西加奈子のレビュー一覧

  • こうふく あかの

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    読んでいる最中は「普通かな」と思ったが、ラストと作者のあとがきがいい!2007年と2039年の二つのストーリーのつながりに感づくことができる人には全く違った景色が見えるのだろう。後先になるが、「こうふく みどり」も読もうと思う。

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    2021年08月21日
  • 地下の鳩

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    二つの物語が巧妙にリンクしながら、過去を背負いながらも、化けている自分と本当の自分はどこに向かうのか、自分の経験に照らせなくてもどこか懐かしい苦しさが沸々とわいてくる物語。

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    2021年06月09日
  • こうふく みどりの

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    西加奈子さん。関西弁で進んでいくお話なので、はじめ読み進めているときは読めないような気がしていたんですが、関西弁のひらがなの多さがとても良かったです。
    作中にでてくるおばあちゃんが、説明しにくいけどとても不思議な力とか雰囲気とかをもっている人で、そういう人っているよなあと思うんですが、なんだかそうじゃないわたしたちってどうやって生きていったらいいかなあと少し途方にくれてしまったような気がします。
    西加奈子さんの小説、すごく好きなのだけれど、終わり方がいつもなんだか気に食わない。終わらないでほしいと思っているからかもしれないけど、終わらせにいってしまっている感じがする。

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    2021年04月30日
  • こうふく みどりの

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    先日「G SPIRITS SPECIAL EDITION vol.1
    アントニオ猪木」を入手。10年前のMOOKで、これに
    ついては改めてちゃんと書きたいのだが、その中に今や
    直木賞作家となった西加奈子のインタビューが掲載され
    ていた。西加奈子がプロレス好き、というのは周知の事
    実なのだけど、何故に世代の全く違う猪木のMOOKに彼
    女が・・・?

    ・・・インタビューを読み込み、その後すぐに2冊の本を
    注文。そのうちの1冊がこちらの作品となる。

    大阪の下町を舞台としたヒューマンドラマ。
    裕福では無いが、何故だか近所の人が集まりがちな家に
    住む中学生女子が主人公。祖母・母・叔母・イトコに加
    え、2匹の猫、1匹の犬までが女性という少しだけ特殊な
    家族と暮らす主人公のそばに、背の高い転校生男子が現
    れて・・・という内容。

    メインは主人公の日常とその心情描写なのだが、章の合
    間に異なった語り部による独白が挿入される、という構
    成。タイムラインがはっきりせず、普通ならとっちらか
    って解りにくい内容になってしまうのが常なのだが、幾
    つかのキーワードで統一感を保っているのは見事。
    もちろん、何の関連性も見えない話はラストでキッチリ
    繋がる。

    僕は「大阪弁の表記」が苦手で、以前に読んだ他の西加
    奈子作品でもちょっとしたアレルギーを感じたのだが、
    この作品はすんなりと入ってきたどころか、ちょっとし
    た心地よさすら感じた。不思議な世界観を有する唯一無
    二の作品、とまで思う。

    そして、アントニオ猪木という存在が非常に重要。何故
    に今までこの作品を知らなかったのか、と自分を責めた
    くらい。

    この1冊だけでもかなりの完成度なのだが、【こうふく】
    は2冊で1作品、ということらしい。
    このまま『こうふく あかの』を読むつもりである。

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    2021年04月10日
  • サムのこと 猿に会う

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    「泣く女」がドストライク! 過去の友人のことを思い出しながら読んでいた。季節が移ろうにつれ、人間関係も移ろっていったことを...。
    どの作品も友がテーマだが、日常の中の非日常で起こることに著者独特の雰囲気を纏わせた素敵な作品でした。

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    2021年03月11日
  • あおい

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    西加奈子さんの作品を読むのはこれが初めて。時を経てデビュー作から手にした。選ばれている言葉がとても素直で、饒舌。そんなこと話す?!というような読んでいてハラハラするというかドキドキするというかそんな感覚に陥った。きっと私の中にある隠したい何かを通りすがりで撫でていかれてような感覚だったように思う。それでいて文章は不思議と優しくて、それを許されているように思えて読後感はスッキリ。性描写もなかなか強烈だったけど、いやらし過ぎなく面白みがあってクスッと笑えて面白い。西加奈子ブームが来そうである。そして、誰かと恋の話をしたくなる(笑)

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    2021年01月27日
  • こうふく みどりの

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    大阪の人柄がすごい出て、おもしろかった。
    緑と並走して出てくる棟田さんは悲しい愛だなと感じた。でも最後は報われてよかった。

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    2021年01月27日
  • 地下の鳩

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    西加奈子版「夫婦善哉」という惹句の表題作…なるほど、そういうことな、と読んでみて納得。

