西加奈子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
【誰かの夢はときに美しく、ときに恐ろしく、どこか優しさに満ちている――】
5分で読めて心が癒やされる!
文:角田光代、石田衣良、島本理生、阿川弘之、辻村深月、西 加奈子、市川拓司、堀江敏幸、柴崎友香、長野まゆみ、穂村弘、高橋源一郎
絵:網中いづる、松尾たいこ、鯰江光二、木内達朗、吉田尚令、いとう 瞳、中村純司、田雜芳一、望月通陽、ささめやゆき、しりあがり寿
豪華作家陣が文章と絵で綴るショート・ショートアンソロジー!
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本の帯には「5分で読めて、暖かな気持ちに」とあるように、1作品は5分前後で読めてしまう。また「寝る前のひと時にぴったりなショートショートアンソ -
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Posted by ブクログ
大阪ミナミの街を舞台に、2人の主人公の物語が交互に語られていく構成。年齢も性別も違う2人の語り口をしっかり書き分けられていてすごい。
女の子の語り手が、アルバイト先のお店の掃除をしながら店の内装を詳述している場面の記述がものすごく印象に残った。店の様子と同時に女の子の機微が事細かに描かれていて、さらにオーナーがいかに変わった人かということが読者に伝えられていた。
おっさんの語り手は、初めは人付き合いの悪い人物に見えるけど、物語が進むにつれてとても優しい心を持った人であることが明らかになってくる。
世間や人生の厳しさや切なさを鮮明に描くと同時に、きらきら輝いていなくても、1日をただこなしているだ -
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Posted by ブクログ
7年くらい前にこの作品は一度読んだことがあったけど、今回再読。
他人を傷つけないように生きようと必死で、そのことに対して卑怯だという自意識がある主人公の人物像や、「今」という奇跡はもう次の瞬間には失われているというメッセージは、他の西作品にも通じるテーマだった。
この作品は他の西作品に比べて掴みどころが分かりづらい?というか、ふわふわしている作品であることは否めない。実際西さんも、あとがきでこの作品は書き始めから他の作品と違ったと明かしているし、「書く、というより描くことに近かった」と表現している。
他の方の感想で、新田人生とはこれまで自分の人生に関わりを持ちつつも強く記憶には残らない人々の総 -
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Posted by ブクログ
「サムのこと」「猿に会う」「泣く女」の3作が収録された短編集。「サムのこと」は『あおい』で読んでいたので残りの2作のみ読みました。
どちらも嫌な人が出てこなくて、同性間の友情関係を主軸にした作品。
「猿に会う」のまこ、さつきちゃん、きよちゃんの3人はそれぞれキャラが立っていて、ゆるーい内容の会話がほっこりする。終盤の日光旅行前日にまこの妹の妊娠が発覚するという事件が起きたり、旅行中にテレビをつけたらデタラメ占い師が殺人容疑で逮捕されてたりとインパクトが大きい出来事が起こるけど、3人の関係や世界はどこに行っても何が起こってもいつも通りで、周囲から壊されることはない。
太宰治が大好きな堀田とそ -
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Posted by ブクログ
絶対に忘れたくない、心に留めたい、脳裏に焼きつけておきたい瞬間が、今までたくさんあった。
誰かを意図せず傷付けたこと、わかっていたけど頭で思い描いていたより相手に傷ついた顔をさせたこと、どん底にいるような気分の、どうしようもない私を誰かが救い出そうとしてくれたこと、寄り添ってくれたこと。
絶対に忘れない、と思うのに、記憶はするすると抜けていく。薄情な自分。
この本は難しくてわからなかったけど、上述した私の経験と少しだけ交わるところがあったような気がする。
主人公の花しすにだけ見える、白くてふわふわで全員にくっついている丸っこいものは、ふわふわしたこの小説そのものだし、ふわふわしてガッと核 -
Posted by ブクログ
西さんの初期の方の作品。
今まで読んできた西加奈子作品のなかでもかなりコテコテの大阪弁だったにも関わらず、さくさく読めた。
主人公が女系家族で複雑だったり、友達との恋愛をめぐるちょっとした確執だったり、叔父さんが殺されていたり、殺人犯の妻として生きる葛藤だったり、色んな要素を散りばめているのに、読者に本作をさくさく読ませるとはなんたるや…!
なんでかわからないけど、さくさく読めてしまった。
緑の目に映る活字が、括弧書きで何の脈略もなく登場するのが、緑の視線そのものを想像出来て面白い。発想が天才。
中学生の恋愛なんて興味ないのに、私までコジマケンの動向が気になって仕方なかった。
上沼恵美 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
『今まであなたは、いろんな人と関わって、
いろんな人に影響を受けて、与えて、
生きてきて、そしてそのことを忘れてしまって、
でも尚、生きている』
『誰かを愛してるって、強い気持ちがあったら、
その人を傷つけることは、怖くなくなるはず
なんだ』
花しすの考え方や生き方共感できる部分もあった。
忘れてほしくない、けど深く関わって傷つくのも怖い。一方で知らぬ間に自分は誰かを忘れてしまっているし、きっと傷つけてもきたのに。
だからこそ時に相手の望む自分であることや、場の空気を察知して適した言葉や行動をとったり。
現代青年の対人関係の特徴である「ヤマ
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