西加奈子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
窓の魚
サラバ!が面白かったのでまた西加奈子を手に取ってみる。今回はサラバ!と比べるとだいぶ難解というか、あまり説明的でないタイプの小説であった。しかしながら、人にはそれぞれ暗部があり、それらを丁寧すぎるくらい、いやグロテスクに描いている。そして、温泉旅館にきた4名の主観と、女性の水死体が出た旅館に居合わせた老夫婦や、女将等の1人称で描かれているため、事実はわからない。一般的な三人称の小説とは異なり、それぞれの欠落感や蟠り、内面が表出しているのか否かは、最後まで描かれないのである。そう言う意味で、人々を解釈を寄せ合うには面白い小説なのかもしれないが、私が現在解釈と言えるものを持ち合わせていな -
-
ネタバレ 購入済み
感想
自分の信じるものを他人に決めさせてはいけない。
働き始めて、働くことも遊ぶことともただ生活をすることもあるべき姿におさまるために「すべきこと」として苦しくなっている今、この本を読み終わってもまだ苦しいままだった。なんだよ、結局「良い道」を歩いていくのか。とも思うし、なんだかんだ救われないまま終わるんじゃなくて前を向いてくれてよかったとも思う。
事実の羅列形式の文章に何回か挫けそうになったけど、ただの事実、つまり、けっして「あるべき姿」じゃない日々の積み重ねにも意味を見出すことができれば、もっと楽になるのかもしれない。いや、楽になりたいと思うことも「あるべき姿」を目指している…? -
Posted by ブクログ
ネタバレ故・向田邦子さんのエッセイを、角田光代さんと西加奈子さんの二人が現代に甦らせた一冊。
西加奈子さんの描く絵は生き生きとしていて、いつも見る者に訴えかけるパワーがある。特に西さんの創る力強い色彩に今回も惹きつけられた。
家族全員が大切に育んだ"ちいさないもうと"への慈しみが愛おしい。
玄関に並ぶ家族全員のぞうり。言葉はなくても家族みんなの気持ちを、ぞうりの並び方が代弁していてとても印象的だった。さすが西さん、上手い。
いつもは厳しいお父さんの「げんきな日には、はがきにまるをかいて、まいにちいちまいずつポストにいれなさい」に感心した。お父さん賢い。
けれど赤い大きな&qu -
-
-
Posted by ブクログ
「あおい」に収録されていた「サムのこと」は、6月に読んだので、「猿に会う」から読んだ。
少し期間が空いていたので、西さんの本を読むのが久しぶりに感じた。ほっと息つけるような暖かさとユニークな目の付け所に、やっぱり良いなぁ、と思った。
「猿に会う」のぼんやりした主人公まこ、細い目を気にしているしっかり者のきよちゃん、きよちゃんに憧れる出っ歯のさつきちゃん。
定職につかない26歳、四捨五入したら30歳の3人の柔らかい大阪弁に癒される。
主人公のまこが、自分の耳が大きいことに気付いてからが、愛おしい。
私は立ち耳のひとにぐっとくる節がある。
以前西さんのエッセイで、立ち耳だと帽子が被りづらくて -
Posted by ブクログ
勿体無くて読み終わりたくない気持ちと、続きが気になり読み進めたい気持ちが入り混じりながら、結果的にあっというまに読み切ってしまった。
短編小説集。
どのお話も良くて、あーーー西加奈子大好きだーーー!となりながら読んでいたけど、特にぐっときたのは、「木蓮」と表題作の「しずく」。
バツイチの恋人の娘に嫌悪感を抱きながらも、恋人に好印象を抱かれたくて距離を詰めようとする話、木蓮。
エッセイ漫画などでは、連れ子との関係づくりに主人公はさめざめと悩む、という描写を時々目にする。
だけどこの主人公は、心の中で「くそ、餓鬼が」と暴言吐きまくりなのが、思わず笑ってしまう。
読者はページを捲る際にどんな結末
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。