感情タグBEST3
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忘れんといてな。
今読んでよかった。もっと積極的に生きようと思った。周りの人に与えられたもの、人は影響しあって生きていくこと、忘れたくない。
私の一方的な決めつけは嫌ですか、でもあなたのことが好きです。私たち同じ女じゃないですか。
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書く、というより描く、ことに近かった。イメージ、イメージ、イメージを、なんとか受け止めて言葉にしていった。(あとがきより)
と、西さんがふわふわと書いたというこの物語、わたしもふわふわ、なんとなく、わかる。伝わってる。
能動的に誰かと関わることは怖い。選ばれる側でいることは、関係性において責任を負わずに済む。そうして関わった人たちの前で、わたしはどんな顔をして、どんな言葉を発しているのだろう。
誰もが抱いたことがある「わたしって誰?どういう人間?」という普遍的な問いを肯定してくれているかのような物語だった。
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猫の名前が面白くて好き。カルメンを声出していつのまにうたってしまうところも可愛くて好き。ちょっと難しかったけどふわふわしていた気がする。何個か心に留まった言葉多かったな。会話を録音して聞き返すやつ私もやってるから何だか同じで嬉しくなった。
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「生きる」ということについて、考えさせれらる本。
私も「今、この瞬間」を忘れたくないと何度も思ったことがある。それで実際に記録をしたりはしていないけれど、自分の人生を歩む中で、一瞬で過ぎ去る「今」が、今の私を作り出している。だから1秒でも無駄にしたくないし、「生きている実感をするために」その積み重ねを覚えておきたいと何度も思ったことがある。
でも、私たちは必ず忘れる。
いろんな人に出会って、忘れて、忘れられ、傷ついて傷つきあう。
それはみんなそうで、それが「生きる」ということなのだ と、この本が教えてくれたと思う。
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風船に書かれた文字や、壁にかかるふざけた社訓の言葉を巧みに操るのは西加奈子ワールドそのもの。
西さんが見てる世界では言葉達が意思を持って動き回っているのだろう。
本書では空から落ちてきたような言葉がたくさん出てくる。
空から落ちて、わたしたちに降りかかるもの。
全人類に共通で降りかかるもの。私たちが生まれた時に頂いたものがわかる。
本の最後、スピードをぐんぐん上げて物語のラストを飾る演出の切れ味は「i 」や「夜が明ける」と似ている。
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私、若くないけど飴噛むよなー。しかも5秒くらいで。と思いながら読み始めました。
難しいなー。というのが正直な感想。
書く西さんも手探りだったけど読んでる私も手探りでした。着地点がなかなかみつからなくて。
でもあとがきを読んで西さんの思いがやっと、というかちゃんと伝わってきたのはやっぱり私が女だからかなー。
「全部が自分であり、自分は全部の一部に過ぎない」という言葉がすごく印象的。
そういえば荒川先生の「あるいは"全"あるいは"一"」と意味同じっぽいよなー。なんてことを思いつつ、西さんの描いた「いのち」に引き込まれた私なのでした。
人と人との出逢いって奇跡なんですね。
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「i」の前兆とでもいうべき、いのちの物語序章。
たくさんの人たちとのふれあいを経て、わたしたちは大人になる。空気を読み、それは感情よりも速いスピードでわたしの対応を決定してしまう。あとにのこるのは、わたしはいい子でいられたかなという自問自答ループしかない。その無に抗う方法が、花しすにとっては録音だったのだろう。
いまここを生きよう、いのちを祝福しよう、というメッセージが必死に紡がれていた。
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人を傷つけたくないエゴから衝突を避け、他者に優しいと評価される主人公、池井戸花しす。そんな彼女が生命の偉大さに直面する話。
自分に、他人に素直に生きることの難しさも汲み取れる。
何か分からない白いものというのを初め、綿ぼこりかなにかだろうと思ってしまった(笑)
何か分からない白いものの他、何回も新田人生が出てくるなど不思議全開。でもそれは、生命の計り知れない偉大さを表現する上で必要だったんじゃないかなぁ。
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うーん。なんだかよくわからなかった。結局しろいものはなんだったんだろう。それが落ちかと思って最後まで読んでたからもやっとした。その人のテンションとかそういう感じかな?たくさんでできた新田人生もとくに説明とかなく終わった。最後に伏線回収とかでてくるそういう物語ではなかったんだなあ。だとしたら新田人生は、今までであったけど思い出せない誰かを”新田人生”として一括りにしただけなのかなあと解釈。面白い仕掛けがあると思って読み進めてたからちょっと拍子抜けた。残念。
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読んでいてモヤモヤするが先が気になる話だった。
誰しも弱い面があって主人公がそれに気付きながら変われない自分を客観的に見つめていく。最後の展開でモヤモヤが解消された。
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気持ち悪っ シモの話ばっかり
だけどアダルトビデオのモザイクがけという奇異な仕事が花しすを変えていく
女なのに女性器なんてほとんど見ることは
ないからちょっと興味がある
自分の身体を愛そう!
