【感想・ネタバレ】こうふく みどりののレビュー

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この痛みと悲しみとやるせなさをすべて肯定して、あたたかさを添えてくれるのは西さんの文章だなあと、救われながら思う。
そこ抜けの優しさって、格好つけるところなんて微塵もなくて、ほんとはこういうことかもしれないと、強く思ったりした。

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2021年06月18日

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ネタバレ

共感でも俯瞰でもない絶妙な距離感で見る中学生の初恋と失恋。
(ちょっと風変わりだけど)ただの日常といえばそれだけなのに、狂おしいほど好きな場面が随所にあります。
エビフライを尻尾まで食べるコジマケン。
雨宿りしながら、タバコの箱を探す明日香。

全編を通して、張り紙やパッケージの文言が勝手に目に入ってしまう演出でなされる、ごちゃっとした空気感も心地よい。
いちばん好きな作家さんは西加奈子さんですが、西加奈子さんの本のなかでいちばん好きです。

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2017年07月20日

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わたしは東京の人間なので、主人公の家みたいなワチャワチャっとしたオープンなのに、憧れる。女だらけで、人が集まって。
あとは、西さんのモテる女像的なものに、めちゃめちゃ共感した。主人公の淡い初恋にもドキドキしたけれど、それ以上に大人の魅力を持つ女たち、侮れぬ!

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2015年09月20日

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不思議な満ち足りた幸福感に溢れている作品だなとかんじた。恋愛の描写に長けていて時折挟んであるサイドストーリーに興味をそそられた。無償の愛とはこのようなものなのだなと感じた。

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2022年12月17日

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中学2年の緑という女の子が大阪の下町でスローテンポで淡々と進むストーリーと思いきや、いきなりカットインしてくる第3者の回帰話…疑問に思うが違和感なく最後まで読み、あとがきを読んであぁそういう物語を描きたかったんだなぁと感じました。西加奈子さんの表現力はどの作品を読んでも素晴らしく、言葉で表すのは難しいですが、自然を擬人化するときの言葉選びが秀逸だと感じます。

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2022年08月11日

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ネタバレ

重い内容を書いているはずなのに、関西人の自分を客観視する文化が反映されているおかげで重くなりすぎない。
登場する女性それぞれが壮絶な過去を抱えているけど、最後は希望を持たせてくれるエンディングなのでよかった。

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2022年07月08日

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西加奈子さん。関西弁で進んでいくお話なので、はじめ読み進めているときは読めないような気がしていたんですが、関西弁のひらがなの多さがとても良かったです。
作中にでてくるおばあちゃんが、説明しにくいけどとても不思議な力とか雰囲気とかをもっている人で、そういう人っているよなあと思うんですが、なんだかそうじゃないわたしたちってどうやって生きていったらいいかなあと少し途方にくれてしまったような気がします。
西加奈子さんの小説、すごく好きなのだけれど、終わり方がいつもなんだか気に食わない。終わらないでほしいと思っているからかもしれないけど、終わらせにいってしまっている感じがする。

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2021年04月30日

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ネタバレ

先日「G SPIRITS SPECIAL EDITION vol.1
アントニオ猪木」を入手。10年前のMOOKで、これに
ついては改めてちゃんと書きたいのだが、その中に今や
直木賞作家となった西加奈子のインタビューが掲載され
ていた。西加奈子がプロレス好き、というのは周知の事
実なのだけど、何故に世代の全く違う猪木のMOOKに彼
女が・・・?

・・・インタビューを読み込み、その後すぐに2冊の本を
注文。そのうちの1冊がこちらの作品となる。

大阪の下町を舞台としたヒューマンドラマ。
裕福では無いが、何故だか近所の人が集まりがちな家に
住む中学生女子が主人公。祖母・母・叔母・イトコに加
え、2匹の猫、1匹の犬までが女性という少しだけ特殊な
家族と暮らす主人公のそばに、背の高い転校生男子が現
れて・・・という内容。