    面白いという感想を持つ小説ではない、純文学っぽいかなと思いつつ、無頼を装う部分もあるなぁとも思う。平たく言ってしまえば、大阪ミナミでもガラ悪い地域でキャバレーの呼び込みをする中年男とスナックのチーママをする中年女の冴えない恋愛物語。有り金全部呑んで食って、ただそれだけの筋だけ追えば醜い話でもある。なのに何かが尊い、こんな人生絶対イヤやけど、最悪かと言われたら最も悪くはない、最低とは思うが…。

    後半収録のもう1作は、表題作にも出てくるおかまバーのママの物語。こっちの方は短編小説らしいしっかりした筋書きを持っていて、紆余曲折もあって、読んでいて得心できる。

    正直だけで生きていけるほど世の中単純じゃない。ウソつくことだって山ほどあるが、自分のついた嘘に忠実に生きるという正直さもあるんだと勇気づけてくれる2編。

    西加奈子らしいなぁ、重みも苦みもあるけど、味わいってそういう雑味も含めて美味いんやな

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    2021年01月25日
  • 字のないはがき

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    小学生以上向け。
    淡々と進む文とベタ塗りのクレヨン絵で想像力がかきたてられる。シンプルがゆえに戦争の辛さがストレートに伝わる。最後は光ある未来が見えて良かった。

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    2021年01月19日
  • サムのこと 猿に会う

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    3作品が収録された西さんの短編集。
    西さんの長編小説は主人公の人生を色濃く描かれていて、読むことにエネルギーを要するものが多い。対して短編は、サラッと読めるが自分にそっと寄り添ってくれるようなメッセージが込められているものが多いと思う。
    サムのことは、登場人物みんなが個性爆発していて、西さんらしさを発揮していた。1人の死が物語の中心にあるけど、暗いというよりは柔らかくて暖かい雰囲気のお話だと思った。

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    2021年01月11日
  • 字のないはがき

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    クレヨンで描いているのか、独特の掠れと温かみのある絵がいい。
    物と足で表される家族の動向。
    切り取られた先の現実を、想像せずにはいられない。
    見えにくいけれど、たしかに存在する父の愛が切ない。

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    2020年08月21日
  • 地下の鳩

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    む。むむむむむ。むむう。なんか、いい。なんかしらんけど、ええなあ。って感じの本でした。不思議な本だな、って。なんかしらんけど、ええなあ。そんな表現が、いっちゃん、しっくりきましたね。自分の中では。うむ。この本、好きです。

    この認識が正しいのかどうかは謎ですが、「うーん、、、ハードボイルド」って、思いました。一読して。こんな感じは、なんだか、自分の中では、ハードボイルドなんだな、って感じ。西 加奈子さん、こんな話も書くんだなあ、ってのが、なんか、驚き。

    関西弁が。というか、大阪弁?が、抜群に良いですね。僕が住んでるのは京都なんで、大阪とはちょっと、言葉が違うのかもしれませんが、この物語で語られる関西弁、というか大阪弁?には、なんだか、嘘偽りのかけらもない、って思いました。マジで自然。マジで普通。

    今すぐにでも、阪急電車に乗って、梅田に行って、駅のベンチに座っていたら、こんな感じの言葉、そこらじゅうから聞こえてくるだろうな、って感じの、ホンマにこの場所に根付いた言葉、って感じ。好きです。

    「かなわんなー!」ではなくて「かなんなー!」なんですよ。「ありがとー」ではなくて「ありがとぉ」なんですよ。この感じ。マジで関西弁、好きなんですよね。

    あと、夜の街の雰囲気。そこで働く人々の雰囲気。バリ出てます。すげえな。って思った。西 加奈子さん、実際に、夜の街で働いたこと、あるんか?ってくらいに、すげえこう「この人たちはマジで生きている」感がヒシヒシと。リアルすぎる。素敵ですね。

    「地下の鳩」
    この話で言うと、みさをが働いている「群」のチーフの女性、すげえ好きです。あの、カメラ持ってる場面、マジで良い。勝手に、このチーフの女性、映画化したらならば。江口のりこに、演じてほしいなあ。とか、思った。合いそうだ。

    あと、主人公?の吉田は、リリー・フランキーが似合いそうだ。なんだか、そう思ったんですよね。みさをは、、、誰に演じてほしいかなあ?ちょっと、直ぐにはでてこないなあ。安藤サクラ?リリー・フランキーと安藤サクラだったら、是枝監督の「万引き家族」やんか!でもまあ、万引き家族は、大傑作だと思いますね。何の話だコレ?

