西加奈子のレビュー一覧

  • 炎上する君

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    今日は病院の日。待たされるのは手持ち無沙汰で気が滅入るので、僕はいつも文庫本を持参する。持って行く本はだいたいいつも決まっている。今回もこの本を。持参するたびに読み返しているものの、意外と内容を覚えていない。じつは苦手な本だった。それでも今日もまた、この本を選んだ。苦手だと言いながら手に取る、いま思うと不思議だ。今日という日が訪れる予感だったのだろうか。
    椎名林檎との対談で作者は「セックスのカードって、どんだけ強いねん‼︎」と言っていた。前後の話の流れは忘れてしまったけれど、その一言だけ覚えている。否定的な発言かと思っていたけれど、この短編集の最初からそのカードを切っていた。そういえば初めて読

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    2025年03月31日
  • 地下の鳩

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    正月読書。初めての西加奈子だけどすごく緻密な感情を書く方だな。とくに表題作「地下の鳩」、主人公のしみったれた感じと哀しさ、恋が所帯染みていく様子、それに抗うけどだんだん飲み込まれていく過程、とても良かった。また忘れた頃に読み直したいな

    ⚫︎あらすじ
    大阪ミナミの夜に生きる人々の光と陰
    暗い目をしたキャバレーの客引きと、夜の街に流れついた素人臭いチーママ。情けなくも愛おしい二人の姿を描いた平成版「夫婦善哉」
    (文春HPより引用)

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    2024年01月05日
  • 窓の魚(新潮文庫)

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    3.2点

    前半は抽象的で意味が読み取りにくい文章が続き、読むのをやめようと思った程だったが、我慢して読み進めていると中盤から文章がドライブしてきて流れに乗って読み終えることができた。

    4人の登場人物の心情をそれぞれの視点から、且つ抽象度の高い共通項を使って書かれているので仕方ない点もあるとは思うが、なんとも乗り切れない前半が勿体なく感じた。

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    2023年12月27日
  • 漁港の肉子ちゃん (1)

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    丸くて元気な大阪弁の母・肉子ちゃんと、しっかり者の小学生のキクりん。
    流れ着いた北の港町で、力強く生きている。
    絵のタッチが柔らかく、好きです。

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    2023年12月24日
  • あおい

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    サムのこと が怒涛の展開だった。読み始めは情景が浮かばなすぎて読み飛ばそうと思ったけど、読み進めるうちにサムのことが気になり出した。周りに影響を与えていないようで与えている人間。いいな。

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    2023年12月18日
  • 舞台

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    自分にはないぐらいの主人公の自意識過剰。
    こういう人って本当に苦しいだろうなって思った。

    ただ、全てを失った人間って強いなと感じた

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    2023年12月07日
  • 舞台

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    ネタバレ

    ⚫︎受け取ったメッセージ
    頭では分かっていても
    苦しみは個別的なもの。

    ⚫︎あらすじ(本概要より転載)
    29歳の葉太はある目的のためにニューヨークを訪れる。初めての一人旅、初めての海外に、ガイドブックを暗記して臨んだ葉太だったが、滞在初日で盗難に遭い、無一文に。虚栄心と羞恥心に縛られた葉太は、助けを求めることすらできないまま、マンハッタンを彷徨う羽目に……。決死の街歩きを経て、葉太が目にした衝撃的な光景とは――。


    太宰治『人間失格』を愛する29歳の葉太。初めての海外、ガイドブックを丸暗記してニューヨーク旅行に臨むが、初日の盗難で無一文になる。間抜けと哀れまれることに耐えられずあくまでも平

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    2023年11月23日
  • ふる

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    なんともふわふわした話。なんてことない日常だけど時々出てくる白いものと新田人生の存在は面白かった。2つの存在が繋がってるってことを際立たせる。いや、感想を述べるのはほんと難しい。

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    2023年11月17日
  • ふくわらい

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    西加奈子氏はいつも1人の人間を追求していくストーリーな気がする
    と、言葉にすると簡単になってしまうが、紆余曲折を経て
    この方は人肉を食べたことがあるのか…?
    と思わせるくらいの生々しいストーリー
    宗教とかとはまた別の次元の西加奈子氏の信念を感じる。

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    2023年11月16日
  • ふくわらい

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    ネタバレ

    鳴木戸定
    1月1日生まれ。マルキ・ド・サドから名付けられた。編集者になる。

    多恵
    定の母親。腎炎が悪化し、定が5歳のときに命を落とした。

    栄蔵
    定の父親。紀行作家だほとんど家にいない。定が12歳のときに死んだ。

    岸田悦子
    多恵が嫁いだ時にいたお手伝いの婆や。

    之賀さいこ
    作家。定が担当編集者。

    あにた博
    作家。定が担当編集者。

    六本木大
    作家。定が担当編集者。

    小暮しずく
    定より1年後に入ってきた編集部員。


    男性社員。

    米永
    40代の男性社員。急に仕事を無断で休み、そのまま会社に来なくなった

    守口廃尊
    守口譲。プロレスラー。1965年生まれ。米永が書籍の担当していた。

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    2023年11月08日
  • あおい

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    西加奈子さんのデビュー作。つたないけれど一番透明な作品です、西加奈子。と帯に書いてあったとおり、危うい位なつたなさが伝わってきたが、それがいいのか、シンプルに心に伝わった。ほんとに素直な作品。