メインは主人公の日常とその心情描写なのだが、章の合
間に異なった語り部による独白が挿入される、という構
成。タイムラインがはっきりせず、普通ならとっちらか
って解りにくい内容になってしまうのが常なのだが、幾
つかのキーワードで統一感を保っているのは見事。
もちろん、何の関連性も見えない話はラストでキッチリ
繋がる。

僕は「大阪弁の表記」が苦手で、以前に読んだ他の西加
奈子作品でもちょっとしたアレルギーを感じたのだが、
この作品はすんなりと入ってきたどころか、ちょっとし
た心地よさすら感じた。不思議な世界観を有する唯一無
二の作品、とまで思う。

そして、アントニオ猪木という存在が非常に重要。何故
に今までこの作品を知らなかったのか、と自分を責めた
くらい。

この1冊だけでもかなりの完成度なのだが、【こうふく】
は2冊で1作品、ということらしい。
このまま『こうふく あかの』を読むつもりである。

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2021年04月10日

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大阪の人柄がすごい出て、おもしろかった。
緑と並走して出てくる棟田さんは悲しい愛だなと感じた。でも最後は報われてよかった。

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2021年01月27日

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ネタバレ

胸に彫ったAが誰なのか分かるところを夜中に読んでしまったので、緑に激しく感情移入して、悔しくて悲しくて泣いてしまった。
だって、緑の特別な初恋なのに、そらないで藍ちゃん…

明日香との微妙な友情関係とか、おばあちゃんとかお母さんとかのすごく魅力的な人物の特徴とか、初恋の心の描写とか、夫がいるけどずっと孤独に生きていた女性の話とか、面白いものはいっぱいある。

だけど、それ以上にもう、初恋の相手を自分の年上の子供もいるいとこに奪われた(別に緑のものでもなかったけど)ことが、しばらく尾を引く強いパンチだった。。

最終的には自分の子供以上に愛して信じることができない藍ちゃんとコジマケンの関係性は、ビミョーーな、これからどうなるのかしらね、みたいな感じになるけども。

でもやはり、終わりの、猪木の「道」がとてもいい。
行けばわかるさ。

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2019年07月27日

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大阪弁の文体とちょっとアホっぽい行動で軽やかに話は進んでいくけど、内容的には重たい私小説。でも、みんな重たい過去を抱えながらも、全く悲壮感は漂わせず、明るく前に進んでいく姿勢が素敵だ。

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2019年05月11日

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日常にありそうななさそうな話。
みどりちゃんと児島犬の恋模様にキュンキュンした。
こうふくみどりの にふさわしく、ほっこりした。

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2019年01月18日

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ネタバレ

こうふく2部作の1作目

大阪のおばちゃん(候補含む)の生き様が良く描けている。物語の中で世の中を動かすような大きな出来事と言うのはないのだが、日常にドラマは転がっているんだなぁ。主人公(中学生)の老成っぷり、おばあちゃんのカッチョええ生き様、おかあちゃんの達観した生き方、おばちゃんの生々しい香りの描写。どれもこれもがどこにでもいそうな、でも大阪っぽいおばちゃんの在り方が上手く書かれていて、大阪人の俺にはなんとも居心地がよかった。

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2018年06月15日

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西加奈子さんの世界観が物凄く好きだ。
自分は生まれも育ちも関東で大阪にはなんの馴染みもないんだけどなんだか物凄く懐かしい匂いがした。
みんなそれぞれいろんなものを抱えていろんな経験を積んで生きているんだけどそれぞれいろんな幸せの形がそこにはあるんだなと思った。
そして改めて猪木の偉大さが身に染みてわかった。

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2018年05月28日

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みどりちゃん、こじまくんのこと好きだったのにね…
中学生の女の子の、個性的な家族たちや友人たちとの物語。
おかあさん、おばあちゃん、おばさんのあいちゃん、ももちゃん、かみさん、ほとけさん、ぽっくりさん。
そして別の家族の物語もクロスする。

西加奈子さんの世界が心地よくてたまらない。

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2016年11月27日

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なかなか入り込めずにお風呂でちびちび読んでたのが、途中で急におもしろくなってかばんの中に入れた。いつもぐでぐでしているお母さんが時々衝動的にお化粧がしたなるって言ってて、それに対して「お化粧するならパジャマ着替えた方がええで(原文忘れた上に未確認)」と言ったあたりです、おもしろくなったのは。

