【感想・ネタバレ】字のないはがきのレビュー

あらすじ

人気2大作家共演! 感動の名作を絵本化。

【教科書にも載っている実話を絵本化!】
このお話は・・・
脚本家、エッセイスト、直木賞作家である
故・向田邦子の作品の中でもとりわけ愛され続ける
名作「字のない葉書」(『眠る盃』所収、1979年講談社)が原作。


戦争中の、向田さん一家のちいさな妹と、
いつも怖いお父さんのエピソードを綴った感動の実話です。
向田邦子さんのちいさな妹・和子さんが主人公。
ぜひお子さまと語り合って欲しい作品です。


【あらすじ】
戦争時代、ちいさな妹が疎開するとき、
お父さんはちいさな妹に、
「元気なときは大きな○を書くように」と、
たくさんのはがきを渡しました。
しかし、大きな○がついたはがきは、
すぐに小さな○になり、やがて×になり・・・。


【直木賞作家2人の夢の共演!】
当代人気作家の角田光代と西加奈子の最強コンビで
美しい絵本によみがえりました。

大の向田ファンで知られる角田光代の渾身の描写と
西加奈子の大胆な構図と色彩をぜひ堪能してください。

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ネタバレ

学生の頃、何かの授業で読みました。国語?道徳?どちらかだと思うんだけど。
授業のこと、基本覚えていない私が、これだけは、よく覚えていました。
どなたの作だったのかは、知りませんでしたが、まさか、向田邦子さんだったとか。
なんの授業だったんだろう。
元気だった妹の弱っていく様子や、お父さんのことをおもうと、なんとも言えない気持ちになったのを覚えています。

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2025年05月14日

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今年の夏くらいのNHKあさイチの「虎に翼」ゆかりの地特集で、紹介されていました。
日中は、絵本専門店で、夜はバーになるお店の店主さんが、この本を読み聞かせしていて気になりました。

最後が、うるっとして良いです。

絵が、西加奈子さんなのですね。それも良い。

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2024年11月27日

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小学校4年生くらいから大人まで
向田邦子さんのエッセイ集『眠る盃』にあるエッセイを 角田光代さんが子供にも理解しやすいように書き直したもので、西加奈子さんがクレヨンで絵を描いていらっしゃいます。どちらも感情に流されることなく 真実だけを書いてあり まっすぐに心に届きました。

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2024年10月07日

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さいしょおくってきた手紙が赤い丸だったけど、そのつぎのてがみからだんだん丸が小さくなっていった丸が、ぜんぶ黒で、なんで赤じゃないんだろうってしんぱいになって、さいごまで読んだらそのいみがわかった。

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2023年12月02日

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向田邦子 原作
角田光代 文
西加奈子 絵
向田邦子さんの戦争体験を豪華な3人が絵本にしてくれました。

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2023年11月07日

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『第1回親子で読んでほしい絵本大賞、大賞受賞作』

 この絵本は、向田邦子さんの、「字のない葉書」(『眠る盃』所収、1979年、講談社)を原作としており、文を書かれた角田光代さんも語っているように、原作が戦争時代の向田さんの家族との思い出を綴ったエッセイということは、日常生活で起こった現実の話ということになる。

 また、原作があるものを絵本にした意義として、普段活字をあまり読まない方や、まだ読むことに慣れていない方といった、より広い層の人達に手に取っていただけることと、絵本の利点の一つである、無駄のない必要最小限かつ明瞭な文体と、それを補填してくれる絵が合わさることで、絵本ならではのジワジワと伝わってくる感動を教えてくれることだと思う。

 そして、西加奈子さんの描かれた絵は、最初、版画のようにも思われたが、表紙の題字の「い」の字に、凹凸感のある紙に書いたような形跡が見られることから、ボール紙に描いたものと見受けられ、そこから感じさせられたのは、一見簡潔そうでありながらも、そこに存在するものが語りかける声が、私には聞こえてくる気がしてしまい、それは、彼女のインタビュー記事の中の、世の中に存在するものたちが、いつかは朽ちてしまうことの尊さを知っていることからも肯けるものがあると共に、ここで語られる向田さんの家族の人生そのものなのであり、そんな儚いものであることを皆知っているから、少しでも納得出来る生き方をしたいのであり、それは、現代も戦争時代も全く変わることのない、全ての人達に与えられた正当な権利だと、私は思う。

