西加奈子のレビュー一覧
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ネタバレ短編集。
わたしがピンチのときに姿を現すようになった「わたし」
ドッペルゲンガーと会うと死んでしまうらしいけれど、わたしの体や心が死にそうになったときに姿をあらわし、わたしを助けてくれた。
その存在に励まされ、引きこもりのいとこや、わたし自身も社会に溶け込んで活躍するまで。
ブスだと言われ育ち、稼いだお金は全て美容整形に使い、完璧な容姿を手に入れたと思っていた矢先に乳がんになり、治療する「あなた」と消滅していく私の存在。
V I O脱毛のレーザーでムダ毛を燃やされてから、日本や世界で起きている理不尽な争いを意識するようになり、最後の脱毛で、外国人担当の人に話を聞いてもらい、数年後知ることになる彼女らしき人のこと。
豊かな胸でグラビアアイドルとして仕事をしていたものの、乳がんで両胸を失ったが、気持ちはとてもすっきりしていたこと。
世界で起きていることや自身のことに興味の薄そうな叔母が、身についたという能力と、人の情事を夜な夜な見て、しょうもないことに付き合う甥であるケイシーのジェンダーのことを一番に受け入れてくれた叔母のアズサ。
カナダで乳がんの日帰り手術をするふみえが思うこと。
散々女性であることへの下品な話で生活してきたママが、フェミニズムに目覚め、女であることで恐怖を抱いてしまった娘のモモと一緒に強く闘うと決めたこと。
客から初めてチェンジと言われたコロナ禍のデリヘル嬢の心の叫び。
長くなっちゃった。女って大変。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ恵まれていることに罪悪感を覚えることを言語化してくれたような作品だった。そう思う時もあればそう思わない時もある。人間は忘れてしまう。別にそれが悪い事でもないけれど。周りと比べてとかじゃなくて自分の体のことだから中絶するとか育てるとかそういう所自分のことは自分で考えて決めるみたいなミナの考え好きだった。わたしも親に対して恵まれすぎてて罪悪感というかこんな教育受けたから反動来てるみたいなこと思ったことあるけど感謝しないとなと思ったし、そんな自分を許容?受け入れることで人生開けるんだろうなとも思う
妊活の描写は心が痛くなった
この世界に生まれた以上同じ地球上に暮らす人についてもっと知るべきだと思わされる世界情勢について考えようと思わされる作品だった -
Posted by ブクログ
実在の店について語られているから、ガイドブックにもなっています。
書き手28名の中には物書きが本職の人もそうではない人も。中にはちょっと鼻につくなぁって感じであまり好きになれない人もいるけれど、総じて楽しい。
余談ですが、数日前に『仮面ライダーゼッツ』でイカつ過ぎるミムラを見たばかりだったので、書き手の中に彼女の名前を見つけたときには笑ってしまった。ごめんなさい。
私は大の酒好きゆえ、ついお酒の章に目が行きつつも、酒だけじゃアカン、美味しいものも食べたい。ほかの章との合わせ技で存分に楽しませてもらいました。
コロナ下でアルコールの提供禁止になったとき、ノンアルコールの一人呑みじゃやっぱり酔えんのよと思いながらも、おかげで読書が捗ったことを思い出します。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ恋愛小説を初めて読みました。
文章がとても特徴的でした。
まったく客観性に欠けていて、主観的に主人公の感情と、主人公のこころに焼き付いた美しいもの、交錯する人間関係ばかりの描写が続きます。事実は必要以下の情報量で、ほんの少し、手がかり程度です。
それが、ぽっかりと非現実的で、まるで背景がほとんどない少女漫画のモノローグを読んでいるような感覚でした。
想像による補完が必要ですが、ふわふわとして曖昧で、主人公が執拗に訴えかける、好きなった相手の美しさ、その他身体描写、暗喩的な色の情報だけですから、自然きれいな像が心の中に浮かんできます。
主人公は自身の美貌を描きません。でも隅々から、彼女がとてもみずみずしく透き通るような肌を持った日本人女性らしい美しい人であることがわかってきます。ところどころ、美しさを破壊するような描写があるからかもしれません。
彼女のまっすぐな愛し方と、そんな愛され方をする相手。
そこに淀む、ほんの少しの自身の不誠実でも突き詰めて清潔でありたがる気持ち、滲む若かった頃のプライド、なりふり構わず動ける厚かましさみたいなものが、なんとなく垣間見えました。
女性が恋を語ることは難しいです。
情熱に任せて溺れたい、と言う気持ちと、高潔に愛したい、と思うことの両立が難しいからなんでしょうか?
でもこの作品は、純粋な恋の仕方とは何か、高潔な愛とは何か、を女性同士で語らうシーンがあります。
とてもピュアな表現で、自分の女性性を自分で捉えたような感触になりました。美しさを誇っていた時の自分の感覚に陥りました。
とても楽しかったです。
特に「清潔な欲望」というシーンは、まさに女が生きることへの讃歌でした。 -
Posted by ブクログ
面白い作品、いまいち私には合わなかった作品、いろいろあって楽しかった。
「嘔吐」がとてもよかった。
本文に書かれていないところまで想像ができて、視点を移すことができて、面白かった。
ただ、気持ちの良い話ではない。
市川沙央さんの「音の心中」がよかった。
痛み・ゆがみを描くのがうまい。
対談が面白くない。
「ポルト」の良さが全く分からない。
読みにくい。
苦痛だった。
佐原ひかりさんの「出せなかった手紙」が切ない。
「チキンピアノ」の描写にひっかかる部分が多い。
言葉の繰り返しが多く、多少の矛盾した表現も含まれていて、気になる。
それでも、最後はよかった。
特別受賞作、なるほど。
「そんなに好きってわけでもない友達」
気持ちが悪い作品。
つまらない人間関係。
でも、心の隙や寂しさにつけこまれることって、多いよね。
ちゃんと独りでいることができる、ということは、とても大切なことだよな、と再確認できた。
【memo】
・ムカサリ絵馬(山形県)
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