多いと感じました。「木蓮」と「シャワーキャップ」をお薦めします。

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    2022年08月10日
  • 通天閣

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    薄汚れた街で惰性で一日を過ごす二人の主人公。この手のストーリーは読むスピードが遅くなったり読むのをやめてしまうこともあるが、気がつけば主人公の目線になって薄汚れた街に立っている錯覚に陥る自分がいる。西加奈子さんの独特な表現力にぐいぐいと引き込まれてしまうのだろう。「今、窓から見る夕暮れは、だらりとだらしない色をして、もう少しで終わる一日を、一刻も早く忘れたがっている。そして早く黒にバトンを渡したいと、そう思っている。すぐにやってきてぐんぐん速度を増し、地上に降りてくる。そしてあっという間に、昼間の何もかもを隠してしまう。」

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    2022年08月09日
  • しずく

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    勿体無くて読み終わりたくない気持ちと、続きが気になり読み進めたい気持ちが入り混じりながら、結果的にあっというまに読み切ってしまった。
    短編小説集。

    どのお話も良くて、あーーー西加奈子大好きだーーー!となりながら読んでいたけど、特にぐっときたのは、「木蓮」と表題作の「しずく」。

    バツイチの恋人の娘に嫌悪感を抱きながらも、恋人に好印象を抱かれたくて距離を詰めようとする話、木蓮。
    エッセイ漫画などでは、連れ子との関係づくりに主人公はさめざめと悩む、という描写を時々目にする。
    だけどこの主人公は、心の中で「くそ、餓鬼が」と暴言吐きまくりなのが、思わず笑ってしまう。
    読者はページを捲る際にどんな結末

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    2022年08月05日