西加奈子の普遍のテーマである
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なんともふわふわした話。なんてことない日常だけど時々出てくる白いものと新田人生の存在は面白かった。2つの存在が繋がってるってことを際立たせる。いや、感想を述べるのはほんと難しい。
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私のお気に入りの一人の西さんの作品。
相変わらずぶっ飛んだ感じの作品でした。
・・・
タイトルからして「ふる」ってのは頭の中では「振る」?雪が? あるいはあだ名が「ふる」みたいな(古川とか古田)みたいな人が出てくるのかなと思いきやそうでもない。結局タイトルの所以は分からずじまいでした。
・・・
主人公はAVのモザイク掛けが仕事で、周囲の背後霊?というか後光?みたいな白いふわふわが見れるという池井戸花しす(いけいどかしす)。これまた漫才師の片割れみたいなウケ狙い的名前なのですが、物語では割とスルー気味。
関西弁で、周囲と緩く楽しくやってゆきたい花しす、人生の多くのところで新田人生なる人に出会っている。ある時は少年、ある時はタクシー運転手、ある時は同僚。ホラーかよって思うのですが、花しすに人生の道筋を指し示すかのようなちょっとした一言を残します。
ひょっとしたらこれは不思議ちゃんである花しすの自己暗示、幻影みたいなもの、とみなせるかもしれません。
・・・
ということで、西さんによる、つかみどころのない作品でした(淡泊な書きぶりですが、本当にそうなんですよぉ)。
相変わらず、元気な関西弁のなかに独特な美しい日本語表現が潜むのは西流でした。
今回学んだ表現は「香箱を作る」。 猫ちゃんが前足を折り曲げて停泊した船みたいに座るじゃないですか。あれのことを「香箱を作る」「香箱座りをする」というそうです。主人公花しすと同居する猫二匹のことですが、表紙の猫のイラストにも出ていますね。
美しい日本語、つかみどころのない純文学を味わいたい方にはお勧め。
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主人公の花しすら。社交的ではありながらも、相手が望む形で在りたい。自分を余り主張せずに、 受け身であると事が自己も他者も傷付けない、
それがイコール「良い人」とは決して主人公も感じは居ないのだが、どこか潜在的にモヤモヤとしたものを感じる。最終的には今迄、取り留めてた レコーダー、記憶を通して自分の今の存在は他者との繋がりを通しての自分で在り私は私なのだと
確立したのかな。前に読んだ「i」にも何処か似通った作品だと思った。
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7年くらい前にこの作品は一度読んだことがあったけど、今回再読。
他人を傷つけないように生きようと必死で、そのことに対して卑怯だという自意識がある主人公の人物像や、「今」という奇跡はもう次の瞬間には失われているというメッセージは、他の西作品にも通じるテーマだった。
この作品は他の西作品に比べて掴みどころが分かりづらい?というか、ふわふわしている作品であることは否めない。実際西さんも、あとがきでこの作品は書き始めから他の作品と違ったと明かしているし、「書く、というより描くことに近かった」と表現している。
他の方の感想で、新田人生とはこれまで自分の人生に関わりを持ちつつも強く記憶には残らない人々の総称のようなものではないか、という考察があって、自分が言語化できなかったものをズバリ言い当ててもらえた感覚だった。
自分の生き方に疑問を抱いていた花しすだけど、クライマックスでの不思議な体験を通じてそれまで抱えていた悩みから開放されたようで良かった。
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新田人生とは私の人生に関わってくれた、今となっては顔も思い出せない人たちの総称なのかもしれない。
時間軸が行き来する話は好きだし、日付が明確で親切設計だった。