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    2023年11月02日
  • 通天閣

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    ネタバレ

    「40代の男と20代の女が主人公で交互に視点が切り替わりながら物語は展開していく。男は工場勤めでいつも他人を見下す節があるが、自分の人生のコンプレックスを自覚しているからこその八つ当たり的なものをその行動から感じる。多分自分のことが嫌い。女はマメという彼氏と同棲していたが、彼氏が映像家の夢叶えるとのことで、ニューヨークへと単身で留学してしまう。おいていかれたという事実を受け入れられず悲しみを背負いながら、スナックでアルバイトをしている。最終的に男も女も自分の人生を受け入れ、前に進む決意をする」というのが大まかな内容。ありふれた日常を特別なものに感じさせる書き方のできる西加奈子だからこそかけた作

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    2023年10月23日
  • 円卓

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    ネタバレ

    負の言葉が綴られた沢山の紙のメモを浄化してあげるエピソードは主人公の成長が見られて良かった。面白かったが主人公が見る事が出来ない朋美のパートは少し長すぎたか。これから産まれてくる子どもも加わった家族団欒を楽しみにしている事が感じさせられるラストで上手く締められていた。

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    2023年10月15日
  • 窓の魚(新潮文庫)

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    とても久しぶりに本を読むので、西加奈子のあっけらかんとした文章をと思ったら、到底あっけらかんとは出来ない一晩の物語だった。この本では「ナーゴ」と鳴く猫より「ニャア」と鳴く猫の方が不吉。

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    2023年10月09日
  • 炎上する君

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    炎上するのは、
    ネットの世界ではなく、
    本当に人間が燃えるのだ!

    風船人間は
    風船を持っているわけでもなく、
    中に入る訳でもなく、
    人間が膨らんで風船になって
    天の上へ行ってしまうのだ!

    そんな
    奇想天外な発想の短編集。
    ただの不思議なファンタジーではない。
    主人公は
    社会との違和感を感じながら生きている人ばかりだ。

    共感する部分も沢山ある。

    西加奈子さんの優しさが根底にあるから、
    どこか笑えて
    最後には救いがある。

    誰もが優しさや愛情を欲しているんだな、
    私だけではないんだな、と
    痛感。

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    2023年10月03日
  • 炎上する君

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    短編集。ちょっとした待ち時間に読むには良い。面白いかと言われると、私の好みの内容ではなかったのでオススメはしない。独特な世界観の作品ばかりだった。

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    2023年10月01日
  • ふる

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    ネタバレ

    私のお気に入りの一人の西さんの作品。
    相変わらずぶっ飛んだ感じの作品でした。

    ・・・
    タイトルからして「ふる」ってのは頭の中では「振る」?雪が? あるいはあだ名が「ふる」みたいな(古川とか古田)みたいな人が出てくるのかなと思いきやそうでもない。結局タイトルの所以は分からずじまいでした。

    ・・・
    主人公はAVのモザイク掛けが仕事で、周囲の背後霊?というか後光?みたいな白いふわふわが見れるという池井戸花しす(いけいどかしす)。これまた漫才師の片割れみたいなウケ狙い的名前なのですが、物語では割とスルー気味。

    関西弁で、周囲と緩く楽しくやってゆきたい花しす、人生の多くのところで新田人生なる人に出

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    2023年09月13日
  • あおい

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    共感は絶対できない。ただ、こういうふうに素直に生きれる人は羨ましく思うし、近くにいたら認めてあげたいと思う。

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    2023年08月28日
  • ご本、出しときますね?

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    最近オードリーの若林さんにハマっており、たどり着いた一冊です。
    この番組見たかったなー。対談相手の作家さんも好きな人達ばかり!

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    2023年08月26日
  • ご本、出しときますね?

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    ◆心に刺さったワード◆
    ⚫一日の中に締切があると、規則正しく進む
    ⚫中途半端な人こそ自分を天才に見せようとして横柄になる
    ⚫仕事してる間は、自分の内側のことで悩まなくていい。それに、金銭が発生すると「社会に必要とされてる」と思えて、自分のなかの欠落感が埋まった気になる。その「必要とされてる感」を失う怖さ。今仕事がなくなったときに、その欠落とうまく付き合う 技術や、人間 力への自信がない。そこから来る 強迫観念かもしれませんね。
    ⚫強い心は強い肉体に宿る
     

    ◆読んでみたい本◆
    ⚫変な恋愛の短編を集めたアンソロジー 岸本佐知子 『恋愛小説集』
    ⚫肩の力を抜きたい人 森鷗外 高瀬舟
    ⚫世界の実相

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    2023年08月18日