 また、西さんの描き方で印象的だったのが、その殆どが物による表現法によるもので、特筆すべきなのが、玄関の上がり框の前に置かれた『草履』だけで人物描写をしていることであり、この同じ視点による描写が全部で三回あるが、特に最後のそれを踏まえてからの、その次の見開きの、草履を履いた足と裸足のままの足との対比には、思わず涙を誘われるものがあり、ここに来て、初めて読み手は、何故お父さんが「ちいさないもうと」に、『げんきな日は、はがきに まるをかいて、まいにち いちまいずつ ポストにいれなさい』と言ったのかが、身に染みて痛感させられることになるのである。

 表紙の印象的なたんぽぽの絵は、「ちいさないもうと」を象徴しており、それは、見返し一面と本編にも描かれているように、その存在がどれだけ大切なものであるのかが、よく分かると共に、人を花に擬えることが、その人にとって、どれだけかけがえのない愛情を込めているのか、深く感じ入るものがあって、その同一視は、人の存在や生き様も、花同様に美しいものであることを言っているようであるのが、また身に染みる愛おしさを感じさせるが、そんな愛おしく尊い存在である、花も人間も全て破壊し、無くしてしまうのが戦争であることを、私達は決して忘れてはいけない。

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2023年11月03日

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《本屋》【再読】疎開した小さな妹が、葉書に、丸で元気か、家族に伝える。ついに、✕が、届いた時、病気になっていた。帰ってきた妹見た父は!原作、文、挿し絵、なかなかないコラボで、贅沢な絵本。

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2023年07月19日

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4年生が国語で「一つの花」を勉強しているので、これを読み聞かせ。
向田邦子さんの妹さんの話。
子どもが真剣に聞いてくれて嬉しい。
担任の先生がボロ泣きしてくれて嬉しい。

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2023年06月30日

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ネタバレ

戦時中の向田邦子さん家族を描いた絵本。
向田さんの一番小さい妹も疎開することになり、お父さんは「元気な日はマルを書いて、毎日1枚ずつポストに入れなさい」と葉書を渡します。 この時期になると、手に取る一冊です。

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2022年08月14日

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ネタバレ

原作・向田邦子さん、文・角田光代さん、絵・西加奈子さんという豪華な顔ぶれの絵本が出たと知ったときから手に取りたかった一冊。
ストーリーは知っていましたが、どんな絵になるのか、装丁になるのか興味しんしんでした。
西さんの絵が温かみがあってしみじみ佳いです。

厳しくて怖いお父さんが、小さなかぼちゃを取ってしまったらいつもは怒るお父さんが、小さくなった小さな妹をだきしめて、おおんおおんと泣くシーンは何度読んでも涙が出ます。
悲しみややりきれなさ、戦争に対する理不尽さも込められた泣き声なのではないでしょうか。
読後、表紙の可憐なたんぽぽにまた涙が誘われてしまいます。

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2021年10月16日

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ネタバレ

戦争時代の向田さん家族の話。普段、家族の前では弱いところを見せないお父さんが妹の無事をとても心配されていて「おうおう」と泣かれた場面に、読んでいる私も涙が出ました。戦争が終わってからその葉書の事は思い出される事はなかったのですね。思い出したくない辛い日々だったのだと思います。戦争は嫌ですね。

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2021年08月12日

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「字のないはがき」、向田邦子さんのエッセイ「眠る盃:1979年」で既読ですが、本書は直木賞作家3人のコラボの絵本です。向田邦子(1929~1981)原作、角田光代(1967~)文、西加奈子(1977~)絵です。豪華です。戦時中、田舎に疎開した一番下のまだ字が書けなかった妹の和子さんへの家族5人の思い、特に厳格だったお父さんの優しさが胸を打ちます!

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2020年02月08日

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「向田邦子=原作」はもちろんだし、「角田光代=文」も解るけど、「西加奈子=絵」で少々混乱。絵を任せちゃうんだ、という驚き。しかしながら、クレヨンで描かれた西さんによる絵は登場人物の表情を(と言うか最早上半身すら)描かない徹底っぷりで、解像度の高さを感じた。

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2024年11月06日

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どこかで物語自体は読んだことがあった、いつかの教科書かな。原作は戦争時代の向田邦子さんの家族との思い出を綴ったエッセイ。そちらをもとに文を角田光代さん、絵を西加奈子さんが担った絵本。この話が現実にあったということが戦争の悲痛さをより一層感じさせる。表紙にもなっているたんぽぽは「ちいさないもうと」を象徴しているとのこと。平和に暮らせていることがどれだけ恵まれているのか、普段忘れがちな意識をこの本は思い出させてくれる。

