西加奈子のレビュー一覧
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やっと読み終わった。読むのに随分時間がかかった。
GOATはさらさのエッセイ目当てでmeetsを買った時に一緒に買って、先にmeetsを読んだんだけど、そっちもいまいち刺さらなくて、でも買ったからとりあえず最後まで目を通そうと思って最後まで読んだけどやっぱり刺さらなくて。
何だろう、テーマが「愛」だから合わなかったのかな。
50にして絶賛厨2病発症中なもんで「愛」というものがなんか説教臭く感じちゃって。
とりあえず収録された中では「違う海にいる」が一番心に残った。他人の新築の家で一番風呂泥棒(そんな発想がなかった。最高にクール)をすることに、思想を持って取り組む主人公がよかった。そして給湯器のリモコンのあの何とも言えない陽気な音が設定で消せることを知った。早速消した。ありがとう。麻布競馬場。 -
Posted by ブクログ
あなたのマイルールは?っていう質問が出演者にたいして投げかけられるのだけど、これが面白い。とても一般的なことを答える方もいれば、え?それってどういうこと?と答えるような内容もある。ただ、どの回答も、よくよく話を聞くと、なるほどそうか。と思う内容で、上っ面でなくきちんと腹に落としたマイルールがあることがすごいなと。
こうしたルールは最初からあるのではなくて、インタビューや内省の過程で形作られているんだろうけれど、きっと作家さんというのはそういう過程をごく自然なこととして普段からされているんだろうな感じたし、その過程と表出した事柄が、私の関心ごとなんだな。って気づけた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ女ふたりがテーマの、短編集です。
タイトルでもあり、単行本刊行時に書き下ろしされた、しずくが一番印象的でした。
ねこ2匹の考えていることが、あまり知能が高くないところが、記憶が曖昧なところが、愛おしい。
喧嘩をしててもそのうち理由を忘れてしまう。離れてしまっても、何かがなくなったことしかわからないけど、その温もりは忘れない。暖かいような切ないようなお話でした。
他にもランドセルは、子供の頃に仲が良かった友達にエレベーターで偶然会い、勢いで旅行の計画をし、ロサンゼルスにいくという突拍子もない話。それでも、女の友情というか、なんとも言えない関係が描かれていて面白かったです。
他のお話も、何度も読んで、その時々で、感じるものが変わって楽しめそうだと思いました。
池澤夏樹さんのスティル・ライフを思い出しました。そんなに訳わからないわけじゃないけど。 -
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女性の身体とその生きづらさをテーマにした8編の短編集。
出てくる女性の芯が強くて、勇気がもらえる1冊。
この作品で書かれた「性的な客体として見られることは受容しなければならないのに、積極的に性を楽しもうとすると、聞くに堪えない言葉で罵られる」という一文には、激しく頷いた。
若さに価値を置く人が多い日本で、年齢を重ねると性的な対象として見られなくなくなることは、私にとってはメリットでしかなかった。
女性であることで暴力的な言葉を投げかけられたり、軽視されたり、搾取されたり。
自分の心が削られる思いをしたことのある女性はたくさんいるだろう。
男性も女性と同じように、そういった苦しさはあると思う。
性別だけでなく、カテゴライズされることで世間から押し付けられる「こうあるべき」も同じ。
性別や年齢、嗜好など何も関係なく、何も押し付けられない、自分でいられる時代がくればいいなと思った。 -
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◼️ 西加奈子「舞台」
演じている、は西加奈子ひとつのキーワードかもしれない。
人はニューヨークに何を感じるのだろうか。また、自意識、というのが意外に強いものだというのは年齢を経るに従って分かってきた気がする。突っ走りと関西弁でいわゆるヘンコ。自意識過剰の若者は、NYで何を見つけたのか。
それなりに高名な作家だった父親のことをしゃらくさい、と言って嫌っている葉太。女にはモテるが演技をされると萎えてしまい長続きしない。その父が死に、遺したお金でNYへ一人旅をすることに。セントラル・パークの有名な芝生、シープ・メドウに着き、念願通り寝転がってお気に入り作家の本を広げたとたん、日本語で「まさか」と書かれたTシャツの白人の男に、目の前で財布、パスポート、スーツケースの鍵など一切合切入ったバッグを持ち逃げされる。葉太は追いかけなかったー。
西さんの作品はよく読んでいる。先日読んだ「おまじない」という短編集と、考え方の点で、繋がってるなあと思った。生活の中で「演じる」こと、生きづらさの中で自己肯定、また自己防衛として発する演技など。
葉太は両親、とりわけ父親に対する嫌悪の情をあらわにし、また、行動のいちいちも、周りの観光客をバカにし、虚勢を張るなど神経質。また霊感が強く、ふつうに霊が見えてしまう特異体質。極端なキャラとして描かれている。
性格には、祖父の葬儀で父親に見下された経験、誰かと気持ちをわかち合えないこと、人気者の同級生が修学旅行で財布をなくした事態に情けなさを感じ、自分はああなりたくないと思ったこと、などがトラウマ的に影響している。
よく書くが、人間は瞬時に多量の物事を考えている。独りで行動する時、何かと考えが変な方向に行ってしまい、何やってんだというような効率的でない行動を取ったりする。そういった人間のフツーの?生活の部分、自意識過剰な心の動きをことさら強めて描いている感じだ。頻繁に霊を見る葉太のオチは?と思ったらふむ、なるほど、という消化だった。
巻末の対話式解説で、恵まれた者の、無視されがちな悩みを書きたかった、とある。うむ・・この話は最初から葉太はけっこうな考え過ぎの、変な男、という側面が強く出ているし、家族も少し形がおかしく見えるして、んー、シチュエーション的には揃ってるけど、あまり恵まれている印象はなかったかな。
流れも伏線回収も、よく考えられていて、いつも通りちょっとヘンで、途中から難が降りかかり、もう一度アクセルがふかされ、葉太はピンチに立たされる。そして自己の性格と親との関係に向き合う。
コメディ風味の衣に入った純文学っぽさ、これは最近顕著な西さんのテイストだな、と思っている。今作は興味深かったが、もひとつリズムが合わない面もあったかなと。
乗り切れない理由・・実はワタクシNYとかLAとか・・言われてもアラスカ以外のアメリカには興味がない、ということも影響したかも。まあ知識として入れとく場合には悪くないものなのでフツーに読むけど(╹◡╹)
興味深く、テクニカルな物語ではありました。
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