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2016年06月28日

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みどりを取り巻く環境がとにかく笑いに満ちてるのがいい。女だけの特殊な家庭環境でも人はよく考え、立派に生きているのだなと。

西加奈子さんの作品を読むと関西の適当さと子どもの力強さを感じさせてくれる気持ちになれます。

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2015年07月25日

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大阪の下町の日常、その1シーン。

何かしら男に運がなく、
女5人で暮らす辰巳一家。

西さんらしい、優しい大阪弁と、
目に浮かぶような情景描写で
温かい大阪が描かれる。

不運なことも多く、
それぞれに暗い過去も抱えている一家。
でもとてもこうふく。
素敵な一家。

それは、とてもとても家族を大事にしているから。

どんなことがあっても、
困難があっても、
血の繋がった家族の絆は変わらない。
そんなお話。

理想的な家族愛。

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2013年04月14日

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『こうふくみどりの』— 大阪の街角で織りなす、女性たちの生き様

西加奈子氏の『こうふくみどりの』は、大阪のとある家族を中心に展開される物語で、さまざまな女性の生き様と幸せについての探求を描いています。主要な登場人物は、緑という14歳の少女と、彼女の周りにいる家族や友人たちです。これらのキャラクターたちは、それぞれに複雑な背景と人生の課題を抱え、その解決を模索しながら生活しています。

物語は、新しい転校生コジマケンと緑の出会いから始まりますが、すぐに緑の家族の奥深い人間関係に焦点が移ります。緑の家は常に人が集まる場所で、それぞれの「女」が抱える秘密や過去が徐々に明かされていきます。西加奈子氏特有の関西弁を駆使した会話や、ユーモア溢れる表現は読者を引き込みます。

著者は、緑の母やその周りの女性たちが直面する問題を繊細に描き出しており、女性目線の物語が新鮮で感動的です。また、大阪の町並みや日常のシーンがリアルに描かれ、地元の色彩が物語全体に深みを与えています。

『こうふくみどりの』は、一見普通の日常の中に深い意味を見出すことができる作品です。西加奈子氏は、登場人物たちの内面の動きを丁寧に描き出し、読者にそれぞれのキャラクターの感情を感じ取らせます。この小説は、人生のさまざまな形や、人々が抱えるさまざまな感情を理解するための一冊として、特に女性読者に共感を呼ぶでしょう。繊細でユーモラス、そして心温まる物語は多くの人々に感動を与えるでしょう。

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2024年04月22日

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高校生の緑を主人公として、その家族や友達をめぐる女たちの物語。

ところどころに出てくる手紙や語りが誰の物かは明らかにされないまま物語は進んでいく。

不思議な余韻を持つ物語で、男には、と言うか私には本質的に理解できないものなのかもしれないと思った。

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2023年06月10日

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それぞれの時系列を掴むのに、少し四苦八苦する。少女の感情の揺れがベースで物語が進む。どーやってこの感情を、想像してるんだろうか。

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2023年04月30日

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西さんの初期の方の作品。

今まで読んできた西加奈子作品のなかでもかなりコテコテの大阪弁だったにも関わらず、さくさく読めた。
主人公が女系家族で複雑だったり、友達との恋愛をめぐるちょっとした確執だったり、叔父さんが殺されていたり、殺人犯の妻として生きる葛藤だったり、色んな要素を散りばめているのに、読者に本作をさくさく読ませるとはなんたるや…!
なんでかわからないけど、さくさく読めてしまった。


緑の目に映る活字が、括弧書きで何の脈略もなく登場するのが、緑の視線そのものを想像出来て面白い。発想が天才。
中学生の恋愛なんて興味ないのに、私までコジマケンの動向が気になって仕方なかった。

上沼恵美子は好きだけど、コテコテの大阪のお笑いよりは東京のお笑いが好きで、それは「大阪」と「それ以外」みたいな感じで疎外感を感じてなんだか寂しいから。(海原やすよともこさんなんかは、まさにそう。だからこそ大阪人には深く愛されるのかもしれないけど)
そういうわけて、巻末の西原理恵子さんとの対談には少し不貞腐れたくなるような、軽いヤキモチを妬いてしまったり。

