あらすじ
人気2大作家共演! 感動の名作を絵本化。
【教科書にも載っている実話を絵本化!】
このお話は・・・
脚本家、エッセイスト、直木賞作家である
故・向田邦子の作品の中でもとりわけ愛され続ける
名作「字のない葉書」(『眠る盃』所収、1979年講談社)が原作。
戦争中の、向田さん一家のちいさな妹と、
いつも怖いお父さんのエピソードを綴った感動の実話です。
向田邦子さんのちいさな妹・和子さんが主人公。
ぜひお子さまと語り合って欲しい作品です。
【あらすじ】
戦争時代、ちいさな妹が疎開するとき、
お父さんはちいさな妹に、
「元気なときは大きな○を書くように」と、
たくさんのはがきを渡しました。
しかし、大きな○がついたはがきは、
すぐに小さな○になり、やがて×になり・・・。
【直木賞作家2人の夢の共演!】
当代人気作家の角田光代と西加奈子の最強コンビで
美しい絵本によみがえりました。
大の向田ファンで知られる角田光代の渾身の描写と
西加奈子の大胆な構図と色彩をぜひ堪能してください。
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Posted by ブクログ
学生の頃、何かの授業で読みました。国語?道徳?どちらかだと思うんだけど。
授業のこと、基本覚えていない私が、これだけは、よく覚えていました。
どなたの作だったのかは、知りませんでしたが、まさか、向田邦子さんだったとか。
なんの授業だったんだろう。
元気だった妹の弱っていく様子や、お父さんのことをおもうと、なんとも言えない気持ちになったのを覚えています。
Posted by ブクログ
戦時中の向田邦子さん家族を描いた絵本。
向田さんの一番小さい妹も疎開することになり、お父さんは「元気な日はマルを書いて、毎日1枚ずつポストに入れなさい」と葉書を渡します。 この時期になると、手に取る一冊です。
Posted by ブクログ
原作・向田邦子さん、文・角田光代さん、絵・西加奈子さんという豪華な顔ぶれの絵本が出たと知ったときから手に取りたかった一冊。
ストーリーは知っていましたが、どんな絵になるのか、装丁になるのか興味しんしんでした。
西さんの絵が温かみがあってしみじみ佳いです。
厳しくて怖いお父さんが、小さなかぼちゃを取ってしまったらいつもは怒るお父さんが、小さくなった小さな妹をだきしめて、おおんおおんと泣くシーンは何度読んでも涙が出ます。
悲しみややりきれなさ、戦争に対する理不尽さも込められた泣き声なのではないでしょうか。
読後、表紙の可憐なたんぽぽにまた涙が誘われてしまいます。
Posted by ブクログ
戦争時代の向田さん家族の話。普段、家族の前では弱いところを見せないお父さんが妹の無事をとても心配されていて「おうおう」と泣かれた場面に、読んでいる私も涙が出ました。戦争が終わってからその葉書の事は思い出される事はなかったのですね。思い出したくない辛い日々だったのだと思います。戦争は嫌ですね。
Posted by ブクログ
読んだことがあるような気がするのだけど、思い出せない。
戦争で小さな妹が疎開して、父親が宛名だけを書いたはがきを渡す。妹には○か×を書くように伝えて、最初の日は大きな○のハガキが届く。それがだんだん○が小さくなり×になり……。
少しドキドキしてしまったけど、最後は妹は大きくなったという話。
文字もまだ書けない小さな子供すら疎開しなければならない状況になる悲惨さ。ひどい風邪をひいて隔離されている……ということは、栄養状態も悪く薬もなくて治らない状況。
戦争の悲惨さを書いた絵本なのだろうけど、ちゃんと家族が妹を迎える様が家族の繋がりだけはしっかりと残ってたのかなと。
これ、話の一部らしいのでたぶん前後があるのだろうけど……。これだけで充分と思うものがある。
はがきの○×で伝えるの、分かりやすくていいなと思った。
戦争の話を抜いてもはがきのエピソードの部分だけでも好き←ここだけにすると意味が変わりそう。
ごちそうさまでした。
Posted by ブクログ
故・向田邦子さんのエッセイを、角田光代さんと西加奈子さんの二人が現代に甦らせた一冊。
西加奈子さんの描く絵は生き生きとしていて、いつも見る者に訴えかけるパワーがある。特に西さんの創る力強い色彩に今回も惹きつけられた。
家族全員が大切に育んだ"ちいさないもうと"への慈しみが愛おしい。
玄関に並ぶ家族全員のぞうり。言葉はなくても家族みんなの気持ちを、ぞうりの並び方が代弁していてとても印象的だった。さすが西さん、上手い。
いつもは厳しいお父さんの「げんきな日には、はがきにまるをかいて、まいにちいちまいずつポストにいれなさい」に感心した。お父さん賢い。
けれど赤い大きな"まる"から始まって、徐々に"まる"が小さくなり、とうとう…"ばつ"?
この✕には正直ドキッとした。
ちいさないもうとの書いた、気持ちのこもった"字のないはがき"。お父さんが大切にずっと持っているといいな。