    それにしても、みさをは、何故にあんなに、食べては吐き、吐いては食べ、を、繰り返したんだろう。謎だ。意味不明だ。意味不明だけど、なんだか、まあ、バンバンにリアルなんですよね。いやあ、好きな話だなあ。

    「タイムカプセル」
    苛めはマジでヤバい。という事が、よく分かる。そんな話ですね。というか、苛め、は、絶対に、ある。残酷な話ですが、「苛めた側」と「苛められた側」が、大人になった時。その時に、何を、どう、消化したうえで、大人(らしきもの)に、なっているのか?ということですよねえ。この話も、バンバン好きですね。

    オカマバーには、まだ人生で、一度も行ったことがない。今後も行くかどうか?となると、行かない気がするのですが、ミミィのお店は、好きです。うん。

    それにしても、40歳付近、という年齢で、死を意識するのは、吉田もリリィも、そうなんだよなあ。数百年前は、40歳付近で、人生あっさり終わってても、不思議じゃないわけなんだもんなあ。そう思うと、2020年現在の日本。超高齢化社会。すげえな、って思う。自分も今、42歳なんですが、何だか身につまされました。まだまだ、死にたくねえなあ。でも今後、どんなふうに、生きていこうかなあ、そう考えさせるって意味では、やっぱこの本、読んでよかった。

    西 加奈子。お見事ですね。そんな作品です。いやあ、好きだなあ。

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    2020年07月27日
  • サムのこと 猿に会う

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    忘れていたけど、雨が跳ね上がる瞬間、ラムネな前歯、そして津軽海峡冬景色。
    ふと思い出して切れ端を握る。
    押しつけのない距離感に、こういう人間関係忘れてるなあと、あの無駄にキラキラでダラダラで、ワクワクしかなかった頃を思い出す目線はとてもまぶしい。

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    2020年07月27日
  • サムのこと 猿に会う

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    サムのこと、猿に会う、泣く女の短編。三作品とも関西人が主人公なので、関西弁がすぅーっと入ってくる。心にしみます。いろんな事があっても 日常は変わらずやってくる。本当にその通り

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    2020年07月09日
  • サムのこと 猿に会う

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    「人生の踊り場のようなふとした隙間に訪れる、"何かが動く"瞬間を捉えた初期3作」
    もちろんℹ︎も良かったけれど、本作にはわたしの好きな西さんが詰まっていた。日常の中の小さくて細やかで、流れていってしまいそうな感情の動きを捉え、描く、本当に素晴らしい作家さんだと思う。

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    2020年04月30日
  • 字のないはがき

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    テレビ番組「王様のブランチ」で紹介されているのを見て興味があったので購入。エッセイストの故・向田邦子さんの作品「字のない葉書」が原作で、角田光代さんが「文」を西加奈子さんが「絵」を担当ぢた、直木賞獲得の3者による珠玉の絵本。西さんのクレヨンで書かれた人間味豊かな「絵」に、ボクサーの減量のように削ぎ落とした角田さんの「文」が乗る。短い30ページの中に「魂」と呼べる熱いものを感じれる感動の絵本。

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    2020年03月30日
  • サムのこと 猿に会う

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    やっぱり西加奈子さんのこういう微笑ましい話 
    大好きだなー 
    クスッと笑えて暖かくて優しい気分になる 
    また他のも読み返したいなー 

    友達っていいなー 
    人間っていいなー

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    2020年03月21日
  • 地下の鳩

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    中編2本
    大阪繁華街に住む人のお話
    1本目と2本目で同じ出来事がでてくる
    それが別な人の視点で書かれている
    2本目の話で出来事の原因がわかったり
    それなりにどっちの話も楽しめました
    こういうのはその後のストーリーも
    書けそうなので続きが出たらまた読んじゃうと思います

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    2019年08月27日
  • 地下の鳩

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    ダークな世界での登場人物たちを、嫌悪までは持たないように悪態を表現し、同情まではできないように哀しい人生を描き、現実の人間がそうであるように微妙なテイストで人を綴っていると思った。
    深く読み解けば自分の人生の闇を開けざるを得ないような、そんな展開をサラリと書いているのが反対に心に痛かった。
    西加奈子さんの世界をもっと見たくなる作品だ。

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    2019年08月14日
  • こうふく みどりの

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    胸に彫ったAが誰なのか分かるところを夜中に読んでしまったので、緑に激しく感情移入して、悔しくて悲しくて泣いてしまった。
    だって、緑の特別な初恋なのに、そらないで藍ちゃん…

    明日香との微妙な友情関係とか、おばあちゃんとかお母さんとかのすごく魅力的な人物の特徴とか、初恋の心の描写とか、夫がいるけどずっと孤独に生きていた女性の話とか、面白いものはいっぱいある。

    だけど、それ以上にもう、初恋の相手を自分の年上の子供もいるいとこに奪われた(別に緑のものでもなかったけど)ことが、しばらく尾を引く強いパンチだった。。

    最終的には自分の子供以上に愛して信じることができない藍ちゃんとコジマケンの関係性は、ビミョーーな、これからどうなるのかしらね、みたいな感じになるけども。

    でもやはり、終わりの、猪木の「道」がとてもいい。
    行けばわかるさ。

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    2019年07月27日