「こうふく みどりの」と「こうふく あかの」と並行して執筆・出版された作品なので、「こうふく あかの」も早く読みたいです。

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2022年08月26日

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ネタバレ

大阪で暮らす人情溢れる一家とその周り人の話。
一家と関わった人は皆んな温かい気持ちになって帰れる。
なにも言わなくてもその空間で過ごすだけでほっと安心できる。
現代では、近所付き合いなど薄れていってしまている様な世の中でなにか懐かしいものを思い出させてくれるようなそんな物語でした。

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2020年08月18日

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西さんの作品はいつも、微熱が高熱になって、そのままラストへ突っ走る感覚があって、でも、この作品はどちらかというと微熱がずーっと続いている感じ。

個人的には、緑の視点で描かれる主要部分よりも、太字で記載されている、女たちの語り部分が好きです。

対談に描かれている「不幸は不幸で、消せずにずっと抱えてゆくけど、それを笑って生きてくような人を、私は小説で描いてゆきたいと思っています」っていうこのスタンスが、西さんの全作品の根っこにはあって、そして、主人公はいつも繊細で、いろんなことを感じて、分かってしまう。緑もそうだ。
でも、まわりにいるいろんな人たちの言葉でもって、最後は笑うんだ。そして、絶対強くなるんだ。
この、「何があっても最後はきっとハッピーエンド感」に、いつも救われる。

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2019年01月24日

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全編大阪弁。
色の名前をもつ女たちの家族のお話。
モテる友達と同じ人を好きになってしまう緑のもどかしさがかわいい。

20161228

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2016年12月30日

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大阪のある一家を舞台にした小説。 最初の1/3はダラダラした感じで読んでしまったけれど、残りの2/3は面白い展開になってきたこともあって一気読み。 話の中心となる一家は女性だけの一家。何かと色々と謂くのついた女性たちの集まりでとても楽しかった。間に挟まる話も物語の展開に上手く絡んできていた。 もう一つの「こうふくあかの」も楽しみ。

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2016年09月08日

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同タイトルで「あか」と「みどり」の二冊。双方の違いは「あか」は純文学で「みどりは」はエンタメと分類。個人的には西加奈子らしさで言えばこちらの「みどり」だろう。関西弁で大阪の女系家族それぞれが抱える問題(ギスギスした)を柔らかく読みやすく書いている。

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2015年11月25日

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女の人って色々イロイロ考える面倒なものだけれど、この小説を読むと、やっぱり次も女がいいかも、と思える。
みんな健やかで強い。

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2015年06月27日

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西加奈子さんの物語は、大阪の匂いが感じられる
あまり行ったことないのに
なんか知っているような気がしてくる(笑)

たくさんの人生の中の
ちょっとした「こうふく」
わたしの中にもある「こうふく」
ちゃんと感じなくちゃ。

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2014年02月17日

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ネタバレ

大阪弁は読みづらい。
でも読んでいる内にはまってしまうかもしれない。
と、思っていたら、案の定はまってしまった。

とっても温かい。
訳のわからない太字の文章が少しずつなんとなく見えてきて、もやもやが晴れたときの爽快感もいい。

『こうふく あかの』も読んでみたい。
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「お前んち、いっつもええ匂いするのう。」そう言った転校生のコジマケンが気になる緑は、まだ初恋を知らない十四歳。夫(おじいちゃん)が失踪中のおばあちゃん、妻子ある男性を愛し緑を出産したお母さん、バツイチ(予定)子持ちの藍ちゃん、藍ちゃんの愛娘、桃ちゃん。なぜかいつも人が集まる、女ばかりの辰巳一家。そして、その辰巳家に縁のある、謎の女性棟田さん。それぞれの“女”が人知れず抱える、過去と生き様とは--。二ヵ月連続リリース第一弾『こうふく みどりの』は、大阪のとある街を舞台に、様々な形の”女のこうふく”を描いた、著者渾身の一作。

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2015年06月03日

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