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2024年10月14日

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ネタバレ

読んだことがあるような気がするのだけど、思い出せない。

戦争で小さな妹が疎開して、父親が宛名だけを書いたはがきを渡す。妹には○か×を書くように伝えて、最初の日は大きな○のハガキが届く。それがだんだん○が小さくなり×になり……。

少しドキドキしてしまったけど、最後は妹は大きくなったという話。


文字もまだ書けない小さな子供すら疎開しなければならない状況になる悲惨さ。ひどい風邪をひいて隔離されている……ということは、栄養状態も悪く薬もなくて治らない状況。
戦争の悲惨さを書いた絵本なのだろうけど、ちゃんと家族が妹を迎える様が家族の繋がりだけはしっかりと残ってたのかなと。
これ、話の一部らしいのでたぶん前後があるのだろうけど……。これだけで充分と思うものがある。

はがきの○×で伝えるの、分かりやすくていいなと思った。

戦争の話を抜いてもはがきのエピソードの部分だけでも好き←ここだけにすると意味が変わりそう。

ごちそうさまでした。

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2024年03月10日

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 平和を願うための絵本として、手にした作品です。たださんの本棚からの選書、ありがとうございます。この作品は、教科書にも掲載されているのですね…。そして、著者は向田邦子さんと角田光代さん、絵は西加奈子さんという、すごい作品です。

 ストーリーは、戦争末期のある家族に焦点をあてた作品です。戦況が思わしくない日本…いつ爆弾が降下されるかわからない緊迫感と、食糧難からのひっ迫感…街にいた子供たちは次々に疎開していきます。そして、一番小さな妹が疎開するとき、まだ字の書けない小さな妹に父は元気に過ごせたら〇を書いてポストに投函するようにと、沢山の葉書を持たせます…。疎開して最初の葉書には、はみ出さんばかりの大きな赤い〇が描かれていたので、安心していた家族ですが、その後届く葉書には黒い小さな〇、しかもだんだん小さくなっていき、×が描かれた葉書が届いたのち、葉書は届かなくなります…。

 心配で仕方なかったと容易に想像できる両親とその家族…切ないけれど、どうしようもない…。こんな悲しい思いをしている家族がどこにでもあった時代…ううん、今だって、世界を見渡せば悲しい思いをしている家族もいる…。読んでいて心が痛かったです…。西加奈子さんの描いた絵はクレヨン画のような感じで、この作風にぴったりです。タンポポのお花は小さな妹を表しているらしいですね…。どこにいても家族を思う気持ちは尊いもの…平和で争いのない社会で、家族一緒に過ごせることが当たり前の世の中になるよう願いたいです。

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2023年11月09日

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ただ事実を述べているだけなのに、とても伝わる。
絵も、ただ私の見ていたものを描いているようで、心を掴む。
戦争ものはどうしても苦手な作品が多いけど、詳細に鮮明に描写しなくても伝わるものは多くある。

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2023年07月05日

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ネタバレ

故・向田邦子さんのエッセイを、角田光代さんと西加奈子さんの二人が現代に甦らせた一冊。

西加奈子さんの描く絵は生き生きとしていて、いつも見る者に訴えかけるパワーがある。特に西さんの創る力強い色彩に今回も惹きつけられた。

家族全員が大切に育んだ"ちいさないもうと"への慈しみが愛おしい。
玄関に並ぶ家族全員のぞうり。言葉はなくても家族みんなの気持ちを、ぞうりの並び方が代弁していてとても印象的だった。さすが西さん、上手い。

いつもは厳しいお父さんの「げんきな日には、はがきにまるをかいて、まいにちいちまいずつポストにいれなさい」に感心した。お父さん賢い。
けれど赤い大きな"まる"から始まって、徐々に"まる"が小さくなり、とうとう…"ばつ"?
この✕には正直ドキッとした。
ちいさないもうとの書いた、気持ちのこもった"字のないはがき"。お父さんが大切にずっと持っているといいな。

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2022年11月03日

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向田邦子さん原作、角田光代さん文、西加奈子さん絵という豪華メンバーによる絵本。 未来ある子どもたちに、戦争によって怖くて寂しく辛い思いをさせてはいけない。何気ない日常が続くように、私たち大人は真剣に考えないと…こんな状況だからこそ。

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2022年10月22日

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向田邦子のエッセイを、角田光代が文、西加奈子が絵を書いた絵本。人々の姿を書かずに、下駄や布団、はがきなどで表現している。小さないもうとのことをみな心配している姿が目に浮かんできて切ない。
無駄のない文章で、お話会などにもよいし戦争をテーマにしたところでも取り上げることできると思う。

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2022年07月12日

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大人が泣く。疎開した妹さんのために、かぼちゃをとる場面から、ポロポロきて、お父さん号泣のシーンでは、私も号泣。
子供からは、お母さん、よだれが垂れてるよって言われた。ちがう!涙!

