西加奈子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
★4.5!
良かったー!
さすが西さん。
何て言うか、この言葉が面白いとか、
登場人物が、とかそういった細かいことでなく、
描かれている、町が、生活がすき。
描かれていない日常までも想像してすき。
きっと何気ない日常を表現するのがうまいんだろうな、と。
だから世界が見えるし私もそこに住める。
そんな不思議な感じ。
話は戻って、本作品は
こうふく みどりのと、時代や町は一緒だけど、
内容も、人も全然違う、別のお話。
でもあとがきで西さんが言うように、
些細なことで繋がってることを発見したとき、感じたとき、こうふく感を得た。
例えば同じ登場人物が出てきたとき、
あ、この人この前会った!!!
というような、リアルな既視感を感じた。
不思議。
主人公はものすごく物事を達観してる、
一見完璧な人間。
人のことを内心小バカにして、
自分が一番。そんな人。
でも嫌いになれない。
客観視出来てしまう人間にしか分からない寂しさ、切なさがある。
私もそう。
すごく共感できた。
ほんとは周りの“バカな人間“のように、
感情を全面に出したり、
周りを気にせず自分勝手に生きたりしたい。
それでもって周りに好かれるなんて…!!?
心底羨ましい。
そんな感じ。
本編の合間合間に描かれる少しだけ先のプロレスの世界。
これも面白い。
ロマンというのかな?
男っていいなー!
…けど女で良かった!
そう思う作品。
こうふく みどりの とは違った家族愛。 -
Posted by ブクログ
移住先のカナダのコロナ禍での乳がん闘病を書かれたエッセイ。登場人物の会話が関西弁で表現されており、がんとの闘病という重さを軽くしてくれる。
読んでいてふと目についた言葉を抜き出すと次になるか。
P59 「カナコ、がん患者やからって、喜びを奪われるべきやない」 クリスティの言葉
P69 私は弱い。私は、弱い。日々そうやって自覚することで、自分の輪郭がシンプルになった。心細かったが、同時に清々しかった。
P119 私は結局、私が見ることが出来る範囲のものしか見ておらず、見たいものしか見ずに済む環境にいる。
正直、著者である西さんの環境自体が恵まれたものであることは否めないが、病気に対する向き合い方はさほど環境に左右されないだろう。きっかけが何であれ、「生」を見つめ直す機会はあって良いかもしれない。 -
Posted by ブクログ
西加奈子の作品はこれが初めて。
乳がん治療の体験記かと思ったら、がん闘病記というよりも、カナダでの異文化体験談という印象。カナダでの生活に興味がある人には面白いのかもしれない。
多様性を重視するバンクーバーで感じた自由さや人々の親切さは理解できるが、それを日本社会と比較する視点には、やや一面的な印象を受けた。日本の文化や美意識の豊かさを、社会の窮屈さと結びつけることにも疑問を感じる。
ジェンダーや日本の入管制度に対する主張だけでなく、バンクーバーの人々の親切は「愛」、日本人の親切は「情」からくるものだとする、日本を比較し批判するような視点にも違和感を覚えた。
名古屋出入国在留管理局で病死した不法滞在者のスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんについて、「制度に殺された」と日本の制度を痛烈に批判するくだりでは、読み続けるのをやめようかと思った。
カナダは植民地支配の歴史を持つ国であり、日本とは国の成り立ちが異なる。移民問題に関して日本がカナダから学ぶべきことは、むしろその失敗からではないかと思う。
個人的な体験と、そこから導き出される政治・社会への見方は、分けて考えたいと思った一冊。★2.5
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ネタバレ小説家と妻
小説家と幼馴染
幼馴染と妻とその娘たち
小説家とともに逮捕された女
女と親友
いくつかの関係値にある人物が次々と描かれていくお話。人間は一事が万事ではない、ひとつのことでその人のすべてを語ることはできない、といったことがメッセージの核でしょうか。ちょっと長いな…と思ったけど、いやそれが人を書くということなのかとも思い直しました。人間の複雑さや説明のつかなさ、予測不能な感情の起伏などを、それでも言葉で書き切るしかない小説や小説家って、やっぱりどこまでいってもすごいです。
終盤にでてくる、遥とマッカの口論シーンがすきです。YouTubeでご本人を見た後だったからか、完全に西加奈子さんで再生されました。
西加奈子さんVS西加奈子さん
思えば他のいろんなキャラクターも、どことなく西加奈子さんが真ん中にある感じがします。性格設定や置かれている状況は歪んでいながらも、根本的にどこか爽やかでからっとして、ふつふつと強い。根が嫌な人じゃない。もっと壊れてそのままになったり、どす黒く堕ちていってもおかしくないのに、快方に向かうのが早い。それぞれの感情を補足するような( )書きが多用されてて、そのときのキャラが!を使うような少しだけ一辺倒な感じがするからというのもあるのでしょうか。ここにもやっぱり西加奈子さん。でもそれもまた、テレビやYouTubeで見る西加奈子さんのほんのひとつでしかないのでしょうが。
周りにいる人、それが血縁者や友人や、一見遠い意外な間柄の人であっても、大切に繋がっている人がいるというのはいい生き方だなとしみじみ。
読書するとこれを感じることが多く、普遍的なことなんだろうなと、自分の暮らしをかえりみてしまいます。 -
Posted by ブクログ
いろんな人の性への考え方があって、理解できるものもあれば出来ないものもあった。
自分の性に対する考えをもっと整理したいと思った。
藤野可織さんの話は首がもげるほど共感できた。
特に共感した部分。
「私は自分が子どもを望んでいるのかどうかわからなかった。いくら考えてもわからなかった。私は体力がなくて、だいたい無気力で、まともな生活もできず、一般の人よりも劣っていると言う感覚があった。子供なんて産んでしまったら責任のある決定をたくさんしなければいけなくて大変だし面倒だし疲れるだろうと思った。」
「私は、自分をコントロールできるということに振り回されていた。当たり前でありながら得難い素晴らしい権利に気持ちをぐちゃぐちゃにされ、一瞬ごとに子供がいてもいいと思ったりいたら終わりだと思ったりしていた。自分が情けなかった。」 -
Posted by ブクログ
恋にハマっていく人の話を読んでいるというより、聞いているような感覚だった
私は主人公と美登利の会話が一番好きだった
美登利は、自分の都合によってそのものの価値が変わるということに引け目を感じていたけど、共感できるし、私は仕方ないことだと割り切っちゃうな
主人公が、エゴでそのものの価値が変わることを否定せず、そういう自分のエゴをちゃんと認めている美登利を肯定しているのが良かった。
エゴなんてないふりをして一般の意見として批評するより、自分のエゴで「好き」「嫌い」と言うほうがいい、という考え方も、なるほどなと思った
そこからさらに、エゴなんて関係なく心をさらわれるようなものを、芸術家である自分たちは作らないといけない、っていう主人公の強さも良かったな
恋愛に左右されたくないって思ってたはずが、どんどんのめり込んでいって、一見ぶれぶれに見える主人公だったけど、普通に就職することを選択せずに絵を描き続けたり、貯金を切り崩してまでも自分の気持ちを納得させるのに時間を使ったり、最後にはしっかり仕事に向き直っていたり
なんだか強いなと思った
恋愛に限らず、好きなものにとことんなのかな
そして最後の方まで読んで、
やっと表紙とタイトルと内容が結びついた
「白いしるし」って、そういうことだったのか、と
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