西加奈子の本は今まで数冊読んでいるが、不思議なことがチラチラ起こり、最後にどわーっと一気にわけわからん感じになるのが好きだ。
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絶対に忘れたくない、心に留めたい、脳裏に焼きつけておきたい瞬間が、今までたくさんあった。
誰かを意図せず傷付けたこと、わかっていたけど頭で思い描いていたより相手に傷ついた顔をさせたこと、どん底にいるような気分の、どうしようもない私を誰かが救い出そうとしてくれたこと、寄り添ってくれたこと。
絶対に忘れない、と思うのに、記憶はするすると抜けていく。薄情な自分。
この本は難しくてわからなかったけど、上述した私の経験と少しだけ交わるところがあったような気がする。
主人公の花しすにだけ見える、白くてふわふわで全員にくっついている丸っこいものは、ふわふわしたこの小説そのものだし、ふわふわしてガッと核心に迫れなかった、迫りたくなかった執筆当時の西さんの心情なのかな、とか思った。
わからないけど。
わからないけど、去年の5月くらいから私自身もずっとふわふわしていて、毎日ぼんやりと生きている。
何もわからない、自分のこともわからない、この小説のこともわかるようで全然わからない。
でもそれでいい気がしている。
また来年本作を読んだら、また違う解釈をして、またわからなくなるんだと思う。
それでいいと思った。
Posted by ブクログ
『今まであなたは、いろんな人と関わって、
いろんな人に影響を受けて、与えて、
生きてきて、そしてそのことを忘れてしまって、
でも尚、生きている』
『誰かを愛してるって、強い気持ちがあったら、
その人を傷つけることは、怖くなくなるはず
なんだ』
花しすの考え方や生き方共感できる部分もあった。
忘れてほしくない、けど深く関わって傷つくのも怖い。一方で知らぬ間に自分は誰かを忘れてしまっているし、きっと傷つけてもきたのに。
だからこそ時に相手の望む自分であることや、場の空気を察知して適した言葉や行動をとったり。
現代青年の対人関係の特徴である「ヤマアラシのジレンマ」に通ずるなと感じたし、きっと花しすのような子は沢山いると思う。
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ちと難しい。なぜそんな描写になるのか。。
人は忘れていくもの、だからこそ生きて行ける。出会いも別れも、その時は長い時間を楽しみ、悲しんでいたはずだが、人生の中ではほんの一瞬かのように感じる。
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前半は自分には合わなく読むのに時間がかかったが後半から「ふる」の世界に引き込まれ一気に読破した。
姿、性別、年齢、
それらを変えながらもなんども花しすの前に現れる人物。新田人生
人にとって、「人生」とはそんなものなのかな。と思った。
遠くから自分を見つめていて、その存在に時には気づき、時には忘れて、でも忘れたくなくて必死にしがみついている。きっと人生ってそういうもんなんだろうな。と、生きるとはそういうことなんだろうな。と。
P240
愛があれば、誰かを愛してるって、強い気持ちがあったら、その人を傷つけることは、怖くなくなるはずなんだ。
P179
自分たちがなんらかの奇跡の最中にいるような気がして、ならなかった。
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西加奈子さんの描写が好きで、
この作品も相変わらず、普段感じているのに言語化できないモノがたくさん描かれていた。
「なんか、わかる」ような花しすの感情や思考が次々と登場するけど、でも、自分の中でうまく消化はしきれないという不思議な感覚が読んでも読んでも続いていくと言うか。
ただ、この作品は私にとっては特に難解で、あとがきを読んでやっと少し飲み込めると言うか、そういう作品だった。
あと何回か読めば少しずつ見えてくるかもしれないけど、回数だけでなくて経験も必要かもしれない。