子供には、ピンとこないのかな?
今は、そうであっても、記憶の片隅に入れておいて、成長してから、検索して欲しい一冊。

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2021年09月22日

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ネタバレ

小学生以上向け。
淡々と進む文とベタ塗りのクレヨン絵で想像力がかきたてられる。シンプルがゆえに戦争の辛さがストレートに伝わる。最後は光ある未来が見えて良かった。

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2021年01月19日

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クレヨンで描いているのか、独特の掠れと温かみのある絵がいい。
物と足で表される家族の動向。
切り取られた先の現実を、想像せずにはいられない。
見えにくいけれど、たしかに存在する父の愛が切ない。

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2020年08月21日

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テレビ番組「王様のブランチ」で紹介されているのを見て興味があったので購入。エッセイストの故・向田邦子さんの作品「字のない葉書」が原作で、角田光代さんが「文」を西加奈子さんが「絵」を担当ぢた、直木賞獲得の3者による珠玉の絵本。西さんのクレヨンで書かれた人間味豊かな「絵」に、ボクサーの減量のように削ぎ落とした角田さんの「文」が乗る。短い30ページの中に「魂」と呼べる熱いものを感じれる感動の絵本。

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2020年03月30日

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幼い子供たちも否応なく巻き込まれた戦争。戦争自体はなかなか私達には想像ができないけれど、親子、兄弟の情愛という普遍的な切り口で語られる物語は、不思議なほどすっとしみ込んでくる。

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2019年11月04日

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原作は、向田邦子さん戦争時代の家族との思い出
文 角田光代
絵 西加奈子
下の小さな妹が疎開した時のおはなし
字の書けないまだ小さな妹にお父さんは沢山のはがきを持たせ「元気な日はこのはがきにまるを書いてポストに入れなさい」と渡します
疎開して妹からはがきが届きますが…

いつも厳しく怖いお父さんの涙

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2019年08月29日

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向田邦子さん=原作、角田光代さん=文、西加奈子さん=絵と豪華な顔ぶれで制作された絵本。

絵本の下地となっているのは、戦争時代の向田さんが経験した家族との想い出を綴ったエッセイ『眠る盃』から。

角田さんの文章はシンプルで小さな子供にも解りやすく書かれている。

そのシンプルさと対比するかのようにクレヨンで力強く描かれた西さんの絵が目を引く。

まだ字が書けない小さな妹が疎開する事になり唯一の連絡手段として、たくさんのはがきを持たせた父の心情はどれほど苦しく切なかっただろう。

娘を抱きしめ号泣する父の深い愛情に涙が溢れる。

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2023年02月14日

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戦争の時の疎開する家族にまつわるお話。読み書きのできない妹が「○」で書いていた手紙を「×」にして、やがては届かなくなる描写にまず涙が出そうになり、
疎開から帰ってくる際に、妹を喜ばそうと小さなカボチャまでも収穫して並べ、その様子を普段厳しい父親が怒らないことにもホロってきて、
さらに、痩せ細った妹を見た厳しい父が「おおん」と大声で泣く様が、非常に心揺さぶられた。

子供に読み聞かせたが、子供たちはやはりピンときていないようで、また大きくなって感受性が育ってから読んで欲しいと思いました。

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2021年09月26日

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教科書にも掲載されている向田邦子のエッセイを、西加奈子と角田光代によって絵本化したものだとのことで興味が湧き読んでみました。

一人で疎開してゆく小さな妹の心細さを思い、家族が心を尽くして愛情を注ぐ様が伝わりました。
これが向田邦子の実話エピソードだと思うと心に迫るものがあります。

妹ちゃん、生きててよかったよ。ドキドキしました。

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2020年09月28日

Posted by ブクログ

なるほどなあと思った。字のないハガキ。手紙、ハガキって必要だなあ。

これだけスマホがあって便利に連絡がやり取りできるようになっても、上っ面の文字の数ばかりが増えたような、本当に相手を思いやるやり取りとは何かについて、考えさせられた。

手書きで丸、ばつ、それだけをやり取りなのに、その人が伝わってくる。毎日ハガキを待っている家族の気持ち。そしてポストに投函することで、待っていてくれている人と、つながっているような気持ちになる。

大切な人ができたら、こんなやり取りしたいなあと思った。そして郵便やハガキは、どれだけネットが便利でもなくなってほしくないと思う。

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2019年11月19日

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