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主人公の、香しすという名前からして独特。
いい意味で理解しがたい、フィクション感が強い作品だった。
「今」に縋り付く気持ちはとても共感できた。
オチでいたいという意識も好き。
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不思議な話でした。作者は「いのち」を描きたかったと後書きで語っていたけれど、私は動物でありながら社会性を高く持ってしまった「人間」という生き物についての話だと感じました。
周囲との軋轢を生むのを避け、オチとして、無害な存在としてあろうとしてしまう主人公。優しいと言われるが、それは責任を負いたくないからだと自己嫌悪に陥りつつ、でも心和む日常の瞬間をレコーダーで録音するのはやめられない。色恋からも遠くあろうとしながらも、仕事で女性器と向き合うことは避けられない。人間の女性も動物であるという事実に日々向き合いながら、社会の中でうまく生きていかなければならない自分。おっとりとした主人公が、その事実に気づき、後ろめたくない程よいバランスのあり方を獲得する兆しが描かれ、物語は終わります。
途中ホラーのように何度も同じ名前の人物が現れたり、ファンタジーのような白いふわふわした存在が描かれたりと、要素が散らかっている印象はありましたが、でも謎の真相や主人公の生い立ち、行く末が気になって、一気に読んでしまいました。それらの謎が明快に明かされたわけではありませんので、ミステリーの謎解きのようなスッキリさはありません。自分の在り方と主人公の在り方に重なる部分があって、途中から主人公がうまく行くよう、孤独を抜け出せるよう応援しながら読みました。ショッキングな描写もあるので、あらすじを確認されることをおすすめします。
Posted by ブクログ
私たちにまとわりつく、いのちのこと。その気配や予感とか、色々な感情がふわふわとふってくる。
そんな気持ちになりました。
「新田人生」や「白いもの」が初めは気になっていたけれど、中盤からはそのまま不思議なものとして飲み込めるようになっていた。
他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
言葉にすることが難しい繊細な気持ちを表現してくれる、これこそ西加奈子の作品だ
これを読み終わったとき、自分の人生で関わってきた人達を思い浮かべた
嬉しい気持ちにさせてくれた人、嫌な言葉を言ってきた人、傷つけてしまった人
関わりに深さはあれどなんと多くの人と関わっていたのか、記憶の中の彼らは私の頭の中の彼らでしかないのだが
人間は今を生きており、忘れるし忘れられる生き物
Posted by ブクログ
「私たちは、祝福されている。
誰かの子供として産まれて、いろんな人に出逢って、いろんな経験をして、それを簡単に忘れ、手放し、それでも私たちは、祝福されているのだ。」
とても、心に残った部分。
みんな、生きていていいのだ。
周りの顔色を伺って生きている花しすには、すごく共感できる。
花しす、っていう名前、すごく素敵だなと思った。
Posted by ブクログ
白いものの正体や意味が結局掴みきれなかったけれど、花しすの臆病な部分は理解できました。人を傷つけるのが怖い、誰かのマイナスな記憶に自分を関与させてしまうことになるのが怖い、そんな感情が文になっていることに少し感動した。
時系列がバラバラで、新田人生が結局誰だったのかば分からないままだけど、子供の頃に会った無邪気で痛々しい新田人生に惹かれた。(むしろ分からないことがミソなんだろう)
レコーダーで音声を録って再生しているのは、レコーダーと思うから何故?と思うけど、友達といる時に撮った動画やインスタのストーリーを見返すのと同じようなことなんじゃないかと思う。
あの時のあの空間に存在していた自分を思い出す作業。無駄なことをしているようで、結局過去のあの瞬間を覚えていたい、あそこに存在できた自分を肯定したい、みたいな。
ところどころ共感できて、スラスラ読める作品だつた。
2020.8.9